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Oracle® Application Expressインストレーション・ガイド
リリース3.2
B53793-03
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1 Oracle Application Expressのインストールの概要

この章では、Oracle Application Expressのインストールの概要を示し、インストール前に考慮する問題について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 インストール・プロセスの概要

インストール・プロセスには、次の4つのステップが含まれます。

  1. インストールの計画: Oracle Application Expressのインストールに必要なステップの概要については、この章を参照してください。計画フェーズでは、完全開発環境とランタイム環境のいずれをインストールするかを決定する必要もあります。

    完全開発環境では、アプリケーションを開発するためにアプリケーション・ビルダー環境に完全にアクセスできます。変更できないアプリケーションを実行する本番実装に対しては、ランタイム環境を選択することをお薦めします。詳細は、「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。

  2. インストール要件の確認: ソフトウェアをインストールするために満たす必要がある最小のシステム要件については、「Oracle Application Expressのインストールの要件」を参照してください。

  3. ソフトウェアのインストール: 図1-1に示すとおり、必要なインストール・ステップは次の条件によって異なります。

    • Oracle Application Expressのインストール方法。Oracle Technology Network(OTN)からZIPファイルをダウンロードする方法、またはOracle Database 11g 以上とともにインストールされるバージョンのOracle Application Expressを使用するという方法があります。

    • 使用するHTTPサーバー。Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql、または埋込みPL/SQLゲートウェイを選択できます。

      詳細は、「HTTPサーバーの選択について」を参照してください。

    図1-1 インストール・プロセスにおける主な判断ポイント

    図1-1の説明が続きます
    「図1-1 インストール・プロセスにおける主な判断ポイント」の説明

1.2 以前のリリースのOracle Application Expressからのアップグレード

Oracle Application Expressリリース1.5.0.00.33、1.5.1.00.12、1.6.0.00.87、1.6.1.00.03、2.0.0.00.49、2.2.1.00.04、3.0.0.00.20、3.0.1.00.07、3.0.1.00.08、3.0.1.00.12、3.1.0.00.32、3.1.1.00.09または3.1.2.00.02をご使用の場合は、このマニュアルに記載されているどのインストール例に従っても、Oracle Application Expressインスタンスがリリース3.2にアップグレードされ、新しいスキーマにOracle Application Express 3.2のデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいバージョンに移行されます。

1.3 Oracle Application Expressランタイム環境について

Oracle Application Expressでは、テストおよび本番インスタンス用にOracle Application Expressのランタイム・バージョンのみをインストールする機能がサポートされています。このランタイム環境により、インストールするフットプリントと権限を最小限に抑えることができ、また、ランタイム・インスタンスでは開発者が誤って本番アプリケーションを更新できないため、アプリケーションのセキュリティが向上します。

Oracle Application Expressランタイム環境では、本番アプリケーションは実行できますが、管理用のWebインタフェースは提供されません。ランタイム環境に含まれるのは、アプリケーションの実行に必要なパッケージのみです。このため、ランタイム環境はより堅牢な環境となります。Oracle Application Expressランタイム環境は、SQL*PlusまたはSQL DeveloperおよびAPEX_INSTANCE_ADMIN APIを使用して管理します。詳細は、『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』のランタイム環境の管理に関する項を参照してください。

既存のインスタンスから開発者用のインタフェースを削除したり、追加するためのスクリプトが提供されます。詳細は、「Oracle Technology Networkからのダウンロード」および「データベースからのインストール時の構成タスク」の「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。

1.4 HTTPサーバーの選択について

Oracle Application Expressを実行するには、埋込みPL/SQLゲートウェイ、またはOracle HTTP Serverおよびmod_plsqlに対するアクセス権が必要です。

このセクションの内容は次のとおりです。

1.4.1 Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlについて

Oracle HTTP Serverは、mod_plsqlプラグインを使用してOracle Database内のOracle Application Expressエンジンと通信します。WebサーバーとOracle Database内のOracle Application Expressオブジェクト間の通信ブローカとして機能します。具体的には、ブラウザ・リクエストを、SQL*Net接続経由でデータベースのストアド・プロシージャ・コールにマップします。次の図に、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

図arch.gifの説明が続きます
図arch.gifの説明

この3層アーキテクチャは、Webブラウザ、Oracle HTTP Server(Apache)およびmod_plsql、Oracle Database(Oracle Application Expressを含む)で構成されます。

Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlの利点

  • データベース層と中間層の分離

  • Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適している

1.4.1.1 Oracle HTTP Serverの使用時にimagesが格納される場所

Oracle HTTP ServerまたはOracle Application Server構成では、imagesはファイル・システム上の別名/i/で参照される場所に格納されています。以前のリリースからOracle Application Expressをアップグレードする場合は、次のファイルを確認してテキスト別名/i/を検索することで、ファイル・システム上でimagesディレクトリを特定できます。

  • Oracle9i HTTP Server リリース2の場合: httpd.confファイルを確認します。

  • Oracle Database 11gで配布されたOracle HTTP Serverの場合: dads.confファイルを確認します。

  • Oracle Application Server 10gの場合: marvel.confファイルを確認します。

テキスト別名/i/の検索の具体例については、「Oracle Technology Networkからのダウンロード」および「データベースからのインストール時の構成タスク」を参照してください。

1.4.2 埋込みPL/SQLゲートウェイについて

埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Database 11gとともにインストールされます。Webサーバーを使用したOracle Database、さらに動的なアプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャを利用できます。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DB HTTP Serverで実行され、mod_plsqlのコア機能を含みます。次の図に、埋込みPL/SQLゲートウェイを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

図arch_epg.gifの説明が続きます
図arch_epg.gifの説明

前述の図に示すとおり、埋込みPL/SQLゲートウェイは、WebブラウザおよびOracle Database(埋込みPL/SQLとOracle Application Expressを含む)で構成される単純な2層アーキテクチャです。

埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。

  • 構成が容易

  • データベースに含まれている

  • 別のサーバーをインストールする必要がない

1.4.2.1 埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティ上の考慮事項

埋込みPL/SQLゲートウェイは、XML DB HTTPプロトコル・リスナーの一部としてデータベースで実行されます。XML DB HTTPプロトコル・リスナーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイによって、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlと同等なコア機能が提供されます。HTTPリスナーはOracle Application Expressがインストールされているデータベースと同じデータベースで実行されるため、データベースから分離できません。このため、インターネット上で実行されるアプリケーションに埋込みPL/SQLゲートウェイを使用することはお薦めしません。また、埋込みPL/SQLゲートウェイでは、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlのような構成の柔軟性および詳細なロギングは提供されません。

1.4.2.2 埋込みPL/SQLゲートウェイの使用時にimagesが格納される場所

Oracle Application Expressおよび埋込みPL/SQLゲートウェイが実行されていると、imagesはデータベース内のOracle XML DBリポジトリに直接格納されます。imagesにアクセスするには、Oracle XML DBのWebDAV機能またはFTPを使用します。詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』のプロトコルを使用したリポジトリへのアクセスに関する項を参照してください。

1.4.3 Oracle RAC環境でのHTTPサーバーの選択

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でOracle Application Expressを実行する場合は、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用することをお薦めします。Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlでは、サービス名形式で接続を指定できるため、1つのHTTPサーバーからすべてのノードにアクセスできます。

Oracle RAC環境には埋込みPL/SQLゲートウェイ・オプションを選択しないことをお薦めします。埋込みPL/SQLゲートウェイではデータベース・インスタンスに組み込まれたHTTPサーバーを使用するため、Oracle RAC共有アーキテクチャを活用できません。

1.5 使用可能なインストール例

Oracle Application Expressのインストール方法は、ソフトウェアのインストール元および使用するHTTPサーバーによって異なります。このセクションでは、各インストール例の概要について説明します。

このセクションの内容は次のとおりです。

1.5.3 例3: データベースからのインストールおよび埋込みPL/SQLゲートウェイの構成

Oracle Database 11g以上とともにインストールされるOracle Application Expressを使用し、埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する場合は、この例の手順に従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。

1.5.4 例4: データベースからインストールおよびOracle HTTP Serverの構成

Oracle Database 11g以上とともにインストールされるOracle Application Expressを使用し、Oracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを構成する場合は、この例の手順に従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。