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Oracle Streamsアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05782-01
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18 Oracle Messaging Gatewayスタート・ガイド

この章では、Oracle Messaging Gateway(MGW)の前提条件、メッセージ・ゲートウェイのロード方法、設定方法およびアンロード方法を説明します。mgw.ora初期化ファイルの設定および変更方法も説明します。

内容は次のとおりです。

18.1 Oracle Messaging Gatewayの前提条件

メッセージ・ゲートウェイでは、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントごとに1つのOracle Schedulerジョブを使用します。JOB_QUEUE_PROCESSESデータベース初期化パラメータの値がゼロの場合、同時に実行できるOracle Schedulerジョブの数はパラメータの影響を受けません。ただし、値がゼロ以外の場合、事実上、この値は同時に実行できるSchedulerジョブおよびジョブ・キューのジョブの最大数です。ゼロではない値を設定する場合、各メッセージ・ゲートウェイ・エージェントの起動をSchedulerジョブが処理するのに十分な大きさである必要があります。

18.2 Oracle Messaging Gatewayのロードおよび設定

メッセージ・ゲートウェイを実行する前に、次の手順を実行してください。

18.2.1 データベースへのデータベース・オブジェクトのロード

SQL*Plusを使用して、ユーザーSYSまたはSYSDBAとしてORACLE_HOME/mgw/admin/catmgw.sqlを実行します。このスクリプトを実行すると、ロール、表、ビュー、オブジェクト型およびPL/SQLパッケージを含む、メッセージ・ゲートウェイに必要なデータベース・オブジェクトがロードされます。メッセージ・ゲートウェイのPL/SQLパッケージに対するパブリック・シノニムが作成されます。MGW_ADMINISTRATOR_ROLEおよびMGW_AGENT_ROLEの2つのロールも作成され、特定の権限が付与されます。すべてのオブジェクトはSYSが所有します。

18.2.2 外部プロシージャのlistener.oraの変更

このプロシージャは、Linux 32ビット・オペレーティング・システム専用です。Windowsオペレーティング・システムでは、リスナーについての静的サービス情報は必要ありません。

メッセージ・ゲートウェイのPL/SQLパッケージで外部プロシージャがコールされるように、listener.oraを変更する必要があります。

  1. 外部プロシージャのデフォルトのプロセス間通信(IPC)プロトコル・アドレスが設定されていることを確認します。

    LISTENER = (ADDRESS_LIST=
    (ADDRESS=(PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC))
    
    
  2. 手順1の対象に、リスナーの静的サービス情報を追加します。これによって、リスナーのSID_DESCが設定されます。SID_DESCに含まれるパラメータのうち、表18-1に記載されているパラメータはメッセージ・ゲートウェイにとって重要です。これらのパラメータは、ユーザーの状況に応じて指定する必要があります。

表18-1 SID_DESCパラメータ

パラメータ 説明
SID_NAME tnsnames.oraのネット・サービス名で指定されているSID。次の例では、SID_NAMEmgwextprocです。
ENVS 外部プロシージャを実行するために必要な環境変数LD_LIBRARY_PATHを設定します。LD_LIBRARY_PATHには次のパスを含める必要があります。
JRE_HOME/lib/PLATFORM_TYPE
JRE_HOME/lib/PLATFORM_TYPE/server
ORACLE_HOME/lib

サード・パーティのメッセージ・システムに必要な追加ライブラリも含まれる必要があります。「Oracle以外のメッセージ・システムの設定」を参照してください。

ORACLE_HOME ユーザーのOracleホーム・ディレクトリ。$ORACLE_HOMEを使用しても機能しません。
PROGRAM 外部プロシージャのエージェントの名前(extproc)。


注意:

ORACLE_HOMEがOracleインストレーションのルート・ディレクトリを表すように、JRE_HOMEはJREインストレーションのルート・ディレクトリを表します。Oracle DatabaseとともにインストールされたJREの使用をお薦めします。

例18-1では、SID_NAME mgwextprocをLinux x86用のlistener.oraファイルに追加します。

例18-1 リスナーの静的サービス情報の追加

# Add a SID_DESC
SID_LIST_LISTENER= (SID_LIST=
(SID_DESC =
   (SID_NAME= mgwextproc)
   (ENVS=
     "LD_LIBRARY_PATH=JRE_HOME/lib/i386:JRE_HOME/lib/i386/server:ORACLE_HOME/lib")
   (ORACLE_HOME=ORACLE_HOME)
   (PROGRAM = extproc))

18.2.3 外部プロシージャのtnsnames.oraの変更

このプロシージャは、Linux 32ビット・オペレーティング・システム専用です。外部プロシージャに対して、tnsnames.oraで、例18-2で示したように、接続記述子がlistener.oraで構成された情報に一致するネット・サービス名MGW_AGENTを構成します。ネット・サービス名は、MGW_AGENTである必要があります(この値は固定)。KEYの値は、listener.oraでIPCプロトコルに対して指定されたKEYの値に一致する必要があります。SIDの値は、listener.oraSID_DESCエントリのSID_NAMEに対して指定された値に一致する必要があります。

例18-2 MGW_AGENTの構成

MGW_AGENT =
(DESCRIPTION=
   (ADDRESS_LIST= (ADDRESS= (PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC)))
   (CONNECT_DATA= (SID=mgwextproc)))

注意:

sqlnet.oranames.default_domainパラメータを使用してデフォルト・ドメインを設定した場合は、そのドメインをtnsnames.oraのネット・サービス名MGW_AGENTに追加する必要があります。たとえば、sqlnet.oraにエントリnames.default_domain=acme.comが含まれる場合、tnsnames.oraのネット・サービス名はMGW_AGENT.acme.comである必要があります。

18.2.4 mgw.ora初期化ファイルの設定

メッセージ・ゲートウェイのデフォルトの初期化ファイルORACLE_HOME/mgw/admin/mgw.oraは、テキスト・ファイルです。メッセージ・ゲートウェイの外部プロシージャは、その初期化ファイルを使用して初期化パラメータを取得し、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントを起動します。ORACLE_HOME/mgw/admin/sample_mgw.oramgw.oraにコピーし、状況に応じて変更します。

次のプロシージャでは、メッセージ・ゲートウェイのすべてのアプリケーションに必要な環境変数およびその他のパラメータを設定します。

  1. Windowsオペレーティング・システムのみ: MGW_PRE_PATH変数を設定します。この値は、次のjvm.dllライブラリへのパスです。

    set MGW_PRE_PATH = JRE_HOME\bin\client
    
    

    この変数は、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントのプロセスによって継承されたパスの前に付けられます。

  2. CLASSPATHには、少なくとも次のクラスが入っている必要があります。

    • JREランタイム・クラス

      JRE_HOME/lib/rt.jar
      
      
    • Oracle JDBCクラス

      ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc5.jar
      
      
    • Oracle国際化クラス

      ORACLE_HOME/jlib/orai18n.jar
      
      
    • SQLJランタイム

      ORACLE_HOME/sqlj/lib/runtime12.jar
      
      
    • Java Message Service(JMS)インタフェース

      ORACLE_HOME/rdbms/jlib/jmscommon.jar
      
      
    • Oracle JMS実装クラス

      ORACLE_HOME/rdbms/jlib/aqapi.jar
      
      
    • JavaトランザクションAPI

      ORACLE_HOME/jlib/jta.jar
      
      
    • メッセージ・ゲートウェイがOracle以外のメッセージ・システムにアクセスするために必要な追加のクラス


      注意:

      ORACLE_HOMEには、該当する具体的な値を代入します。たとえば、$ORACLE_HOMEを使用しても機能しません。

      Windowsオペレーティング・システムのユーザーは、Windowsオペレーティング・システムのパス構文を使用してCLASSPATHを設定する必要があります。


18.2.5 Oracle Messaging Gateway管理ユーザーの作成

メッセージ・ゲートウェイの管理作業を実行するには、例18-3に示したように、MGW_ADMINISTRATOR_ROLE権限を所有するデータベース・ユーザーを作成する必要があります。

例18-3 メッセージ・ゲートウェイ管理者ユーザーの作成

CREATE USER admin_user IDENTIFIED BY admin_password;
GRANT CREATE SESSION to admin_user;
GRANT MGW_ADMINISTRATOR_ROLE to admin_user;

18.2.6 Oracle Messaging Gatewayエージェント・ユーザーの作成

メッセージ・ゲートウェイ・エージェントからデータベースへの接続を確立するには、例18-4に示したように、MGW_AGENT_ROLE権限を所有するデータベース・ユーザーを作成する必要があります。

例18-4 メッセージ・ゲートウェイ・エージェント・ユーザーの作成

CREATE USER agent_user IDENTIFIED BY agent_password;
GRANT CREATE SESSION to agent_user;
GRANT MGW_AGENT_ROLE to agent_user;

18.2.7 Oracle Messaging Gateway接続情報の構成

メッセージ・ゲートウェイ・エージェント・ユーザーの作成後、管理ユーザーとしてDBMS_MGWADM.ALTER_AGENTを使用し、例18-5に示したように、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントによるデータベースへの接続に使用されるユーザー名、パスワードおよびデータベース接続文字列でメッセージ・ゲートウェイを構成します。「Oracle Messaging Gatewayのエージェント・ユーザーの作成」で作成したメッセージ・ゲートウェイのユーザー名とパスワードを使用します。データベース接続文字列パラメータは、tnsnames.oraの新しいサービス名(パフォーマンスを向上させるにはIPCプロトコルを使用)またはNULLのいずれかに設定できます。NULLに設定する場合は、mgw.oraoracle_sidパラメータを設定する必要があります。

このリリースの場合は、DBMS_MGWADM.ALTER_AGENTをコールするとき、常にデータベース接続文字列パラメータに対してNULL以外の値を指定してください。

例18-5 メッセージ・ゲートウェイの接続情報の構成

set echo off
set verify off
connect admin_user

ACCEPT password CHAR PROMPT 'Enter the password for AGENT_USER: ' HIDE

EXEC DBMS_MGWADM.ALTER_AGENT(
      agent_name  => 'default_agent',
      username    => 'agent_user',
      password    => '&password',
      database    => 'agent_database');

18.2.8 RAC環境におけるOracle Messaging Gatewayの構成

内容は次のとおりです。

18.2.8.1 メッセージ・ゲートウェイ・エージェント接続に使用する接続情報の構成

メッセージ・ゲートウェイ・エージェントによるすべてのデータベース接続先を、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントのプロセスが実行中のインスタンスにする必要があります。これにより、Real Application Clusters(RAC)環境で確実に適切なフェイルオーバー動作が得られます。このように接続を構成するには、インスタンスで少し異なる方法でtnsnames.oraファイルを使用させます。各ファイルには同じネット・サービス名のエントリがありますが、接続データはそのtnsnames.oraファイルに関連付けられているインスタンスのみを参照します。共通のネット・サービス名は、DBMS_MGWADM.ALTER_AGENTを使用してメッセージ・ゲートウェイ・エージェントのデータベース接続情報を構成するときに、データベース・パラメータに使用されます。

たとえば、OraDB1およびOraDB2という2つのインスタンスで構成される2インスタンスRAC環境で、ネット・サービス名AGENT_DBが使用される場合、インスタンスOraDB1tnsnames.oraは次のようになります。

AGENT_DB =
  (DESCRIPTION =
    (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = myhost1.mycorp.com)(PORT = 1521))
    (CONNECT_DATA =
      (SERVER = DEDICATED)
      (SERVICE_NAME = OraDB10.mycorp.com)
      (INSTANCE_NAME = OraDB1)
    )
  )

OraDB2tnsnames.oraは次のようになります。

AGENT_DB =
  (DESCRIPTION =
    (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = myhost2.mycorp.com)(PORT = 1521))
    (CONNECT_DATA =
      (SERVER = DEDICATED)
      (SERVICE_NAME = OraDB10.mycorp.com)
      (INSTANCE_NAME = OraDB2)
    )
  )

その後、次のコマンドを実行して、メッセージ・ゲートウェイ・エージェント・ユーザーの接続情報を構成します。

EXEC DBMS_MGWADM.ALTER_AGENT(
   agent_name   => 'default_agent',
   username     => 'agent_user',
   password     => 'agent_password',
   database     => 'agent_db');

18.2.8.2 メッセージ・ゲートウェイ・エージェントに対するRACインスタンスの設定

メッセージ・ゲートウェイは、Oracle Schedulerのデータベース・サービス・サポートを活用して、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントの外部プロセスのサービス・アフィニティを指定します。デフォルトでは、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントは、すべてのインスタンスにマップされているデフォルトのデータベース・サービスを使用します。メッセージ・ゲートウェイ・エージェントが、特定のグループのデータベース・インスタンスで起動するようにするには、これらのインスタンスにデータベース・サービスを作成し、DBMS_MGWADM.CREATE_AGENTまたはDBMS_MGWADM.ALTER_AGENTプロシージャのSERVICEパラメータを使用して、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントに割り当てる必要があります。DBMS_MGWADM.STARTUPプロシージャによって、Oracle Schedulerジョブの実行時にメッセージ・ゲートウェイ・エージェントの外部プロセスを開始するSchedulerジョブが送られます。Schedulerジョブは、メッセージ・ゲートウェイ・エージェント用に構成されたデータベース・サービスを使用します。

SERVICEパラメータによって指定されたデータベース・サービスは、Oracle Schedulerジョブのサービス・アフィニティ、およびメッセージ・ゲートウェイの外部プロセスのサービス・アフィニティに対してのみ使用されます。メッセージ・ゲートウェイ・エージェントのユーザーによって作成されたデータベース接続には使用されません。これらのJDBCクライアント接続は、DATABASEおよびCONNTYPEパラメータに指定された値に基づきます。

18.3 Oracle以外のメッセージ・システムの設定

内容は次のとおりです。

18.3.1 TIB/Rendezvousの設定

TIB/Rendezvous Javaクライアント・アプリケーションとして実行する場合、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントには、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントが実行されるコンピュータ上にTIB/Rendezvousソフトウェアをインストールする必要があります。この項では、TIBRV_HOMEはインストールされたTIB/Rendezvousソフトウェアの場所を参照します。

listener.oraの変更

Linux Operating Systemの場合は、メッセージ・ゲートウェイのエントリのLD_LIBRARY_PATHには、TIB/Rendezvous共有ライブラリ・ファイルにアクセスするためのエージェントのTIBRV_HOME/libを含める必要があります。

Windowsオペレーティング・システムの場合は、listener.oraを変更する必要はありません。ただし、システム環境変数PATHTIBRV_HOME\binを含める必要があります。

mgw.oraの変更

MGW_PRE_PATHには、通常TIBRV_HOME/binにあるTIB/Rendezvousライセンス・チケット・ファイル(tibrv.tkt)が入っているディレクトリを含める必要があります。

CLASSPATHには、TIB/Rendezvous jarファイルTIBRV_HOME/lib/tibrvj.jarを含める必要があります。独自にカスタマイズされたTIB/Rendezvousアドバイザ・メッセージ・コールバックを使用する場合は、コールバック・クラスの場所も含める必要があります。

次のJavaプロパティを設定して、デフォルトの設定を変更します。

例18-6 Javaプロパティの設定

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.encoding=ISO8859_1
setJavaProp oracle.mgw.tibrv.intraProcAdvSubjects=_RV.>
setJavaProp oracle.mgw.tibrv.advMsgCallback=MyadvCallback

18.3.2 WebSphere MQ Base JavaまたはJMSの設定

JavaおよびJMSのWebSphere MQクライアントとWebSphere MQクラスは、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントが作動するコンピュータ上にインストールする必要があります。この項では、MQ_HOMEはインストール済クライアントの場所を参照します。Linux Operating Systemの場合は、この場所は常に/opt/mqmです。Windowsオペレーティング・システムの場合は、インストール場所を変更できます。

listener.oraの変更

メッセージ・ゲートウェイによるWebSphere MQへのアクセスには、listener.oraの変更は必要ありません。

mgw.oraの変更

WebSphere MQ Base Java(JMS以外)インタフェースを使用する場合は、「mgw.ora初期化ファイルの設定」の設定以外に少なくとも次のパスを含むようにCLASSPATHを設定する必要があります。

  • MQ_HOME/java/lib/com.ibm.mq.jar

  • MQ_HOME/java/lib/connector.jar

WebSphere MQ JMSインタフェースを使用する場合は、CLASSPATHを設定して、「mgw.ora初期化ファイルの設定」の設定以外に少なくとも次のパスを含める必要があります。

  • MQ_HOME/java/lib/com.ibm.mqjms.jar

  • MQ_HOME/java/lib/com.ibm.mq.jar

  • MQ_HOME/java/lib/connector.jar

18.4 Oracle Messaging Gateway設定の検証

次の手順を実行して、設定を検証します。この手順には、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントの単純な起動および停止が含まれます。

  1. データベース・リスナーを起動します。

    外部プロシージャに対するリスナーおよび通常のデータベース接続に対する他のリスナーを起動します。

  2. メッセージ・ゲートウェイ・エージェント・ユーザーに対してデータベース接続文字列をテストします。

    sqlplus agent_user/agent_password@agent_databaseを実行します。

    正常に終了した場合、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントをデータベースに接続できます。

  3. Linux Operating Systemのみ: 外部プロシージャのコールに使用するネット・サービス・エントリをテストします。

    sqlplus agent_user/agent_password@MGW_AGENTを実行します。

    「ORA-28547: サーバーへの接続が失敗しました。Oracle Netの管理エラーの可能性があります」が発行され失敗します。tnsnames.oralistener.oraまたは両方が正しくないことを示すその他のエラー。

  4. admin_userとして接続し、DBMS_MGWADM.STARTUPをコールしてメッセージ・ゲートウェイ・エージェントを起動します。

  5. MGW_GATEWAYビューを使用して、AGENT_STATUSRUNNINGに、AGENT_PINGREACHABLEに変わるまで待ちます。

  6. admin_userとして接続し、DBMS_MGWADM.SHUTDOWNをコールしてメッセージ・ゲートウェイ・エージェントを停止します。

  7. MGW_GATEWAYビューを使用して、AGENT_STATUSNOT_STARTEDに変わるまで待ちます。

18.5 Oracle Messaging Gatewayのアンロード

メッセージ・ゲートウェイをアンロードする手順は、次のとおりです。

  1. メッセージ・ゲートウェイを停止します。

  2. ペイロードがメッセージ・ゲートウェイ標準型(SYS.MGW_BASIC_MSG_Tなど)であるユーザー作成のキューを削除します。

  3. SQL*Plusを使用して、ユーザーSYSまたはSYSDBAとしてORACLE_HOME/mgw/admin/catnomgw.sqlを実行します。

    これによって、ロール、表、ビュー、パッケージ、オブジェクト型およびシノニムを含む、メッセージ・ゲートウェイによって使用されるデータベース・オブジェクトが削除されます。

  4. listener.oraおよびtnsnames.oraで作成したメッセージ・ゲートウェイのエントリを削除します。

18.6 mgw.ora初期化ファイルについて

メッセージ・ゲートウェイ・エージェントを起動すると、メッセージ・ゲートウェイによって、テキスト・ファイルから初期化情報が読み込まれます。初期化ファイルには、初期化パラメータ、環境変数およびJavaプロパティを設定するための行が含まれています。各エントリは1行に指定する必要があります。先頭の空白は、すべての場合に切り捨てられます。

メッセージ・ゲートウェイの管理者は、DBMS_MGWADM.CREATE_AGENTおよびDBMS_MGWADM.ALTER_AGENTにより、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントに使用される初期化ファイルを指定できます。初期化ファイルが指定されない場合、デフォルトの初期化ファイルが使用されます。

デフォルトのエージェントのデフォルト初期化ファイルは、ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw.oraにあります。

指定エージェントのデフォルトの初期化ファイルは、ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw_AGENTNAME.oraです。AGENTNAMEには、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントの名前を大文字で指定します。たとえば、エージェント名がmy_agentである場合、そのエージェント名のデフォルトの初期化ファイルは、ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw_MY_AGENT.oraです。指定エージェントのデフォルトの初期化ファイルが存在しない場合、ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw.oraが使用されます。

18.6.1 mgw.ora初期化パラメータ

通常、初期化パラメータは、「name=value<NL>」という書式の行で指定されます。ここで、nameはパラメータ名、valueはパラメータの値、<NL>は改行を表します。

log_directory

用途: メッセージ・ゲートウェイのログ・ファイルまたはトレース・ファイルが作成されるディレクトリを指定します。

書式:  

log_directory = value

デフォルト: 

ORACLE_HOME/mgw/log

例:  

log_directory = /private/mgwlog

log_level

用途: メッセージ・ゲートウェイ・エージェントによって記録されるロギングの詳細レベルを指定します。ロギング・レベルは、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントの実行中にDBMS_MGWADM.SET_LOG_LEVELをコールすることで動的に変更できます。Oracleでは、常にログレベル0(デフォルト値)を使用することをお薦めします。

書式:  

log_level = value

値:  

0: 基本的なロギングの場合に使用します。これは、DBMS_MGWADM.BASIC_LOGGINGと同じです。

1: 低レベルのトレースの場合に使用します。これは、DBMS_MGWADM.TRACE_LITE_LOGGINGと同じです。

2: 高レベルのトレースの場合に使用します。これは、DBMS_MGWADM.TRACE_HIGH_LOGGINGと同じです。

3: デバッグ・トレースの場合に使用します。これは、DBMS_MGWADM.TRACE_DEBUG_LOGGINGと同じです。

例:  

log_level = 0

18.6.2 mgw.ora環境変数

ユーザーは、メッセージ・ゲートウェイの処理環境を直接制御できないため、初期化ファイルを使用して特定の環境変数を設定する必要があります。現在、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントによって使用されている環境変数は、CLASSPATHMGW_PRE_PATHおよびORACLE_SIDです。

CLASSPATHMGW_PRE_PATHなどの環境変数を設定すると、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントで必要な共有オブジェクト、Javaクラスなどを検索できます。環境変数は、「set env_var=value<NL>」または「setenv env_var=value<NL>」という書式の行で指定されます。ここで、env_varは設定する環境変数の名前、valueは環境変数の値、<NL>は改行を表します。

CLASSPATH

用途: Oracle Streams AQとOracle以外のメッセージ・システム間の伝播のために、メッセージ・ゲートウェイ・エージェントに必要なJavaクラスを検索するJava Virtual Machineによって使用されます。

書式:  

set CLASSPATH=value

例:  

set CLASSPATH=ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc5.jar:JRE_HOME/lib/rt.jar:
ORACLE_HOME/sqlj/lib/runtime12.jar:ORACLE_HOME/jlib/orai18n.jar:ORACLE_HOME/rdbms/
jlib/jmscommon.jar:ORACLE_HOME/rdbms/jlib/aqapi.jar:ORACLE_HOME/jlib/jta.jar:
/opt/mqm/java/lib/com.ibm.mq.jar:/opt/mqm/java/lib/com.ibm.mqjms.jar:/opt/mqm/java
/lib/connector.jar

MGW_PRE_PATH

用途: メッセージ・ゲートウェイのプロセスによって継承されたパスの先頭に追加されます。Windowsオペレーティング・システムの場合、この変数を設定してライブラリjvm.dllが存在する位置を指定する必要があります。

書式:  

set MGW_PRE_PATH=value

例:  

set MGW_PRE_PATH=JRE_HOME\bin\client

ORACLE_SID

用途: メッセージ・ゲートウェイの構成時にサービス名が指定されていない場合に使用できます。

書式:  

set ORACLE_SID=value

例: 

set ORACLE_SID=my_sid

18.6.3 mgw.ora Javaプロパティ

TIB/Rendezvousサブジェクトで作業する場合、メッセージ・ゲートウェイJVM用のJavaシステム・プロパティを指定する必要があります。このメッセージ・ゲートウェイ初期化ファイルのsetJavaPropプロパティを使用できます。Javaプロパティは、「setJavaProp prop_name=value<NL>」というフォーマットの行で指定されます。ここで、prop_nameは設定するJavaプロパティの名前、valueはJavaプロパティの値、<NL>は改行の文字を表します。

oracle.mgw.batch_size

用途: このJavaプロパティは、1つのトランザクションで伝播されるメッセージの最大数を表します。メッセージ・ゲートウェイのジョブ・オプションMsgBatchSizeが指定されていない場合は、デフォルト値として使用されます。デフォルトから変更する場合は、予想メッセージ・サイズおよびメッセージ・ゲートウェイ・エージェントのメモリーに注意してください(DBMS_MGWADM.ALTER_AGENTmax_memoryパラメータを参照してください)。このJavaプロパティの最小値は1、最大値は100、デフォルトは30です。


関連項目:

『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』のDBMS_MGWADMに関する項

構文: 

setJavaProp oracle.mgw.batch_size=value

例: 

setJavaProp oracle.mgw.batch_size=10

oracle.mgw.polling_interval

用途: このパラメータは、伝播元キューの使用可能メッセージのポーリング間の経過時間(1000分の1秒単位)を指定します。メッセージ・ゲートウェイで使用されるデフォルトのポーリング間隔は5000ミリ秒(5秒)です。

構文: 

setJavaProp oracle.mgw.polling_interval=value

例: 

setJavaProp oracle.mgw.polling_interval=1000

oracle.mgw.tibrv.encoding

用途: このパラメータでは、TIB/Rendezvousメッセージ・システム・リンクで使用される文字エンコードを指定します。TIB/Rendezvous制約により、すべての構成済TIB/Rendezvousリンクに許可されているキャラクタ・セットは1つのみです。デフォルトは、ISO 8859-1またはJavaシステム・プロパティfile.encodingによって指定されたキャラクタ・セットです。

構文: 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.encoding=value

例: 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.encoding=ISO8859_1

oracle.mgw.tibrv.intraProcAdvSubjects

用途: このパラメータはすべてのTIB/Rendezvousメッセージ・システム・リンクに使用され、プロセス内転送で表示されるシステム勧告サブジェクトの名前を指定します。

構文 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.intraProcAdvSubjects=
advisorySubjectName[:advisorySubjectName]

例: 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.intraProcAdvSubjects=_RV.>

oracle.mgw.tibrv.advMsgCallback

用途: このパラメータはすべてのTIB/Rendezvousメッセージ・システム・リンクに使用され、TibrvMsgCallbackインタフェースを実装してシステム勧告メッセージを処理するJavaクラスの名前を指定します。指定されていない場合は、メッセージ・ゲートウェイによって提供されるデフォルトのシステム勧告メッセージ・ハンドラが使用され、メッセージ・ゲートウェイのログ・ファイルにシステム勧告メッセージが書き込まれます。指定されている場合は、クラス・ファイルが格納されているディレクトリがmgw.oraCLASSPATHに含まれている必要があります。

構文: 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.advMsgCallback=className

例: 

setJavaProp oracle.mgw.tibrv.advMsgCallback=MyAdvCallback

oracle.net.tns_admin

用途:  このパラメータは、tnsnames.oraファイルのディレクトリを指定します。メッセージ・ゲートウェイ・エージェントがJDBC Thinドライバを使用するように構成されており、エージェント接続情報のデータベース指定子がTNSNamesの別名である場合に、このパラメータを設定する必要があります。JDBC OCIドライバが使用されている場合、またはデータベース指定子がTNSNamesの別名でない場合には、このパラメータを設定する必要はありません。

構文: 

setJavaProp oracle.net.tns_admin=value

例: 

setJavaProp oracle.net.tns_admin=/myoraclehome/network/admin

18.6.4 mgw.oraコメント行

コメント行は、行の先頭に#という文字を使用して指定されます。