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Oracle® COM Automation機能開発者ガイド
11g リリース2 (11.2)
B58875-02
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4 Oracle COM Automation PL/SQLデモ

この章では、PL/SQL用のOracle COM Automation機能のデモ・プログラムの使用方法について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

PL/SQL用Oracle COM Automation機能のデモの概要

PL/SQL用のOracle COM Automation機能には、Oracle COM Automation機能を使用してソリューションを開発する方法を示す例が含まれています。これらのデモは基本機能を提供し、COM Automationを使用するカスタマイズされた複雑なアプリケーションを作成する基礎として機能します。デモは、サンプル・スキーマで使用可能な人事スキーマに基づいています。

それぞれのデモでは、COM Automationを使用して簡単な操作を行うための基本的なAPIのセットを提供しています。それぞれのCOM Automationサーバー(WordやExcelなど)は、デモAPIを通じて提供されるものよりもさらに高度な機能を提供します。これらの高度な機能を利用するためには、独自のPL/SQLプロシージャを設計し、コーディングする必要があります。

このリリースでは、COM Automationでは次のデモが提供されています。

Microsoft Wordデモ

次の各項では、Microsoft Wordデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseとMicrosoft Wordを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。

デモでは、データベース内の従業員の名前を含むMicrosoft Wordドキュメントを作成します。

Microsoft Wordデモは、次のものを提供します。

Microsoft Wordデモのインストール

このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Wordがインストールされている必要があります。

Microsoft Wordデモをインストールするには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  2. Microsoft Wordデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。

    SQL> connect hr
    Enter password: password
    
  3. SQL*Plusプロンプトから、wordsol.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\wordsol.sql;
    

    このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDWordパッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。

    ORA-04043: object XXXX does not exist. 
    

    これらは正常なメッセージです。

Microsoft Wordデモの使用方法

Microsoft Wordデモを使用するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusプロンプトから、worddem.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\worddem.sql;
    

    このスクリプトにより、C:\ディレクトリにMicrosoft Wordドキュメント(worddemo.doc)が作成されます。このドキュメントには、EMPLOYEES表およびJOBS表から取得されたデータが含まれています。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。

  2. worddemo.docファイルを開いて、その内容を確認します。

基本機能

次の各項では、Microsoft Wordデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft WordがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。

CreateWordObject

このAPIは、Microsoft Wordオートメーション・サーバー内のWord.Basicオブジェクトをインスタンス化します。

構文

FUNCTION CreateWordObject() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションがコールされるまでの間は、他のどのような操作も実行できません。このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FileNew

このAPIは、新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成します。

構文

FUNCTION FileNew() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FileLoad

このAPIは、ドキュメントをMicrosoft Wordにロードします。

構文

FUNCTION FileLoad(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
filename ドキュメントの完全修飾ファイル名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FileSave

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントをディスクに保存します。

構文

FUNCTION FileSave() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FileSaveAs

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントを特定のファイルに保存します。

構文

FUNCTION FileSaveAs(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
filename ドキュメントの完全修飾ファイル名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FileClose

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントを閉じます。

構文

FUNCTION FileClose() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

InsertText

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントにテキスト文字列を挿入します。

構文

FUNCTION InsertText(textstr VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
textstr ドキュメントに挿入されるテキスト

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

InsertNewLine

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントに新しい行を挿入します。

構文

FUNCTION InsertNewLine() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

FormatFontSize

このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントに対してフォント・サイズを設定します。

構文

FUNCTION FormatFontSize(fontsize BINARY_INTEGER) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
fontsize フォントのポイント・サイズ

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

Microsoft Excelデモ

次の各項では、Microsoft Excelデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、OracleとMicrosoft Excelを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。

Microsoft Excelデモは、次のものを提供します。

Microsoft Excelデモのインストール

このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Excelがインストールされている必要があります。

Microsoft Excelデモをインストールするには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  2. Microsoft Excelデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。

    SQL> connect hr
    Enter password: password
    
  3. SQL*Plusプロンプトから、excelsol.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\excelsol.sql;
    

    このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDExcelパッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。

    ORA-04043: object XXXX does not exist. 
    

    これらは正常なメッセージです。

Microsoft Excelデモの使用方法

Microsoft Excelデモを使用するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusプロンプトから、exceldem.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\exceldem.sql;
    

    このスクリプトにより、C:\ディレクトリにMicrosoft Excelスプレッドシート(excelxxxxx.xls)が作成されます。このドキュメントには、EMPLOYEES表およびJOBS表から取得されたデータが含まれています。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。

  2. excelxxxxx.xlsファイルを開いて、このファイルの内容を確認します。xxxxxはタイムスタンプです。

基本機能

次の各項では、Microsoft Excelデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft ExcelがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。

CreateExcelWorkSheet

このAPIは、Microsoft Excel COM Automationサーバーを起動し、ブックおよびワークシートに対応するオブジェクトをインスタンス化します。

構文

FUNCTION CreateExcelWorkSheet() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

InsertData

このAPIは、現行のExcelワークシートの特定のセルに、任意の種類のデータを挿入します。

構文

FUNCTION InsertData(range VARCHAR2, data any_PL/SQL_data type, data type VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
range 現行のExcelワークシート内の特定のセルを指定する文字列(たとえば「A1」、「B1」など)。
data 現行のExcelワークシートに挿入するデータ。
data type Excelに挿入するデータのデータ型を表す文字列。使用可能なデータ型の一覧は、次のとおりです。
 
  • I2: 2バイト整数
  • I4: 4バイト整数

  • R4: IEEE 4バイト実数

  • R8: IEEE 8バイト実数

  • SCODE: エラー・コード

  • CY: 通貨

  • DISPATCH: ディスパッチ・ポインタ

  • BSTR: 文字列

  • BOOL: ブール

  • DATE: 日付

any_PL/SQL_data type COM Automation機能でサポートされる任意のデータ型。

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

InsertChart

このAPIは、特定範囲のデータのグラフを作成し、現行のワークシートのXY位置にグラフを挿入します。グラフの高さと幅を任意に指定できます。

構文

FUNCTION InsertChart(xpos BINARY_INTEGER, ypos BINARY_INTEGER, width BINARY_INTEGER, height BINARY_INTEGER,
 range VARCHAR2, type VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
xpos グラフが挿入される現行のワークシート内のX位置
ypos グラフが挿入される現行のワークシート内のY位置
width グラフの幅
height グラフの高さ
range グラフ化されるセルの範囲
type グラフ化されるデータのデータ型

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

SaveExcelFile

このAPIは、現行のMicrosoft Excelブックを特定のファイルに保存します。

構文

FUNCTION SaveExcelFile(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
filename Excelブックの完全修飾ファイル名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

ExitExcel

クリーンアップを実行し、Excel COM Automationサーバーへの未解決の参照を破棄します。このAPIは、最後にコールすることをお薦めします。

構文

FUNCTION ExitExcel() RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

Microsoft PowerPointデモ

次の各項では、Microsoft PowerPointデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseインスタンスとMicrosoft PowerPointを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。

Microsoft PowerPointデモは、次のものを提供します。

Microsoft PowerPointデモのインストール

このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft PowerPointがインストールされている必要があります。

Microsoft PowerPointデモをインストールするには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:> sqlplus /NOLOG
    
  2. Microsoft PowerPointデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。

    SQL> connect hr
    Enter password: password
    
  3. SQL*Plusプロンプトから、pptsol.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\pptsol.sql;
    

    このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDPPTパッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。

    ORA-04043: object XXXX does not exist. 
    

    これらは正常なメッセージです。

Microsoft PowerPointデモの使用方法

Microsoft PowerPointデモを実行するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusプロンプトから、pptdem.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\pptdem.sql;
    

    このスクリプトにより、C:\ディレクトリにMicrosoft PowerPointプレゼンテーション(pptdemo.ppt)が作成されます。ドキュメントには従業員名のリストが含まれます。

  2. pptdemo.pptを開いて、その内容を確認します。

基本機能

次の各項では、Microsoft PowerPointデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft PowerPointがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。

CreatePresentation

このAPIは、Microsoft PowerPoint COM Automationサーバーを起動し、プレゼンテーションに対応するオブジェクトをインスタンス化します。

構文

FUNCTION CreatePresentation (servername IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
servername Microsoft PowerPoint COM Automationサーバー名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

AddSlide

このAPIは、PowerPointプレゼンテーションに新しいスライドを挿入します。

構文

FUNCTION AddSlide (layout IN BINARY_INTEGER) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
layout 新しいスライドのレイアウト

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

SetTitle

このAPIは、PowerPointスライドのタイトルを指定します。

構文

FUNCTION SetTitle (title IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
title Powerpointスライドのタイトル

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

InsertText

このAPIは、スライド上の指定された位置にテキストを挿入します。

構文

FUNCTION InsertText (orientation IN BINARY_INTEGER, left IN BINARY_INTEGER, top IN BINARY_INTEGER, 
width IN BINARY_INTEGER, height IN BINARY_INTEGER, text IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
orientation テキスト・ボックスの方向
left テキスト・ボックスの左端とスライドの左端の間の距離(ピクセル単位)
top テキスト・ボックスの上端とスライドの上端の間の距離(ピクセル単位)
width テキスト・ボックスの幅(ピクセル単位)
height テキスト・ボックスの高さ(ピクセル単位)
text テキスト・ボックスに入力されたテキスト

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

PresentationSave

このAPIは、現行のPowerPointプレゼンテーションを保存します。

構文

FUNCTION PresentationSave RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

PresentationSaveAs

このAPIは、名前を指定して現行のプレゼンテーションを保存します。

構文

FUNCTION PresentationSaveAs (filename IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
filename プレゼンテーションの完全修飾ファイル名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

PresentationClose

このAPIは、現行のPowerPointプレゼンテーションを閉じます。

構文

FUNCTION PresentationClose RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

Exit

このAPIは、PowerPointプログラムを終了します。

構文

FUNCTION Exit RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

MAPIデモ

次の各項では、Messaging Application Programming Interface(MAPI)デモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseインスタンスとMAPI準拠のアプリケーションを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。

MAPIデモは、次のものを提供します。

MAPIデモを使用する環境の設定

MAPIデモを使用するには、特定の関連アプリケーションを設定する必要があります。


注意:

次の設定には、Microsoft Outlook 2000以上が必要です。Outlook Expressは動作しません。

MAPIデモ用の環境を設定するには、次のようにします。

  1. Exchange Serverをインストールして次のように新規アカウントを作成します。

    「スタート」「プログラム」「Microsoft Exchange」「Active Directoryユーザーとコンピュータ」を選択します。

    ドメインを選択し、フォルダを開きます。ユーザーを選択して右クリックし、新規ユーザーを作成します。

  2. 次のようにMicrosoft Outlookをインストールします。

    「カスタム・インストール」を選択します。「Collaboration Data Objects」を選択します。


    注意:

    インストールの際、これらはデフォルトではインストールされません。

    「企業/ワークグループ」オプションを選択します。

  3. 次のようにMicrosoft Outlookを構成して接続情報を設定します。

    Exchange Serverで作成したアカウントを追加します。

    受信メール・サーバーおよび送信メール・サーバーを入力し、アカウント名およびパスワードを入力します。

    接続タイプを選択します(たとえば「LAN」など)。

  4. Microsoft Outlookを、電子メール、ニュースグループおよびカレンダ・ツールのデフォルト・プログラムとして次のように設定します。

    Internet Explorerで「ツール」「インターネット オプション」「プログラム」を選択し、各フィールドに入力します。

  5. MSDN Articleの268272に記載されているように、CDO.DLLにパッチを適用します。このパッチを適用したDLLはMicrosoft Exchange 5.5の一部です。パッチを適用したDLLを適切な場所に手動でコピーします。このDLLのデフォルトの場所は次のとおりです。

    C:\Program Files\Common Files\System\Mapi\1033\NT
    
  6. Windowsの「エクスプローラ」からMAPI.REGをダブルクリックしてレジストリ設定を更新します。MAPI.REGは次の場所にあります。

    ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos
    

MAPIデモのインストールの準備

MAPIソリューションは、Oracle DatabaseサーバーにかわってExtended MAPIクライアントをコールします。Windows 2000以上にあるOracle Databaseサービスは、デフォルトではシステム・ユーザーLocalSystemとして実行されます。ユーザーLocalSystemのMAPIプロファイルは簡単には構成できません。MAPIソリューションを使用する前に、ログオン・ユーザー・アカウントを使用して起動するようOracle DatabaseサービスとOracleHOME_NAMETNSListenerサービスの両方を変更します。

MAPIデモのインストールを準備するには、次のようにします。

  1. DOMAIN-1\hrなど、ローカル・ユーザー・アカウントまたはドメイン・ユーザー・アカウントを使用してWindowsにログオンします。

  2. MAPIサーバー(たとえば、Microsoft Outlook)を起動し、Windows 2000以上のユーザーDOMAIN-1\hr用のMAPIプロファイルを構成します。このプロファイルを使用して電子メールを送信できることを確認します。

  3. Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」に移動します。

  4. OracleHOME_NAMETNSListenerサービスを停止します。

  5. OracleHOME_NAMETNSListenerサービスを選択し、「スタートアップ」をクリックします。

  6. 「ログオン」「アカウント」に変更し、DOMAIN-1\hrと入力します。

  7. DOMAIN-1\hrのパスワードを入力し、パスワードの確認入力をします。

  8. OracleHOME_NAMETNSListenerサービスを再起動します。

  9. Oracle Databaseサービスを停止します。

  10. Oracle Databaseサービスを選択し、「スタートアップ」をクリックします。

  11. 「ログオン」「アカウント」に変更し、DOMAIN-1\hrと入力します。

  12. DOMAIN-1\hrのパスワードを入力し、パスワードの確認入力をします。

  13. Oracle Databaseサービスを再起動します。

MAPIデモのインストール

このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMAPIアプリケーション(Microsoft Outlook 2000以上など)がインストールされている必要があります。

MAPIデモをインストールするには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:> sqlplus /NOLOG
    
  2. MAPIデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。

    SQL> connect hr
    Enter password: password
    
  3. SQL*Plusプロンプトから、mapisol.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\mapisol.sql;
    

    このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDMAPIパッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。

    ORA-04043: object XXXX does not exist. 
    

    これらは正常なメッセージです。

MAPIデモの使用方法

MAPIデモを使用するには、次のようにします。

  1. テキスト・エディタでmapidem.sqlを開き、ORDMapi.AddRecipientの電子メール・アドレスhr@us.oracle.comを自身の電子メール・アドレスに変更します。デフォルトのプロファイル名を使用しない場合は、「MS Exchange Settings」のORDMapi.CreateMAPISessionに示されているファイル名も変更します。変更を保存します。

  2. SQL*Plusプロンプトから、mapidem.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\mapidem.sql;
    

    このスクリプトはデータベース・サーバーに接続し、データを抽出し、指定された受信者に電子メールを送信します。

基本機能

次の各項では、MAPIデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、MAPIがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。

CreateMAPISession

このAPIは、MAPI COM Automationサーバーを起動し、セッションのオブジェクトをインスタンス化します。

構文

FUNCTION CreateMAPISession (servername IN VARCHAR2 DEFAULT '', profilename IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, 
password IN VARCHAR2 DEFAULT NULL) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
servername MAPIサーバー名
profilename MAPIサーバーに存在するプロファイルの名前
password MAPIサーバーに接続するためのパスワード

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

NewMessage

このAPIは、新しいメッセージを作成します。

構文

FUNCTION NewMessage RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

AddRecipient

このAPIは、受信者の電子メール・アドレスを追加します。このアドレスは、電子メール・メッセージの送信先のアドレスです。

構文

FUNCTION AddRecipient (emailaddress VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
emailaddress 受信者の電子メール・アドレス

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

SetSubject

このAPIは、電子メール・メッセージの件名を指定します。

構文

FUNCTION SetSubject (subject VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
subject 電子メール・メッセージの件名

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

SetBody

このAPIは、電子メール・メッセージの本文テキストを挿入します。

構文

FUNCTION SetBody (messagetext VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ 説明
messagetext 電子メール・メッセージの本文

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

SendMessage

このAPIは、指定された受信者に電子メール・メッセージを送信します。

構文

FUNCTION SendMessage RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。

EndMAPISession

このAPIは、MAPIセッションを終了します。

構文

FUNCTION EndMAPISession RETURN BINARY_INTEGER;

備考

このファンクションは、成功のときは0を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULTを返します。