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Oracle Services for Microsoft Transaction Server開発者ガイド
11gリリース1(11.1) for Microsoft Windows
E05793-01
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4 Microsoftアプリケーション・デモの実行

この章では、Microsoft Transaction Serverに組み込まれている、サンプルのMicrosoft Component Object Model(COM)アプリケーション・デモを使用する方法について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

4.1 Microsoftアプリケーション・デモでのOracle Call Interfaceの構成

Microsoft Transaction Serverに付属しているSample Bankアプリケーション・デモで、Oracle Call Interface(OCI)を使用できます。多くの場合、OCIはMicrosoftアプリケーション・デモに自動的に統合されます。OCIとMicrosoftアプリケーション・デモが統合されているかどうかを調べ、統合されていない場合の手順を確認してください。

OraMTSのインストール時に、すでに、Microsoft Transaction Serverがインストールされている場合、Oracle Universal Installerにより、Sample Bankデモに含まれるいくつかのVisual C++のファイルが自動的にバックアップされ、oci.dllファイルとoramts.dllファイルを統合するファイルに置き換えられます。これによって、Sample BankデモでOCIを使用できるようになります。

OraMTSのインストール時に、Microsoft Transaction Serverがインストールされていない場合は、次のようにします。

  1. Microsoft Transaction Serverをインストールします。

  2. ROOTDRIVE:\program files\mts\ samples\packages\vcacct.dllファイルを別の場所にバックアップします。

  3. ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oramts\samples\account.vc\releaseにあるvcacct.dllファイルを、手順2で示したディレクトリにコピーします。

4.1.1 Microsoftアプリケーション・デモの概要

Microsoftアプリケーション・デモは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oramts\samples\account.vcディレクトリにインストールされます。このデモは、Microsoft Transaction Serverに付属しているVisual C++ Sample BankパッケージのOCI実装です。デモ・コンポーネントは、ユーザー・アカウントscottおよびパスワードtigerを使用して、mtsdemoというネット・サービス名を持つデータベースに接続します。この情報は、oramisc.hファイルで変更できます。デモでは、accountreceiptという表も使用します。

これらの表は、インストール時に作成されるデフォルトのOracle Databaseに含まれる、ユーザーscottのスキーマの一部です。


関連資料:

サンプル・スキーマのロック解除の詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』のサンプル表のロック解除に関する項を参照してください。

4.1.2 データベースにMicrosoftアプリケーション・デモの適切な表が含まれていることの確認

デフォルトのデータベースを使用していない場合や、データベースにユーザーscottが含まれていない場合は、Microsoftアプリケーション・デモのSample Bankの実行に必要な表を、関連するユーザーのスキーマに作成します。

データベースに適切な表が含まれていることを確認するには、次のようにします。

  • データベースを(Oracle Universal InstallerまたはDatabase Configuration Assistantで、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスのいずれかのデータベース構成タイプを使用して)自動的に作成する場合、または(まず、ユーザー定義のSQLスクリプトを使用し、続けて、omtssamp.sqlスクリプト、scott.sqlスクリプトの順に明示的に実行して)手動で作成する場合には、データベースに適切な表が含まれます。

    「Microsoftアプリケーション・デモの実行」に進みます。

  • ユーザー定義のSQLスクリプトを使用して手動でデータベースを作成し、SQL*Plusのコマンドライン・モード、またはSolarisやその他のオペレーティング・システムで使用可能な任意のメソッドでCREATE DATABASE構文を使用してデータベースにomtssamp.sqlを実行しない場合、このデータベースには適切な表は含まれません。「Microsoftアプリケーション・デモの実行」に進む前に、この項の手順16を実行してください。

データベースに適切な表が含まれていない場合、それらを手動で作成する必要があります。

適切な表を手動で作成するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  2. データベースに接続します。

    SQL> CONNECT username
    Enter password: password@net_service_name
    

    net_service_nameは、データベースに接続するネット・サービス名です。scott以外のユーザー名でデータベースに接続した場合、oramisc.hのユーザー名およびパスワードを変更し、vcacct.dllをビルドしなおす必要があります。

  3. ユーザーmtsdemousrを作成します。

    SQL> CREATE USER mtsdemousr IDENTIFIED BY mtsdemousr_password;
    

    これにより、Microsoftサンプル・アプリケーションを実行するユーザーmtsdemousrが作成されます。

  4. ユーザーmtsdemousrに次のロールを割り当てます。

    SQL> GRANT CREATE SESSION,RESOURCE TO mtsdemousr;
    
  5. ユーザーmtsdemousrで接続します。

    SQL> CONNECT mtsdemousr
    Enter password: mtsdemousr_password@net_service_name
    
  6. 次のSQLスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oramts\samples\sql\omtssamp.sql
    

    これにより、ユーザーmtsdemousrのスキーマにaccount表およびreceipt表が作成されます。

4.1.3 Microsoftアプリケーション・デモの実行

この項では、Microsoftアプリケーション・デモの実行方法について説明します。

  1. Microsoft Transaction Serverに付属しているSample Bankクライアント・アプリケーションがインストールされていることを確認します。サンプル・コンポーネントのDLLは、通常ROOTDRIVE:\program files\mts\samples\packagesにインストールされます。

  2. Microsoft Developer Studioを使用して、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oramts\SAMPLES\account.vc\Releaseディレクトリのプロジェクトaccount.dspを開きます。

  3. vcacct.dllをビルドします。

  4. ROOTDRIVE:\program files\mts\samples\packagesにインストールされているファイルvcacct.dllをバックアップします。

  5. 手順3でビルドしたファイルで、vcacct.dllを上書きします。

  6. 「スタート」「プログラム」「Windows Option Pack」「Microsoft Transaction Server」「Bankクライアント」を選択します。

    これにより、Visual BasicのSample Bankアプリケーションが起動し、コンポーネントをテストするvbbank.exeが実行されます。

  7. 「Language」フィールドの「Visual C++」ラジオ・ボタンを選択します。

  8. 「Component」フィールドの「Account」または「MoveMoney」ラジオ・ボタンを選択します。

  9. 処理する口座番号および金額を入力します。

  10. 「Submit」をクリックします。

  11. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  12. ユーザー名scottおよびパスワードtiger(変更していない場合)で接続します。

    SQL> CONNECT scott
    Enter password: tiger
    
  13. 処理が正常に終了したことを確認します。

    SQL> SELECT * FROM account;
    SQL> SELECT * FROM receipt;
    

4.2 Microsoftアプリケーション・デモでのOracle ODBCドライバの構成

Microsoftサンプル・アプリケーションで、Oracle Open Database Connectivity(ODBC)Driver 11gリリース1(11.1)を使用できます。


関連資料:

Oracle ODBCドライバをサンプル・アプリケーションに統合する方法については、「Microsoft Transaction ServerおよびOracle Databaseを使用したプログラミング」を参照してください。

4.3 Microsoftアプリケーション・デモでのOracle Provider for OLE DBの構成

Microsoftサンプル・アプリケーションで、Oracle Provider for OLE DB 11gリリース1(11.1)を使用できます。


関連資料:

Microsoft Transaction ServerでのOracle Provider for OLE DBの使用については、『Oracle Provider for OLE DB開発者ガイド』を参照してください。