Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1) for AIX 5L Based Systems(64-bit), HP-UX PA-RISC(64-bit), HP-UX Itanium, Solaris Operating System (SPARC 64-bit), Linux x86, and Linux x86-64 E05708-01 |
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ゲートウェイのインストール後、次のタスクを実行してOracle Database Gateway for DRDAを構成します。
ORACLE2PC
表の作成、不要になった表およびビューの削除、データ・ディクショナリ・サポート用の表およびビューの作成など、各作業を実行するためのSQLスクリプトが用意されています。
これらのスクリプトは、実行するためのツールがゲートウェイに付属していないため、データベース固有のツール(DB2/OS390でのSPUFIなど)を使用してDRDAサーバー・プラットフォーム上で実行する必要があります。これらのスクリプトを実行する場合に使用するユーザーIDには、適切な権限を付与する必要があります。
次のリストから、使用しているDRDAサーバー・プラットフォームに適したサブディレクトリを選択してください。
DB2/OS390の場合: dg4drda/install/db2
を選択
DB2/400の場合: dg4drda/install/as400
を選択
DB2/UDBの場合: dg4drda/install/db2udb
を選択
次のタスクを実行して、ゲートウェイ初期化パラメータ・ファイルを構成します。
ゲートウェイ・システム識別子(SID)は、ゲートウェイ・インスタンスを識別する英数字の文字列です。アクセスするDRDAデータベースごとに、1つのゲートウェイ・インスタンスが(したがって1つのゲートウェイSIDが)必要です。ただし、2つのDRDAデータベースにアクセスする場合は、ゲートウェイのインスタンスごとに1つずつ、合計2つのゲートウェイSIDが必要です。DRDAデータベースが1つのみ存在し、そのアクセスに使用するゲートウェイ・パラメータ設定のセットを状況に応じて使い分ける場合、単一のDRDAデータベースに対して複数のゲートウェイSIDを使用します。SIDは、初期化パラメータ・ファイルのファイル名の一部に使用されます。
Oracle Database Gateway for DRDA用のホストを構成するには、実際のインストール環境に合せてパラメータ・ファイルを変更する必要があります。次の手順を実行してください。
init
sid
.ora
ファイルを選択します。
init
sid
.ora
ゲートウェイ初期化ファイルで、ゲートウェイ用の処理パラメータを定義します。特定のインストール環境に合せてカスタマイズするための開始点として、DRDAサーバーのタイプごとのサンプルが提供されています。サンプルは、$ORACLE_HOME/dg4drda/admin
ディレクトリに格納されています。次に、様々なDRDAサーバー・プラットフォーム用の初期化ファイルのリストを示します。
DB2/OS390の場合: initDB2.ora
DB2/UDBの場合: initDB2UDB.ora
DB2/400の場合: initAS400.ora
サンプルの初期化ファイルを選択し、次のネーミング規則を使用して同じディレクトリ内にコピーします。
initsid.ora
ここで、sid
は、選択したゲートウェイSIDです。たとえば、選択したゲートウェイSIDがDRDA
の場合、初期化ファイルの名前はinitDRDA.ora
になります。
init
sid
.ora
ファイルをカスタマイズします。
サンプルの初期化ファイルをコピーしたら、実際のインストール環境に合せて変更する必要があります。多くのパラメータはデフォルト値のまま使用できますが、一部のパラメータはゲートウェイを適切に動作させるために変更する必要があります。次のDRDAおよびHSパラメータに注意してください。また、初期化ファイルのセキュリティ面にも注意を払う必要があります。初期化ファイルに組み込まれるパスワードの暗号化の詳細は、第15章「セキュリティ上の考慮事項」を参照してください。次のパラメータの詳細は、付録C「初期化パラメータ」を参照してください。
DRDA_CONNECT_PARM
DRDA_PACKAGE_COLLID
DRDA_PACKAGE_NAME
DRDA_PACKAGE_OWNER
DRDA_REMOTE_DB_NAME
HS_DB_NAME
HS_DB_DOMAIN
FDS_CLASS
ゲートウェイでは、Oracle Databaseと通信するためにOracle Netが必要です。ゲートウェイの構成後、次のタスクを実行して、ゲートウェイと連携動作するようにOracle Netを構成します。
Oracle Net Listenerは、Oracle Databaseからの着信リクエストをリスニングします。Oracle Net Listenerでゲートウェイをリスニングするためには、ゲートウェイに関する情報をOracle Net Listenerの構成ファイル(listener.ora
)に追加する必要があります。このファイルのデフォルトの場所は、$ORACLE_HOME/network/admin
です($ORACLE_HOME
はゲートウェイのインストール先のディレクトリです)。
次のエントリをlistener.ora
ファイルに追加する必要があります。
Oracle Net ListenerがリスニングするOracle Netアドレスのリスト
Oracle Net Listenerが着信接続リクエストに応じて起動するゲートウェイの実行可能ファイルの名前
listener.ora
エントリのサンプル(listener.ora.sample
)は、$ORACLE_HOME/dg4drda/admin
ディレクトリにあります($
ORACLE_HOME
はゲートウェイのインストール先のディレクトリです)。
Oracle Databaseは、Oracle Netおよびサポートされている任意のプロトコル・アダプタを使用してゲートウェイと通信します。次に、TCP/IPプロトコル・アダプタを使用してOracle Net Listenerがリスニングするアドレスの構文を示します。
LISTENER= (ADDRESS= (PROTOCOL=TCP) (HOST=host_name) (PORT=port_number))
変数の意味は次のとおりです。
変数 | 説明 |
---|---|
host_name |
ゲートウェイがインストールされているマシンの名前。 |
port_number |
Oracle Net Listenerにより使用されるポート番号。同じマシン上で稼働する他のリスナーが存在する場合、port_numberの値は、他のリスナーのポート番号とは異なる必要があります。 |
着信接続リクエストに応じてゲートウェイを起動するようOracle Net Listenerを構成するには、listener.ora
ファイルにエントリを追加します。
注意: listener.oraファイルと次の手順で構成するtnsnames.ora ファイルで同じSID値を使用する必要があります。 |
SID_LIST_LISTENER= (SID_LIST= (SID_DESC= (SID_NAME=gateway_sid) (ORACLE_HOME=oracle_home_directory) (PROGRAM=g4drsrv) ) )
変数の意味は次のとおりです。
変数 | 説明 |
---|---|
gateway_sid |
ゲートウェイのSIDを指定します。tnsnames.ora ファイルの接続記述子エントリで指定されたゲートウェイSIDと一致させます。 |
oracle_home_directory |
ゲートウェイの存在するOracleホーム・ディレクトリを指定します。 |
g4drsrv |
Oracle Database Gateway for DRDAの実行可能ファイル名を指定します。 |
複数のデータベースSIDでリスニングするOracle Net Listenerがすでに稼働中の場合、既存のlistener.ora
ファイルのSID_LIST
に次の構文のみを追加します。
SID_LIST_LISTENER= (SID_LIST= (SID_DESC=. . ) (SID_DESC=. . ) (SID_DESC= (SID_NAME=gateway_sid) (ORACLE_HOME=oracle_home_directory) (PROGRAM=g4drsrv) ) )
関連項目: listener.ora ファイルの変更方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
新規設定を反映するには、次のようにOracle Net Listenerを停止して再起動する必要があります。
PATH
環境変数を$ORACLE_HOME/bin
に設定します($ORACLE_HOME
はゲートウェイのインストール先のディレクトリです)。BourneシェルまたはKornシェルを使用している場合、次のように入力します。
$ PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH;export PATH $ LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH; export LD_LIBRARY_PATH
Cシェルを使用している場合、次のように入力します。
$ setenv PATH $ORACLE_HOME/bin:$PATH $ setenv LD_LIBRARY_PATH $ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH
表14-1に、異なるプラットフォームで使用するパラメータ値を示します。
リスナーがすでに実行中の場合、次のようにlsnrctl
コマンドを使用してリスナーを停止し、新規設定を使用して起動します。
$ lsnrctl stop $ lsnrctl start
次のように新規設定に基づくリスナーのステータスを確認します。
$ lsnrctl status
次の例は、lsnrctl
のステータス確認による出力の一部です。
. . . Listening Endpoints Summary... (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=204.179.99.15)(PORT=1551))) Services Summary... Service "dg4drda" has 1 instance(s). Instance "dg4drda", status UNKNOWN, has 1 handler(s) for this service... The command completed successfully
この例で、サービス名は、インストール時に割り当てられたデフォルトのSID値であるdg4drda
です。
注意: tnsnames.ora ファイルとlistener.ora ファイルで同じSID値を使用する必要があります。 |
次のように、接続するサーバーに応じて適切なスクリプトを実行します。
DB2/UDBに接続する場合、DRDAサーバー・プラットフォームで次の手順を実行し、ORACLE2PC
表を作成します。
DB2/UDBが稼働しているマシンにログインします。
ORACLE2PC
表が存在するDB2/UDBインスタンスを処理する権限を持っていることを確認してください。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb
ディレクトリから次のファイルをコピーします。
o2pc.sh
(表を作成するためのサンプル・シェル・スクリプト)
o2pc.sql
(表を作成するためのSQLスクリプト)
o2pcg.sql
(PUBLIC
にパッケージ・アクセス権を付与するためのSQLスクリプト)
パッケージのバインドに使用するユーザーIDを使用してデータベースに接続します。
$ db2 'CONNECT TO database USER userid USING password'
詳細は、「DB2/UDB(Universal Database)用のDRDAサーバーの構成」を参照してください。
ORACLE2PC
表を作成します。
$ db2 -tf o2pc.sql
トランザクションをコミットします。
$ db2 'COMMIT'
表が作成されたことを確認します。
オプションで、適切なユーザーIDに対して表が作成されたことを確認します。
$ db2 'LIST TABLES FOR USER' $ db2 'COMMIT'
セッションとの接続を切断します。
$ db2 'DISCONNECT CURRENT'
DB2/400に接続する場合、データベース固有のツールを使用してDRDAサーバー・プラットフォームで次のSQLスクリプトを実行し、ORACLE2PC
表を作成します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/o2pc.sql
DB2/OS390に接続する場合、データベース固有のツールを使用してDRDAサーバー・プラットフォームで次のSQLスクリプトを実行し、ORACLE2PC
表を作成します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/o2pc.sql
この製品では、パッケージをDRDAサーバーでバインドする必要があります。ゲートウェイには、このパッケージを作成するために使用する必要のある内部ストアド・プロシージャが付属します。内部ストアド・プロシージャは、Oracle Databaseにより起動されます。このパッケージをDRDAサーバーでバインドするには、ゲートウェイ初期化ファイルを適切に構成する必要があります。詳細は、付録C「初期化パラメータ」を参照してください。
DRDAゲートウェイ・パッケージをバインドする前に、次の手順を実行してください。
ユーザーが適切な権限を持っていることを確認します。
DRDAパッケージは、内部ストアド・プロシージャGTW$_BIND_PKG
でバインドする必要があります。DRDAパッケージをバインドするのに使用するユーザーIDは、リモート・データベースに対する適切な権限を持っている必要があります(第13章「DRDAサーバーの構成」を参照)。
すべてのDRDAパラメータ設定を確認します。
バインドを開始する前にすべてのDRDAパラメータ設定をチェックし、それらが正しく設定されていることを確認します。たとえば、DRDA_DISABLE_CALL
のデフォルト値は、DRDAデータベースでストアド・プロシージャがサポートされる場合にのみ適切です。サポートされない場合は、設定を変更する必要があります。また、ゲートウェイの以前のリリースがインストールされている場合、DRDA_PACKAGE_NAME
の値は一意である必要があります。新規パッケージにより同じ名前の古いパッケージはすべて置換されるため、古いパッケージを使用するリリースのゲートウェイは動作しなくなります。パラメータとその設定の詳細は、付録C「初期化パラメータ」を参照してください。
次の手順を実行してください。
Oracle Databaseにログオンします。
SQL*Plusを使用します。
$ sqlplus system/manager
DRDAサーバーの構成時に選択したユーザーIDを使用してデータベース・リンクを作成します。
SQL> CREATE PUBLIC DATABASE LINK dblink 2 CONNECT TO userid IDENTIFIED BY password 3 USING 'tns_name_entry'
ストアド・プロシージャGTW$_BIND_PKG
を実行します。
SQL> exec GTW$_BIND_PKG@dblink; SQL> COMMIT;
これにより、パッケージの作成とコミットが行われます。エラーが発生した場合は、必要に応じてゲートウェイ初期化ファイルのパラメータを修正し、このバインド・プロシージャを再実行します。
データ・ディクショナリ変換サポートを有効化するには、ゲートウェイを通じてアクセスするOracle以外のシステムごとに、データ・ディクショナリ表およびビューを作成する必要があります。
次の手順を実行し、データベース固有のツールを使用してデータ・ディクショナリ表およびビューを作成します。
以前のゲートウェイ・リリースからアップグレードします。
以前のリリースのゲートウェイからアップグレードする場合、適切なスクリプトを実行して古いデータ・ディクショナリ定義を削除します。
DB2/UDBに接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb/dropold.sql
DB2/OS390に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/dropold.sql
DB2/400に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/dropold.sql
データ・ディクショナリ表を作成します。
適切なスクリプトを実行してデータ・ディクショナリ表を作成します。
DB2/UDBに接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb/g4ddtab.sql
DB2/OS390に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/g4ddtab.sql
DB2/400に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/g4ddtab.sql
データ・ディクショナリ・ビューを作成します。
適切なスクリプトを実行してデータ・ディクショナリ・ビューを作成します。
DB2/UDBに接続する場合、次のスクリプトを実行します。
DB2/UDB V7の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb/g4ddvwu7.sql
DB2/UDB V8の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb/g4ddvwu8.sql
DB2/OS390に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
DB2/OS390 V7(RACFセキュリティ)の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/g4ddvwr7.sql
DB2/OS390 V7(DB2セキュリティ)の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/g4ddvws7.sql
DB2/OS390 V8(RACFセキュリティ)の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/g4ddvwr8.sql
DB2/OS390 V8(DB2セキュリティ)の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/g4ddvws8.sql
DB2/400に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
DB2/400 V5.1の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/g4ddvw51.sql
DB2/400 V5.2の場合:
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/g4ddvw52.sql
パッケージに権限を付与するには、Oracle以外のシステムで適切なスクリプトを実行します。
DB2/UDBに接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2udb/o2pcg.sql
DB2/OS390に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/db2/o2pcg.sql
DB2/400に接続する場合、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/dg4drda/install/as400/o2pcg.sql
ゲートウェイを使用してDB2データにアクセスする前に、Oracle Databaseを構成してOracle Netを通じたゲートウェイとの通信を使用可能にする必要があります。
Oracle Databaseを構成するには、tnsnames.ora
ファイルに接続記述子を追加する必要があります。このファイルのデフォルトの場所は、$ORACLE_HOME/network/admin
です($ORACLE_HOME
はOracle Databaseのインストール先のディレクトリです)。tnsnames.ora
ファイルの構成にOracle Net AssistantやOracle Net Easy Configツールを使用することはできません。ファイルは手動で編集してください。
listener.ora
エントリのサンプル(listener.ora.sample
)は、$ORACLE_HOME/dg4drda/admin
ディレクトリにあります($
ORACLE_HOME
はゲートウェイのインストール先のディレクトリです)。
関連項目: tnsnames.ora ファイルの編集方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
tnsnames.ora
ファイルを編集してゲートウェイの接続記述子を追加します。次に、TCP/IPプロトコルを使用するOracle Netエントリの構文を示します。
connect_descriptor= (DESCRIPTION= (ADDRESS= (PROTOCOL=TCP) (HOST=host_name) (PORT=port_number) ) (CONNECT_DATA= (SID=gateway_sid)) (HS=OK))
変数の意味は次のとおりです。
変数 | 説明 |
---|---|
connect_descriptor |
データベース・リンクの作成時に指定された接続先オブジェクトの記述(dg4drda など)。
sqlnet.oraファイルで次のパラメータ設定を確認してください。
注意: sqlnet.oraファイルは、通常、 |
TCP |
TCP/IP接続に使用されるTCPプロトコル。 |
host_name |
ゲートウェイが稼働しているマシンを指定します。 |
port_number |
ゲートウェイをリスニングしているOracle Net Listenerにより使用されるポート番号と一致させます。Oracle Net Listenerのポート番号は、Oracle Net Listenerにより使用されるlistener.ora ファイルで確認できます。「listener.oraファイルのエントリの構文」を参照してください。 |
gateway_sid |
ゲートウェイのSIDを指定します。ゲートウェイをリスニングしているOracle Net Listenerのlistener.ora ファイルで指定されたSIDと一致させます。詳細は、「ゲートウェイ用のOracle Net Listenerの構成」を参照してください。 |
(HS=OK) |
この接続記述子でOracle以外のシステムに接続することを指定します。 |
Oracle Databaseに接続されたすべてのOracleクライアントは、ゲートウェイを通じてDB2データにアクセスします。OracleクライアントとOracle Databaseは、異なるマシン上に存在できます。ゲートウェイは、Oracle Databaseからの接続のみを受け入れます。
ゲートウェイとの接続は、Oracleセッションでその接続が最初に使用されるときに、データベース・リンクを通じて確立されます。この場合の接続とは、Oracle Databaseとゲートウェイ間の接続を示します。接続は、Oracleセッションが終了するまで確立されたままとなります。別のセッションまたはユーザーが同じデータベース・リンクにアクセスし、ゲートウェイおよびDRDAデータベースに対する別個の接続を取得することも可能です。
データベース・リンクは、ゲートウェイ・セッションの継続時間中はアクティブです。セッション中にデータベース・リンクをクローズする場合は、ALTER SESSION
文を使用します。
DRDAサーバーにアクセスするには、データベース・リンクを作成する必要があります。パブリック・データベース・リンクは、最も一般的なデータベース・リンクです。
SQL> CREATE PUBLIC DATABASE LINK dblink CONNECT TO 2 "user" IDENTIFIED BY "password" USING 'tns_name_entry';
変数の意味は次のとおりです。
変数 | 説明 |
---|---|
dblink |
完全なデータベース・リンク名。 |
tns_name_entry |
ゲートウェイを識別するtnsnames.ora ファイルのOracle Net接続記述子を指定します。 |
データベース・リンクの作成後に、次のようにDRDAデータベースへの接続を確認できます。
SQL> SELECT * FROM DUAL@dblink;
関連項目: データベース・リンクの使用方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』および『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。 |
複数のDRDAデータベースにアクセスするためのゲートウェイの構成作業は、単一のデータベースを対象とするゲートウェイの構成作業とほぼ同じです。構成例の前提条件は次のとおりです。
ゲートウェイがデフォルトのSIDであるdg4drda
を使用してインストールおよび構成されていること
ORACLE_HOME
環境変数がゲートウェイのインストール先のディレクトリに設定されていること
ゲートウェイがdb1
という1つのDRDAデータベース用に構成されていること
IPアドレスが204.179.79.15であるホストにdb2
およびdb3
という2つのDRDAデータベースが追加されること
DRDAデータベースごとに1つのシステムIDを選択
DRDAデータベースごとにゲートウェイの個別のインスタンスが必要です。各インスタンスには、独自のゲートウェイ・システムID(SID)が必要です。この例では、DRDAデータベースにアクセスするインスタンスに対して次のゲートウェイSIDが選択されます。
dg4drda2
(データベースdb2
にアクセスするゲートウェイ用)
dg4drda3
(データベースdb3
にアクセスするゲートウェイ用)
2つの初期化パラメータ・ファイルの作成
ゲートウェイのインスタンスごとに初期化パラメータ・ファイルを作成するため、元の初期化パラメータ・ファイル$ORACLE_HOME/dg4drda/admin/initdg4drda.ora
を2回コピーします。次のように、1つのファイルにはdb2
のゲートウェイSIDを含む名前を付け、もう1つのファイルにはdb3
のゲートウェイSIDを含む名前を付けます。
$ cd $ORACLE_HOME/dg4drda/admin $ cp initdg4drda.ora initdg4drda2.ora $ cp initdg4drda.ora initdg4drda3.ora
注意: 状況に応じて異なるゲートウェイ・パラメータ設定を使用するために、同じDRDAデータベースに対して複数のゲートウェイSIDを割り当てる場合も、同じ手順に従ってください。それぞれ異なるSIDと異なるパラメータ設定を持つ複数の初期化パラメータ・ファイルを作成します。 |
Oracle Net Listener構成ファイルlistener.ora
に、2つの新規エントリを追加します。複数のゲートウェイ・インスタンスで同じデータベースにアクセスする場合でも、ゲートウェイ・インスタンスごとに1つのエントリを用意する必要があります。
次の例では、最初にインストールされた元のゲートウェイ用のエントリの次に、新規エントリが続いています。
SID_LIST_LISTENER= (SID_LIST= (SID_DESC= (SID_NAME=dg4drda) (ORACLE_HOME=oracle_home_directory) (PROGRAM=g4drsrv) ) (SID_DESC= (SID_NAME=dg4drda2) (ORACLE_HOME=oracle_home_directory) (PROGRAM=g4drsrv) ) (SID_DESC= (SID_NAME=dg4drda3) (ORACLE_HOME=oracle_home_directory) (PROGRAM=g4drsrv) ) )
ここで、oracle_home_directory
は、ゲートウェイが存在するディレクトリです。
リスナーがすでに実行中の場合、次のようにlsnrctl
コマンドを使用してリスナーを停止し、新規設定を使用して起動します。
$ lsnrctl stop $ lsnrctl start
tnsnames.ora
ファイルに2つの接続記述子エントリを追加します。複数のゲートウェイ・インスタンスで同じデータベースにアクセスする場合でも、ゲートウェイ・インスタンスごとに1つのエントリを用意する必要があります。
次のDRDAの例では、最初にインストールされた元のゲートウェイ用のエントリの次に、新規ゲートウェイ・インスタンス用の2つのエントリが続いています。
old_db_using=(DESCRIPTION= (ADDRESS= (PROTOCOL=TCP) (PORT=port_number) (HOST=host_name)) (CONNECT_DATA= (SID=dg4drda)) (HS=OK)) new_db2_using=(DESCRIPTION= (ADDRESS= (PROTOCOL=TCP) (PORT=port_number) (HOST=host_name)) (CONNECT_DATA= (SID=dg4drda2)) (HS=OK)) new_db3_using=(DESCRIPTION= (ADDRESS= (PROTOCOL=TCP) (PORT=port_number) (HOST=host_name)) (CONNECT_DATA= (SID=dg4drda3)) (HS=OK))
PORT
の値は、ゲートウェイをリスニングしているOracle Net ListenerのTCP/IPポート番号です。この番号は、Oracle Net Listenerにより使用されるlistener.ora
ファイルで確認できます。HOST
の値は、ゲートウェイが稼働しているマシンの名前です。この名前も、Oracle Net Listenerにより使用されるlistener.ora
ファイルで確認できます。
次のように入力してdg4drda2
ゲートウェイ用のデータベース・リンクを作成します。
SQL> CREATE PUBLIC DATABASE LINK DRDA2 CONNECT TO 2 "user2" IDENTIFIED BY "password2" USING 'new_db2_using';
次のように入力してdg4drda3
ゲートウェイ用のデータベース・リンクを作成します。
SQL> CREATE PUBLIC DATABASE LINK DRDA3 CONNECT TO 2 "user3" IDENTIFIED BY "password3" USING 'new_db3_using';
データベース・リンクの作成後に、次のように新規DRDAデータベースへの接続を確認できます。
SQL> SELECT * FROM ALL_USERS@DRDA2;
SQL> SELECT * FROM ALL_USERS@DRDA3;