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Oracle® COM Automation機能開発者ガイド
11g リリース2 (11.2)
B58875-02
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5 Oracle COM Automation Javaデモ

この章では、Java用のOracle COM Automation機能用に設計されたデモ・プログラムの使用方法を説明します。

この章の項目は次のとおりです。

Oracle COM Automation機能 Javaデモの概要

Java用のOracle COM Automation機能には、Oracle COM Automation機能を使用してソリューションを開発する方法を示す例が含まれています。このデモは基本機能を提供し、COM Automationを使用するカスタマイズされた複雑なアプリケーションを作成する基礎として機能します。このデモは、サンプル・スキーマで使用可能な人事スキーマに基づいています。

デモでは、Oracle COM Automation機能を使用して簡単な操作を行うための基本的なAPIのセットを提供しています。それぞれのCOM Automationサーバー(WordやExcelなど)は、デモAPIを通じて提供されるものよりもさらに高度な機能を提供します。これらの高度な機能を利用するためには、独自のJavaクラスを設計し、コーディングする必要があります。

このリリースでは、COM AutomationではMicrosoft Word Javaデモが提供されています。このデモでは、Oracle DatabaseインスタンスとMicrosoft Wordの間でデータ交換を行います。

Microsoft Word Javaデモ

次の各項では、Microsoft Word Javaデモのインストール方法と、このデモで提供されているAPIについて説明します。このデモは、Oracle DatabaseとMicrosoft Wordを使用して開発できるソリューションの例として提供されています。

デモでは、データベース内の従業員の名前を含むMicrosoft Wordドキュメントを作成します。

Microsoft Word Javaデモは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\java\demosディレクトリにインストールされ、次のものを提供します。

Microsoft Word Javaデモのインストール

このデモをインストールする前に、ローカル・コンピュータ上にMicrosoft Wordがインストールされている必要があります。

デモをインストールするには、次のようにします。

  1. コマンドラインでloadjavaツールを実行します。

    loadjava -force -resolve -user hr ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\java\demos\TestWORD.class
    Password: password
    
  2. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /NOLOG
    
  3. Microsoft Wordデモを使用するユーザーのアカウントで、Oracle Databaseのインスタンスに接続します。入力例は次のとおりです。

    SQL> connect hr
    Enter password: password
    
  4. TestWORD.sqlを実行し、コール仕様を作成します。

    SQL> @ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\com\java\demos\TestWORD.sql
    

    関連項目:

    loadjavaツールの詳細は、『Oracle Database Java開発者ガイド』を参照してください。

Microsoft Word Javaデモの使用方法

Wordデモを使用するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusプロンプトで、SERVEROUTPUTを設定します。

    SQL> SET SERVEROUTPUT ON
    
  2. SQL*Plusプロンプトで、TestWORD()をコールします。

    SQL> CALL TestWORD();
    

    このスクリプトにより、C:\ディレクトリにMicrosoft Wordドキュメント(worddemoj.doc)が作成されます。このドキュメントには、EMPLOYEES表およびJOBS表から取得されたデータが含まれています。これらの表は、サンプル・スキーマ内の人事スキーマにあります。

  3. worddemoj.docを開いて、その内容を確認します。

カスタム・アプリケーションの作成

「基本機能」で説明するpublic class TestWORD APIは、Word.Basic COM Automationクラスのラッパーの他に、ラッパーの使用方法を示すサンプル・コードも提供します。このコードは、Oracle Databaseサーバーで実行するために作成されました。

このラッパーを使用するカスタム・アプリケーションを作成するには、次のようにします。

  1. このクラスのオブジェクトをインスタンス化します。

  2. CreateWordObjectメソッドをコールすることにより、Word.Basicオブジェクトを作成します。

  3. FileNewメソッドで新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成するか、FileLoadメソッドで既存のドキュメントを開きます。

  4. FormatFontSizeメソッド、InsertTextメソッドおよびInsertNewLineメソッドを使用して、テキストと書式をドキュメントに追加します。

  5. FileSaveAsまたはFileSaveメソッドでドキュメントを保存します。

  6. ドキュメントの終了時に、FileCloseメソッドをコールします。

  7. Word.Basicオブジェクトの終了時に、DestroyWordObjectメソッドをコールします。

基本機能

次の各項では、Microsoft Word Javaデモで提供されるAPIについて説明します。これらのAPIは基本的な機能であり、Microsoft WordがCOM Automationを通じて提供するすべての機能を示すものではありません。

TestWORD

このAPIは、コンストラクタです。これは何も行いません。

構文

public TestWORD()

CreateWordObject

Word.Basic COMオブジェクトを作成します。

構文

public void CreateWordObject(java.lang.String servername)
パラメータ 説明
servername COMオブジェクトを作成するサーバー。ローカル・サーバーに対してはnullまたは空の文字列を指定します。

DestroyWordObject

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトを破棄します。

構文

public void DestroyWordObject()

FileNew

このAPIは、新規のMicrosoft Wordドキュメントを作成します。

構文

public void FileNew()

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFileNewDefault COMメソッドのラッパーです。

FileLoad

このAPIは、既存のMicrosoft Wordドキュメントをロードします。

構文

public void FileLoad(java.lang.String filename)
パラメータ 説明
filename ロードするファイルの名前

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFileOpen COMメソッドのラッパーです。

FormatFontSize

このAPIは、フォント・サイズを設定します。

構文

public void FormatFontSize(long fontsize)
パラメータ 説明
fontsize 新しいフォント・サイズ

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFormatFont COMメソッドのラッパーです。

InsertText

このAPIは、Microsoft Wordドキュメントにテキストを挿入します。

構文

public void InsertText(java.lang.String textstr)
パラメータ 説明
textstr 挿入するテキスト

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのInsert COMメソッドのラッパーです。

InsertNewLine

このAPIは、Microsoft Wordドキュメントに新しい行を挿入します。

構文

public void InsertNewLine()

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのInsertPara COMメソッドのラッパーです。

FileSaveAs

このAPIは、指定された名前を使用してMicrosoft Wordドキュメントを保存します。

構文

public void FileSaveAs(java.lang.String filename)
パラメータ 説明
filename ファイルの名前

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFileSaveAs COMメソッドのラッパーです。

FileSave

このAPIは、Microsoft Wordドキュメントを保存します。

構文

public void FileSave()

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFileSave COMメソッドのラッパーです。

FileClose

このAPIは、Microsoft Wordドキュメントを閉じ、Microsoft Wordを終了します。

構文

public void FileClose()

備考

このAPIは、Word.Basic COMオブジェクトのFileCloseおよびFileExit COMメソッドのラッパーです。