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Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05734-03
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10 転送ウィザードを使用したメタデータとの統合

メタデータを他のツールやシステムと共有または統合(あるいはその両方)するためのユーティリティがいくつかあります。この項では、Warehouse Builderオブジェクト・グループの定義を格納するコレクションの作成方法について説明します。転送ウィザードを使用して、オブジェクト管理グループ(OMG)共通ウェアハウス・モデル(CWM)形式で格納されたメタデータをインポートする方法についても説明します。

この項は次のトピックで構成されています。

転送ウィザードの使用

転送ウィザードを使用すると、OMG CWMフォーマットで格納されたメタデータを同期化し、統合して使用できます。転送ウィザードでは、OMG CWM準拠アプリケーションのバージョン1.0から選択したメタデータをワークスペースにインポートします。また、MIMB(Meta Integration Model Bridges)との統合により、独自フォーマットで格納されているメタデータもインポートできます。MIMBで変換可能なフォーマットの詳細は、「Meta Integration Model Bridges(MIMB)との統合」を参照してください。

転送ウィザードの使用モードは、シングル・ユーザー・モードのみです。つまり、他のユーザーはOMG CWMメタデータのインポート先ワークスペースに接続できません。転送ウィザードを使用してOMG CWMメタデータをワークスペースにインポートする前に、他のユーザーがインポート先ワークスペースに接続していないことを確認してください。

Meta Integration Model Bridges(MIMB)との統合

メタデータを独自のメタデータ・ファイルまたはワークスペースから標準CWMフォーマットに変換するMeta Integration Model Bridges(MIMB)と統合できます。変換後のメタデータは、転送ウィザードを使用してインポートできます。MIMBとの統合後は、CA ERwin、Sybase PowerDesignerおよび他の多数のソースからのメタデータも、これらのブリッジを介してインポート可能になります。

MIMBとの統合により、次のソースからメタデータをインポートできます。

  • OMG CWM 1.0: JDBC 1.0/2.0を使用したデータベース・スキーマ

  • OMG CWM 1.0: Meta Integration Repository 3.0

  • OMG CWM 1.0: Meta Integration Works 3.0

  • OMG CWM 1.0: XML DTD 1.0(W3C)

  • OMG CWM 1.0: XML DTD for HL7 3.0

  • Acta Works 5.x

  • Adaptive Repository

  • ArgoUML

  • Business Objects Crystal Reports

  • Business Objects Data Integrator

  • Business Objects Designer

  • CA COOL

  • CA ERwin

  • CA ParadigmPlus

  • Cognos Impromptu 7.1

  • Cognos ReportNet Framework Manager

  • Hyperion Application Builder

  • IBM DB2

  • IBM Rational Rose

  • Informatica PowerCenter

  • Merant AppMaster Designer 4.0

  • Microsoft SQL Server

  • Microsoft Visio

  • Microsoft Visual Studio

  • MicroStrategy

  • NCR Teradata

  • Oracle Designer

  • Popkin System Architect

  • ProActivity 3.x & 4.0

  • SAS ETL Studio

  • Select SE 7.0

  • Silverrun RDM

  • Sybase Power Designer

  • Unisys Rose

  • Visible IE Advantage 6.1

  • Various XML/XMI versions


注意:

ソースのリストは完全ではなく、製品のバージョンは含まれていません。サポートされている全ソースのリストは、http://www.metaintegration.netで提供されているMIMBのドキュメントを参照してください。

MIMBと統合するには、これらの手順に従ってください。

Meta Integration Model Bridgeのダウンロード

MIMBをシステムにダウンロードすると、インストール内容が自動的に認識され、転送ウィザードのメタデータ・ソースとターゲットの識別ページに新しいインポート・オプションが表示されます。

MIMBをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. Webサイトhttp://www.metaintegration.net/からModel Bridge(パーソナル)製品をダウンロードします。

  2. システム上でセットアップを実行してMIMBをインストールします。

  3. インストール中に、Setup Typeページでインストール・タイプとして「Typical with Java Extensions」を選択します。

    コンピュータ上のJDKがセットアップ・プログラムで検出されない場合は、JNIライブラリのディレクトリ・パス名を入力してください。PATH環境変数にはmetaintegrationディレクトリが含まれている必要があります。含まれていない場合は、パスc:¥program files¥metaintegration¥win32に追加してください。

  4. デザイン・センターから転送ウィザードを起動し、MIMBを有効化します。このウィザードを使用したメタデータのインポートの詳細は、「メタデータのインポート」を参照してください。

メタデータのインポート

転送ウィザードを使用すると、OMG CWMのメタデータをインポートできます。メタデータをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. 転送ウィザードを実行します。

    転送ウィザードにより、OMG CWM準拠のメタデータが変換され、MDLファイルに格納されます。転送ウィザードの使用方法の詳細は、「転送ウィザードの実行」を参照してください。

  2. メタデータ・ローダー・インポート・ユーティリティを使用して、手順1で作成されたMDLファイルをインポートします。

    MDLファイルのインポートの詳細は、「MDLファイルのインポート」を参照してください。

転送ウィザードの実行

デザイン・センターの「設計」メニューから「インポート」「ブリッジ」を選択します。転送ウィザードのようこそページが表示されます。このページには、転送ウィザードの使用中に実行する手順が表示されます。ウィザードのバージョン情報を表示する場合は、「Oracle OWB転送ツールについて」をクリックします。個々のブリッジのバージョン情報を表示するには、「Oracle OWB転送ツールについて」ダイアログ・ボックスの「ブリッジのバージョン」ボタンをクリックします。「次へ」をクリックして次に進みます。

転送ウィザードの次の各ページで詳細を指定します。

メタデータ・ソースとターゲットの識別ページ

このページを使用して、ソース・データの形式を指定します。

「ソース」フィールドでは、メタデータ・ソースが「OMG CWM 1.0」として自動的に識別されます。Meta Integration Model Bridge(MIMB)との統合を選択した場合は、メタデータをインポートできる他のソースのリストが「ソース」フィールドに表示されます。詳細は、「Meta Integration Model Bridges(MIMB)との統合」を参照してください。

「ターゲット」フィールドには編集できない値「OWB mdl」が含まれます。Oracle Warehouse Builder転送ウィザードでは、ソース・メタデータが、メタデータ・ローダー・ユーティリティで処理できる.mdlファイルに変換されます。

「説明」フィールドを使用して、転送するメタデータの説明(オプション)を入力します。この説明は、転送プロセス中に進行状況バーに表示されます。

転送パラメータの識別ページ

このページには、転送プロセス中に使用されたパラメータが表示されます。表10-1で、転送ウィザードで使用される転送パラメータを説明します。

表10-1 OMG CWMファイル・インポートの転送パラメータ

転送パラメータ名 説明

OMG CWM入力ファイル

インポートするOMG CWMモデルを含むファイルを指定します。ファイル位置を参照するには省略記号ボタンをクリックします。

OWBプロジェクト

OMG CWMモデルのインポート先となるプロジェクトの名前を指定します。

Warehouse Builder MDL

変換後のソース・メタデータが格納される.mdlファイルの名前を指定します。

デフォルト・モジュール・タイプ

メタデータのインポート先となるモジュールのタイプを選択します。オプションは「ソース・ウェアハウス・モジュール」および「ターゲット・ウェアハウス・モジュール」です。転送ウィザードにより、適切なモジュールが作成され、そこにメタデータがインポートされます。

「ソース・ウェアハウス・モジュール」オプションを選択した場合は、名前の大/小文字が区別されます。「ターゲット・ウェアハウス・モジュール」を選択した場合は、すべてのオブジェクト名が大文字に変換されます。

OLAP物理表現の処理

スター・スキーマからメタデータをインポートする場合、その物理表現をメンテナンスする場合は「True」を選択でき、論理定義のインポートのみの場合、「False」を選択できます。

スノーフレーク・スキーマをインポートする場合、その物理実装は失われ、論理定義のみがインポートされます。

ログ・レベル

転送に割り当てるログ・レベル「エラー」、「情報」または「トレース」。

エラー: 転送中にエラーが生成された場合は、そのエラーが表示されます。

情報: エラーを含め、メタデータ・オブジェクトの転送詳細が表示されます。

トレース: エラーおよび情報ログの詳細も含むデバッグ・トレースが生成されます。トレースに支援が必要な場合は、オラクル社カスタマ・サポート・センターに連絡してください。「トレース」を選択すると、最も詳細なログ情報が得られます。


MIMBと統合する場合は、転送パラメータの識別ページに追加パラメータが表示されます。表示されるパラメータは、メタデータ・ソースとターゲットの識別ページの「ソース」フィールドで選択したソースに応じて異なります。これらのパラメータの説明は、ウィザード・ページの下部にあるボックスに表示されます。

サマリー・ページ

サマリー・ページには、各フィールドで選択した値が表示されます。入力を確認してください。入力が正しくない場合は、「戻る」をクリックして前画面に戻り、必要な変更を加えます。「終了」をクリックすると、メタデータが転送されます。「OWB転送」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスの詳細は、「「OWB転送」ダイアログ・ボックス」を参照してください。

「OWB転送」ダイアログ・ボックス

このダイアログ・ボックスは、メタデータ転送の進行状況を示します。メタデータ・ソースとターゲットの識別ページで入力した説明が転送ウィンドウのタイトルに追加されます。たとえば、説明として「転送するメタデータ」と入力した場合、このダイアログ・ボックスのタイトルは「OWB転送 - 転送するメタデータ」となります。説明を入力しなかった場合、タイトルは表示されません。

転送するメタデータの量に応じて、転送が完了するまでに数分から1時間以上かかることがあります。

次の操作を1つ実行します。

  • 転送が正常に終了した(「(100%」と表示された)場合は、「OK」をクリックします。転送ウィザードに、.mdlファイルをワークスペースにインポートする必要があることを示すメッセージが表示されます。

  • 転送失敗メッセージが表示された場合は、「ログ・ファイルの表示」をクリックしてログを確認します(転送成功のログも表示できます)。

    ログを参照用として保存するには、「別名で保存」をクリックして「保存」ダイアログ・ボックスを開きます。ログを格納するフォルダを選択して「保存」をクリックします。

  • 情報ログで失敗の原因を判断する場合は、更新が必要な情報をメモし、「OK」をクリックしてログを閉じます。「OWB転送」ダイアログ・ボックスで、「ウィザードへ戻る」をクリックし、転送パラメータの識別ページで不正な情報を更新します。その後、データを再度転送します。

  • 情報ログで失敗の原因を判断できない場合は、トレース・ログを作成できます。「OK」をクリックして現行のログを閉じます。「OWB転送」ダイアログ・ボックスで、「ウィザードへ戻る」をクリックし、転送パラメータの識別ページでログ・レベルを「トレース」に変更します。その後、データを再度転送します。

転送に成功すると、転送ウィザードにより.mdlファイルが作成され、転送パラメータの識別ページ「Warehouse Builder MDL」パラメータに指定した場所に格納されます。転送ウィザードにより作成されるMDLファイルのバージョンは10.1.0.3です。

MDLファイルのインポート

転送ウィザードによりソース・メタデータが変換され、.mdlファイルに格納された後に、この.mdlファイルをワークスペースにインポートする必要があります。メタデータ・インポート・ユーティリティを使用すると、MDLファイルをインポートできます。


関連項目:

Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドの「メタデータ・ローダー(MDL)によるインポートおよびエクスポート」を参照してください。

次の手順を実行します。

  1. 「設計」メニューから「インポート」「Warehouse Builderメタデータ」を選択します。

    「メタデータのインポート」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. 「ファイル名」フィールドで、Oracle Warehouse Builder転送ウィザードを使用して作成した.mdlファイルの名前を指定します。「参照」ボタンを使用して.mdlファイルを選択する方法もあります。

  3. 「インポート」をクリックします。

    「メタデータのアップグレード」ダイアログ・ボックスが表示されます。「ファイル名」フィールドには、アップグレードしたメタデータが格納されている.mdlファイルの名前が含まれます。

  4. 「アップグレード」をクリックします。

    「メタデータのインポート進行状況」ダイアログ・ボックスが表示されます。プログレス・バーの上のテキストは、インポートのステータスを示します。

    インポート・プロセスの詳細ログを表示するには、「詳細の表示」をクリックします。「メッセージ・ログ」パネルに詳細が表示されます。インポートされたオブジェクトの数とタイプを表示するには、「統計の表示」をクリックします。

  5. 閉じる」をクリックします。

転送に関する考慮事項

メタデータをワークスペースに転送する前に、ソース・ツールとターゲット・ツールでタスクを実行し、メタデータを正常に転送できることを確認する必要があります。

この項では、転送中にソース・ツールから抽出されるオブジェクトおよび対応するオブジェクトのリストを示します。

OMG CWM標準システムからのメタデータのインポート

OMGはオブジェクト管理グループを表します。OMG CWM標準システムには、キューブの複数の実装が存在することがあります。このような場合、転送ウィザードではキューブの最初の実装がインポートされます。インポートのログ・ファイルには、インポートされたキューブ実装のバージョン詳細が表示されます。

表10-2に、OMG CWMファイル・システムからワークスペースへのオブジェクト変換を示します。

表10-2 OMG CWMからOWBワークスペースへのオブジェクト変換

OMG CWMのオブジェクト Warehouse Builderにインポート後のオブジェクト

パッケージ

プロジェクト

スキーマ

モジュール

ディメンション

ディメンション

レベル

レベル

属性

レベル属性

階層

階層

キューブ

キューブ

メジャー

キューブ・メジャー

外部キー

外部キー

一意制約/主キー

一意キー

表示

表示


表10-3に、OMG CWMシステムからワークスペースへのデータ型変換を示します。

表10-3 OMG CWMからOWBワークスペースへのデータ型変換

OMG CWMでのデータ型 Warehouse Builderにインポート後のデータ型

VARCHAR

VARCHAR2

NCHAR VARYING

NVARCHAR2

LONG、ROWID、UROWID

VARCHAR2

NUMERIC、SMALLINT

NUMBER

BFILE

BLOB

LONG RAW

RAW

TIME

TIMESTAMP

TIME WITH TIMEZONE、TIMESTAMP WITH TIMEZONE

TIMESTAMP WITH LOCAL TIMEZONE

BOOLEAN

CHAR

REAL、DOUBLE PRECISION、BINARY FLOAT、BINARY DOUBLE

FLOAT

XMLTYPE、SYS.ANYDATA

UNKNOWN

INTERVAL

INTERVAL DAY TO SECOND