OCRのメンテナンスなど、高可用性リカバリおよび管理操作を実行するLinuxまたはUNIXのプロセス。また、アプリケーション・リソースも管理する。このプロセスは、root
ユーザーとして(またはMac OS Xベースのシステムではadmin
グループのユーザーとして)実行され、障害の発生時には自動的に再起動する。
High Availability Cluster Multi-Processing(HACMP)
IBM AIXベースの高可用性クラスタ・ソフトウェア製品。高可用性(HA)とクラスタ・マルチプロセッシング(CMP)の2つの主なコンポーネントで構成される。
Oracle RAC環境のノードで実行するプロセス。OCLSOMON
は、ロードまたはスケジュールの問題によって発生するCSSハングを監視する。OCLSOMON
でこれらのいずれかが検出された場合、プロセスは影響を受けるノードを停止して、データベースの破損を防ぐ。
ベンダーのクラスタウェアがインストールされている場合に実行するプロセス。基本的に、このプロセスが存在するために、Oracle Clusterwareはログ・フラッシュを遅らせることができる。ベンダーのクラスウェアではログ・ファイルのフラッシュが完了するまで削除処理の遅延が許可されるため、この遅延は問題の診断に役立つ。
クラスタ同期サービス(CSS)・デーモンを管理するLinuxまたはUNIXのプロセス。クラスタ・ノードのメンバーシップを管理し、oracle
ユーザーとして実行される。このプロセスで障害が発生した場合、クラスタが再起動される。
Oracle Cluster File System(Oracle Cluster File System: OCFS)
Oracleには、2種類のクラスタ・ファイル・システム(Windows用はOCFS、Linux用はOCFS2)があります。Windows用のOCFSは独自のファイル・システムですが、Linux用のOCFS2のソースはGNUのGeneral Public License(GPL)に基づいて利用できます。2つのファイル・システムには互換性がありません。
クラスタ・ノード・リストに関する情報およびインスタンスからノードへのマッピング情報を管理するOracle RAC構成情報のリポジトリ。カスタマイズされたアプリケーション用のOracle Clusterwareリソース・プロファイルに関する情報も管理する。
Oracle Enterprise Manager Configuration Assistant(EMCA)
Oracle Enterprise Manager機能の構成に使用できるGraphical User InterfaceベースのConfiguration Assistant。
Oracle Hardware Assisted Resilient Data(HARD)
データの破損を防ぐ。ストレージ・デバイス内部のOracleのデータ検証アルゴリズムを使用して、永続的な記憶域への破損データの書込みを防ぐ。
Oracle Interface Configurationツール(Oracle Interface Configuration Tool: OIFCFG)
シングル・インスタンスのOracle DatabaseとOracle RACデータベースの両方で使用されるコマンドライン・ツール。このツールを使用すると、コンポーネントへのネットワーク・インタフェースの割当ておよび割当て解除を行ったり、特定のネットワーク・インタフェースを使用するようにコンポーネントに指定したり、コンポーネントの構成情報を取得することができる。Oracle Universal Installerも、OIFCFGを使用して、使用可能なインタフェースの識別および表示を行う。
Oracle Clusterware、Oracleリレーショナル・データベース・ソフトウェアおよびOracle Real Application Clustersソフトウェアをインストールするためのツール。Oracle Universal Installerを使用してDatabase Configuration Assistant(DBCA)を起動することもできる。
ファイル・システムが設定されていないディスク・ドライブ。RAWデバイスはディスクの共有が可能であるため、Oracle Real Application Clustersに使用される。「RAWパーティション(raw partition)」も参照。
最小限のアクセス・レベルでアクセスされる物理ディスクの部分。RAWパーティションは、拡張パーティションが作成され、論理パーティションがフォーマットされずにそれに割り当てられた場合に、作成される。フォーマットが完了したパーティションは、クックド・パーティションと呼ばれる。「RAWデバイス(raw device)」も参照。
データ・ファイル、制御ファイルおよびアーカイブREDOログのバックアップ、コピー、リストアおよびリカバリを実行するためのOracleツール製品。Oracleサーバーに含まれているため、個別にインストールする必要はない。Recovery Managerをオペレーティング・システム(OS)・プロンプトからコマンドライン・ユーティリティとして起動するか、またはGUIベースのOracle Enterprise ManagerのBackup Managerを使用できる。
イベント・マネージャ(Event Manager: EVM)
Oracle Clusterwareのイベントを発行するバックグラウンド・プロセス。イベントの発生時に、指定されたコールアウト・ディレクトリをスキャンし、そのディレクトリ内のすべてのスクリプトを実行する。
イベント・マネージャ・デーモン(Event Manager Daemon: EVMD)
LinuxまたはUNIXのイベント・マネージャ・デーモン。racgevt
プロセスを起動してコールアウトを管理する。
Oracle RACデータベースの場合、クラスタ内の各ノードには通常、データベースを参照する実行中のOracleソフトウェアのインスタンスが1つ存在する。データベースが起動されると、Oracle Databaseによってシステム・グローバル領域(SGA)と呼ばれるメモリー領域が割り当てられ、1つ以上のOracle Databaseプロセスが起動される。このSGAとOracle Databaseプロセスの組合せはインスタンスと呼ばれる。各インスタンスには、一意のOracleシステム識別子(SID)、インスタンス名、ロールバック・セグメントおよびスレッドIDが割り当てられる。
データ・ブロックのエクステントを特定のインスタンスと関連付ける番号。インスタンス番号を使用すると、インスタンスを起動し、そのインスタンスに割り当てられたエクステントが挿入および更新に使用されていることを確認できる。これによって、そのインスタンスが他のインスタンスに割り当てられた領域を使用していないことを確認できる。
インスタンスの名前。クラスタで共通のサービス名が共有されている場合に、特定のインスタンスを一意に識別するために使用される。インスタンス名は、インスタンスの初期化パラメータ・ファイルinitsid.ora
内のINSTANCE_NAME
パラメータで指定される。インスタンス名は、Oracleシステム識別子(SID)と同じ。
インスタンス・メンバーシップ・リカバリ(instance membership recovery)
Oracle RACで、すべてのクラスタ・メンバーが機能しているか、またはアクティブであることを保証するために使用される方法。インスタンス・メンバーシップ・リカバリによってメンバーシップがポーリングおよび調整される。制御ファイルでハートビートを示していないメンバー、または定期的なアクティビティ問合せメッセージに応答しないメンバーは、停止していると想定される。
拡張遠距離クラスタ(extended distance cluster)
クラスタ内のノードが遠く離れた2つの建物の中にあるクラスタ(通りの反対側、キャンパスの反対側、街の反対側など)。可用性の理由から、データは両方のサイトに置く必要がある。このため、記憶域をミラー化するための代替を考慮する必要がある。
ブロックを保持しているインスタンスのメモリー・キャッシュから要求側インスタンスのメモリー・キャッシュにブロックを直接コピーする、Oracle Real Application Clustersのディスク不要のキャッシュ一貫性メカニズム。
クラスタ検証ユーティリティ(Cluster Verification Utility: CVU)
共有ストレージ・デバイス、ネットワーク構成、システム要件、Oracle Clusterware、グループ、ユーザーなど、Oracle RACの様々なコンポーネントを検証するツール。
クラスタ同期サービス(Cluster Synchronization Services: CSS)
クラスタ全体のメンバーシップの共通ビューを提供して、各ノードのメンバーシップの状態を検出および追跡するOracle Clusterwareコンポーネント。プロセスの状態(特にデータベース・インスタンスの状態)も監視する。バックグラウンド・プロセスであるグローバル・エンキュー・サービス・モニター(LMON)が、クラスタ・データベース環境の状態を監視し、CSSへの登録および登録解除を行う。「OCSSD」も参照。
クラスタ・ファイル・システム(cluster file system)
分散ファイル・システム。サーバーのクラスタが連携してクライアントに高パフォーマンスのサービスを提供する。クラスタ・ファイル・システム・ソフトウェアは、ストレージ・クラスタ・コンポーネントへの要求の分散を処理する。
グローバル・エンキュー・サービス・デーモン(Global Enqueue Service Daemon: LMD)
リソースへの要求を管理して、ブロックへのアクセスを制御する、リソース・エージェント・プロセス。デッドロックの検出およびリモート・リソース要求の処理も行う。リモート・リソース要求とは、別のインスタンスから発行された要求である。
グローバル・エンキュー・サービス・モニター(Global Enqueue Service Monitor: LMON)
バックグラウンドのLMONプロセスは、クラスタ全体を監視し、グローバル・リソースを管理する。インスタンスの完全破損および障害が発生したインスタンスに関連付けられたリカバリを管理する。特に、グローバル・リソースに関連付けられたリカバリの部分を処理する。LMONによって提供されるサービスは、クラスタ・グループ・サービスとも呼ばれる。
グローバル・キャッシュ・サービス(Global Cache Service: GCS)
キャッシュ・フュージョンを実装するプロセス。グローバル・ロール内のブロックのブロック・モードを保持する。インスタンス間のブロックの転送を担う。グローバル・キャッシュ・サービスでは、グローバル・キャッシュ・サービス・プロセス(LMSn)、グローバル・エンキュー・サービス・デーモン(LMD)などの、様々なバックグラウンド・プロセスが使用される。
グローバル・キャッシュ・サービス・プロセス(Global Cache Service Processes: LMSn)
リモート・メッセージを管理するプロセス。Oracle RACでは、最大で10のグローバル・キャッシュ・サービス・プロセスが提供される。
グローバル・キャッシュ・サービス(GCS)・リソース(Global Cache Service (GCS) resources)
複数のOracle RACインスタンスのバッファ・キャッシュ内のデータ・ブロックへのアクセスを調整し、キャッシュ一貫性を提供するグローバル・リソース。
グローバル・サービス・デーモン(Global Services Daemon: GSD)
SRVCTL
からの要求を受けとり、起動や停止などの管理ジョブ・タスクを実行するコンポーネント。デフォルトでは、コマンドは各ノードでローカルに実行され、その結果はSRVCTL
に戻される。
グローバル・データベース名(global database name)
データベースを他のデータベースから一意に識別する完全な名前。グローバル・データベース名の書式はdatabase_name.database_domain(たとえばOP.US.ORACLE.COM)である。
グローバル動的パフォーマンス・ビュー(GV$)(global dynamic performance views (GV$))
すべてのオープン・インスタンスに関する情報をReal Application Clustersクラスタに格納する動的パフォーマンス・ビュー。(ローカル・インスタンスに限らない。)一方、標準の動的パフォーマンス・ビュー(V$
)は、ローカル・インスタンスに関する情報のみを格納する。
高速アプリケーション通知(Fast Application Notification: FAN)
アプリケーションでは、FANを使用して、迅速な障害の検出、障害発生後の接続プールの分散の均等化、および障害が発生したコンポーネントの修復時の接続プールの分散の再均等化を行うことができる。FAN通知プロセスでは、クラスタ・サーバーが使用不可になるか、またはネットワーク・インタフェースに障害が発生した場合にOracle Databaseによって発行されるシステム・イベントが使用される。
高速接続フェイルオーバー(Fast Connection Failover)
JDBC、OCIまたはODP.NETを使用するクライアントなどのFAN統合クライアントの高可用性を実現する。高速接続フェイルオーバーを使用するようにクライアントを構成した場合、クライアントが自動的にFANイベントをサブスクライブし、データベースのUP
イベントおよびDOWN
イベントに対処できる。それに対応して、Oracle Databaseは、要求されたデータベース・サービスを提供するアクティブ・インスタンスにクライアントを接続する。
サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティ(Server Control (SRVCTL) Utility)
Server Management(SRVM)は、Oracle Enterprise ManagerをOracle Real Application Clustersで操作するために必要なコンポーネントを構成する。Intelligent Agent、グローバル・サービス・デーモン、SRVCTL
などのSRVMコンポーネントを使用すると、オープンなクライアント/サーバー・アーキテクチャを介して異機種間環境で実行されているクラスタ・データベースを、Oracle Enterprise Managerを使用して管理できる。
Oracle RACデータベースで定義可能なエンティティ。サービスによって、データベースのワークロードをグループ化し、サービスを提供するために割り当てられた最適なインスタンスに作業をルーティングできる。
システム識別子(system identifier: SID)
実行中のOracleソフトウェアの特定のインスタンスを識別する。Oracle Real Application Clustersデータベースの場合、クラスタ内の各ノードにはデータベースを参照するインスタンスが存在する。
自動ワークロード・リポジトリ(Automatic Workload Repository: AWR)
すべてのOracle Databaseに存在する組込みリポジトリ。Oracle Databaseは、すべての重要な統計およびワークロード情報のスナップショットを定期的に生成し、AWRに格納する。
スプリット・ブレイン・シンドローム(split brain syndrome)
複数のインスタンスによってクラスタ・データベースの制御が試行される状態。たとえば、2ノード環境で、一方のインスタンスによって更新の管理が試行され、もう一方のインスタンスによって同時に更新の管理が試行される場合。
ネットワーク上のリモート・コンピュータにログインするためのプログラム。SSHを使用すると、リモート・システム上でコマンドを実行し、ファイルをあるシステムから別のシステムに移動できる。SSHでは厳密認証が使用され、セキュアでないチャネル上での通信を保護する。
ディスク書込みの強制実行(forced disk write)
Real Application Clustersでは、1つのインスタンスで一度に変更できるのは特定のデータ・ブロックのみである。あるインスタンスによって、別のインスタンスに必要なデータ・ブロックが変更された場合、そのブロックに送信された要求のタイプによっては、ディスク書込みの強制実行が必要になる。
透過的アプリケーション・フェイルオーバー(transparent application failover: TAF)
Oracle Real Application ClustersやOracle Real Application Clusters Guardなどの高可用性環境での実行時フェイルオーバー。TAFは、アプリケーションとサービス間の接続のフェイルオーバーおよび再確立を意味する。TAFを使用すると、接続に障害が発生した場合に、クライアント・アプリケーションをデータベースに自動的に再接続し、オプションで、進行中であったSELECT文を再開できる。この再接続は、Oracle Call Interfaceライブラリ内で自動的に行われる。
プロセス間通信(Interprocess Communication: IPC)
オペレーティング・システム依存の高速転送コンポーネント。異なるノード上のインスタンス間でメッセージを転送する。インターコネクトとも呼ばれる。
分散トランザクション処理(Distributed Transaction Processing: DTP)
分散トランザクションの枠組み。外部的に調整されたトランザクションであるXAタイプと、内部的に調整されたトランザクションである分散SQLタイプ(Oracleのデータベース・リンク)の両方が含まれる。
マスター・ブート・レコード(Master Boot Record: MBR)
コンピュータの起動時に実行されるプログラム。通常、MBRはローカル・ハード・ディスクの最初のセクターに存在する。パーティション表を調査し、システムの起動に使用するパーティションを決定して、起動プロセスを開始する。その後、起動パーティションのブート・セクターに制御を移し、起動プロセスを続行させる。