この章では、Oracle Application Expressのインストールの概要を示し、インストール前に考慮する問題について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
インストール・プロセスには、次の4つのステップが含まれます。
インストールの計画: Oracle Application Expressのインストールに必要なステップの概要については、この章を参照してください。計画フェーズでは、完全開発環境とランタイム環境のいずれをインストールするかを決定する必要もあります。
完全開発環境では、アプリケーションを開発するためにアプリケーション・ビルダー環境に完全にアクセスできます。変更できないアプリケーションを実行する本番実装に対しては、ランタイム環境を選択することをお薦めします。詳細は、「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。
インストール要件の確認: ソフトウェアをインストールするために満たす必要がある最小のシステム要件については、「Oracle Application Expressのインストールの要件」を参照してください。
ソフトウェアのインストール: 図1-1に示すとおり、必要なインストール・ステップは次の条件によって異なります。
Oracle Application Expressのインストール方法。Oracle Technology Network(OTN)からZIPファイルをダウンロードする方法、またはOracle Database 11g 以上とともにインストールされるバージョンのOracle Application Expressを使用するという方法があります。
使用するHTTPサーバー。Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
、または埋込みPL/SQLゲートウェイを選択できます。
詳細は、「HTTPサーバーの選択について」を参照してください。
Oracle Application Expressリリース1.5.0.00.33、1.5.1.00.12、1.6.0.00.87、1.6.1.00.03、2.0.0.00.49、2.2.1.00.04、3.0.0.00.20、3.0.1.00.07、3.0.1.00.08、3.0.1.00.12、3.1.0.00.32、3.1.1.00.09または3.1.2.00.02をご使用の場合は、このマニュアルに記載されているどのインストール例に従っても、Oracle Application Expressインスタンスがリリース3.2にアップグレードされ、新しいスキーマにOracle Application Express 3.2のデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいバージョンに移行されます。
Oracle Application Expressでは、テストおよび本番インスタンス用にOracle Application Expressのランタイム・バージョンのみをインストールする機能がサポートされています。このランタイム環境により、インストールするフットプリントと権限を最小限に抑えることができ、また、ランタイム・インスタンスでは開発者が誤って本番アプリケーションを更新できないため、アプリケーションのセキュリティが向上します。
Oracle Application Expressランタイム環境では、本番アプリケーションは実行できますが、管理用のWebインタフェースは提供されません。ランタイム環境に含まれるのは、アプリケーションの実行に必要なパッケージのみです。このため、ランタイム環境はより堅牢な環境となります。Oracle Application Expressランタイム環境は、SQL*PlusまたはSQL DeveloperおよびAPEX_INSTANCE_ADMIN
APIを使用して管理します。詳細は、『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』のランタイム環境の管理に関する項を参照してください。
既存のインスタンスから開発者用のインタフェースを削除したり、追加するためのスクリプトが提供されます。詳細は、「Oracle Technology Networkからのダウンロード」および「データベースからのインストール時の構成タスク」の「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。
Oracle Application Expressを実行するには、埋込みPL/SQLゲートウェイ、またはOracle HTTP Serverおよびmod_plsql
に対するアクセス権が必要です。
このセクションの内容は次のとおりです。
Oracle HTTP Serverは、mod_plsql
プラグインを使用してOracle Database内のOracle Application Expressエンジンと通信します。WebサーバーとOracle Database内のOracle Application Expressオブジェクト間の通信ブローカとして機能します。具体的には、ブラウザ・リクエストを、SQL*Net
接続経由でデータベースのストアド・プロシージャ・コールにマップします。次の図に、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。
この3層アーキテクチャは、Webブラウザ、Oracle HTTP Server(Apache)およびmod_plsql
、Oracle Database(Oracle Application Expressを含む)で構成されます。
Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
の利点
データベース層と中間層の分離
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適している
Oracle HTTP ServerまたはOracle Application Server構成では、imagesはファイル・システム上の別名/i/
で参照される場所に格納されています。以前のリリースからOracle Application Expressをアップグレードする場合は、次のファイルを確認してテキスト別名/i/
を検索することで、ファイル・システム上でimagesディレクトリを特定できます。
Oracle9i HTTP Server リリース2の場合: httpd.conf
ファイルを確認します。
Oracle Database 11gで配布されたOracle HTTP Serverの場合: dads.conf
ファイルを確認します。
Oracle Application Server 10gの場合: marvel.conf
ファイルを確認します。
テキスト別名/i/
の検索の具体例については、「Oracle Technology Networkからのダウンロード」および「データベースからのインストール時の構成タスク」を参照してください。
埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Database 11gとともにインストールされます。Webサーバーを使用したOracle Database、さらに動的なアプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャを利用できます。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DB HTTP Serverで実行され、mod_plsql
のコア機能を含みます。次の図に、埋込みPL/SQLゲートウェイを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。
前述の図に示すとおり、埋込みPL/SQLゲートウェイは、WebブラウザおよびOracle Database(埋込みPL/SQLとOracle Application Expressを含む)で構成される単純な2層アーキテクチャです。
埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。
構成が容易
データベースに含まれている
別のサーバーをインストールする必要がない
埋込みPL/SQLゲートウェイは、XML DB HTTPプロトコル・リスナーの一部としてデータベースで実行されます。XML DB HTTPプロトコル・リスナーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイによって、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
と同等なコア機能が提供されます。HTTPリスナーはOracle Application Expressがインストールされているデータベースと同じデータベースで実行されるため、データベースから分離できません。このため、インターネット上で実行されるアプリケーションに埋込みPL/SQLゲートウェイを使用することはお薦めしません。また、埋込みPL/SQLゲートウェイでは、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
のような構成の柔軟性および詳細なロギングは提供されません。
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でOracle Application Expressを実行する場合は、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を使用することをお薦めします。Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
では、サービス名形式で接続を指定できるため、1つのHTTPサーバーからすべてのノードにアクセスできます。
Oracle RAC環境には埋込みPL/SQLゲートウェイ・オプションを選択しないことをお薦めします。埋込みPL/SQLゲートウェイではデータベース・インスタンスに組み込まれたHTTPサーバーを使用するため、Oracle RAC共有アーキテクチャを活用できません。
Oracle Application Expressのインストール方法は、ソフトウェアのインストール元および使用するHTTPサーバーによって異なります。このセクションでは、各インストール例の概要について説明します。
このセクションの内容は次のとおりです。
Oracle Technology Network(OTN)からOracle Application Expressをダウンロードし埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ3: ADMINアカウントのパスワードの変更
ステップ4: プロセスの再起動
ステップ5: 埋込みPL/SQLゲートウェイの構成
ステップ7: セキュリティ上の考慮事項
ステップ9: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について
ステップ10: SHARED_SERVERSパラメータの構成
Oracle Technology Network(OTN)からOracle Application ExpressをダウンロードしOracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ3: ADMINアカウントのパスワードの変更
ステップ4: プロセスの再起動
ステップ5: Oracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverの構成
ステップ7: セキュリティ上の考慮事項
ステップ9: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について
Oracle Database 11g以上とともにインストールされるOracle Application Expressを使用し、埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する場合は、この例の手順に従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ2: 埋込みPL/SQLゲートウェイの構成
ステップ4: セキュリティ上の考慮事項
ステップ6: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について
ステップ7: SHARED_SERVERSパラメータの構成
Oracle Database 11g以上とともにインストールされるOracle Application Expressを使用し、Oracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を構成する場合は、この例の手順に従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。