この章では、Java用のOracle COM Automation機能用に設計されたデモ・プログラムの使用方法を説明します。
この章の項目は次のとおりです。
Java用のOracle COM Automation機能には、Oracle COM Automation機能を使用してソリューションを開発する方法を示す例が含まれています。このデモは基本機能を提供し、COM Automationを使用するカスタマイズされた複雑なアプリケーションを作成する基礎として機能します。このデモは、サンプル・スキーマで使用可能な人事スキーマに基づいています。
デモでは、Oracle COM Automation機能を使用して簡単な操作を行うための基本的なAPIのセットを提供しています。それぞれのCOM Automationサーバー(WordやExcelなど)は、デモAPIを通じて提供されるものよりもさらに高度な機能を提供します。これらの高度な機能を利用するためには、独自のJavaクラスを設計し、コーディングする必要があります。
このリリースでは、COM AutomationではMicrosoft Word Javaデモが提供されています。このデモでは、Oracle DatabaseインスタンスとMicrosoft Wordの間でデータ交換を行います。
次の各項では、Microsoft Word Javaデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseとMicrosoft Wordを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。
デモでは、データベース内の従業員の名前を含むMicrosoft Wordドキュメントを作成します。
Microsoft Word Javaデモは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\com\java\demos
ディレクトリにインストールされ、次のものを提供します。
このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Wordがインストールされている必要があります。
デモをインストールするには、次のようにします。
コマンドラインでloadjava
ツールを実行します。
loadjava -force -resolve -user hr ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\java\demos\TestWORD.class Password: password
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /NOLOG
Microsoft Wordデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。
SQL> connect hr
Enter password: password
SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\java\demos\TestWORD.sql
関連項目: loadjava ツールの詳細は、『Oracle Database Java開発者ガイド』を参照してください。 |
「基本機能」で説明するpublic class TestWORD
APIは、Word.Basic
COM Automationクラスのラッパーの他に、ラッパーの使用方法を示すサンプル・コードも提供します。このコードは、Oracle Databaseサーバーで実行するために作成されました。
このラッパーを使用するカスタム・アプリケーションを作成するには、次のようにします。
このクラスのオブジェクトをインスタンス化します。
CreateWordObject
メソッドをコールすることにより、Word.Basic
オブジェクトを作成します。
FileNew
メソッドで新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成するか、FileLoad
メソッドで既存のドキュメントを開きます。
FormatFontSize
メソッド、InsertText
メソッドおよびInsertNewLine
メソッドを使用して、テキストと書式をドキュメントに追加します。
FileSaveAs
またはFileSave
メソッドでドキュメントを保存します。
ドキュメントの終了時に、FileClose
メソッドをコールします。
Word.Basic
オブジェクトの終了時に、DestroyWordObject
メソッドをコールします。
次の各項では、Microsoft Word Javaデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft WordがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。
このAPIは、コンストラクタです。これは何も行いません。
構文
public TestWORD()
Word.Basic
COMオブジェクトを作成します。
構文
public void CreateWordObject(java.lang.String servername)
パラメータ | 説明 |
---|---|
servername | COMオブジェクトを作成するサーバー。ローカル・サーバーに対してはnullまたは空の文字列を指定します。 |
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトを破棄します。
構文
public void DestroyWordObject()
このAPIは、新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成します。
構文
public void FileNew()
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFileNewDefault
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、既存のMicrosoft Wordドキュメントをロードします。
構文
public void FileLoad(java.lang.String filename)
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
ロードするファイルの名前 |
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFileOpen
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、フォント・サイズを設定します。
構文
public void FormatFontSize(long fontsize)
パラメータ | 説明 |
---|---|
fontsize |
新しいフォント・サイズ |
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFormatFont
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、Microsoft Wordドキュメントにテキストを挿入します。
構文
public void InsertText(java.lang.String textstr)
パラメータ | 説明 |
---|---|
textstr |
挿入するテキスト |
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのInsert
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、Microsoft Wordドキュメントに新しい行を挿入します。
構文
public void InsertNewLine()
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのInsertPara
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、指定された名前を使用してMicrosoft Wordドキュメントを保存します。
構文
public void FileSaveAs(java.lang.String filename)
パラメータ | 説明 |
---|---|
filename |
ファイルの名前 |
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFileSaveAs
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、Microsoft Wordドキュメントを保存します。
構文
public void FileSave()
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFileSave
COMメソッドのラッパーです。
このAPIは、Microsoft Wordドキュメントを閉じ、Microsoft Wordを終了します。
構文
public void FileClose()
備考
このAPIは、Word.Basic
COMオブジェクトのFileClose
およびFileExit
COMメソッドのラッパーです。