Oracle Services for Microsoft Transaction Server開発者ガイド 11gリリース1(11.1) for Microsoft Windows E05793-01 |
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この章では、Microsoft Transaction Serverに組み込まれている、サンプルのMicrosoft Component Object Model(COM)アプリケーション・デモを使用する方法について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
Microsoftアプリケーション・デモでのOracle Provider for OLE DBの構成
注意: Microsoftアプリケーション・デモは、Windows 2000、Windows XP、またはWindows Server 2003のMicrosoft Transaction Serverには組み込まれていません。 |
Microsoft Transaction Serverに付属しているSample Bankアプリケーション・デモで、Oracle Call Interface(OCI)を使用できます。多くの場合、OCIはMicrosoftアプリケーション・デモに自動的に統合されます。OCIとMicrosoftアプリケーション・デモが統合されているかどうかを調べ、統合されていない場合の手順を確認してください。
OraMTSのインストール時に、すでに、Microsoft Transaction Serverがインストールされている場合、Oracle Universal Installerにより、Sample Bankデモに含まれるいくつかのVisual C++のファイルが自動的にバックアップされ、oci.dll
ファイルとoramts.dll
ファイルを統合するファイルに置き換えられます。これによって、Sample BankデモでOCIを使用できるようになります。
OraMTSのインストール時に、Microsoft Transaction Serverがインストールされていない場合は、次のようにします。
Microsoft Transaction Serverをインストールします。
ROOTDRIVE
:\program files\mts\ samples\packages\vcacct.dll
ファイルを別の場所にバックアップします。
ORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\oramts\samples\account.vc\release
にあるvcacct.dll
ファイルを、手順2で示したディレクトリにコピーします。
Microsoftアプリケーション・デモは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\oramts\samples\account.vc
ディレクトリにインストールされます。このデモは、Microsoft Transaction Serverに付属しているVisual C++ Sample BankパッケージのOCI実装です。デモ・コンポーネントは、ユーザー・アカウントscott
およびパスワードtiger
を使用して、mtsdemo
というネット・サービス名を持つデータベースに接続します。この情報は、oramisc.h
ファイルで変更できます。デモでは、account
とreceipt
という表も使用します。
これらの表は、インストール時に作成されるデフォルトのOracle Databaseに含まれる、ユーザーscott
のスキーマの一部です。
関連資料: サンプル・スキーマのロック解除の詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』のサンプル表のロック解除に関する項を参照してください。 |
デフォルトのデータベースを使用していない場合や、データベースにユーザーscott
が含まれていない場合は、Microsoftアプリケーション・デモのSample Bankの実行に必要な表を、関連するユーザーのスキーマに作成します。
データベースに適切な表が含まれていることを確認するには、次のようにします。
データベースを(Oracle Universal InstallerまたはDatabase Configuration Assistantで、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスのいずれかのデータベース構成タイプを使用して)自動的に作成する場合、または(まず、ユーザー定義のSQLスクリプトを使用し、続けて、omtssamp.sql
スクリプト、scott.sql
スクリプトの順に明示的に実行して)手動で作成する場合には、データベースに適切な表が含まれます。
ユーザー定義のSQLスクリプトを使用して手動でデータベースを作成し、SQL*Plusのコマンドライン・モード、またはSolarisやその他のオペレーティング・システムで使用可能な任意のメソッドでCREATE
DATABASE
構文を使用してデータベースにomtssamp.sql
を実行しない場合、このデータベースには適切な表は含まれません。「Microsoftアプリケーション・デモの実行」に進む前に、この項の手順1〜6を実行してください。
データベースに適切な表が含まれていない場合、それらを手動で作成する必要があります。
適切な表を手動で作成するには、次のようにします。
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /NOLOG
データベースに接続します。
SQL> CONNECT username Enter password: password@net_service_name
net_service_name
は、データベースに接続するネット・サービス名です。scott
以外のユーザー名でデータベースに接続した場合、oramisc.h
のユーザー名およびパスワードを変更し、vcacct.dll
をビルドしなおす必要があります。
SQL> CREATE USER mtsdemousr IDENTIFIED BY mtsdemousr_password;
これにより、Microsoftサンプル・アプリケーションを実行するユーザーmtsdemousr
が作成されます。
ユーザーmtsdemousr
に次のロールを割り当てます。
SQL> GRANT CREATE SESSION,RESOURCE TO mtsdemousr;
ユーザーmtsdemousr
で接続します。
SQL> CONNECT mtsdemousr
Enter password: mtsdemousr_password@net_service_name
次のSQLスクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oramts\samples\sql\omtssamp.sql
これにより、ユーザーmtsdemousr
のスキーマにaccount
表およびreceipt
表が作成されます。
この項では、Microsoftアプリケーション・デモの実行方法について説明します。
Microsoft Transaction Serverに付属しているSample Bankクライアント・アプリケーションがインストールされていることを確認します。サンプル・コンポーネントのDLLは、通常ROOTDRIVE
:\program files\mts\samples\packages
にインストールされます。
Microsoft Developer Studioを使用して、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\oramts\SAMPLES\account.vc\Release
ディレクトリのプロジェクトaccount.dsp
を開きます。
ROOTDRIVE
:\program files\mts\samples\packages
にインストールされているファイルvcacct.dll
をバックアップします。
手順3でビルドしたファイルで、vcacct.dll
を上書きします。
「スタート」→「プログラム」→「Windows Option Pack」→「Microsoft Transaction Server」→「Bankクライアント」を選択します。
これにより、Visual BasicのSample Bankアプリケーションが起動し、コンポーネントをテストするvbbank.exe
が実行されます。
「Language」フィールドの「Visual C++」ラジオ・ボタンを選択します。
「Component」フィールドの「Account」または「MoveMoney」ラジオ・ボタンを選択します。
処理する口座番号および金額を入力します。
「Submit」をクリックします。
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /NOLOG
ユーザー名scott
およびパスワードtiger
(変更していない場合)で接続します。
SQL> CONNECT scott
Enter password: tiger
処理が正常に終了したことを確認します。
SQL> SELECT * FROM account; SQL> SELECT * FROM receipt;
Microsoftサンプル・アプリケーションで、Oracle Open Database Connectivity(ODBC)Driver 11gリリース1(11.1)を使用できます。
関連資料: Oracle ODBCドライバをサンプル・アプリケーションに統合する方法については、「Microsoft Transaction ServerおよびOracle Databaseを使用したプログラミング」を参照してください。 |
Microsoftサンプル・アプリケーションで、Oracle Provider for OLE DB 11gリリース1(11.1)を使用できます。
関連資料: Microsoft Transaction ServerでのOracle Provider for OLE DBの使用については、『Oracle Provider for OLE DB開発者ガイド』を参照してください。 |