Oracle Database Gateway for DRDAにより、次のことが可能になります。
異機種データベース管理システムを単一の同機種データベース・システムのように統合できます。
Oracleアプリケーションからデータを読み取り、(Oracle Databaseのデータ以外に)DB2/OS390、DB2/400およびDB2 Universal Databaseデータベースのデータに書き込むことができます。
この章では、Oracle Database Gateway for DRDAのアーキテクチャ、用途および機能に関する情報を提供します。
この章には、次の項が含まれます。
今日のグローバル経済において、情報は企業にとって最も価値のあるリソースです。新規マーケットの分析、現地需要に合せた製品の変更、複雑な顧客情報の処理能力の向上、経営の合理化など、いずれを行う場合でも、企業では最新の完全な情報に即座にアクセスできる必要があります。
企業が成長し、多角化を進めるにつれ、互換性のないネットワーク、プラットフォームおよびストレージ形式を使用するアプリケーションや地理的に分散したデータの寄せ集めが運用の基盤となることはよくあります。異なるアプリケーション標準およびストレージ形式は、情報の統合を困難にする可能性があります。Oracleでは、これらの技術的障害を克服するための統合テクノロジを提供しています。Oracle Open Gatewayは、複雑なシステムを単純化し、情報に対する障害を取り除くことで、企業にビジネスに集中する機会を提供します。
現在の投資の保護
Oracle Database Gateway for DRDAにより、企業では、現在のデータおよびアプリケーションに対する投資を失うことなく情報システムを開発できます。ゲートウェイにより、既存のIBMアプリケーションを使用したDB2データへのアクセスを継続しながら、アプリケーションの単一のセットに基づいてOracleデータやDB2データにアクセスできます。また、現在のデータへのアクセスを中断することなく、より生産的なデータベース・ツールを使用することや、分散データベース・テクノロジに移行することが可能です。
Oracle Databaseテクノロジに移行する場合は、ゲートウェイによって移行速度を調整できます。アプリケーションを以前のテクノロジからOracle Databaseに移行しつつ、ゲートウェイを使用してDB2データをOracle Databaseに移行できます。
Oracle Database 11gでは、次世代のOracle Open Gatewayリリース11gの基盤が提供されます。これにより、Oracle Database 11gの異機種間サービスを最大限利用した高度な統合機能が実現します。異機種間サービスは、Oracle Database 11gのコンポーネントです。Oracle Database 11gにより、次世代のゲートウェイに対して共通のアーキテクチャが提供されます。Oracle Heterogeneous Serviceの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。
リリース10のゲートウェイは、以前のリリースよりもいっそう緊密にOracle Database 11gと統合されており、OracleとOracle以外のデータを透過的に統合しながら、パフォーマンスの改善と機能の向上を可能にします。たとえば、接続初期化情報はローカルのOracle Database 11gで使用できるため、ラウンドトリップの回数とネットワーク上に送信されるデータの量が減少します。また、アプリケーションにより発行されるSQL文は、一度解析および変換されると複数のアプリケーションで再利用できるため、SQLも高速に実行されます。
リリース10のゲートウェイでは、Oracle Database 11gの拡張機能がすべて活用されるため、それらの機能の利点をOracle以外のデータに即座に拡張できます。
Oracle Database Gateway for DRDAの利点
Oracle Database Gateway for DRDAにより、Oracleアプリケーションは、SQLを通じてDB2 for MVSなどのDRDAアプリケーション・サーバーにアクセスできます。ゲートウェイとOracle Database 11gは、データが広範囲に分散していても、すべてのデータがローカルのOracle Database 11gに存在するかのように連携動作します。データをDRDAアプリケーション・サーバー・データベースからデータベース・サーバーに移行する場合でも、アプリケーションの設計や機能を変更する必要はありません。ゲートウェイは、アプリケーションとデータベース間のデータ型およびSQL機能に関するすべての違いを解決します。
Oracle Database Gateway for DRDAにより、異機種システムをシームレスな単一環境に統合できます。この統合を通じて、現在の企業環境全体で既存のハードウェアおよびアプリケーションを最大限活用できます。構成ごとにアプリケーションを再記述する必要はなくなり、エラーの発生しやすい冗長な手動データ転送プロセスを回避できます。Oracleのツール、ネットワーキングおよびデータ・サーバー・テクノロジとともに、Oracle Database Gateway for DRDAにより、エンタープライズ全体でシームレスな情報アクセスを行うための高度な基準が設定されます。
Oracle Database Gateway for DRDAにより、アプリケーションは、単一のデータベースにすべてのデータが格納されているかのようにDB2データやOracleデータを取得および更新できます。結果として、エンド・ユーザーおよびアプリケーション・プログラマは、データの物理的な場所または記憶域特性を知る必要がなくなります。この透過性により、異機種データのシームレスな統合が可能になるだけでなく、ゲートウェイの実装、アプリケーション開発およびメンテナンスも簡単になります。ゲートウェイの特長は、次のとおりです。
Oracle Database Gateway for DRDAにより、エンタープライズ内のすべてのレベルにおいて透過性が提供されます。Oracle Database Gatewayでは、次の各レベルで透過性が提供されます。
場所
エンド・ユーザーは、表の物理的な場所を理解していなくても名前を使用してその表にアクセスできます。
ネットワーク
ゲートウェイによるOracle Netテクノロジの使用により、ユーザーは、ネットワーク・アーキテクチャを考慮せずに複数のネットワークを通じてデータにアクセスできます。TCP/IPプロトコルがサポートされます。
オペレーティング・システム
データを保持しているオペレーティング・システムを意識することなく、複数のオペレーティング・システムに格納されているデータにアクセスできます。
データ記憶域
データベースやファイル形式に関係なくデータにアクセスできます。
アクセス方法
すべてのデータ・ストアに対して単一のSQL言語を使用できるため、データベース固有のアクセス方法またはSQL実装に対応するコーディングを行う必要がありません。
次に、ゲートウェイを通じて使用できる高度なOracle Database 11gサービスの一部を示します。
アプリケーションでは、豊富な機能を備えたOracle SQLを使用してすべてのデータにアクセスできます。ネイティブ環境のターゲット・データ・ストアでサポートされない場合でも、外部結合などの高度なOracle Database 11g機能を使用できます。ゲートウェイとOracle Database 11gサーバーは、各データベース・リリースの最新機能をいつでもすぐにゲートウェイで使用できるような方法で統合されています。
JOIN
やUNION
などのOracle分散機能は特別なプログラミングまたはマッピングなしでOracle以外のデータに適用されるため、異機種データをシームレスに統合できます。
Oracle Database 11gでは、高度な問合せ最適化技術を使用することで、すべてのデータに対してSQL文を効率的に実行できます。ローカル・データとリモート・データのデータ分散および記憶域特性は、区別されることなく処理されます。
データベース・サーバーの2フェーズ・コミット・メカニズムにより、複数のデータ・ストアにまたがるトランザクションを単一の作業ユニットとして扱うことで、データ・ストア間の整合性が確保されます。影響を受けるすべてのデータ・ストアで変更がコミットされないかぎり、その変更はどのデータ・ストアでもコミット(または永続的に格納)されません。
同じOracleストアド・プロシージャおよびデータベース・トリガーをすべてのデータへのアクセスに使用できるため、エンタープライズ全体に統一的なビジネス・ルールを適用できます。
ゲートウェイとOracle Database 11gとの統合により、Oracle InternetおよびOracle Netソフトウェアの利点が(Oracle以外のデータにまで)拡張され、Oracleクライアント/サーバーおよびサーバー/サーバー接続ソフトウェアの利点が拡張されます。これらの優れた機能は、次のとおりです。
Oracle Databaseのデータにアクセスできるインターネットまたはイントラネット・アプリケーションは、ゲートウェイを通じてアクセス可能なデータ・ストアの情報も取り込むことができます。Webブラウザは、Oracleソフトウェアをサポートする任意のアプリケーション・サーバー製品を使用してOracle Databaseに接続できます。
OracleおよびOracle Netは、連携してプロトコル・コンバータとして機能するため、アプリケーションではクライアントのネットワーク・プロトコルをサポートしないプラットフォーム上の他のデータ・ストアに透過的にアクセスできます。Oracle Database 11gでは、TCP/IPを使用してゲートウェイおよび他のデータ・ストアと通信します。
Oracle以外のデータは、クライアントへの転送中における権限のないアクセスや改ざんから保護されます。この機能は、ハードウェア非依存およびプロトコル非依存の暗号化と、アドバンスト・セキュリティのCHECKSUM
サービスを使用することで実現されます。
オラクル社の業界最高クラスのモバイル・テクノロジであるOracle Mobile Agentにより、Oracle Databaseとのワイヤレス通信またはゲートウェイを通じてアクセス可能な任意のデータベースとのワイヤレス通信が可能になります。これにより、現場の担当者は、モバイル・ラップトップ・コンピュータからエンタープライズ・データに直接アクセスできます。
ゲートウェイの簡易設定では、追加のマッピングは必要ありません。アプリケーションは、なんらかの情報にアクセスする前に、データの構造(表の列やその長さなど)を指示される必要があります。多くの製品では、管理者が、ハブに格納された個別のデータ・ディクショナリにそれらの情報を手動で定義する必要があります。その後、アプリケーションは、各データベースに固有のディクショナリではなく、ハブのディクショナリを使用して情報にアクセスします。このアプローチでは、管理者による多くの手動構成およびメンテナンス作業が必要です。リモート表の構造が変更された場合、管理者はすぐにハブのデータ・ディクショナリを更新する必要があります。
Oracle Database Gateway for DRDAでは、効率の悪い重複作業は不要です。ゲートウェイでは、各データベースに固有の既存のディクショナリを使用します。アプリケーションは、各データベース専用に設計されたディクショナリを使用してデータにアクセスするため、冗長なディクショナリを作成または管理する必要はありません。
Oracle Database Gatewayにより、SQLの統一されたセットを使用して任意のデータにアクセスできるため、アプリケーションの開発およびメンテナンスが簡単になります。場所、記憶域特性、または表の構造に変化があっても、アプリケーションを変更する必要はありません。ANSIおよびISO標準のSQLがサポートされると同時に、Oracleの優れた拡張機能を使用できます。
ネイティブDB2 SQLの実行操作は、DB2に対して直接実行するためにゲートウェイを通じて渡すことができます。これにより、アプリケーションでは、DB2のCREATE TABLE
などの文をターゲットDB2システムで実行するためにゲートウェイに送信できます。
ゲートウェイでは、OracleとOracle以外のストアド・プロシージャを両方とも使用できるため、企業の分散マルチデータベース環境に対する投資を最大限活用できます。Oracleストアド・プロシージャでは、異機種データ・アクセス用の特別なコーディングを行うことなく、簡単に複数のデータ・ストアにアクセスできます。
Oracleストアド・プロシージャでは、Oracle Database 11gに格納された集中管理型のビジネス・ルールを使用して、DB2データへのアクセスと更新を行うことができます。Oracleストアド・プロシージャを使用すると、ネットワーク通信量が最小化されるため、データベース・パフォーマンスが向上します。アプリケーションでは、ネットワークを通じて個々のSQL文を送信するかわりに、単一のEXECUTE
コマンドを送信してPL/SQLのルーチン全体を開始できます。
ゲートウェイでは、標準のOracle PL/SQLを使用してDB2ストアド・プロシージャを実行できます。Oracleアプリケーションは、DB2ストアド・プロシージャを、Oracleのリモート・プロシージャであるかのように実行します。
Oracle Database 11gをサポートするアプリケーションまたはツールは、Oracle Gatewayを通じて30を超える様々なデータソースにアクセスできます。データが製品固有のレガシー形式で格納されていても、オラクル社およびサード・パーティ・ベンダーによる様々なオープン・システム・ツールを使用できます。非定型の問合せツール、Webブラウザ、カスタマイズ不要のアプリケーション、アプリケーション開発ツールなど、何百ものツールがサポートされています。
ゲートウェイは、グローバル問合せ最適化、複数サイト・トランザクション用のトランザクション調整、すべてのOracle Net構成のサポートなどを提供するOracle Databaseテクノロジと統合されています。Oracle Databaseをサポートするツールおよびアプリケーションは、ゲートウェイを通じて異機種データにアクセスする際に使用できます。
データベース間でデータを移動する場合、SQL*Plusを使用できます。この製品により、部門データベースのデータを企業のOracle Databaseインスタンスにコピーできます。
ゲートウェイは、複数サイト・トランザクションおよび2フェーズ・コミットにパートナとして参加できます。この動作方法は、基礎となるデータソースの機能に応じて異なります。つまり、ゲートウェイは、次のいずれかとして実装されます。
完全な2フェーズ・コミット・パートナ
コミット・ポイント・サイト
単一サイトの更新パートナ
読取り専用パートナ
ゲートウェイ実装の決定要因は、使用しているターゲット・データベースのロックおよびトランザクション処理機能です。
デフォルトでは、Oracle Database Gateway for DRDAはコミット・ポイント・サイト(コミット確認プロトコル)として構成されます。ゲートウェイを通じて読取り専用機能を強制する場合は、オプションでゲートウェイを読取り専用として構成できます。その他のプロトコルはサポートされません。第3章「Oracle Database Gateway for DRDAの使用方法」の「読取り専用ゲートウェイ」を参照してください。
ゲートウェイを含むすべてのOracle Database製品では、サイト自律性が提供されます。たとえば、データソースの管理は、引き続き元のシステム管理者が担当します。また、サイト自律性は、データソースまたは運用環境によって確立されたセキュリティ対策をゲートウェイ製品が無効にすることのないように機能します。
ゲートウェイを通じたデータソースの統合では、データソースのアプリケーションを変更する必要はありません。その結果、Oracle Databaseテクノロジが無理に適用されることなく、共存および簡単な移行パスが提供されます。
このガイドで使用されている用語は、必ずしもIBM社の用語に一致していません。次のリストに、このガイド内で使用されているいくつかの用語とその意味を示します。
DRDAデータ: DRDAを通じてアクセスされる任意のデータベース・データの総称です。
DRDAデータベース: DRDAサーバーに属するデータの集合です。
DRDAサーバー: DRDAを通じてアクセス可能なデータベース・サーバーです。DRDAサーバーに対応するIBM社の用語は、DRDAアプリケーション・サーバー(AS)です。
DRDAサーバー・タイプ: DRDAサーバーとして動作可能な特定のデータベース製品またはプログラムです。
Oracle Database: Oracle Database Gateway for DRDAと通信してDRDAサーバーに対するデータベース・アクセス操作を分散する任意のOracle Database 11gインスタンスです。Oracle Databaseは、ゲートウェイ以外のアプリケーションでも使用できます。
DB2 Universal Database: DB2のUNIXベースまたはWindowsベースの実装の総称です。DB2/UDBは、DB2 Universal Databaseの略称としてよく使用されます。
Oracle Database Gateway for DRDAは、Oracle Database 11gと連携動作して、Oracle以外のデータベースにおける差異の大部分をOracleアプリケーションから隠蔽します。つまり、Oracleアプリケーションは、Oracle Database 11gデータとDRDAデータベース・データに対して、それらがOracle Databaseに存在するOracle Databaseデータであるかのようにアクセスできます。
このアーキテクチャは、次の主要コンポーネントにより構成されます。
クライアント
クライアントは、Oracleアプリケーションまたはツールです。
Oracle Databaseインスタンスは、プロシージャ・オプションと分散オプションに基づいてOracle Database 11gからアクセスされます。通常、Oracle Databaseはゲートウェイと同じホストにインストールされますが、これは必須事項ではありません。Oracle Databaseとゲートウェイは、Oracle Databaseがサーバーに接続する際の通常の方法に従って通信します。
Oracle Databaseがゲートウェイの存在するホストに存在しない場合、サーバーが存在するプラットフォームに適切なOracleのネットワーキング・ソフトウェアをインストールする必要があります。Oracle Database 11gの場合、Oracle Database 11gが存在するマシンにOracle Netをインストールする必要があります。
Oracle Database Gateway for DRDA
ゲートウェイは、適切なオペレーティング・システムが稼働しているホストにインストールする必要があります。
Oracle Databaseが同じホスト上に存在しない場合、ゲートウェイとOracle Database 11gの通信を可能にするため、Oracle Netもインストールする必要があります。
DRDAサーバーは、ネットワークを通じてホストからアクセス可能なシステム上に存在するDRDAサーバー・データベースである必要があります。
複数のOracle Database 11gサーバーで同じゲートウェイにアクセスできます。単一のホスト・ゲートウェイ・インストール環境を構成することで、複数のDRDAサーバーにアクセスできます。
図1-1は、ゲートウェイ・アーキテクチャを示しています。
ゲートウェイをホストにインストールすると、ホストにOracle Databaseインスタンスと同じコンポーネントがいくつかインストールされます。ゲートウェイには、次のコンポーネントが含まれます。
ベース・ファイル・ディレクトリ: OracleインスタンスのORACLE_HOME
環境変数に関連付けられたディレクトリと同じです。
ゲートウェイ・システム識別子(SID): OracleインスタンスのORACLE_SID
に相当します。
Oracle Net: Oracle DatabaseとOracle Database Gateway for DRDA間の通信をサポートします。
ゲートウェイには、次のコンポーネントは含まれません。
制御ファイル、REDOログ・ファイルまたはデータベース・ファイル
インストール済のOracle Database 11gに関連付けられたサブディレクトリおよび補助ファイルの完全なセット
ゲートウェイには、バックグラウンド・プロセスが存在せず、Oracle Enterprise Managerなどの管理ユーティリティは必要ないため、ゲートウェイ製品を起動する必要はありません。特定のゲートウェイにアクセスするOracle Database 11gの各ユーザー・セッションにより、ホスト上に独立したプロセスが作成されます。このプロセスにより、ゲートウェイ・セッションが実行され、DRDAサーバーと通信するためのネットワーク操作が起動されます。
ゲートウェイには、独自のデータベース機能はありません。かわりに、ゲートウェイでは、Oracle Database 11gがSQL操作の一部または全部をDRDAデータベースに送信するためのインタフェースを提供しています。
DRDAサーバーをサポートするゲートウェイは、データベース・リンクの使用によりOracle Databaseに識別されます。データベース・リンクは、他のOracle Database 11gサーバーを識別するために使用されるものと同じ構成です。DRDAサーバーの表は、SQLで次のように参照されます。
table_name@dblink_name
または
owner.table_name@dblink_name
Oracle Databaseにシノニムまたはビューを作成すると、DRDAサーバーの表を、その表がOracle Databaseに対してローカルであるかのように単純名を使用して参照できます。
Oracle DatabaseによってDRDAサーバー上の表に対する参照が検出されると、SQL文の適用可能な部分が処理のためにゲートウェイに送信されます。SQL文に関連付けられたすべてのホスト変数は、ゲートウェイに(したがってDRDAサーバーに)バインドされます。
ゲートウェイは、実行のために、およびレスポンスの処理と返信のためにこれらのSQL文をDRDAサーバーに送信します。レスポンスは、データまたはメッセージです。Oracleデータ型とDRDAデータ型の間の変換は、ゲートウェイにより実行されます。Oracle Databaseとアプリケーションの両方とも、Oracleデータ型のみを読み取って処理します。
SQL実装はすべて同じではありません。Oracle Database 11gでは、ゲートウェイを通じて現在アクセスされるデータベースより多くの組込み関数のセットをサポートしています。Oracle Databaseとゲートウェイは、連携してSQLを特定のDRDAサーバーと互換性のある形式に変換します。
この変換中に、Oracle Database 11gの関数は、特定のDRDAサーバーに認識可能な関数に変換されます。たとえば、Oracle Database 11gのNVL
関数は、DB2のVALUE
関数に変換されます。
また、Oracle Databaseでは、DRDAサーバーで実行できない関数は保留され、DRDAデータベースから行がフェッチされた後に実行されます。この処理は、一般的にSELECT
文に対して適用されます。Oracle Databaseとゲートウェイでは、UPDATE
、INSERT
またはDELETE
文に対してこの種の操作は実行できません。実行すると、トランザクション・セマンティクスが変化するためです。
Oracle Database Gatewayを使用して、DRDAデータベースに格納されたデータの読取りと書込みを行うOracle Databaseツールなどのアプリケーションを実行できます。
Oracle Database Gateway for DRDAでは、新しいアプリケーションや開発機能は提供されませんが、DRDAをサポートするOracle以外のデータベースのデータを含むように既存のOracle Databaseツールの適用範囲が拡張されます。
Oracle Database Gateway for DRDAを他のOracle製品と組み合せて使用すると、スタンドアロン・ゲートウェイの機能を大幅に拡張できます。
次に、Oracle Gatewayのリリースを特徴付ける重要な機能のリストを示します。これらの機能は次のとおりです。
11.1リリースのOracle Database Gateway for DRDAでは、Oracle Database 11g内のOracle Heterogeneous Serviceコンポーネントを利用します。異機種間サービスは、次世代のOracle Open Gatewayの構成ブロックです。
異機種間サービスの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。
Oracle Database Gateway for DRDAには、内部的にいくつかのパフォーマンス拡張機能が含まれます。今回の製品では、リリース9のゲートウェイと比較して、レスポンス時間と、様々なワークロードを処理するためのすべての関連アドレス空間に対するCPU使用率が大幅に向上しています。実際のパフォーマンス改善状況は、現在のインストール・タイプおよびワークロードに応じてサイトごとに異なる可能性があります。
SELECT
用のアプリケーションの配列サイズは、アプリケーションとOracle Databaseの間で効率化されています。ただし、Oracle Databaseとゲートウェイ間の配列ブロック・サイズとブロック・フェッチは、HS_RPC_FETCH_SIZE
およびHS_RPC_FETCH_REBLOCKING
という2つの異機種間サービス初期化パラメータで制御されます。これらのパラメータは、ゲートウェイ初期化ファイルに指定します。詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。
Oracle Database 11gのパススルーのサポート
Oracle Database 11gのDBMS_HS_PASSTHROUGH.EXECUTE_IMMEDIATE
メソッドを使用して、DRDAデータベースで使用可能なコマンドまたは文をゲートウェイを通じて渡すことができます。
Oracle Database Gateway for DRDAには、パススルーにより発行されたSELECT SQL文から結果セットを取得する機能があります。詳細は、「パススルーを通じた結果セットの取得」を参照してください。
今回のリリースのゲートウェイでは、ゲートウェイとDRDAサーバー間でTCP/IP通信プロトコルがサポートされます。現在のプラットフォームに応じたOracle Database Gatewayのインストレーションおよび構成ガイドの第14章「Oracle Database Gateway for DRDAの構成」を参照してください。
今回のリリースのゲートウェイでは、DRDAサーバーによる様々なSQL関数の後処理を選択的に有効化または無効化できます。詳細は、「ネイティブ・セマンティクス」を参照してください。
Oracle Database Gateway for DRDAでは、結果セットで1000までの列がサポートされます。
EXPLAIN_PLAN
表には、ゲートウェイを通じてOracle Database 11gからDRDAサーバーに渡された実際のSQL文が含まれます。
ゲートウェイによるANSI標準のSQLのサポートにより、DRDAデータベースに対する読取り/書込みアクセスが可能になります。異なるプラットフォーム上の異なるアプリケーションにデータが存在していても、新規アプリケーションではその場所にかかわらずすべてのデータを使用できます。
ゲートウェイでは、OS/390(MVS)、AS/400、UNIXまたはMicrosoft Windowsターゲット・システムに追加のOracleソフトウェアをインストールする必要はありません。ゲートウェイに使用されるデータベース・インタフェースは、IBM社により提供されており、これらのプラットフォームにすでに存在するDRDAデータベース製品およびネットワーク機能に組み込まれています。
DRDAアクセス用にIBMシステムを構成するには、通常、関連するネットワーク・リソースを定義し、ターゲット・データベースに固有のアクセス・セキュリティ定義を確立します。
DRDAアプリケーション・サーバー機能は、ほとんどのIBM DB2データベース製品でサポートされます。
異機種データベースとやりとりできるゲートウェイの機能により、Oracle DatabaseとIBMデータベース(およびOracle Gatewayが提供されている他のすべてのデータベース)に対して使用できる移植可能なアプリケーションの単一のセットを開発できます。
ゲートウェイ・アーキテクチャでは、各コンポーネント間のネットワーク接続が許可されるため、配置場所の柔軟性が最大化されます。アプリケーションでは、Oracleのクライアント/サーバー機能を使用して、Oracle Netを通じてリモートのOracle Databaseに接続できます。Oracle Databaseは、データベース・リンクを使用してリモート・ゲートウェイに接続します。ゲートウェイは、ネットワーク機能を通じてDRDAサーバーに接続します。
リモート・アクセスの利点は次のとおりです。
特定のタスクに適切なリソースを割り当てる手段が提供されます。
たとえば、高価なプロセッサを使用してアプリケーション開発を行うことを中止し、コストのかからないワークステーションやマイクロコンピュータに移行できます。
使用可能なデータソースの数が増加します。
リモート・アクセスがなければ、使用できるデータはローカル環境に制限されます。リモート・アクセスを使用すれば、データソースはネットワークによってのみ制限されます。
特定のユーザー用にアプリケーション環境をカスタマイズする手段が提供されます。
たとえば、一部のユーザーはブロック・モードの端末環境を好み、別のユーザーはビットマップされたグラフィック駆動型の端末環境を好みます。リモート・アクセスでは、データの場所により強制されるインタフェース環境の制約を受けないため、両方のタイプのユーザーを満足させることができます。
ゲートウェイでは、アプリケーションからDRDAデータに直接アクセスできるため、他のプロセッサに対して大量のデータベース・データをアップロードおよびダウンロードする必要はありません。かわりに、マシン間でデータを移動することなく、一貫性のない非同期データの発生を回避しながら、必要なときに現在の場所にあるデータにアクセスできます。大量のデータ・レプリケーションを避けることにより、システム全体の合計ディスク・ストレージ要件も緩和されます。
ただし、システムの設計上ネットワーク内のマシン間でデータを移動する必要がある場合、SQL*Plusとゲートウェイによりデータ転送が簡略化されます。単一のSQL*Plusコマンドで、ネットワークの1つのノードから別のノードへ(1つのデータベースから別のデータベースへ)データのセット全体を移動できます。
ゲートウェイを通じてDRDAデータベースに固有のコマンドおよび文を渡し、DRDAデータベースで実行できます。たとえば、DB2で実行するためにゲートウェイを通じてネイティブDB2 SQLを渡すことができます。Oracle以外のデータベースで定義されたストアド・プロシージャを実行することもできます。
アプリケーション開発ツールとエンド・ユーザー・ツール
ゲートウェイの使用により、IBMデータベースへのアクセスに使用できるアプリケーション開発ツールとエンド・ユーザー・ツールの適用範囲が拡張されます。これらのツールにより、プロトタイプ作成、開発およびメンテナンスに要する時間が削減され、アプリケーション開発とユーザーの生産性が向上します。Oracle Databaseの現在のユーザーは、DRDAデータベースに格納されたデータにアクセスするための新規ツール・セットについて学習する必要はありません。かわりに、単一のツール・セットを使用してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。
ゲートウェイおよびOracleで使用できるアプリケーション開発ツールにより、ユーザーは、アプリケーションの単一のセットを開発してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。ユーザーは、Oracleで使用できる意思決定支援ツールを使用してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。これらのツールは、Oracle Netを介してOracle Databaseに接続されたリモート・マシン上で実行できます。
アプリケーションを設計する場合、ゲートウェイはデータの取得を目的とする比較的軽量のトランザクション負荷に対応する設計になっていることに注意してください。現在のところ、ゲートウェイは、大量のトランザクション処理システムとしては設計されていません。
パスワード暗号化ユーティリティ
11.1リリースのゲートウェイには、ゲートウェイ初期化ファイルのプレーン・テキスト・パスワードの暗号化をサポートするユーティリティが含まれます。詳細は、Oracle Database Gatewayのインストレーションおよび構成ガイドの第15章「セキュリティ上の考慮事項」を参照してください。
DB2/OS390 V6、V7およびV8のストアド・プロシージャのサポート
11.1リリースのゲートウェイでは、DB2 V6、V7およびV8のネイティブ・ストアド・プロシージャ・カタログ(SYSIBM
.SYSROUTINES
およびSYSIBM
.SYSPARMS
)がサポートされます。
今回のリリースのゲートウェイでは、IBM CCSIDのOracle Databaseキャラクタ・セットに対する外部マッピングがサポートされます。「ゲートウェイのコードページ・マップ機能」を参照してください。
IBM DB2 Universal Databaseのサポート
11.1リリースでは、IBM DB2 Universal Databaseがサポートされます。
IBM DB2バージョン5.1では、ASCIIおよびEBCDICキャラクタ・セットがサポートされます。キャラクタ・セットの選択は、表の作成中に定義されます。Oracle Database Gateway for DRDAでは、EBCDIC表およびASCII表へのアクセスがサポートされます。付録C「DRDAのグローバリゼーション・サポート」を参照してください。
11.1リリースでは、ゲートウェイを読取り専用ゲートウェイとして構成できます。このモードでは、ユーザー・データの変更は許可されません。詳細は、「DRDA_READ_ONLY」を参照してください。
GRAPHICおよびマルチバイト・データのサポート
11.1リリースのゲートウェイでは、DB2のGRAPHIC
およびVARGRAPHIC
データ型のサポートが追加されています。第4章「アプリケーションの開発」を参照してください。
IntelハードウェアでのDB2/UDBのサポート
11.1リリースのゲートウェイでは、IntelハードウェアのMicrosoft WindowsおよびLinux上で稼働するDRDAサーバーのサポートが追加されています。
DB2/UDBのデータ・ディクショナリのサポート
11.1リリースのゲートウェイでは、DB2 UDB V7用のOracleデータ・ディクショナリのサポートが追加されています。