先行の第V部「障害の診断および対応」の章は、最も基本的なリカバリの例についての一般的な説明となっています。この章では、基本的な例ほど一般的ではないか、またはより複雑な例について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
NOARCHIVELOG
モードで実行されているデータベースのリストアは、ARCHIVELOG
モードのデータベースのリストアと類似しています。主な違いを次に示します。
NOARCHIVELOG
モードでのデータベースのリストアでは、一貫性バックアップのみを使用できます。
アーカイブREDOログが存在しないため、メディア・リカバリは実行できません。
増分バックアップを適用することによって、制限された変更のリカバリをNOARCHIVELOG
モードで実行されているデータベースに実行できます。NOARCHIVELOG
モードで実行されるデータベースのすべてのバックアップと同様に、増分バックアップは一貫性バックアップである必要があります。そのため、データベースのオープン時にデータベースのバックアップは作成できません。
NOARCHIVELOG
データベースをリカバリする場合は、RECOVER
コマンドでNOREDO
オプションを指定し、RMANがアーカイブREDOログの適用を試行しないように指定します。そうしない場合、RMANによってエラーが戻されます。
増分バックアップを使用して NOARCHIVELOG データベースをリカバリする手順
ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログに接続した後、データベースをマウント状態にします。
STARTUP FORCE MOUNT
データベースをリストアおよびリカバリします。
たとえば、次のコマンドで不完全リカバリを実行できます。
RESTORE DATABASE FROM TAG "consistent_whole_backup"; RECOVER DATABASE NOREDO;
RESETLOGS
オプションを指定してデータベースをオープンします。
たとえば、次のコマンドを入力します。
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
サーバー・パラメータ・ファイルが消失した場合は、RMANを使用して、デフォルトの場所または選択した場所にそのファイルをリストアできます。制御ファイルが消失した場合とは異なり、サーバー・パラメータ・ファイルが消失した場合、インスタンスはすぐに停止しません。インスタンスは継続して実行できます。ただし、サーバー・パラメータ・ファイルをリストアした後、インスタンスを停止して再起動する必要があります。
サーバー・パラメータ・ファイルをリストアする場合は、次の考慮事項に注意してください。
インスタンスがサーバー・パラメータ・ファイルを使用してすでに起動されている場合、既存のサーバー・パラメータ・ファイルを上書きすることはできません。
リストア・コマンドでTO
句を使用せずにクライアント側の初期化パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを起動すると、RMANによってサーバー・パラメータ・ファイルがデフォルトの場所にリストアされます。デフォルトの場所はプラットフォーム固有です。たとえば、Linuxでは?
/dbs/spfile.ora
です。
リカバリ・カタログを使用すると、DBIDの記録および記憶を省略できるため、リカバリ手順が簡単になります。次の手順では、リカバリ・カタログを使用していないと想定しています。
自動バックアップからサーバー・パラメータ・ファイルをリストアする手順
RMANを起動し、次のいずれかを実行します。
サーバー・パラメータ・ファイルが消失したときにデータベース・インスタンスが起動されていた場合は、ターゲット・データベースに接続します。
サーバー・パラメータ・ファイルが消失したときにデータベース・インスタンスが起動されておらず、リカバリ・カタログを使用していない場合は、SET DBID
コマンドを実行してターゲット・データベースのDBIDを設定します。DBIDを決定する方法については、「データベースのDBIDの確認」を参照してください。
データベース・インスタンスを停止し、データベースをマウントせずに再起動します。
サーバー・パラメータ・ファイルを使用できない場合、RMANでは仮のパラメータ・ファイルを使用してインスタンスが起動されます。たとえば、次のコマンドを入力します。
STARTUP FORCE NOMOUNT;
RUN
コマンドを実行してサーバー・パラメータ・ファイルをリストアします。
状況によっては、RUN
コマンドで複数のコマンドを実行する必要がある場合もあります。次のことに注意してください。
テープからリストアする場合は、ALLOCATE CHANNEL
を使用してSBTチャネルを手動で割り当てます。ディスクからリストアする場合は、RMANによってデフォルトのディスク・チャネルが使用されます。
自動バックアップがデフォルトの書式(%F
)で生成されなかった場合は、SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FOR DEVICE TYPE
コマンドを使用して、自動バックアップの実行時に有効であった書式を指定します。
最新の自動バックアップが今日作成されなかった場合は、SET UNTIL
を使用して検索を開始する日付を指定します。
RMANがリカバリ・カタログに接続されていない場合は、SET DBID
を使用してターゲット・データベースのDBIDを設定します。
サーバー・パラメータ・ファイルをデフォルト以外の場所にリストアするには、RESTORE SPFILE
コマンドでTO
句またはTO PFILE
句を指定します。
RMANによって1日にn個を超える自動バックアップが生成されないことがわかっている場合は、RESTORE SPFILE FROM AUTOBACKUP ... MAXSEQ
パラメータにnを設定して、検索時間を短縮することができます。MAXSEQ
はデフォルトで255に設定されており、RESTORE
はMAXSEQ
から逆算して、その日最後のバックアップを検索します。現在の日付(または指定した日付)の自動バックアップが検出されない場合にリストア操作を終了するには、RESTORE
コマンドでMAXDAYS 1
を設定します。
次の例では、テープ上の自動バックアップからサーバー・パラメータ・ファイルをリストアするRUN
コマンドを示します。
RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS ...; SET UNTIL TIME 'SYSDATE-7'; SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE sbt TO '/disk1/control_files/autobackup_%F'; SET DBID 123456789; RESTORE SPFILE TO '/tmp/spfileTEMP.ora' FROM AUTOBACKUP MAXDAYS 10; }
リストアしたファイルを使用してデータベース・インスタンスを再起動します。
デフォルト以外の場所にあるサーバー・パラメータ・ファイルを使用してRMANを再起動する場合は、行SPFILE=
new_location
を含む初期化パラメータ・ファイルを作成します。ここで、new_location
は、リストアされたサーバー・パラメータ・ファイルのパス名です。 次に、クライアント側の初期化パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを再起動します。
たとえば、次の1行を含む/tmp/init.ora
ファイルを作成します。
SPFILE=/tmp/spfileTEMP.ora
次のRMANコマンドを使用すると、リストアされたサーバー・パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを再起動できます。
STARTUP FORCE PFILE=/tmp/init.ora;
制御ファイルの自動バックアップが構成されている場合は、自動バックアップが実行されるたびに、制御ファイルとともにサーバー・パラメータ・ファイルが常にバックアップされます。
制御ファイルの自動バックアップからサーバー・パラメータ・ファイルをリストアするには、まずデータベースのDBIDを設定し、次にRESTORE SPFILE FROM AUTOBACKUP
コマンドを使用する必要があります。自動バックアップがデフォルト以外の書式である場合は、最初にSET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT
コマンドを使用して書式を指定します。
例20-1では、DBIDを設定し、デフォルト以外の場所にある制御ファイルの自動バックアップから、サーバー・パラメータをリストアします。
例20-1 制御ファイルの自動バックアップからのサーバー・パラメータ・ファイルのリストア
SET DBID 320066378;
RUN
{
SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT
FOR DEVICE TYPE DISK TO 'autobackup_format';
RESTORE SPFILE FROM AUTOBACKUP;
}
RMANでは、自動バックアップの書式およびDBIDを使用して、制御ファイルの自動バックアップが検索されます。制御ファイルの自動バックアップが検出されると、RMANによってサーバー・パラメータ・ファイルがバックアップからデフォルトの場所にリストアされます。
autobackup_format
の適切な値を判断する方法については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』
のCONFIGUREコマンド用のエントリ内のCONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATについての説明を参照してください。
サーバー・パラメータ・ファイルは、TO
PFILE
'filename'
句を使用してクライアント側の初期化パラメータ・ファイルとしてリストアすることもできます。指定するファイル名は、RMANクライアントが実行されているホストからアクセス可能なファイル・システム上にあることを示している必要があります。このファイルは、インスタンスが実行されているホストから直接アクセス可能である必要はありません。
次のRMANコマンドを実行すると、RMANクライアントが実行されているシステム上に/tmp/initTEMP.ora
という名前の初期化パラメータ・ファイルが作成されます。
RESTORE SPFILE TO PFILE '/tmp/initTEMP.ora';
初期化パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを再起動するには、次のコマンドを使用して、同じクライアント・ホスト上でRMANを再度実行します。
STARTUP FORCE PFILE='/tmp/initTEMP.ora';
この項では、現行のすべての制御ファイルが消失したため、バックアップ制御ファイルをリストアする必要がある場合に行う操作について説明します。
現行のすべての制御ファイルのコピーが消失したか、または破損した場合は、バックアップ制御ファイルをリストアおよびマウントする必要があります。リストアされたデータファイルがない場合でも、RECOVER
コマンドを実行し、RESETLOGS
オプションを指定してデータベースをオープンする必要があります。ただし、現行の制御ファイルのいくつかのコピーを使用できる場合は、「現行の制御ファイルのサブセットが消失した場合の対応」の手順を実行し、リカバリおよびRESETLOGS
操作の実行を回避できます。
RMANは、リカバリ時にRMANリポジトリに記録されていないオンライン・ログおよびアーカイブ・ログを自動的に検索し、検出したログをカタログに追加します。RMANは、現行のアーカイブ先で、現行のログ・フォーマットを持つすべての有効なアーカイブREDOログの検索を試行します。現行のフォーマットは、このインスタンス(またはOracle RAC構成のすべてのインスタンス)の起動に使用される初期化パラメータで指定されます。同様に、RMANは、制御ファイルに示されたファイル名を使用して、オンラインREDOログの検索を試行します。
リカバリ時にアーカイブ先またはフォーマットを変更したり、制御ファイルのバックアップの後に新しいオンライン・ログ・メンバーを追加すると、RMANで、必要なオンライン・ログまたはアーカイブ・ログを自動的にカタログに追加できなくなる場合があります。RMANでは、UNTIL
時間を指定しなかった場合にオンラインREDOログを検出できないと、次のようなエラーが通知されます。
RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS =============== RMAN-00571: =========================================================== RMAN-03002: failure of recover command at 08/29/2007 14:23:09 RMAN-06054: media recovery requesting unknown log: thread 1 scn 86945
この場合、リカバリを続行するには、CATALOG
コマンドを使用して必要なREDOログをリポジトリに手動で追加する必要があります。
関連項目: 様々な例(リカバリ・カタログの使用または特定のバックアップからのリストアなど)でRESTORE CONTROLFILE を使用する場合の制限の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』のRESTORE CONTROLFILE についての説明を参照してください。 |
制御ファイルをリストアする場合、デフォルトのリストア先は、CONTROL_FILES
初期化パラメータに定義されているすべての場所です。CONTROL_FILES
初期化パラメータを設定しない場合、データベースは、CONTROL_FILES
パラメータが設定されていないときに制御ファイルを作成する場合と同じ規則を使用して、リストアされた制御ファイルの格納先を決定します。これらの規則については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』のCREATE CONTROLFILE
文についての説明を参照してください。
1つ以上の新しい場所に制御ファイルをリストアするには、CONTROL_FILES
初期化パラメータを変更した後、引数を指定せずにRESTORE CONTROLFILE
を実行して制御ファイルをデフォルトの場所にリストアする方法があります。たとえば、CONTROL_FILES
に定義されている場所の一部がディスク障害によって使用できなくなった後に制御ファイルをリストアする場合は、CONTROL_FILES
で障害ディスクへの参照を別のディスクへのパス名に置き換えた後、引数を指定せずにRESTORE CONTROLFILE
を実行します。
RESTORE CONTROLFILE TO
'filename'
という形式を使用して、CONTROL_FILESに定義されている以外の任意の場所に制御ファイルをリストアすることもできます。
RESTORE CONTROLFILE TO '/tmp/my_controlfile';
現在使用中の制御ファイルは上書きされないため、この操作は、NOMOUNT
、MOUNT
またはOPEN
の状態のデータベースで実行できます。'
filename
'
という名前のすべての既存ファイルが上書きされます。制御ファイルを新しい場所にリストアした後、CONTROL_FILES
初期化パラメータを更新して新しい場所を追加定義できます。
関連項目: RESTORE CONTROLFILEの構文については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』 を参照してください。 |
RMANがリカバリ・カタログに接続している場合、バックアップ制御ファイルを使用したリカバリ手順は、現行の制御ファイルを使用したリカバリと同様になります。バックアップ制御ファイルで欠落しているRMANメタデータは、リカバリ・カタログで入手可能です。唯一の例外は、データベース名がカタログ内で一意でない場合です。この場合は、SET DBID
コマンドを使用してから制御ファイルをリストアする必要があります。
リカバリ・カタログを使用していない場合は、自動バックアップから制御ファイルをリストアする必要があります。自動バックアップから制御ファイルをリストアするには、データベースがNOMOUNT
状態である必要があります。例20-2に示すように、まずデータベースのDBIDを設定し、次にRESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP
コマンドを使用する必要があります。
例20-2 DBIDの設定および自動バックアップからの制御ファイルのリストア
SET DBID 320066378;
RUN
{
SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT
FOR DEVICE TYPE DISK TO 'autobackup_format';
RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP;
}
RMANでは、自動バックアップの書式およびDBIDを使用して、制御ファイルの自動バックアップを検索する場所が決定されます。制御ファイルの自動バックアップが検出されると、RMANによって、CONTROL_FILES
初期化パラメータに示されているすべての制御ファイルの場所に制御ファイルがリストアされます。
関連項目:
|
制御ファイルをリストアするコマンドは、データベースで高速リカバリ領域が使用されているかどうかに関係なく同じです。データベースでリカバリ領域が使用されている場合、RMANは、すべてのディスクベースのバックアップおよび制御ファイルに記録されているイメージ・コピーをクロスチェックして、バックアップからリストアされた制御ファイルを更新します。RMANは、リカバリ領域内の記録されていないすべてのバックアップをカタログに追加します。この結果、リストアされた制御ファイルには、リカバリ領域内のすべてのバックアップ、およびバックアップの時点で制御ファイルに認識されたその他のバックアップの完全で正確なレコードが含まれます。
RMANは、制御ファイルをリストアした後、テープ・バックアップのクロスチェックを自動的には実行しません。テープ・バックアップを使用している場合は、制御ファイルをリストアおよびマウントできます。また、必要に応じてテープ上のバックアップをクロスチェックできます。次に例を示します。
CROSSCHECK BACKUP DEVICE TYPE sbt;
この項では、制御ファイルのRMANバックアップを使用し、リカバリ・カタログは使用しないと想定しています。また、ターゲット・データベースの制御ファイルの自動バックアップ機能を有効にして、制御ファイルの自動バックアップをリストアできると想定しています。
自動バックアップでは標準的な書式が使用されるため、使用可能なバックアップを表示するリポジトリが存在しなくても、RMANは自動バックアップをリストアできます。自動バックアップはデフォルトの場所または新しい場所にリストアできます。RMANは、CONTROL_FILES
で指定されたすべての場所に制御ファイルを自動的にレプリケートします。
注意: (たとえば、メディア・マネージャによって、またはバックアップ・ピースがディスク上に存在するため)制御ファイルを含むバックアップ・ピースの名前がわかっている場合は、RESTORE CONTROLFILE FROM 'filename' コマンドを使用してバックアップ・ピースの名前を指定できます。データベースは、すべての自動バックアップの場所をアラート・ログに記録します。 |
リカバリ・カタログに接続していないため、RMANリポジトリには制御ファイルのバックアップの時点で使用可能なバックアップに関する情報のみが含まれます。他の使用可能なバックアップ・セットまたはイメージ・コピーの場所がわかっている場合は、CATALOG
コマンドを使用して制御ファイルのRMANリポジトリに追加します。
NOCATALOGモードで制御ファイルの自動バックアップを使用してデータベースをリカバリする手順
RMANを起動し、ターゲット・データベースに接続します。
データベースをマウントせずにターゲット・データベース・インスタンスを起動します。次に例を示します。
STARTUP NOMOUNT;
SET
DBID
コマンドを使用して、ターゲット・データベースのデータベース識別子を設定します。
ターゲット・データベースに接続するたびに、DBIDがRMANにより表示されます。保存されたRMANのログ・ファイルを調べるか、カタログを問い合せるか、または制御ファイルの自動バックアップのファイル名を検索することによって取得することもできます。たとえば、次のコマンドを実行します。
SET DBID 676549873;
自動バックアップの制御ファイルをリストアしてリカバリを実行するためのRMANコマンド・ファイルを記述します。
このコマンド・ファイルには、次の手順が含まれている必要があります。
必要に応じて、最新のバックアップのタイムスタンプを指定します。RMANは、リストアする制御ファイルの自動バックアップの検索時に、このタイムスタンプを使用できます。
制御ファイルの自動バックアップの作成時に制御ファイルの自動バックアップの異なる書式が有効になっていたことがわかっている場合は、制御ファイルのリストアにデフォルト以外の書式を指定します。
SBTチャネルによって制御ファイルの自動バックアップが作成された場合は、1つ以上のSBTチャネルを割り当てます。使用可能なリカバリ・カタログがないため、事前構成されたチャネルは使用できません。
必要に応じて、RMANが検索できる過去の最大日数および最初の日付の検索に使用する必要がある最初の順序番号を設定して、制御ファイルの自動バックアップをリストアします。
残りのリストア・プロセスに有効な構成済のチャネルに関する情報が制御ファイルに含まれていることがわかっている場合は、RMANを終了し、手順cで行ったチャネルの手動割当てを解除できます。
RMANクライアントを再起動してデータベースをマウントする場合は、これらの構成済のチャネルを使用できます。制御ファイルに含まれている構成済のチャネルを使用しない場合は、データベースをマウントできます。
この手順は、オンラインREDOログが使用可能かどうかによって異なります。ログが使用可能かどうかに関係なく、バックアップ制御ファイルを使用してリカバリを行った後は、常にOPEN RESETLOGS
オプションが必要となります。
オンラインREDOログが使用可能な場合、RMANはこれらのログを検出および適用できます。完全なリストアおよびリカバリを実行します(「データベースの完全リカバリの実行」を参照)。
オンラインREDOログを使用できない場合は、DBPITRを実行します(「データベースのPoint-in-Timeリカバリの実行」を参照)。オンラインREDOログの最初のSCNより前の時点までリカバリする場合の目標時点、SCNまたはログ順序番号を指定するには、UNTIL
句を使用する必要があります(この句を使用しない場合、RMANはRMAN-6054
エラーを発行します)。
バックアップ制御ファイルを使用してDBPITRを実行する場合、RESETLOGS
を使用してデータベースをオープンする前に、SQL*Plusを使用してデータベースを読取り専用でオープンし、必要に応じて問合せを実行して、論理的な破損の影響が無効にされたことを確認できます。結果が期待どおりだった場合、RESETLOGS
を使用して、データベースをオープンできます。
注意: ログ順序の指定時に、最後に作成されたアーカイブREDOログの順序がnの場合は、RMANがn を適用してから停止するように、UNTIL SEQUENCE n +1を指定します。 |
次の例では、オンラインREDOログ・ファイルが消失しており、最新のアーカイブREDOログの順序番号は13243です。この例は、制御ファイルの自動バックアップをリストアし、最新のログを使用してリカバリする方法を示しています。
RUN { # Optionally, set upper limit for eligible time stamps of control file # backups # SET UNTIL TIME '09/10/2007 13:45:00'; # Specify a nondefault autobackup format only if required # SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK # TO '?/oradata/%F.bck'; ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS '...'; # allocate manually RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP MAXSEQ 100 # start at sequence 100 and count down MAXDAYS 180; # start at UNTIL TIME and search back 6 months ALTER DATABASE MOUNT DATABASE; } # Now use automatic channels configured in restored control file RESTORE DATABASE UNTIL SEQUENCE 13244; RECOVER DATABASE UNTIL SEQUENCE 13244;
リカバリに成功した場合は、データベースをオープンし、オンライン・ログをリセットします。
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
障害リカバリには、ターゲット・データベース全体、リカバリ・カタログ・データベース、すべての現行の制御ファイル、すべてのオンラインREDOログ・ファイルおよびすべてのパラメータ・ファイルが消失した後のターゲット・データベースのリストアおよびリカバリが含まれます。
障害リカバリを実行するには、次のものが必要です。
すべてのデータファイルのバックアップ
リストアする最も古いバックアップの作成時刻の後に生成されたすべてのアーカイブREDOログ
1つ以上の制御ファイルの自動バックアップ
データベースのDBIDのレコード
障害リカバリの手順は、NOCATALOG
モードでバックアップ制御ファイルを使用してデータベースをリカバリする手順と類似しています。新しいホストにデータベースをリストアする場合は、「新しいホストへのデータベースのリストア」で説明されている考慮事項を参照してください。
この例では、データベースが実行されていたLinuxサーバーに修復不可能な破損が発生していると想定しています。データベースをOracle Secure Backupにバックアップしてあるため、そのテープを使用できます。この例では、次のことを想定しています。
Oracle Databaseが新しいホストにすでにインストールされています。
古いホストと同じディレクトリ構造を持つ新しいLinuxホストにデータベースをリストアします。
1つのテープ・ドライブを使用します(このテープ・ドライブには、すべてのデータファイルのバックアップ、ログ1124までのアーカイブREDOログおよび制御ファイルとサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップが含まれています)。
データベースでリカバリ・カタログは使用しません。
新しいホストにデータベースをリカバリする手順
可能な場合は、tnsnames.ora
、listener.ora
、パスワード・ファイルなどの関連するすべてのネットワーク・ファイルをリストアまたは再生成します。
RMANを起動し、ターゲット・データベース・インスタンスに接続します。
この時点では、初期化パラメータ・ファイルは存在しません。ORACLE_SID
およびORACLE_HOME
を設定すると、オペレーティング・システム認証を使用してSYSDBA
として接続できます。たとえば、RMANを次のように起動します。
% rman RMAN> CONNECT TARGET /
SET
DBID
コマンドを使用してターゲット・データベースのDBIDを指定します(「サーバー・パラメータ・ファイルのリストア」を参照)。
たとえば、次のコマンドを入力します。
SET DBID 676549873;
STARTUP
NOMOUNT
コマンドを実行します。
サーバー・パラメータ・ファイルを使用できない場合、RMANは仮のサーバー・パラメータ・ファイルを使用してインスタンスの起動を試行します。
チャネルをメディア・マネージャに割り当て、自動バックアップからサーバー・パラメータ・ファイルをリストアします。
たとえば、Oracle Secure Backupからサーバー・パラメータ・ファイルをリストアする場合は、次のコマンドを入力します。
RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt; RESTORE SPFILE FROM AUTOBACKUP; }
リストアしたサーバー・パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを再起動します。
STARTUP FORCE NOMOUNT;
リストアおよびリカバリ操作を実行するためのコマンド・ファイルを記述し、そのコマンド・ファイルを実行します。このコマンド・ファイルには、次の手順が含まれている必要があります。
チャネルをメディア・マネージャに割り当てます。
制御ファイルの自動バックアップをリストアします(「バックアップ制御ファイルを使用してリカバリ・カタログを使用しないリカバリの実行」を参照)。
リストアした制御ファイルをマウントします。
CATALOG
コマンドを使用して、リポジトリに記録されていないバックアップをカタログに追加します。
データファイルを元の場所にリストアします。 ボリューム名が変更されている場合は、リストア操作の前にSET
NEWNAME
コマンドを実行し、リストア操作の後にSWITCHを実行して、制御ファイルをデータファイルの新しい場所に更新します。次に例を示します。
データファイルをリカバリします。指定したログ順序番号に達すると、RMANによってリカバリが停止されます。
RMAN> RUN { # Manually allocate a channel to the media manager ALLOCATE CHANNEL t1 DEVICE TYPE sbt; # Restore autobackup of the control file. This example assumes that you have # accepted the default format for the autobackup name. RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP; # The set until command is used in case the database # structure has changed in the most recent backups, and you want to # recover to that point in time. In this way RMAN restores the database # to the same structure that the database had at the specified time. ALTER DATABASE MOUNT; SET UNTIL SEQUENCE 1124 THREAD 1; RESTORE DATABASE; RECOVER DATABASE; }
次のRUN
コマンドの例は、リストアしたデータファイルに新しいファイル名を使用することを除き、前述の例と同様です。
RMAN> RUN { # If you must restore the files to new locations, # use SET NEWNAME commands: SET NEWNAME FOR DATAFILE 1 TO '/dev/vgd_1_0/rlvt5_500M_1'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 2 TO '/dev/vgd_1_0/rlvt5_500M_2'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 3 TO '/dev/vgd_1_0/rlvt5_500M_3'; ALLOCATE CHANNEL t1 DEVICE TYPE sbt; RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP; ALTER DATABASE MOUNT; SET UNTIL SEQUENCE 124 THREAD 1; RESTORE DATABASE; SWITCH DATAFILE ALL; # Update control file with new location of data files. RECOVER DATABASE; }
リカバリに成功した場合は、データベースをオープンし、オンライン・ログをリセットします。
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
障害リカバリ手順のテスト実行を行うか、またはデータベースを新しいホストに永続的に移動する場合は、この項で説明する手順を実行します。この手順では、RESTORE
コマンドおよびRECOVER
コマンドを使用します。
この項の手順を実行する場合、リストアされるデータベースのDBIDは、元のデータベースのDBIDと同じです。この方法で作成したテスト・データベースは、ソース・データベースと同じリカバリ・カタログに登録しないでください。2つのデータベースのDBIDが同じであるため、テスト・データベースのメタデータが、ソース・データベースをリストアおよびリカバリするRMANの機能に影響を与える可能性があります。
新しいホストで継続して使用するためにターゲット・データベースの新しいコピーを作成する場合は、この手順ではなく、RMANのDUPLICATE
コマンドを実行します。DUPLICATE
コマンドを実行すると、作成されるデータベースに対して新しいDBIDが割り当てられるため、このデータベースを元のデータベースと同じリカバリ・カタログに追加できます。
新しいホストへのデータベースのリストアを準備するには、次の手順を実行します。
ソース・データベースのDBIDを記録します。データベースのDBIDが不明な場合は、DBIDの確認方法について「データベースのDBIDの確認」を参照してください。
新しいホスト上でソース・データベースの初期化パラメータ・ファイルをアクセス可能にします。オペレーティング・システム・ユーティリティを使用して、古いホストから新しいホストにこのファイルをコピーします。
テスト・リストア操作のみを実行する場合は、RMANがリカバリ・カタログに接続されていないことを確認してください。接続されている場合は、RMANによって、リストアされたデータファイルに関するメタデータがリカバリ・カタログに記録されます。このメタデータは、プライマリ・データベースを将来リストアおよびリカバリする場合の障害となります。
リストアする必要があるすべてのバックアップのRMANリポジトリ・データを格納するには制御ファイルのサイズが十分ではないため、リカバリ・カタログを使用する必要がある場合は、Oracle Data Pumpを使用してカタログをエクスポートし、別のスキーマまたはデータベースにインポートします。その後、コピーしたリカバリ・カタログをテスト・リストアに使用します。これを行わない場合、リカバリ・カタログでは、リストアされたデータベースが現行のターゲット・データベースとみなされます。
リストア操作に使用されるバックアップがリストア・ホスト上でアクセス可能であることを確認します。たとえば、メディア・マネージャを使用してバックアップを作成した場合は、テープ・デバイスが新しいホストに接続されていることを確認します。ディスクのコピーを使用している場合は、次の項の手順を実行します。
本番データベースの試行リストアを実行する場合は、テスト環境でデータベースをリストアする前に、次の操作のいずれかを実行します。
本番データベースが使用しているリカバリ領域とは物理的に異なる高速リカバリ領域をテスト・データベースで使用する場合は、テスト・データベース・インスタンスのDB_RECOVERY_FILE_DEST
を新しい場所に設定します。
本番データベースで使用されるリカバリ領域と物理的に同じ高速リカバリ領域をテスト・データベースで使用する場合は、テスト・データベース・インスタンスのDB_UNIQUE_NAME
を、本番データベースとは異なる名前に設定します。
前述の操作をどちらも実行しないと、RMANでは、本番データベースをリストアしていると判断し、高速リカバリ領域の フラッシュバック・ログを使用不可能とみなして削除します。
ディスク上のデータファイルのコピーまたはバックアップ・セットを使用して新しいホストにデータベースを移動するには、新しいホストにそのファイルを手動で転送する必要があります。次の例では、RMANでリカバリ・カタログが使用されていると想定しています。
バックアップ・ファイルを新しいホストにリストアする方法
RMANを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログに接続します。
LIST
コマンドを実行して、データファイルのバックアップおよび制御ファイルの自動バックアップのリストを表示します。
たとえば、次のコマンドを入力してデータファイルのコピーを表示します。
LIST COPY;
たとえば、次のコマンドを入力して制御ファイルのバックアップを表示します。
LIST BACKUP OF CONTROLFILE;
自動バックアップ・ピースの名前には、%F
置換変数を使用する必要があります。したがって、自動バックアップ・ピースの名前には、文字列c-IIIIIIIIII-YYYYMMDD-QQ
が含まれます。ここで、IIIIIIIIII
はDBIDを表し、YYYYMMDD
はバックアップが生成された日のグレゴリオ暦でのタイムスタンプ、QQ
は16進数の順序です。
オペレーティング・システム・ユーティリティを使用して、バックアップを新しいホストにコピーします。
次のコマンドを入力して、すべてのデータファイルのコピーを新しいホストの?/oradata/trgt
ディレクトリにコピーします。
% cp -r /disk1/*dbf /net/new_host/oracle/oradata/trgt
次のコマンドを入力して、自動バックアップのバックアップ・ピースを新しいホストの/tmp
ディレクトリにコピーします。
% cp -r /disk1/auto_bkp_loc/c-1618370911-20070208-00 /net/new_host/tmp
「制御ファイルの自動バックアップからのサーバー・パラメータ・ファイルのリストア」で説明されているように、デフォルト以外の場所から自動バックアップをリストアする場合は、SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT
コマンドを使用する必要があります。
次の例では、データベースを新しいホストにリストアすることができるかどうかをテストすると想定しています。この例では、ネットワークで接続された2台のLinuxホストhosta
とhostb
を使用します。trgta
という名前のターゲット・データベースがhosta
上に存在し、リカバリ・カタログcatdb
に登録されています。データベースtrgta
が起動され、hosta
上で実行されている間に、hostb
上でtrgta
のリストアおよびリカバリをテストします。
ここで、hostb
のディレクトリ構造はhosta
のディレクトリ構造と異なっていると想定します。ターゲット・データベースは/net/hosta/dev3/oracle/dbs
に存在していますが、このデータベースを/net/hostb/oracle/oradata/test
にリストアします。データファイル、制御ファイル、アーカイブREDOログおよびサーバー・パラメータ・ファイルのテープ・バックアップが、両方のホストからアクセス可能なメディア・マネージャ上にあります。trgta
データベースのORACLE_SID
はtrgta
で、リストアされたデータベースでも変更されません。
注意: テストの目的でデータベースをリストアする場合は、RMANをテスト・データベースおよびリカバリ・カタログに接続しないでください。 |
新しいホストにデータベースをリストアする手順
ターゲット・データベースのバックアップが新しいホスト上でアクセス可能であることを確認します。
障害リカバリをテストするには、ターゲット・データベースのリカバリ可能なバックアップが必要です。障害リカバリ計画を作成する場合は、データファイル、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルのバックアップがhostb
上にリストア可能であることを確認します。そのため、hostb
をメディア・マネージャのクライアントにして、hosta
上に作成されたバックアップ・セットを読み取ることができるように、メディア管理ソフトウェアを構成する必要があります。この問題に対するサポートについては、メディア管理ベンダーに問い合せてください。
hostb
上でORACLE_SID
を構成します。
この例では、RMANクライアントをhostb
上で起動し、オペレーティング・システムを介して自分を認証すると想定しています。ただし、ローカルで、またはネット・サービス名を介して、hostb
に接続する必要があります。
管理者権限を使用してhostb
にログインした後、自分がDBAグループに含まれるように/etc/group
ファイルを編集します。
dba:*:614:<your_user_name>
hostb
上で、環境変数ORACLE_SID
をhosta
上で使用した値と同じ値に設定します。
% setenv ORACLE_SID trgta
hostb
上でRMANを起動し、リカバリ・カタログに接続せずにターゲット・データベースに接続します。
たとえば、次のコマンドを入力します。
% rman NOCATALOG RMAN> CONNECT TARGET /
DBIDを設定し、データベースをマウントせずにデータベース・インスタンスを起動します。
たとえば、SET
DBID
を実行してDBIDを設定し、次にSTARTUP
NOMOUNT
を実行します。
SET DBID 1340752057; STARTUP NOMOUNT
サーバー・パラメータ・ファイルがリストアされていないため、RMANがサーバー・パラメータ・ファイルの検出に失敗しますが、仮のファイルを使用してインスタンスが起動されます。出力例を次に示します。
startup failed: ORA-01078: failure in processing system parameters LRM-00109: could not open parameter file '/net/hostb/oracle/dbs/inittrgta.ora' trying to start the Oracle instance without parameter files ... Oracle instance started
サーバー・パラメータ・ファイルをリストアおよび編集します。
バックアップの実行時に制御ファイルの自動バックアップ機能を有効にしたため、バックアップにサーバー・パラメータ・ファイルが含まれます。デフォルト以外の書式の自動バックアップをリストアする場合は、SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT
コマンドを使用して書式を指定します。
メディア・マネージャにチャネルを割り当て、サーバー・パラメータ・ファイルをクライアント側のパラメータ・ファイルとしてリストアし、SET
コマンドを使用して自動バックアップの場所を指定します(この例では、自動バックアップは/tmp
にあります)。
RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS '...'; SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '/tmp/%F'; RESTORE SPFILE TO PFILE '?/oradata/test/inittrgta.ora' FROM AUTOBACKUP; SHUTDOWN ABORT; }
リストアされた初期化パラメータ・ファイルを編集します。
末尾が_DEST
などの場所固有のすべてのパラメータを変更し、新しいディレクトリ構造を反映します。たとえば、次のパラメータを編集します。
- IFILE - LOG_ARCHIVE_DEST_1 - CONTROL_FILES
編集した初期化パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを再起動します。
たとえば、次のコマンドを入力します。
STARTUP FORCE NOMOUNT PFILE='?/oradata/test/inittrgta.ora';
自動バックアップから制御ファイルをリストアし、データベースをマウントします。
たとえば、次のコマンドを入力します。
RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS '...'; RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP; ALTER DATABASE MOUNT; }
CONTROL_FILES
初期化パラメータで指定した場所に制御ファイルがRMANによりリストアされます。
新しいファイル名またはCATALOG START WITH
(すべてのファイルが共通の接頭辞を持つディレクトリに含まれ、CATALOG START WITH
コマンドで簡単に指定できることがわかっている場合)を使用して、「新しいホストへのディスク・バックアップのリストア」
でコピーしたデータファイルのコピーをカタログに追加します。たとえば、次のコマンドを実行します。
CATALOG START WITH '/oracle/oradata/trgt/';
ファイルを個別に指定する場合は、CATALOG
コマンドを次のように実行します。
CATALOG DATAFILECOPY '/oracle/oradata/trgt/system01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/undotbs01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/cwmlite01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/drsys01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/example01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/indx01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/tools01.dbf', '/oracle/oradata/trgt/users01.dbf';
新しいデータベース上でSQL*Plusセッションを開始し、制御ファイルに記録されたデータベースのファイル名を問い合せます。
制御ファイルはtrgta
データベースからリストアされているため、記録されたファイル名では元のhosta
のファイル名が使用されます。V$
ビューを問い合せると、この情報を取得できます。SQL*Plusで次の問合せを実行します。
COLUMN NAME FORMAT a60 SPOOL LOG '/tmp/db_filenames.out' SELECT FILE# AS "File/Grp#", NAME FROM V$DATAFILE UNION SELECT GROUP#,MEMBER FROM V$LOGFILE; SPOOL OFF EXIT
RMANのリストア・スクリプトおよびリカバリ・スクリプトを記述します。このスクリプトには、次の手順が含まれている必要があります。
ソース・ホスト上のパスとは異なるパスにリストアされた宛先ホスト上の各データファイルに対して、SET
NEWNAME
コマンドを使用して宛先ホスト上に新しいパスを指定します。宛先システム上のファイル・システムがソース・ホスト上のパスと同じパスを持つように設定されている場合は、ソース・ホスト上のパスと同じパスにリストアされるファイルに対してSET NEWNAME
を使用しないでください。
ソース・ホスト上の場所とは異なる場所に作成される各オンラインREDOログに対して、SQLのALTER
DATABASE
RENAME
FILE
コマンドを使用して宛先ホスト上にパス名を指定します。宛先システム上のファイル・システムがソース・ホスト上のパスと同じパスを持つように設定されている場合は、ソース・ホスト上のパスと同じパスにリストアされるファイルに対してALTER DATABASE RENAME FILE
を使用しないでください。
SET UNTIL
操作を実行して、リカバリをアーカイブREDOログの最後までに制限します。SET UNTIL
コマンドが指定されていない場合、エラーが発生してリカバリが停止します。
データベースをリストアおよびリカバリします。
SWITCH DATAFILE ALL
コマンドを実行して、新しいパス名をデータファイルの正式な新しい名前として制御ファイルに認識させます。
例20-3に、リストアおよびリカバリ操作を実行できるRMANスクリプトreco_test.rman
を示します。
例20-3 新しいホストへのデータベースのリストア
RUN { # allocate a channel to the tape device ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt PARMS '...'; # rename the data files and online redo logs SET NEWNAME FOR DATAFILE 1 TO '?/oradata/test/system01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 2 TO '?/oradata/test/undotbs01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 3 TO '?/oradata/test/cwmlite01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 4 TO '?/oradata/test/drsys01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 5 TO '?/oradata/test/example01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 6 TO '?/oradata/test/indx01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 7 TO '?/oradata/test/tools01.dbf'; SET NEWNAME FOR DATAFILE 8 TO '?/oradata/test/users01.dbf'; SQL "ALTER DATABASE RENAME FILE ''/dev3/oracle/dbs/redo01.log'' TO ''?/oradata/test/redo01.log'' "; SQL "ALTER DATABASE RENAME FILE ''/dev3/oracle/dbs/redo02.log'' TO ''?/oradata/test/redo02.log'' "; # Do a SET UNTIL to prevent recovery of the online logs SET UNTIL SCN 123456; # restore the database and switch the data file names RESTORE DATABASE; SWITCH DATAFILE ALL; # recover the database RECOVER DATABASE; } EXIT
前述の手順で作成したスクリプトを実行します。
たとえば、RMANを起動してターゲット・データベースに接続し、@
コマンドを実行します。
% rman TARGET / NOCATALOG RMAN> @reco_test.rman
RESETLOGS
オプションを指定して、リストアしたデータベースをオープンします。
RMANプロンプトで、RESETLOGS
オプションを指定してデータベースをオープンします。
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
注意: 次の手順でデータベースを再オープンする場合は、リカバリ・カタログに接続しないでください。そうしなかった場合は、作成される新しいデータベース・インカネーションがリカバリ・カタログに自動的に登録され、本番データベースのファイル名が、スクリプトに指定されている新しいファイル名に置換されます。 |
必要に応じて、含まれているすべてのファイルとともにテスト・データベースを削除します。
注意: ASMディスク・グループを使用した場合、テスト・データベースのファイルを安全に削除する方法はDROP DATABASE コマンドのみです。非ASMストレージにリストアした場合は、オペレーティング・システムのコマンドを使用してデータベースを削除することもできます。 |
DROP DATABASE
コマンドを使用して、データベースに関連付けられているすべてのファイルを自動的に削除します。次の例では、データベース・ファイルを削除します。
STARTUP FORCE NOMOUNT PFILE='?/oradata/test/inittrgta.ora'; DROP DATABASE;
リカバリ・カタログへの接続時にリストアおよびリカバリ操作を実行しなかったため、リカバリ・カタログには、リストアしたファイルまたはテスト中に実行した手順のレコードは含まれません。同様に、trgta
データベースの制御ファイルは、テストによる影響を受けません。