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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58877-06
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3 Oracle Database Configuration Assistantを使用したOracle Real Application Clustersデータベースの作成

この章では、Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)をスタンドアロン・モードで使用して、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースを作成および削除する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

DBCAを使用したインスタンスの追加および削除の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

3.1 Oracle RACでのOracle Database Configuration Assistantの使用

次に、DBCAの主なデータベース機能を示します。

  • データベースの作成および削除。

  • データベース・インスタンスの追加および削除。

  • データベースおよびそのインスタンスのネットワーク構成の設定。

  • データベースをOracle Enterprise Manager Grid Controlの登録、またはOracle Enterprise Manager Grid Database Controlの構成。

  • Oracle Database Vaultなどのデータベースのオプションの構成。

  • データベースとそのインスタンスの起動。


    注意:

    クラスタ管理サービスは、DBCAでは管理できなくなりました。Oracle Enterprise Manager Database Controlのクラスタ管理サービスのページ(「クラスタ・データベース」の「可用性」ページからアクセス可能)を使用します。詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。


関連項目:

  • スタンドアロン・モードでのDBCAの使用については、「DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成」を参照してください。

  • リスナーの構成などで問題が発生した場合の解決およびLightweight Directory Access Protocol(LDAP)対応のディレクトリ・サポートの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Managerの使用については、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。


3.2 DBCAを使用したデータベース環境の最適化

事前構成済データベースにより、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)、自動UNDO管理などの機能に合わせて環境が最適化されるため、DBCAを使用してOracle RACデータベースを作成することをお薦めします。Oracle自動ストレージ管理(Oracle ASM)またはクラスタ・ファイル・システム記憶域を使用する場合は、DBCAによって、高速リカバリ領域を使用する自動バックアップも構成されます。

DBCAによって、ポリシー管理データベースと管理者管理データベースの両方を作成できます。DBCAを使用すると、データベースの作成時にサイト固有の表領域を作成できます。DBCAテンプレートとは異なるデータ・ファイル要件がある場合は、DBCAによってデータベースを作成し、後でデータ・ファイルを変更します。また、データベースの作成時に、ユーザー定義のスクリプトを実行することもできます。

また、DBCAは、クラスタ管理ツールなど、Oracleの様々な高可用性機能を使用できるOracle RAC環境を構成します。DBCAは、定義した構成のサポートに必要なすべてのデータベース・インスタンスも起動します。

DBCAを使用すると、Oracle提供のテンプレートから、またはユーザーが作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。

次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。

  • 汎用またはトランザクション処理

  • データ・ウェアハウス

より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。

「詳細表示」をクリックして、各タイプのデータベースの構成を確認します。使用するデータベースでサポートされるワークロードのタイプに適したテンプレートを選択します。どちらを選択するか不明な場合は、デフォルトの「汎用またはトランザクション処理」テンプレートを選択します。

3.3 以前のリリースで使用されていたリスナーの更新

システムにOracle Database 10g または11g がインストールされている場合に、共存させたり、リリース10.1、10.2または11.1の環境をアップグレードするために、Oracle Database 11g リリース2(11.2)をインストールすると、ほぼすべてのインストール・タイプで、既存のOracle Databaseリスナーが11g リリース2(11.2)のOracleホームに自動的に移行されます。移行時に、アップグレード・プロセスによって、IPCキー値の既存のリスナーと同じTCP/IPポートを使用して、デフォルトのOracle Net Listenerが構成および起動されます。

Oracle Clusterwareのアップグレード中、デフォルト・リスナー(LISTENER_NODENAME)はOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に移行されます。DBCAでは常にデフォルト・リスナーが使用されます。

このリスナー移行プロセスによって、既存のOracleホームのリスナーが停止され、新しいOracleホームからリスナーが再起動されます。データベースでデフォルト・リスナー(LISTENER_NODENAME)が使用されている場合、デフォルト・リスナーはOracle Net Configuration Assistant(NETCA)によってOracle Clusterwareのアップグレードの一部としてOracle Clusterwareホームに自動的に移行されます。データベースでデフォルト以外のリスナーが使用される場合、そのデフォルト以外のリスナーは、DBUAによってOracleホームに移行されます。


注意:

移行時には、移行中のリスナーに登録されているいずれのデータベースにもクライアント・アプリケーションを接続できない場合があります。

3.4 DBCAの要件の検証

DBCAを使用してデータベースの構成を変更するには、構成を変更する準備がシステムで完了しているかどうかを検証するために、次のコマンド構文を使用してクラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用します。

Grid_home\bin\cluvfy stage -pre dbcfg -n node_list -d Oracle_home [-verbose]

前述の例で、Grid_home 変数はGridホーム、node_list変数はクラスタ内のノードのカンマ区切りリスト、Oracle_home変数はOUIでデータベースを作成または変更するOracleホーム・ディレクトリのパスです。

たとえば、node1およびnode2で構成され、GridホームのパスがC:\app\11.2.0\grid、OracleホームのパスがC:\app\oracle\product\11.2.0\dbhome_1の2ノードのクラスタのシステムで、Oracle DatabaseおよびOracle RACのインストールのための準備が完了しているかどうかを検証するには、次のコマンドを入力します。

C:\app\11.2.0\grid\bin> cluvfy stage -pre dbcfg -n node1,node2 \
-d C:\app\oracle\product\11.2.0\dbhome_1

-verboseオプションを選択すると、CVUによるシステム検証の進捗状況および検証結果の詳細を表示できます。

CVUのサマリーにクラスタ検証の失敗が表示された場合は、該当するシステム構成手順を確認および修正して、再度テストを実行します。

cluvfy stage -pre dbcfgコマンドでは、次の項目が検証されます。

  • ノード到達可能性: 指定したすべてのノードがローカル・ノードから到達可能か。

  • ユーザー等価関係: 指定したすべてのノードでユーザー等価関係があるか。

  • 合計メモリー: 指定された各ノードに、最小限必要なメモリーが構成されているか。

  • 使用可能メモリー: 指定された各ノードに、一定容量以上の使用可能メモリーが含まれているか。

  • スワップ領域: 各ノードに、使用可能な十分なスワップ領域が含まれているか。

  • 空きディスク容量: 各ノードには、Oracleホーム、グリッド・ホームおよび一時ディレクトリのパスで使用可能な、十分な空きディスク容量が含まれているか。

  • システム・アーキテクチャ: 各ノードはx64(64-bit)システムであるか。

  • 環境変数PATHの値の長さ: PATH環境変数が各ノードで設定されており、1023文字未満か。

  • Oracle Clusterwareの整合性: Oracle Clusterwareのすべてのコンポーネントが完全に実行可能な状態であるか。

  • ノード・アプリケーションの存在: 指定されたすべてのノードに、Oracle Clusterwareに登録された次のノード・リソースが含まれており、そのノード・リソースがオンラインであるか。

    • 仮想IP(VIP)

    • Oracle Notification Services(ONS)(必須ではない)

    • グローバル・サービス・デーモン(GSD)(必須ではない)

    • EONS(必須ではない)

    • NETWORK(必須ではない)

  • タイムゾーンの一貫性: 指定されたすべてのノードのタイムゾーン設定は同じか。

3.5 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

DBCAを使用して、Oracle ASMまたはクラスタ・ファイル・システムのないOracle RACデータベースを作成するには、共有ストレージ・デバイスを構成しておく必要があります。また、Oracle Net listener.oraファイルを構成するには、NETCAを実行しておく必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

3.5.1 Oracle ASMで使用するディスクの構成

WindowsベースのシステムでOracle ASM記憶域を使用する場合は、DBCAを使用してデータベースを作成する前に、最初にディスク・ドライブにプライマリ・パーティションなしで論理パーティションを作成する必要があります。論理ディスク・パーティションを作成した後に、すべてのノードでこれらのパーティションのドライブ文字を削除する必要があります。または、asmtoolでこれらのパーティションをスタンプすることができます。Oracle ASMで使用するためのディスク・デバイスの構成の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』を参照してください。Oracle ASMで使用されるようにディスクを構成した後、DBCAを起動する前にデータベースで使用されるディスク・グループを作成する必要があります。ディスク・グループは、SQL*Plus、Oracle Enterprise ManagerまたはOracle ASM Configuration Assistant(ASMCA)を使用して作成できます。

ASMCAを使用してディスク・グループを作成する場合に、追加するストレージ・デバイスが表示されないときは、「ディスク検出パスの変更」をクリックして、使用可能なストレージ・デバイスの検出にASMCAが使用する検索パスを変更するか、または「ディスクのスタンプ」をクリックして、asmtoolg GUIツールを起動します。ステータスが「候補」(そのストレージ・デバイスはOracle ASMディスク・グループで使用されたことがない)または「」(そのストレージ・デバイスはもうディスク・グループに存在していない)であるストレージ・デバイスを選択できます。Oracle ASMディスク・ヘッダーはまだ存在するものの、ディスク・グループは使用されなくなったストレージ・デバイスを追加するには(これが発生する可能性があるのは、インストールの試行を終了した後、ディスク・グループを削除しないで削除を行った後、またはその他の構成の問題が発生した後にストレージ・デバイスを選択する場合)、Forceコマンドを使用します。


関連項目:

  • asmtoolgの詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

  • ディスク・グループの作成の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


3.5.2 DBCAの起動

DBCAを起動するには、クラスタ内のノードのいずれかでOracle RACソフトウェアのインストールに使用された管理者権限を持つユーザー(oracleなど)として接続し、Oracle_home\binディレクトリからdbcaコマンドを入力します。

Windowsベースのプラットフォームで、「スタート」「プログラム」「Oracle - Oracle_home name」「Configuration and Migration Tools」「Database Configuration Assistant」の順に選択することもできます。


注意:

DBCAを実行するために、オペレーティング・システム環境変数%ORACLE_HOME%をOracle RACデータベース・ホームに、または%ORACLE_UNQNAME%を一意のデータベース名に設定する必要はなくなりました。

3.5.3 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

DBCAを起動すると、最初に、Oracle RACデータベースを選択するオプションを含む、Oracle RAC用の「ようこそ」ページが表示されます。このOracle RAC用の「ようこそ」ページは、DBCAを起動したOracleホームがクラスタにインストールされている場合にのみ、DBCAによって表示されます。 DBCAのプロンプトに従って情報を入力します。必要に応じて、「ヘルプ」をクリックします。

DBCAによってOracle RAC用の「ようこそ」ページが表示されなかった場合は、DBCAによってOracleホームがクラスタにインストールされているかどうかを検出できなかったことを示しています。この場合は、OUIインベントリがC:\Program Files\Oracle\Inventory\oraInst.locディレクトリに正しく配置され、インベントリ・ファイルが破損していないことを確認します。また、次のCVUコマンド構文を使用してクラスタウェア診断を実行します(C:\app\11.2.0\gridはご使用のGridホームの場所)。

C:\app\11.2.0\grid\bin\cluvfy stage -post crsinst -n nodelist

たとえば、ノードnode1およびnode2で構成されるクラスタで、次のコマンドを実行します。

C:\app\11.2.0\grid\bin\cluvfy stage -post crsinst -n node1,node2

DBCAを使用する場合は、次の事項に注意してください。

  • クラスタ・インストールの対象となるノードが「ノードの選択」ページに表示されない場合は、OPatchのlsinventoryコマンドによってインベントリ診断を、CVUによってクラスタウェア診断を実行します。

  • Oracle RAC環境では、データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は30文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)を使用できますが、先頭は英字である必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。データベースのDB_NAMEパラメータは、データベース名の最初の8文字に設定されます。

  • グローバル・データベース名のドメイン部分(DB_DOMAIN)は、128文字以内にします。ドメイン名にアンダースコア(_)は使用できません。DB_UNIQUE_NAME.DB_DOMAINの値は、それ全体で企業内で一意である必要があります。

  • システム識別子(SID)は、各Oracleインスタンスの一意の識別子として使用されます。SID接頭辞(データベース名の最初の8文字)には、a-z、A-Zおよび0-9の文字のみを使用できます。SID接頭辞には、オペレーティング・システムの特殊文字を含めることはできないため、データベース名の最初の8文字に特殊文字を使用した場合、この特殊文字はSID接頭辞では省略されます。各データベースに1つのSID接頭辞があります。データベースのSID接頭辞は、クラスタ内で一意である必要があります。プラットフォームによっては、SIDの大/小文字が区別されます。

    Oracle RACデータベースの場合、各インスタンスに、SID接頭辞とインスタンス番号で構成される一意の識別子(ORACLE_SID)があります。Oracle RACデータベース・インスタンスのORACLE_SIDは、そのデータベースに選択した管理方法に応じて異なる方法で生成されます。ポリシー管理型のデータベースを選択した場合、Oracleはname_# (nameはDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字の英数字で、#はインスタンス番号)という形式のSIDを生成します。管理者管理型のデータベースを選択した場合、DBCAはインスタンス名のSIDを先に生成し、SIDはname#という形式になります。


    注意:

    一般的には、SIDはデータベース名と等しくなるように設定します。詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』DB_NAME初期化パラメータに関する説明を参照してください。

  • 「管理オプション」ページで、Oracle Enterprise Managerの監視インタフェースおよび管理インタフェースを選択できます。

    Enterprise Manager Database Controlは、いつでも選択できます。DBCAによってクラスタにGrid Controlのエージェントが検出された場合、Grid Controlを使用したEnterprise Managerオプションも選択できます。Database ControlインタフェースとGrid Controlインタフェースのいずれかを選択します。

    日次バックアップ操作を有効にできます。日次バックアップでは、バックアップ時刻およびバックアップ操作を実行するユーザーのオペレーティング・システムの接続情報を入力します。

    Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降、DBCAおよびOUIから電子メール通知を設定できなくなりました。

  • 高速リカバリ領域を使用するために、共有記憶域に少なくとも2つの個別のOracle ASMディスク・グループ(1つはデータベース領域用、もう1つはリカバリ領域用)を作成することをお薦めします。データベース領域とリカバリ領域を別の障害グループに配置することをお薦めします。

    障害グループは、2つのストレージ・デバイス間で共有されているコントローラなどの共有ハードウェアまたは同じスピンドル上にある2つのディスクによって定義されます。障害が発生したハードウェアを2つのストレージ・デバイスで共有しており、両方のストレージ・デバイスが使用できなくなった場合、これらのストレージ・デバイスは同じ障害グループに属しています。

    Oracle ASMを使用しない場合、データ・ファイルと高速リカバリ領域を(Oracle ASMを使用する場合の別の障害グループと同様に)Oracleホーム以外および別の場所に配置して、ハードウェアの障害によって可用性が低下しないようにすることをお薦めします。


    関連項目:

    • 高速リカバリ領域の使用の詳細は、『Oracle Database概要』です。

    • 障害グループ、および高可用性とリカバリのベスト・プラクティスの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


  • 「リカバリ構成」ページで、Oracle ASMまたはクラスタ・ファイル・システム記憶域を使用すると、その「リカバリ構成」ページで、高速リカバリ領域とリカバリ領域のサイズも選択できます。Oracle ASMを使用している場合、デフォルトでは、高速リカバリ領域はOracle ASMディスク・グループに設定されます。Windows用のOCFSを使用している場合、デフォルトでは、高速リカバリ領域はOracle_base\fast_recovery_areaに設定されます。

  • クラスタに現在のDBCAセッションに存在するノードより多くのノードを追加する場合は、「すべての初期化パラメータ」をクリックして、パラメータCLUSTER_DATABASE_INSTANCESをクラスタに追加する総ノード数に変更します。

    また、「すべての初期化パラメータ」をクリックする際には、グローバル・データベース名が8文字を超える場合、データベース名の値(DB_NAMEパラメータ)は、最初の8文字に切り捨てられ、DB_UNIQUE_NAMEパラメータ値が、グローバル名に設定されることに注意してください。


    関連項目:

    初期化パラメータの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Database Vaultユーザー・アカウントの作成を求められたときに、DV_OWNERおよびDVACCTMGRなどのDatabase Vaultロールの名前を使用しないでください。ロールの完全なリストについては、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

DBCAのプロンプトに従って作業を行い、「サマリー」ダイアログ・ボックスの情報を確認して「OK」をクリックします。DBCAは、次のことを実行します。

  • Oracleサービスの開始(Windowsベースのプラットフォームの場合)

  • クラスタ・データベースのネットワークの構成

  • 以前のリリースのOracle Databaseリスナーと関連ファイルのOracle Database 11gのOracleホームへの移行

  • Oracle RACデータベースとそのインスタンスの作成

  • Oracle RACデータ・ディクショナリ・ビューの作成

  • Oracle Enterprise Manager Database ControlまたはGrid Controlの構成

  • リスナーおよびデータベース・インスタンスの起動と、その後での高可用性サービスの起動


注意:

データベースを作成した後で、そのデータベースにOracle Database製品をさらにインストールする場合は、追加の製品をインストールする前に、Oracleホームで実行されているすべてのプロセスを停止する必要があります。詳細は、付録E「既存のOracle Real Application Clustersデータベースでのプロセスの停止方法」を参照してください。

3.6 DBCAを使用したOracle RACデータベースの削除

DBCAを使用してOracle RACデータベースを削除するには、まずデータベースを削除してから、データベースの初期化パラメータ・ファイル、インスタンス、Optimal Flexible Architecture(OFA)構造およびデータベースのOracleネットワーク構成を削除します。ただし、RAWデバイスまたはRAWパーティションにあるデータ・ファイルは削除されません。

DBCAを使用してデータベースを削除するには、次の作業を行います。

  1. クラスタ・ノードのいずれかでDBCAを起動します。

    Windowsベースのプラットフォームで、「スタート」「プログラム」「Oracle - Oracle_home name」「Configuration and Migration Tools」「Database Configuration Assistant」の順に選択します。

    DBCAの「ようこそ」ページが表示されます。

  2. 「Oracle Real Application Clustersデータベース」を選択して「次へ」をクリックします。

    「次へ」をクリックすると、DBCAによって、「操作」ページが表示されます。

  3. 「データベースの削除」を選択して「次へ」をクリックします。

    DBCAの「クラスタ・データベースのリスト」ページが表示されます。

  4. ユーザーIDおよびパスワードにオペレーティング・システムの認証がない場合、「クラスタ・データベースのリスト」ページにユーザー名およびパスワードを入力するフィールドが表示されます。このフィールドが表示されたら、SYSDBA権限のあるユーザー・アカウントのユーザーIDおよびパスワードを入力します。

  5. 削除するデータベースを選択し、「終了」をクリックします。

    「終了」をクリックすると、DBCAによって、そのデータベースおよびインスタンスの削除を確認するダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. 「OK」をクリックすると、データベース本体と関連ファイル、サービスおよび環境設定の削除が開始されます。「取消」をクリックすると、操作が中止されます。

「OK」をクリックすると、DBCAは操作を継続して、このデータベースに関連するすべてのインスタンスを削除します。DBCAは、パラメータ・ファイル、パスワード・ファイルも削除します。

この時点で、次の作業が完了しました。

  • 選択したデータベースのクラスタからの削除

  • 選択したデータベースのOracleサービスの削除

  • データベースに割り当てられた高可用性サービスの削除

  • データベースのOracle Net構成の削除

  • データベースに対するDatabase Controlの構成解除

  • データベースのOFAディレクトリ構造のクラスタからの削除

  • データ・ファイルの削除(RAWデバイスまたはRAWパーティション上に存在しない場合)

3.7 Enterprise Manager DB Controlの環境変数の設定

以前のリリースのOracle Databaseでは、Enterprise Managerの起動、停止、状態確認を行う場合、ORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDの環境変数を設定する必要がありました。Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以上では、Enterprise Managerを使用する場合、ORACLE_HOMEおよびORACLE_UNQNAMEの環境変数を設定する必要があります。たとえば、oracleユーザーに対してこれらの環境変数の値を設定するには、次のようなコマンドを各ノードで入力します(OracleホームはC:\app\oracle\product\11.2.0.1\dbhome_1、データベースの一意の名前はsales)。

C:\> set ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\11.2.0.1\dbhome_1
C:\> set ORACLE_UNQNAME=sales

これらの環境変数を各クラスタ・メンバー・ノードのoracleユーザー・プロファイル・ファイルに配置して、この環境変数の設定がシステム再起動後に使用可能になるようにします。