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Oracle® Application Expressアドバンスト・チュートリアル
リリース3.2
B53796-03
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3 パラメータ付きレポートの作成方法

このチュートリアルでは、Application Expressのレポート・タイプの概要、パラメータ付きレポートの作成方法およびユーザーが対話モード・レポートの書式を動的に操作する方法について説明します。

このチュートリアルの内容は次のとおりです。

Oracle Application Expressアプリケーションでは、レポートとは、SQL問合せの結果を書式化したものです。パラメータ付きレポートは、アプリケーション・ユーザーによる入力や、アプリケーションの別のコンポーネントに基づく動的レポートです。アプリケーション・ユーザーは、レポートの生成に使用する検索基準を入力します。たとえば、特定の人物に割り当てられたすべての問題を表示するとします。ユーザーは、「検索バー」に対象となる人物の名前を入力して、レポートをリクエストします。ユーザーが指定した名前に基づいて、レポートが生成されます。

このチュートリアルでは、問題の表に対するSQL問合せに基づいて、対話モード・レポート・ページを作成します。また、フォーム・ページも作成し、問題の変更、削除または作成に使用します。対話モード・レポート機能を使用すると、レポートのフォーカスおよび書式をカスタマイズできます。

Application Expressのレポートの概要

この項では、Application Expressの基本的なレポート・タイプについて説明し、ご使用のアプリケーションに最適なタイプを確認する方法を示します。

この項の項目は次のとおりです。

レポート・タイプの概要

基本的なレポートには、対話モード・レポートとクラシック・レポートの2つのタイプがあります。

対話モード・レポートは、アプリケーションの作成、書式の変換およびページの作成に使用するデフォルトのレポート・タイプです。対話モード・レポートを使用すると、レポートを様々な方法でカスタマイズできます。対話モード・レポートには、開発者が無効にしないかぎり、検索、フィルタ処理、ソート、列の選択、強調表示などのデータ操作機能が含まれます。機能の完全なリストおよび使用方法については、「対話モード・レポートの使用」を参照してください。図3-1は、対話モード・レポートの例を示しており、このレポートは「ページの作成」ウィザードを使用して作成され、IT_PEOPLE表を問い合せています。

図3-1 対話モード・レポート

図3-1の説明が続きます。
「図3-1 対話モード・レポート」の説明

「検索バー」と「列ヘッダー・メニュー」リンク、さらに各行の最初の列には「リンク列」アイコンが自動的に組み込まれていることに注意してください。各コンポーネントの詳細は、「対話モード・レポートのコンポーネントの概要」を参照してください。

クラシック・レポートの場合、デフォルトでは、対話モード・レポートにあるカスタマイズ機能は含まれません。図3-2は、クラシック・レポートの例を示しており、このレポートは「ページの作成」ウィザードを使用して作成され、図3-1で対話モード・レポートが問い合せたのと同じIT_PEOPLE表の列を問い合せています。

図3-2 クラシック・レポート

図3-2の説明が続きます。
「図3-2 クラシック・レポート」の説明

検索バー、列ヘッダー・リンクおよびドリルダウン機能がないことに注意してください。

適切なレポート・タイプの選択

検索、フィルタ処理、ソート制御などのユーザー・カスタマイズ機能を使用するには、対話モード・レポートを選択します。各カスタマイズ・オプションを個別に有効または無効にして、ユーザーが使用可能なオプションを調整できます。レポートにこのような制御が不要な場合は、クラシック・レポートの使用をお薦めします。クラシック・レポートにも、宣言的にグリッド更新を実行できる統合された表形式フォーム機能が備わっています。

対話モード・レポートを使用したアプリケーションの作成

この項では、「アプリケーションの作成」ウィザードを使用してアプリケーションを作成した後、そのアプリケーションを実行します。この項を完了すると、アプリケーションには、図3-3「「Home」ページ」図3-4「「Issues」レポート」および図3-5「「Issue Details」フォーム」にそれぞれ類似した「Home」ページ、「Issues」レポート・ページおよび「Issues Details」フォーム・ページが作成されます。

図3-3 「Home」ページ

図3-3の説明が続きます。
「図3-3 「Home」ページ」の説明

図3-4 「Issues」レポート

図3-4の説明が続きます。
「図3-4 「Issues」レポート」の説明

図3-5 「Issue Details」フォーム

図3-5の説明が続きます。
「図3-5 「Issue Details」フォーム」の説明

この項には、次の項目が含まれます。

データベース・オブジェクトの作成および移入

アプリケーションの作成を開始する前に、該当するサンプル・オブジェクトをワークスペース内に作成し、作成したオブジェクトにデモンストレーション・データをロードする必要があります。

Issue Trackerサンプル・オブジェクトをインストールするには、次のステップを実行します。

  1. Issue Trackerデータ・オブジェクトを作成します。「データベース・オブジェクトを作成するためのスクリプトの作成および実行」の手順に従ってください。

  2. オブジェクトにデモンストレーション・データをロードします。「デモンストレーション・データのロード」の手順に従ってください。

    これらのサンプル・オブジェクトは、Issue Trackerアプリケーション・オブジェクトのコピーです。Issue Trackerアプリケーションの詳細は、第14章「問題追跡アプリケーションの設計方法」および第15章「問題追跡アプリケーションの作成およびデプロイ方法」を参照してください。

アプリケーションの作成

「アプリケーションの作成」ウィザードによって、「Home」ページ、「Issues」レポート・ページおよび「Issue Details」ページが作成されます。ここで作成しているのは対話モード・レポートであるため、ウィザードによって、「検索バー」、「アクション・メニュー」、「列ヘッダー・メニュー」、および「Issues」レポート・ページから「Issue Details」フォームへのリンクが自動的に作成されます。


関連項目:

対話モード・レポートのコンポーネントの使用方法については、「対話モード・レポートの使用」を参照してください。これらのコンポーネントの構成方法については、『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』の対話モード・レポートの編集に関する説明および『Oracle Database Application Express 2日で開発者ガイド』の「アプリケーションの構築」を参照してください。

「アプリケーションの作成」ウィザードでアプリケーションを作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

    「アプリケーション・ビルダー」ホームページが表示されます。

  2. 作成」をクリックします。

  3. アプリケーションの作成」を選択して「次へ」をクリックします。

  4. 「名前」で、次の各項目を指定します。

    1. 「名前」に、Parameterized Reportと入力します。

    2. 「アプリケーション」で、デフォルトを受け入れます。

    3. 「アプリケーションの作成」で、「最初から」を選択します。

    4. 「スキーマ」で、OEHR Sample Objectsをインストールしたスキーマを選択します。

    5. 次へ」をクリックします。

      次に、空白ページを追加します。

  5. 「追加」ページで、次の各項目を指定します。

    1. 「ページ・タイプの選択」で、「空白」を選択します。

    2. 「ページ名」に、Homeと入力します。

    3. ページの追加」をクリックします。

      ページ上部のリストに、新しいページが表示されます。

  6. 「ページの追加」で、次のステップを実行します。

    1. 「ページ・タイプの選択」で、「レポートとフォーム」を選択します。

    2. 「ページに従属」で、「ホーム (1)」を選択します。

    3. 「表名」で、「IT_ISSUES」を選択します。

    4. 「実装」で、「対話モード」のデフォルトを受け入れます。

    5. ページの追加」をクリックします。

      「アプリケーションの作成」リージョンに、「It_Issues Report」リンクおよび「It_Issues Form」リンクが表示されます。

      次に、レポートおよびフォームの名前をデフォルト名から変更します。

  7. ページの上部にある「レポート」の横の「It_Issues」リンクをクリックします。

  8. 「ページ定義」で、「ページ名」にIssuesと入力します。

  9. 「レポート列」の下で、次の列の「表示」について、「いいえ」を選択します。

    1. ISSUE_DESCRIPTION

    2. RESOLUTION_SUMMARY

    3. CREATED_ON

    4. CREATED_BY

    5. MODIFIED_ON

    6. MODIFIED_BY

  10. 変更の適用」をクリックします。

  11. 「フォーム」の横にある「It_Issues」リンクをクリックします。

  12. 「ページ定義」で、「ページ名」にIssue Detailsと入力します。

  13. 変更の適用」をクリックします。

    「アプリケーションの作成」リージョンに、「Issues」レポート・リンクおよび「Issue Details」フォーム・リンクが表示されます。

  14. 次へ」をクリックします。

  15. 「タブ」で、デフォルトの「1レベルのタブ」を受け入れて「次へ」をクリックします。

  16. 「別のアプリケーションから共有コンポーネントのコピー」で、デフォルトの「いいえ」を受け入れて「次へ」をクリックします。

  17. 「属性」で、すべてのデフォルト値を受け入れて「次へ」をクリックします。

  18. 「ユーザー・インタフェース」で、「テーマ18」を選択して「次へ」をクリックします。

    テーマは、アプリケーションのレイアウトおよびスタイルの定義に使用できるテンプレート集です。テーマは随時変更できます。


    関連項目:

    『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』の「テーマの管理」

  19. 選択内容を確認して、「作成」をクリックします。

    「アプリケーション」ホームページが表示されます。

図3-6 「アプリケーション」ホームページ

図3-6の説明が続きます。
「図3-6 「アプリケーション」ホームページ」の説明"

アプリケーションのプレビュー

次に、アプリケーションを実行して、「Home」ページ→「Issues」レポート→「Issue Details」フォームの順にナビゲートします。

アプリケーションを実行するには、次のステップを実行します。

  1. 「アプリケーションの実行」アイコンをクリックします。

  2. ワークスペースのログイン情報を入力します。

    「ホーム」ページが表示されます。

  3. Issues」リンクをクリックします。

    「Issues」レポートが表示されます。

    図3-7 「Issues」レポート

    図3-7の説明が続きます。
    「図3-7 「Issues」レポート」の説明

  4. 最初の行で、「編集」アイコンをクリックします。

    図3-8に示すとおり、「Issue Details」フォームが表示されます。

    図3-8 「Issue Details」フォーム

    図3-8の説明が続きます。
    「図3-8 「Issue Details」フォーム」の説明

    「アプリケーションの作成」ウィザードによって、「Issue Details」フォームをターゲットとする「Issues」対話モード・レポートの「リンク列」が構成されました。これは、ウィザードで「レポートとフォーム」ページ・タイプを作成する場合のデフォルトです。


    ヒント:

    「リンク列」は、「レポート属性」ページに移動して「リンク列」設定を変更すると再構成されます。「対話モード・レポート・コンポーネントの概要」を参照してください。

  5. 取消」をクリックして「Issue」レポートに戻ります。

  6. 作成」ボタンをクリックします。

    空の「Issue Details」フォームが表示されます。このフォームを使用すると、IT_ISSUES表に問題を追加できます。ここでは、新しい問題を作成しないでください。

  7. ページ下部にある「開発者」ツールバーで、「アプリケーションID」リンクをクリックします。

他の表からのデータ列の追加

次に、IT_PEOPLE表およびIT_PROJECTS表からデータ列を追加します。「アプリケーションの作成」ウィザードを使用して「Issues」レポート・ページを作成した場合、SQL問合せにはIT_ISSUES表のデータのみが含まれます。このレポートに他の表からデータを追加するには、「Issues」レポートのSQL問合せを変更した後、「アクション」メニューを使用して、追加された列をレポートに含めます。

SQL問合せを変更するには、次のステップを実行します。

  1. 2 - Issues」ページをクリックします。

  2. 「リージョン」で、「Issues」をクリックします。

  3. 「ソース」で、次のSQLに置き換えます。

    SELECT     "IT_ISSUES"."ISSUE_ID" as "ISSUE_ID",
        "IT_ISSUES"."ISSUE_SUMMARY" as "ISSUE_SUMMARY",
                "IT_PEOPLE"."PERSON_NAME" as "IDENTIFIED_BY",
                "IT_ISSUES"."IDENTIFIED_DATE" as "IDENTIFIED_DATE",
                "IT_PROJECTS"."PROJECT_NAME" as "PROJECT_NAME",
                decode("IT_PEOPLE_1"."PERSON_NAME",NULL,'Unassigned',
        "IT_PEOPLE_1"."PERSON_NAME") as "ASSIGNED_TO",
                "IT_ISSUES"."STATUS" as "STATUS",
                "IT_ISSUES"."PRIORITY" as "PRIORITY",
             "IT_ISSUES"."TARGET_RESOLUTION_DATE" as "TARGET_RESOLUTION_DATE",
                "IT_ISSUES"."PROGRESS" as "PROGRESS",
                "IT_ISSUES"."ACTUAL_RESOLUTION_DATE" as "ACTUAL_RESOLUTION_DATE" 
    FROM "IT_PEOPLE" "IT_PEOPLE_1",
                "IT_PROJECTS" "IT_PROJECTS",
                "IT_PEOPLE" "IT_PEOPLE",
                "IT_ISSUES" "IT_ISSUES" 
    WHERE "IT_ISSUES"."IDENTIFIED_BY_PERSON_ID"="IT_PEOPLE"."PERSON_ID"
    AND "IT_ISSUES"."ASSIGNED_TO_PERSON_ID"="IT_PEOPLE_1"."PERSON_ID"(+)
    AND      "IT_ISSUES"."RELATED_PROJECT_ID"="IT_PROJECTS"."PROJECT_ID"
    
  4. 変更の適用」をクリックします。

  5. 変更の適用」をクリックして確定します。

新しい列を表示するには、次のステップを実行します。

  1. ページ2の実行」アイコンをクリックします。

  2. アクション」メニューをクリックします(図3-9を参照)。

    図3-9 「アクション・メニュー」アイコン

    図3-9の説明が続きます。
    「図3-9 「アクション・メニュー」アイコン」の説明

  3. 列の選択」オプションを選択します。

    「列の選択」オプションが表示され、「表示しない」ボックスに「Identified By」、「Project Name」および「Assigned To」列が表示されます。問合せの変更によって追加された列は、レポートに自動的に表示されないため、ここで追加する必要があります。

    図3-10 「列の選択」オプション

    図3-10の説明が続きます。
    「図3-10 「列の選択」オプション」の説明

  4. すべて移動」矢印 (>>) を使用して、「表示しない」ボックスから「レポートに表示」ボックスにすべての列を移動させます。

  5. 「レポートに表示」ボックスで「Issue Id」列を選択し、「削除」矢印(<)をクリックして「表示しない」ボックスに移動させます。

  6. 「レポートに表示」ボックスの右の上下矢印を使用して、次のように列を順序付けします。

    1. Issue Summary

    2. Identified By

    3. Identified Date

    4. Project Name

    5. Assigned To

    6. Status

    7. Priority

    8. Target Resolution Date

    9. Progress

    10. Actual Resolution Date

  7. 適用」をクリックします。

    新しい列を含む「Issue」レポートが表示されます。

    図3-11 列が追加された「Issues」レポート

    図3-11の説明が続きます。
    「図3-11 列が追加された「Issues」レポート」の説明

対話モード・レポートの使用

この項では、対話モード・レポートの基本的なコンポーネントについて説明した後、それらのコンポーネントを操作して対話モード・レポートをカスタマイズする方法について説明します。この項には、最も一般的なカスタマイズのいくつかのみを示します。各機能の使用方法の詳細は、『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』の対話モード・レポートの編集に関する説明を参照してください。

このセクションの構成は次のとおりです。

対話モード・レポート・コンポーネントの概要

この項では、対話モード・レポートのコンポーネントおよび用語について、その概要を示します。

図3-12は、対話モード・レポートの基本的なコンポーネントを赤色で示しています。

図3-12 対話モード・レポートのコンポーネント

図3-12の説明が続きます。
「図3-12 対話モード・レポートのコンポーネント」の説明

対話モード・レポート・ページには、開発者が無効にしないかぎり、デフォルトで次のコンポーネントが含まれます。

  • 検索バー: 対話モード・レポートの各ページの上部に表示されます。次の機能があります。

    • 「列の選択」アイコンは虫眼鏡のように表示され、検索対象の列(またはすべての列)を指定できます。

    • テキスト領域には、大/小文字を区別しない検索基準を入力できます(暗黙的にワイルドカード文字が使用されます)。

    • 「行」には、各ページに表示するレコードの数を選択します。

    • 「実行」ボタンは、検索を実行します。

    • 「アクション・メニュー」アイコンは、アクション・メニューを表示します。

  • アクション・メニュー: 対話モード・レポートの表示をカスタマイズするために使用します。次のオプションを提供します。

    • 「列の選択」は、表示する列と順序を指定します。

    • 「フィルタ」は、問合せでWHERE句を追加または編集することで、レポートの焦点を絞ります。

    • 「ソート」は、ソート対象の列およびソート順(昇順/降順)を指定します。

    • 「コントロール・ブレーク」は、1つ以上の列にブレーク・グループを作成します。

    • 「ハイライト」を使用すると、フィルタを定義して、そのフィルタ基準を満たす行を強調表示できます。

    • 「計算」を使用すると、計算した列をレポートに追加できます。

    • 「集計」を使用すると、列に対して算術計算を実行できます。

    • 「チャート」は、対話モード・レポートにチャートを追加します。

    • 「フラッシュバック」を使用すると、フラッシュバック問合せを実行して、データを過去のある時点の状態で表示することができます。

    • 「レポートの保存」は、カスタマイズされた現行のレポート設定を、後で使用できるように保存します。

    • 「リセット」を使用すると、レポートをデフォルトの設定にリセットできます。

    • 「ヘルプ」は、対話モード・レポートのコンポーネントを使用してレポートをカスタマイズする方法の詳細を示します。

    • 「ダウンロード」を使用すると、現行の結果セットをダウンロードできます。

  • 列ヘッダー・メニュー: 任意の列ヘッダーをクリックすると列ヘッダー・メニューが展開され、ソート順の変更、列の非表示、列のブレーク・グループの作成、列に関するヘルプ・テキストの表示およびフィルタの作成を行うことができます。

  • レポート設定: 対話モード・レポートをカスタマイズすると、「検索バー」とレポートの間にレポート設定が表示されます。カスタマイズしたレポートを保存すると、レポートがタブとして表示されます。

  • リンク列: この列は、「単一行ビュー」または「カスタム・ターゲット」にリンクします。図3-12「対話モード・レポートのコンポーネント」に示すように、この対話モード・レポートの場合、リンク列は「カスタム・ターゲット」であり、「編集」アイコンで表示されますが、このアイコンは「Issue Details」フォームにリンクしており、ユーザーは選択した問題の情報を表示および変更できます。

    「リンク列」は、「レポート属性」ページにおける対話モード・レポートの「リンク列」設定によって指定されます。この設定には、次の3つのいずれかを選択できます。

    • 単一行ビューへのリンク: このオプションを使用すると、単一行の詳細を表示できます。「単一行ビュー」を使用すると、ユーザーはデータを表示できますが、変更することはできません。「単一行ビューへのリンク」は、「レポート」ページ・タイプの対話モード・レポートを作成する場合のデフォルト設定です。例については、第4章「拡張レポートの手法の使用」で作成される「Issues」対話モード・レポート・ページを参照してください。

    • カスタム・ターゲットへのリンク: このオプションを使用すると、開発者によって指定されたターゲットに基づいて、アプリケーションの他のページやURLに移動できます。「カスタム・ターゲットへのリンク」は、「レポートとフォーム」ページ・タイプの対話モード・レポートを作成する場合のデフォルト設定です。デフォルトで、ターゲットは、ユーザーが行データを変更可能なフォーム・ページに設定されています。このアプリケーションの「Issues」対話モード・レポートは、このタイプのリンクの例です。

    • リンク列の除外: このオプションを使用すると、対話モード・レポートから「リンク列」が削除されます。

次に、前述のいくつかの機能を使用して、レポートの外観をカスタマイズし、レポートに含めるデータを指定します。

レポートへのフィルタの追加

この項では、「検索バー」を使用してレポートにフィルタを追加します。フィルタによって、Carlaに割り当てられたすべての問題が表示されます。ただし、他の方法でレポートにフィルタを追加することもできます。フィルタを追加するには、次のいずれかを使用します。

  • 検索バー

  • 列ヘッダー・メニュー

  • アクション・メニュー

「検索バー」を使用してレポートにフィルタを追加するには、次のステップを実行します。

  1. ページ2を実行中であることを確認して、「検索バー」で「列の選択」アイコン(虫眼鏡のようなアイコン)をクリックします。

    レポート列のリストが表示されます。

    図3-13 検索対象の列のリスト

    図3-13の説明が続きます。
    「図3-13 検索対象の列のリスト」の説明

  2. Assigned To」を選択します。

    「検索バー」に「Assigned To」列が表示されます。

    図3-14 「検索バー」の「Assigned To」

    図3-14の説明が続きます。
    図3-14 「検索バー」の「Assigned To」」の説明

  3. テキスト領域にcarlaと入力して、「実行」をクリックします。

    表示される「Issues」レポートには、姓名のいずれかに「carla」を含む人物に割り当てられた問題が示されます。検索基準では、大/小文字が区別されません。

    図3-15 Carlaに割り当てられた問題に対するフィルタ処理

    図3-15の説明が続きます。
    「図3-15 Carlaに割り当てられた問題に対するフィルタ処理」の説明

    レポート上部の「レポート設定」領域に、フィルタ「Assigned To contains 'carla'」が追加されていることに注意してください。このフィルタは、編集、無効化または削除できます。

    次に、フィルタを無効にした後、有効にします。

  4. Assigned To contains 'carla'」の横にある「有効/無効」チェック・ボックスをクリックして、フィルタを無効にします(チェック・ボックスは選択解除された状態になります)。

    すべての問題を示すレポートが表示されます。

  5. Assigned To contains 'carla'」の横にある「有効/無効」チェック・ボックスをクリックして、再びフィルタを有効にします(チェック・ボックスは選択された状態になります)。

    Carlaに割り当てられた問題を示すレポートが表示されます。

  6. Assigned To contains 'carla'」リンクをクリックします。

    「フィルタ」編集オプションが表示されます。

    図3-16 「フィルタ」編集オプション

    図3-16の説明が続きます。
    「図3-16 「フィルタ」編集オプション」の説明

  7. 演算子」で、「が次を含まない」を選択します。

  8. 適用」をクリックします。

    フィルタの名前が変更され、レポートには、Carlaを除くすべてのユーザーに割り当てられた問題が示されます。

  9. 次に、フィルタを削除します。「有効/無効」チェック・ボックスの右にあるフィルタの削除アイコン(フィルタ上にXが表示されたアイコン)をクリックします。

    レポートの設定領域からフィルタが削除され、レポートにすべての問題が表示されます。

レポート設定の保存および列の選択

この演習では、現行のレポート設定をデフォルトとして保存し、一部の行のみを表示するようレポートをカスタマイズします。カスタマイズしたレポート設定は、後で使用できるように保存します。

デフォルトとしてレポート設定を保存するには、次のステップを実行します。

  1. 「アクション」メニューをクリックし、「レポートの保存」を選択します。

    「レポートの保存」オプション・リージョンが表示されます。

  2. 「保存」で、「デフォルトのレポート設定として保存」を選択します。

  3. 適用」をクリックします。

    現行のレポート・フォーマットがデフォルトになりました。ユーザーがレポートをリセットすると、前述の設定が適用されます。リセット手順については、「デフォルトのレポート設定へのリセット」を参照してください。

一部の行のみを表示するようレポートをカスタマイズするには、次のステップを実行します。

  1. 「アクション」メニューをクリックし、「列の選択」を選択します。

    「列の選択」オプション・リージョンが表示されます。

  2. 「レポートに表示」ボックスで、[Ctrl]キーを押しながら「Issue Summary」、「Status」、「Priority」、「Target Resolution Date」および「Actual Resolution Date」を選択します。

  3. 削除」矢印(<)をクリックして、選択した列を「表示しない」ボックスに追加します。

  4. 適用」をクリックします。

    レポートには、5つの列のみが表示されます。

    図3-17 カスタマイズしたレポート

    図3-17の説明が続きます。
    「図3-17 カスタマイズしたレポート」の説明

カスタマイズしたレポート設定を保存するには、次のステップを実行します。

  1. 「アクション」メニューをクリックし、「レポートの保存」を選択します。

    「レポートの保存」オプション・リージョンが表示されます。

  2. 「レポートの保存」オプションで、次の変更を行います。

    1. 「保存」で、「名前付きレポートとして保存」を選択します。

    2. 「名前」に、Report 1と入力します。

    3. 「説明」に、Only show 5 columnsと入力します。

  3. 適用」をクリックします。

    上部にレポート・タブ、「レポート設定」領域に「保存されたレポート = "Report 1"」を含むレポートが表示されます。

    図3-18 カスタマイズした設定をReport 1として保存

    図3-18の説明が続きます。
    「図3-18 カスタマイズした設定をReport 1として保存」の説明

    「作業レポート」および「Report 1」という2つのタブがあることに注意してください。オレンジ色で強調表示された「Report 1」タブは、現在表示されているレポートであることを示しています。前述の手順に従ってこのレポートをさらにカスタマイズして変更を保存するか、「作業レポート」タブを選択してそのタブ内で変更を行うことができます。「作業レポート」に対して行った変更は、保存済のレポートには影響しません。

    保存済のレポート・タブを編集するには、レポート設定領域で「保存されたレポート = "Report 1"」リンクをクリックして、「レポートの保存」オプションに対して変更を行います。


    注意:

    名前付きレポートはログインしている現行ユーザー専用のレポートとなるため、名前付きレポートの作成機能は、アプリケーションまたはページがパブリックでなく、なんらかの認証を必要とする場合にのみ使用できます。詳細は、『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』の対話モード・レポートの編集に関する説明を参照してください。

保存済のレポートを削除することもできます。保存済のレポートを削除するには、次のステップを実行します。

  1. レポート設定領域で、「保存されたレポート = "Report 1"」リンクの横にある「レポートの削除」アイコン(レポート上にXが表示されたアイコン)をクリックします。

  2. 適用」をクリックします。

    5つの列を含むカスタマイズされたレポートが、レポート・タブを削除された状態で表示されます。

デフォルトのレポート設定へのリセット

この項では、「レポート設定の保存および列の選択」で最初に保存したデフォルト設定にレポートをリセットします。

レポートをリセットするには、次のステップを実行します。

  1. 「アクション」メニューをクリックし、「リセット」を選択します。

  2. 適用」をクリックします。

    デフォルトのレポート設定を適用したレポートが表示されます。

    図3-19 レポートのリセット

    図3-19の説明が続きます。
    「図3-19 レポートのリセット」の説明

これで、Application Expressのレポート作成の基本を理解しましたので、次は、第4章「拡張レポートの手法の使用」に進みます。

関連ドキュメント

このトピックおよび関連トピックに関するその他の情報は、次を参照してください。

その他のアプリケーションの例については、Learning Libraryを参照してください。Oracle by Example(OBE)、デモ、チュートリアルなどの無料オンライン・トレーニング・コンテンツを検索します。Oracle Learning Libraryには、次のURLでアクセスできます。

http://www.oracle.com/technetwork/tutorials/index.html