STDDEVファンクションは、式の値の標準偏差を計算するファンクションです。
STDDEVは、NASKIPオプションの影響を受けます。NASKIPがYES
に設定されている場合(デフォルト)、STDDEVはNA
値を無視し、非NA
値の標準偏差を返します。NASKIPがNO
に設定されている場合、計算に含まれる値にNA
が1つでもあると、STDDEVはNA
を返します。計算に含まれるすべてのデータ値がNA
の場合には、NASKIPの設定にかかわらず、STDDEVはNA
を返します。
戻り値
DECIMAL
構文
STDDEV(expression [dimensions])
引数
標準偏差を計算する対象の数式。
結果のディメンション。デフォルトでは、STDDEVは単一の値を返します。結果に対し1つ以上のディメンションを指定すると、STDDEVは、指定されたディメンションに対して標準偏差を計算し、値の配列を返します。各ディメンションは、expressionのディメンションであるか、そのディメンションの1つと関連している必要があります。関連ディメンションの場合は、ディメンション名のかわりにリレーションの名前を指定できます。このことによって、リレーションが複数ある際に使用するリレーションを選択できます。
注意
DWMQYディメンションによってディメンション化された式を使用するSTDDEVの使用
expressionがDAY、WEEK、MONTH、QUARTERまたはYEAR型のディメンションによりディメンション化されている場合は、関連dimensionとして、他のどのDAY、WEEK、MONTH、QUARTERまたはYEARディメンションでも指定できます。Oracle OLAPでは、ディメンション間の暗黙的なリレーションを使用します。DAY、WEEK、MONTH、QUARTERまたはYEAR型の一方のディメンションから他方のディメンションへのマッピング(週から月など)を制御するには、2つのディメンション間のリレーションを明示的に定義し、STDDEVファンクションへのdimension引数としてリレーションの名前を指定します。
DAY、WEEK、MONTH、QUARTERおよびYEAR型の関連ディメンションの各期間では、Oracle OLAPは、ターゲット期間に終了するソース期間のデータ値の標準偏差を計算します。この方法は、どのディメンションがより上位の集計期間を保持しているかにかかわらず、適用されます。DAY、WEEK、MONTH、QUARTERおよびYEAR型の2つのディメンションの期間の間における、データの集計または割当て方法を制御するには、TCONVERTファンクションを使用できます。
例
例8-119 月間売上の標準偏差の計算
この例では、1996年の最初の3か月間に販売したテントの平均数と同時に、その平均から標準偏差を計算します。
LIMIT district TO ALL LIMIT month TO 'Jan96' TO 'Mar96' LIMIT product TO 'Tents' REPORT HEADING 'Average' AVERAGE(units month) - HEADING 'Stddev'STDDEV(units months)
これらの文によって生成される出力は次のとおりです。
MONTH Average Stddev -------------- ---------- ---------- Jan96 262.33 49.32 Feb96 247.83 57.37 Mar96 320.50 68.17