この章では、PL/SQL用のOracle COM Automation機能のデモ・プログラムの使用方法について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
PL/SQL用のOracle COM Automation機能には、Oracle COM Automation機能を使用してソリューションを開発する方法を示す例が含まれています。これらのデモは基本機能を提供し、COM Automationを使用するカスタマイズされた複雑なアプリケーションを作成する基礎として機能します。デモは、サンプル・スキーマで使用可能な人事スキーマに基づいています。
それぞれのデモでは、COM Automationを使用して簡単な操作を行うための基本的なAPIのセットを提供しています。それぞれのCOM Automationサーバー(WordやExcelなど)は、デモAPIを通じて提供されるものよりもさらに高度な機能を提供します。これらの高度な機能を利用するためには、独自のPL/SQLプロシージャを設計し、コーディングする必要があります。
このリリースでは、COM Automationでは次のデモが提供されています。
Microsoft Wordデモ: Microsoft WordとOracle Databaseの間でデータを交換します。
Microsoft Excelデモ: Microsoft ExcelとOracle Databaseの間でデータを交換します。
Microsoft PowerPointデモ: Microsoft PowerPointとOracle Databaseの間でデータを交換します。
MAPIデモ: Messaging Application Programming Interface(MAPI)準拠アプリケーションとOracle Databaseの間でデータを交換します。
次の各項では、Microsoft Wordデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseとMicrosoft Wordを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。
デモでは、データベース内の従業員の名前を含むMicrosoft Wordドキュメントを作成します。
Microsoft Wordデモは、次のものを提供します。
ORDWord
(Microsoft Wordを操作するいくつかのAPIを公開するPL/SQLパッケージです)。このパッケージは、wordsol.sql
スクリプトによって作成されます。
worddem.sql
(Oracle DatabaseとMicrosoft Wordの間でのデータ交換機能を示すスクリプトです)。EMPLOYEES
表およびJOBS
表からMicrosoft Wordドキュメントにデータを交換します。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。
このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Wordがインストールされている必要があります。
Microsoft Wordデモをインストールするには、次のようにします。
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /NOLOG
Microsoft Wordデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。
SQL> connect hr
Enter password: password
SQL*Plusプロンプトから、wordsol.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\wordsol.sql;
このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDWord
パッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。
ORA-04043: object XXXX does not exist.
これらは正常なメッセージです。
Microsoft Wordデモを使用するには、次のようにします。
SQL*Plusプロンプトから、worddem.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\worddem.sql;
このスクリプトにより、C:\
ディレクトリにMicrosoft Wordドキュメント(worddemo.doc
)が作成されます。このドキュメントには、EMPLOYEES
表およびJOBS
表から取得されたデータが含まれています。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。
worddemo.doc
ファイルを開いて、その内容を確認します。
次の各項では、Microsoft Wordデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft WordがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。
このAPIは、Microsoft Wordオートメーション・サーバー内のWord.Basic
オブジェクトをインスタンス化します。
構文
FUNCTION CreateWordObject() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションがコールされるまでの間は、他のどのような操作も実行できません。このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成します。
構文
FUNCTION FileNew() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、ドキュメントをMicrosoft Wordにロードします。
構文
FUNCTION FileLoad(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
ドキュメントの完全修飾ファイル名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントをディスクに保存します。
構文
FUNCTION FileSave() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントを特定のファイルに保存します。
構文
FUNCTION FileSaveAs(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
ドキュメントの完全修飾ファイル名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントを閉じます。
構文
FUNCTION FileClose() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントにテキスト文字列を挿入します。
構文
FUNCTION InsertText(textstr VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
textstr |
ドキュメントに挿入されるテキスト |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントに新しい行を挿入します。
構文
FUNCTION InsertNewLine() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Wordドキュメントに対してフォント・サイズを設定します。
構文
FUNCTION FormatFontSize(fontsize BINARY_INTEGER) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
fontsize |
フォントのポイント・サイズ |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
次の各項では、Microsoft Excelデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、OracleとMicrosoft Excelを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。
Microsoft Excelデモは、次のものを提供します。
ORDExcel
(Microsoft Excelを操作するいくつかのAPIを公開するPL/SQLパッケージです)。このパッケージは、excelsol.sql
スクリプトによって作成されます。
exceldem.sql
(Oracle DatabaseのインスタンスとMicrosoft Excel間でのデータ交換機能を示すスクリプトです)。Oracle DatabaseのインスタンスのEMPLOYEES
表およびJOBS
表からMicrosoft Excelスプレッドシートにデータを交換し、そのデータをグラフに描画します。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。
このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Excelがインストールされている必要があります。
Microsoft Excelデモをインストールするには、次のようにします。
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /NOLOG
Microsoft Excelデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。
SQL> connect hr
Enter password: password
SQL*Plusプロンプトから、excelsol.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\excelsol.sql;
このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDExcel
パッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。
ORA-04043: object XXXX does not exist.
これらは正常なメッセージです。
Microsoft Excelデモを使用するには、次のようにします。
SQL*Plusプロンプトから、exceldem.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\exceldem.sql;
このスクリプトにより、C:\
ディレクトリにMicrosoft Excelスプレッドシート(excel
xxxxx
.xls
)が作成されます。このドキュメントには、EMPLOYEES
表およびJOBS
表から取得されたデータが含まれています。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。
excel
xxxxx
.xls
ファイルを開いて、このファイルの内容を確認します。xxxxx
はタイムスタンプです。
次の各項では、Microsoft Excelデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft ExcelがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。
このAPIは、Microsoft Excel COM Automationサーバーを起動し、ブックおよびワークシートに対応するオブジェクトをインスタンス化します。
構文
FUNCTION CreateExcelWorkSheet() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のExcelワークシートの特定のセルに、任意の種類のデータを挿入します。
構文
FUNCTION InsertData(range VARCHAR2, data any_PL/SQL_data type, data type VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
range |
現行のExcelワークシート内の特定のセルを指定する文字列(たとえば「A1」、「B1」など)。 |
data |
現行のExcelワークシートに挿入するデータ。 |
data type |
Excelに挿入するデータのデータ型を表す文字列。使用可能なデータ型の一覧は、次のとおりです。 |
|
|
any_PL/SQL_data type |
COM Automation機能でサポートされる任意のデータ型。 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、特定範囲のデータのグラフを作成し、現行のワークシートのXY位置にグラフを挿入します。グラフの高さと幅を任意に指定できます。
構文
FUNCTION InsertChart(xpos BINARY_INTEGER, ypos BINARY_INTEGER, width BINARY_INTEGER, height BINARY_INTEGER, range VARCHAR2, type VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
xpos |
グラフが挿入される現行のワークシート内のX位置 |
ypos |
グラフが挿入される現行のワークシート内のY位置 |
width |
グラフの幅 |
height |
グラフの高さ |
range |
グラフ化されるセルの範囲 |
type |
グラフ化されるデータのデータ型 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のMicrosoft Excelブックを特定のファイルに保存します。
構文
FUNCTION SaveExcelFile(filename VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
Excelブックの完全修飾ファイル名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
クリーンアップを実行し、Excel COM Automationサーバーへの未解決の参照を破棄します。このAPIは、最後にコールすることをお薦めします。
構文
FUNCTION ExitExcel() RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
次の各項では、Microsoft PowerPointデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseインスタンスとMicrosoft PowerPointを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。
Microsoft PowerPointデモは、次のものを提供します。
ORDPPT
(Microsoft PowerPointを操作するいくつかのAPIを公開するPL/SQLパッケージです)。このパッケージは、pptsol.sql
スクリプトによって作成されます。
pptdem.sql
(Oracle DatabaseのインスタンスとMicrosoft PowerPoint間でのデータ交換機能を示すスクリプトです)。Oracle DatabaseインスタンスのEMPLOYEES
表およびJOBS
表からMicrosoft PowerPointドキュメントにデータを交換します。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。
このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft PowerPointがインストールされている必要があります。
Microsoft PowerPointデモをインストールするには、次のようにします。
SQL*Plusを起動します。
C:> sqlplus /NOLOG
Microsoft PowerPointデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。
SQL> connect hr
Enter password: password
SQL*Plusプロンプトから、pptsol.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\pptsol.sql;
このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDPPT
パッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。
ORA-04043: object XXXX does not exist.
これらは正常なメッセージです。
Microsoft PowerPointデモを実行するには、次のようにします。
SQL*Plusプロンプトから、pptdem.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\pptdem.sql;
このスクリプトにより、C:\
ディレクトリにMicrosoft PowerPointプレゼンテーション(pptdemo.ppt
)が作成されます。ドキュメントには従業員名のリストが含まれます。
pptdemo.ppt
を開いて、その内容を確認します。
次の各項では、Microsoft PowerPointデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft PowerPointがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。
このAPIは、Microsoft PowerPoint COM Automationサーバーを起動し、プレゼンテーションに対応するオブジェクトをインスタンス化します。
構文
FUNCTION CreatePresentation (servername IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
servername |
Microsoft PowerPoint COM Automationサーバー名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、PowerPointプレゼンテーションに新しいスライドを挿入します。
構文
FUNCTION AddSlide (layout IN BINARY_INTEGER) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
layout |
新しいスライドのレイアウト |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、PowerPointスライドのタイトルを指定します。
構文
FUNCTION SetTitle (title IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
title |
Powerpointスライドのタイトル |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、スライド上の指定された位置にテキストを挿入します。
構文
FUNCTION InsertText (orientation IN BINARY_INTEGER, left IN BINARY_INTEGER, top IN BINARY_INTEGER, width IN BINARY_INTEGER, height IN BINARY_INTEGER, text IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
orientation |
テキスト・ボックスの方向 |
left |
テキスト・ボックスの左端とスライドの左端の間の距離(ピクセル単位) |
top |
テキスト・ボックスの上端とスライドの上端の間の距離(ピクセル単位) |
width |
テキスト・ボックスの幅(ピクセル単位) |
height |
テキスト・ボックスの高さ(ピクセル単位) |
text |
テキスト・ボックスに入力されたテキスト |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のPowerPointプレゼンテーションを保存します。
構文
FUNCTION PresentationSave RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、名前を指定して現行のプレゼンテーションを保存します。
構文
FUNCTION PresentationSaveAs (filename IN VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
プレゼンテーションの完全修飾ファイル名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、現行のPowerPointプレゼンテーションを閉じます。
構文
FUNCTION PresentationClose RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、PowerPointプログラムを終了します。
構文
FUNCTION Exit RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
次の各項では、Messaging Application Programming Interface(MAPI)デモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseインスタンスとMAPI準拠のアプリケーションを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。
MAPIデモは、次のものを提供します。
ORDMAPI
。これは、Extended MAPIクライアントを操作するいくつかのAPIを公開するPL/SQLパッケージです。
mapidem.sql
。これは、Oracle DatabaseインスタンスとExtended MAPIクライアント間でのデータ交換機能を示すスクリプトです。
mapi.reg
。これは、レジストリ設定を更新する登録エントリ・ファイルです。
MAPIデモを使用するには、特定の関連アプリケーションを設定する必要があります。
注意: 次の設定には、Microsoft Outlook 2000以上が必要です。Outlook Expressは動作しません。 |
MAPIデモ用の環境を設定するには、次のようにします。
Exchange Serverをインストールして次のように新規アカウントを作成します。
「スタート」→「プログラム」→「Microsoft Exchange」→「Active Directoryユーザーとコンピュータ」を選択します。
ドメインを選択し、フォルダを開きます。ユーザーを選択して右クリックし、新規ユーザーを作成します。
次のようにMicrosoft Outlookをインストールします。
「カスタム・インストール」を選択します。「Collaboration Data Objects」を選択します。
注意: インストールの際、これらはデフォルトではインストールされません。 |
「企業/ワークグループ」オプションを選択します。
次のようにMicrosoft Outlookを構成して接続情報を設定します。
Exchange Serverで作成したアカウントを追加します。
受信メール・サーバーおよび送信メール・サーバーを入力し、アカウント名およびパスワードを入力します。
接続タイプを選択します(たとえば「LAN」など)。
Microsoft Outlookを、電子メール、ニュースグループおよびカレンダ・ツールのデフォルト・プログラムとして次のように設定します。
Internet Explorerで「ツール」→「インターネット オプション」→「プログラム」を選択し、各フィールドに入力します。
MSDN Articleの268272に記載されているように、CDO.DLL
にパッチを適用します。このパッチを適用したDLLはMicrosoft Exchange 5.5の一部です。パッチを適用したDLLを適切な場所に手動でコピーします。このDLLのデフォルトの場所は次のとおりです。
C:\Program Files\Common Files\System\Mapi\1033\NT
Windowsの「エクスプローラ」からMAPI.REG
をダブルクリックしてレジストリ設定を更新します。MAPI.REG
は次の場所にあります。
ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos
MAPIソリューションは、Oracle DatabaseサーバーにかわってExtended MAPIクライアントをコールします。Windows 2000以上にあるOracle Databaseサービスは、デフォルトではシステム・ユーザーLocalSystem
として実行されます。ユーザーLocalSystem
のMAPIプロファイルは簡単には構成できません。MAPIソリューションを使用する前に、ログオン・ユーザー・アカウントを使用して起動するようOracle DatabaseサービスとOracle
HOME_NAME
TNSListener
サービスの両方を変更します。
MAPIデモのインストールを準備するには、次のようにします。
DOMAIN-1\hr
など、ローカル・ユーザー・アカウントまたはドメイン・ユーザー・アカウントを使用してWindowsにログオンします。
MAPIサーバー(たとえば、Microsoft Outlook)を起動し、Windows 2000以上のユーザーDOMAIN-1\hr
用のMAPIプロファイルを構成します。このプロファイルを使用して電子メールを送信できることを確認します。
Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」に移動します。
Oracle
HOME_NAMETNS
Listener
サービスを停止します。
Oracle
HOME_NAMETNS
Listener
サービスを選択し、「スタートアップ」をクリックします。
「ログオン」を「アカウント」に変更し、DOMAIN-1\hr
と入力します。
DOMAIN-1\hr
のパスワードを入力し、パスワードの確認入力をします。
Oracle
HOME_NAMETNS
Listener
サービスを再起動します。
Oracle Databaseサービスを停止します。
Oracle Databaseサービスを選択し、「スタートアップ」をクリックします。
「ログオン」を「アカウント」に変更し、DOMAIN-1\hr
と入力します。
DOMAIN-1\hr
のパスワードを入力し、パスワードの確認入力をします。
Oracle Databaseサービスを再起動します。
このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMAPIアプリケーション(Microsoft Outlook 2000以上など)がインストールされている必要があります。
MAPIデモをインストールするには、次のようにします。
SQL*Plusを起動します。
C:> sqlplus /NOLOG
MAPIデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。
SQL> connect hr
Enter password: password
SQL*Plusプロンプトから、mapisol.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\mapisol.sql;
このスクリプトにより、現行のユーザーのスキーマ内にORDMAPI
パッケージが作成されます。このスクリプトを初めて実行するときに、次のエラーが数回発生します。
ORA-04043: object XXXX does not exist.
これらは正常なメッセージです。
MAPIデモを使用するには、次のようにします。
テキスト・エディタでmapidem.sql
を開き、ORDMapi.AddRecipient
の電子メール・アドレスhr@us.oracle.com
を自身の電子メール・アドレスに変更します。デフォルトのプロファイル名を使用しない場合は、「MS
Exchange
Settings
」のORDMapi.CreateMAPISession
に示されているファイル名も変更します。変更を保存します。
SQL*Plusプロンプトから、mapidem.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\demos\mapidem.sql;
このスクリプトはデータベース・サーバーに接続し、データを抽出し、指定された受信者に電子メールを送信します。
次の各項では、MAPIデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、MAPIがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。
このAPIは、MAPI COM Automationサーバーを起動し、セッションのオブジェクトをインスタンス化します。
構文
FUNCTION CreateMAPISession (servername IN VARCHAR2 DEFAULT '', profilename IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, password IN VARCHAR2 DEFAULT NULL) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
servername |
MAPIサーバー名 |
profilename |
MAPIサーバーに存在するプロファイルの名前 |
password |
MAPIサーバーに接続するためのパスワード |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、新しいメッセージを作成します。
構文
FUNCTION NewMessage RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、受信者の電子メール・アドレスを追加します。このアドレスは、電子メール・メッセージの送信先のアドレスです。
構文
FUNCTION AddRecipient (emailaddress VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
emailaddress |
受信者の電子メール・アドレス |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、電子メール・メッセージの件名を指定します。
構文
FUNCTION SetSubject (subject VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
subject |
電子メール・メッセージの件名 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、電子メール・メッセージの本文テキストを挿入します。
構文
FUNCTION SetBody (messagetext VARCHAR2) RETURN BINARY_INTEGER;
パラメータ | 説明 |
---|---|
messagetext |
電子メール・メッセージの本文 |
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、指定された受信者に電子メール・メッセージを送信します。
構文
FUNCTION SendMessage RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。
このAPIは、MAPIセッションを終了します。
構文
FUNCTION EndMAPISession RETURN BINARY_INTEGER;
備考
このファンクションは、成功のときは0
を返し、エラーが発生したときは0以外のHRESULT
を返します。