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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58877-06
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4 Oracle Real Application Clustersのインストール後の手順

この章では、Oracle Database 11g リリース2(11.2)およびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)ソフトウェアをインストールした後に実行する、インストール後の作業について説明します。この章の内容は次のとおりです。


注意:

この章では、基本的な構成についてのみ説明します参照:
  • より高度な構成およびチューニング情報については、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』および製品の管理者ガイドとチューニング・ガイドを参照してください。

  • インストール後の構成情報の詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。


4.1 インストール後の必要な作業

インストールを完了したら、次の作業を実行する必要があります。

4.1.1 新しいソフトウェアにパッチが必要かどうかの判別

Oracleソフトウェアのインストール後、特定のソフトウェア機能が正しく動作するようにするために、1つ以上のパッチを適用する必要がある場合があります。ご使用のシステムにパッチが必要かどうかを判別するには、Oracle DatabaseのReadmeおよびOracle Databaseリリース・ノート11gリリース2 (11.2.0.3) for Microsoft Windowsを参照してください。


関連項目:

Oracle Databaseソフトウェア・リリース11.1以下で必要なパッチの詳細は、「以前のリリースのOracle Databaseまたはアップグレードされるデータベースに必要なパッチ」を参照してください。

4.1.2 Oracleソフトウェアで使用可能なパッチの種類

オラクル社では、ベース製品のリリース後、お客様による使用中に発生した問題を解決するための汎用およびポート固有の修正を含むパッチ・セットを定期的に提供しています。パッチ・セットでは、バージョン番号の4桁目が増分し(たとえば、10.2.0.1.0から10.2.0.4.0)、これらのパッチ・セットについては、ベース製品(10.2.0.1.0)と同じ方法で完全なリグレッション・テストが行われます。これらの修正を適用することをお薦めします。

次のパッチ・セットの提供前に修正が必要な重大な問題が発生した場合、お客様は最新のパッチ・セットに追加で適用できる個別の修正をリクエストできます。これはMicrosoftホットフィックスと同様の配信メカニズムであり、Oracleパッチ・セット例外(または個別パッチ)と呼ばれます。Unixプラットフォームとは異なり、これらのパッチ・セット例外はパッチ・セット例外バンドル(累積パッチ・バンドル)で配信され、ここには現行パッチ・セット以降のすべての修正が含まれます。たとえば、バグ12393432は、Oracle Databaseリリース11.2.0.1 for Microsoft Windows (x64)用のパッチ・セット例外バンドル(パッチ12)です。ご使用のリリースで使用可能な最新のパッチ・バンドルを必ず適用する必要があります。

パッチ・セット例外バンドルには、CPU (クリティカル・パッチ・アップデート)、DST (夏時間)、PSU (パッチ・セット更新)および推奨されるパッチ・バンドルの修正も含まれます。パッチ・セット例外バンドルを適用する前に、以前のセキュリティ・パッチを適用しておく必要はありません。ただし、特定の製品ホームについてそのリリース用のパッチ・セット例外バンドルを適用するには、その製品ホームに指定されたパッチ・セット・レベルである必要があります。


関連項目:

各種パッチの詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。

4.1.3 パッチの更新のダウンロードおよびインストール

My Oracle Support Webサイトを参照して、ご使用の環境に対応するパッチの更新を確認します。


注意:

My Oracle Supportを使用するには、ブラウザにバージョン9.0.115以上のAdobe Flashプラグインがインストールされている必要があります。Adobe Flashのチェッカ・ページに移動して、ご使用のブラウザでFlash Playerの正確なバージョンをチェックし、最新バージョンのAdobe Flashがインストールされていることを確認します。

Adobe Flashをインストールしていない場合は、次のAdobe Webサイトから最新バージョンのFlash Playerをダウンロードします。

http://www.adobe.com/go/getflashplayer

必要なパッチ・セットの更新をダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザを使用して、My Oracle SupportのWebサイトを表示します。

    https://support.oracle.com

  2. My Oracle Supportにログインします。


    注意:

    My Oracle Supportの登録ユーザーでない場合は、「My Oracle Supportへの登録」をクリックして、登録します。

  3. My Oracle Supportのメイン・ページで「パッチと更新版」タブをクリックします。

  4. ページの左側の「パッチ・クイック・リンク」セクションの、「Oracleサーバー/ツール」という見出しの下で、「最新のパッチセット」をクリックします。

    新しいブラウザ・ウィンドウまたはタブが開かれ、「クイック・リンク」ページが表示します。

  5. 製品バンドルセクションの「パッチ・セット」で、「Oracle Database」リンクにカーソルを置きます。表示されるフローティング・リストで、カーソルを移動してご使用のオペレーティング・システム(Microsoft Windows x64(64-bit)など)を選択します。表示されるドリルダウン・リストで、必要なパッチ・セットのバージョン(11.2.0.2など)をクリックします。

    「検索結果」ページが表示され、選択したパッチ・セットが下部に表示されます。Oracle Databaseのパッチ・セットは、「説明」列の説明(Oracle Database Family:Patchset x.x.x.x PATCH SET FOR ORACLE DATABASE SERVER)で確認できます。

    1. 検索結果の最初の列で、目的のパッチ・セットの番号をクリックします。「パッチセット情報」ページで、「READMEの表示」をクリックして、そのパッチのパッチ・セット・ノート(READMEファイル)を表示します。READMEページには、そのパッチ・セットに関する情報と、パッチの適用方法が記載されています。

    2. ご使用のローカル・ファイル・システムにパッチをダウンロードするには、「パッチセット情報」ページの「ダウンロード」ボタンをクリックします。

  6. パッチ・セットのかわりに使用可能なパッチをすべて検索する場合は、ブラウザのナビゲーション・ボタンを使用して「検索結果」ページに戻ります。「検索結果」ページの中間の「パッチ・タイプ」アクション・リストで、現在の設定を「パッチ」に変更します。検索フィールドの下で、「実行」ボタンをクリックします。

    前の検索が再度実行されますが、今度はパッチ・セットのリストではなく、すべての使用可能なパッチのリストが表示されます。パッチ情報にアクセスするには、手順5.aおよび手順5.bに示す作業を実行します。

  7. パッチをダウンロードしてサーバーに転送した後に、Oracle Database 11gリリース2(11.2)に付属のUNZIPユーティリティを使用して、Oracleパッチ更新を解凍します。UNZIPユーティリティはOracle_home\binディレクトリにあります。


注意:

「パッチセット情報」ページの下部のリンクをクリックすると、ほとんどのオペレーティング・システムのUNZIPユーティリティを入手できます。

4.1.4 Windowsファイアウォールの例外の構成

Windowsファイアウォール機能がクラスタの1つ以上のノードで有効になっている場合、すべてのTCPネットワーク・ポートは、受信する接続に対して事実上ブロックされます。その結果、TCPポートで受信する接続をリスニングするOracle製品はいずれの接続要求も受信しなくなり、接続要求を行っているクライアントはエラーをレポートします。

Oracle RACクラスタの1つ以上のノードでWindowsファイアウォール機能が有効になっている場合は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』の説明に従って、Oracle RACアプリケーションおよびポートの例外を作成する必要があります。

4.1.5 Oracle製品の構成

多くのOracle製品およびオプションは、初めて使用する前に構成する必要があります。個々のOracle Database 11gリリース2 (11.2)の製品またはオプションを使用する前に、Oracle Databaseインストール・メディアのDOCディレクトリに用意されているその製品のドキュメント・ライブラリ、またはOracle Technology Network (OTN) Webサイトで適切なマニュアルを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/

4.1.5.1 Oracle Database Vaultの構成

Oracle RACのインストール中にOracle Database Vaultをインストールした場合、Oracle Database Vaultをデータベースに登録して、データベース・ユーザー・アカウントを作成する必要があります。


関連項目:

インストール後のOracle Database Vaultの構成の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

4.1.5.2 Oracle Databaseのセキュリティ設定の構成

インストール後にデータベース・セキュリティ構成を有効または無効にするには、コマンドラインOracle Database Configuration Assistant (DBCA)オプションを使用する必要があります。DBCAのGraphical User Interface (GUI)には、仕様により、セキュアな構成を有効または無効にするためのオプションがありません。たとえば、インストール後にセキュリティ設定を有効にするには、次の形式のコマンドを使用します(myRACdb1.example.comはローカル・データベース・インスタンスの名前またはDB_UNIQUE_NAME)。

dbca –configureDatabase –sourceDB myRACdb1.example.com -SID
–enableSecurityConfiguration true

関連項目:

データベース・セキュリティ・オプションの有効化および無効化の詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

4.1.6 外部表、共有ファイルまたはディレクトリ・オブジェクトの記憶域の構成

ご使用のOracle RACデータベースがデータベースの外部にあるファイルを使用する場合、外部ファイルはすべてのノードからアクセス可能な共有記憶域に格納されている必要があります。ファイルのアクセスには、各ノードで同じマウント・ポイントを使用する必要があります。使用可能な共有ファイル・システムには、Database File System(DBFS)、Oracle ASM Cluster File System(Oracle ACFS)、Windows用のOracle Cluster File System(OCFS)またはサポートされたネットワーク・ファイル・システム(NFS)が含まれます。

データベースの外部のファイルの書込みおよび読込みに使用するデータベース・ディレクトリ・オブジェクトは、1つの共有記憶域の場所を指している必要があり、同一の共有記憶域の場所に対して、各ノードで同一のマウント・ポイントを使用する必要があります。例として、マウント・ポイントC:\app\acfsmounts\dpumpへのDPUMPという名前のディレクトリ・オブジェクトが各ノードにあるとし、これがOracle ACFS共有記憶域にアクセスします。


注意:

外部ファイルまたは外部表の一部として指定されたディレクトリ・オブジェクトの内容に、各ノードで一貫性があるかどうかを確認するためのチェックはありません。予測できない結果を回避するには、同一のファイルがすべてのノードからアクセスされていること、または同一のファイルがすべてのノードで使用されていることを確認してください。

4.2 インストール後の推奨する作業

Oracle RACのインストールが完了した後で、次の作業を行うことをお薦めします。

4.2.1 Oracleユーザー環境変数の設定

Windowsオペレーティング・システムでOracleを実行する場合は、他のプラットフォームとは異なり、ORACLE_HOMEを固定環境変数として設定しません。これは、Oracleソフトウェアにより実行時に実行可能ファイルの場所が決定されるためです。

WindowsでOracle実行可能プログラム(たとえば、sqlplus.exe)を起動する場合、ORACLE_HOMEORACLE_BASEおよびORACLE_SID変数は、PATH環境変数および実行可能プログラムの場所(そのプログラムが存在するOracleホーム)によって決まります。SQL*Plusを使用して異なるデータベースまたはOracle ASMインスタンスを管理する場合は、Windowsの「スタート」ボタンをクリックし、管理するインスタンスの正しいOracleホームを選択して、SQL*Plusユーティリティを選択します。

Oracle Universal Installer (OUI)を使用して特定のOracleホームをデフォルトのOracleホームに指定し、そのOracleホームを指すようにPATH環境変数を更新できます。デフォルトのOracleホームを変更する方法の詳細は、第7.3項「Windowsでの複数のOracleホーム・ディレクトリの動作」を参照してください。

4.2.2 すべてのPL/SQLモジュールの再コンパイル

データベースの作成またはアップグレード後に、utlrp.sqlスクリプトを実行することをお薦めします。このスクリプトを実行すると、パッケージ、プロシージャ、タイプなど、無効な状態になっている可能性があるすべてのPL/SQLモジュールが再コンパイルされます。この手順の実行は任意ですが、後日ではなくインストール直後に実行することをお薦めします。

  1. Oracleソフトウェア所有者のユーザー・アカウント環境(oracleなど)の設定を完了します。「Oracleユーザー環境変数の設定」を参照してください。

  2. 次のコマンドを実行して、SQL*Plusを起動します。

    「スタート」をクリックして、「プログラム」(または「すべてのプログラム」)→「Oracle - HOME_NAME」→「Application Development」「SQL*Plus」の順に選択します。

  3. utlrp.sqlスクリプトを実行します。Oracle_homeはOracleホームのパスです。

    SQL> @Oracle_home\rdbms\admin\utlrp.sql
    

関連項目:

SQL*Plusを使用してデータベースに接続する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

4.2.3 ユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントを任意に追加する設定の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド for Microsoft Windows』を参照してください。

この章の手順を完了すると、第5章「Oracle Real Application Clusters環境でのサーバー・パラメータ・ファイルの構成」で説明する基本的な構成作業を実行できます。

4.2.4 Oracle Administration Assistant for Windowsの構成

Oracle Administration Assistant for Windowsの実行には、Microsoft管理コンソールおよびHTML Help 1.2以上が必要です。Microsoft管理コンソール(MMC)のバージョン2.0はWindows Server 2003に付属しており、MMCのバージョン3.0はWindows Server 2003 R2以降のリリースで使用できます。入手可能な最新バージョンのMMCを使用することをお薦めします。


関連項目:

  • 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』

  • Microsoft社のドキュメントは、次のURLで参照できます。

    http://www.microsoft.com/


4.2.5 Oracle9i Databaseの言語および定義ファイルのOracle Database 11gでの使用

Oracle9i Databaseの言語および地域の定義ファイルをOracle Database 11g リリース2(11.2)で使用することができます。この機能を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. デフォルトではOracle_home\nls\data\oldにあるcr9idata.plスクリプトを実行します。

    または、Oracle Databaseをインストールする前に、b_cr9idata変数をtrueに設定してOracle Universal Installer(OUI)のsetupコマンドを実行します。

    setup.exe oracle.rsf.nlsrtl_rsf:b_cr9idata=true
    
  2. ORA_NLS10環境変数を、インストールした新しい言語および地域の定義ファイルのディレクトリ(デフォルトでは、Oracle_home\nls\data)を指すように設定します。

  3. Oracle Databaseを再起動します。

4.2.6 Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン

インストール時にOracle Enterprise Manager Database Controlを構成すると、それをデータベースの管理に使用できます。Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、自動ストレージ管理など、Oracle Databaseの監視、管理およびメンテナンスに使用できるWebベースのユーザー・インタフェースが提供されています。


関連項目:


4.3 Oracle RACのためのOracle Configuration Managerのインストール後の構成

Oracle Configuration Managerをインストールした場合、スクリプトを実行して、データベース構成収集を行うデータベース・アカウントを作成する必要があります。このアカウントは、接続モードと切断モードの両方で作成する必要があります。データベース・アカウントには、構成情報を収集するPL/SQLプロシージャが格納され、そのアカウントが、収集を行うデータベース管理システム(DBMS)・ジョブの所有者になります。アカウントの設定後、ログイン権限は不要になるため、アカウントはロックされます。

構成収集が行われるようにデータベースを構成するには、次のスクリプトを実行します。

Oracle_home\ccr\admin\scripts\installCCRSQL.exe collectconfig -s SID -r \
SYSDBA-USER

スクリプトinstallCCRSQL.exeにより、Oracle Configuration Managerユーザーが作成され、PL/SQLプロシージャがORACLE_SID環境変数で定義されたデータベースにロードされます。コマンドラインで-sオプションを使用して、データベースSIDを指定することもできます。次の例では、SIDをorclに指定しています。

Oracle_home\ccr\admin\scripts\installCCRSQL.exe collectconfig -s orcl

Oracle RACの場合、データベース・スクリプトを実行する必要があるのは、インストールを行ったローカル・インスタンスなど、1つのインスタンスに対してのみです。ただし、Oracle Configuration Managerはすべてのインスタンス・ホームにインストールする必要があります。

デフォルトでは、データベースへの接続にオペレーティング・システム認証(/as sysdba)を使用します。異なるユーザー名およびパスワードを指定するには、次のオプションを使用します。

-r SYSDBA-USER: SYSDBA権限を持つユーザーのログイン名

-p SYSDBA-PASSWORD: SYSDBA権限を持つユーザーのパスワード


注意:

  • パスワードを指定しないでユーザー名を指定すると、パスワードの入力を求められます。

  • ユーザー名を指定しないでパスワードのみ指定すると、デフォルトでユーザーSYSが使用されます。



関連項目:

  • 詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

  • その他の構成作業の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。


4.3.1 Oracle Enterprise Manager Grid Controlの追加の手順

データベースをOracle Enterprise Manager Grid Controlのリポジトリとして使用する場合、Oracle Configuration Managerの構成時に次のスクリプトも実行する必要があります。

Oracle_home\ccr\admin\scripts\installCCRSQL.exe collectemrep

このスクリプトを実行すると、アプリケーションによってSYSMANパスワードの入力が求められます。インストールを自動化するには、installCCRSQLスクリプトを実行して、SYSMANパスワードを指定します。次に例を示します。

Oracle_home\ccr\admin\scripts\installCCRSQL.exe collectemrep
-e
SYSMAN PASSWORD

-s SIDコマンドを追加して、Oracle Enterprise Manager Grid Control DatabaseインスタンスのSIDを指定することができます。このスクリプトは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlのデータベースが格納されているOracle_homeから実行する必要があります。

データベースへの接続にオペレーティング・システム認証を使用していない場合、-rおよび-pパラメータを使用して、次の情報を指定します。

-r SYSDBA-USER: SYSDBA権限を持つユーザーのログイン名

-p SYSDBA-PASSWORD: SYSDBA権限を持つユーザーのパスワード

-pパラメータを指定しない場合、指定したユーザーのパスワードの入力を求められます。

4.4 データベース・オプションの有効化および無効化

Oracle Databaseをインストールすると、いくつかのオプションが有効になり、その他のオプションは無効になります。有効化されたOracle Databaseのオプションは、SQL*Plusを使用してV$OPTIONビューを問い合せることで表示できます。


関連項目:

SQL*Plusを使用してデータベースに接続する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

Oracleホームの特定のデータベース機能を有効または無効にするには、choptツールを使用します。choptツールは、Oracle_home\binディレクトリにあるコマンドライン・ユーティリティです。choptの構文は次のとおりです。

chopt [ enable | disable] db_option

db_optionに指定可能な値を、表4-1に示します。

表4-1 choptツール・コマンドのデータベース・オプション

説明

dm

Oracle Data Miningデータベース ファイル

dv

Oracle Database Vault

lbac

Oracle Label Security

olap

Oracle OLAP

partitioning

Oracle Partitioning

rat

Oracle Real Application Testing

ode_net_2

.NET 2.0用のOracle Databaseの拡張機能


choptツールを実行する前に、変更されるOracleホームで実行中のすべてのOracle Databaseを停止します。

例4-1 choptでOracle Label Securityデータベース・オプションを有効にする方法

Oracle実行可能ファイルのOracle Label Securityオプションを有効にするには、次の作業を行います。

  1. サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用して、Oracle RACデータベース、およびOracleホーム・ディレクトリから実行中のその他のすべてのデータベースを停止します。

    srvctl stop database -d myRACdb
    
  2. Windows Serviceコンソールを使用して、変更されるOracleホームから実行する各Oracle Databaseのサービスを停止します。

    たとえば、ご使用のOracle RACデータベースがmyRACdbという名前の場合、クラスタの最初のノードでOracleServiceMYRACDB1サービスを停止します。

  3. ディレクトリをOracle_home\binディレクトリに変更します。

    cd %ORACLE_HOME%\bin
    
  4. choptツールを次のように実行します。

    chopt enable lbac
    
  5. Windows Serviceコンソールを使用して、手順2で停止したサービスを再起動します。

  6. SRVCTLを使用して、手順1で停止したデータベースを再起動します。次のようにします。

    srvctl start database -d myRACdb
    

4.5 Oracle Grid Infrastructureでの以前のOracle Databaseリリースの使用

次の項で、Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)インストールで以前のリリースのOracle Databaseを使用する場合について説明します。

4.5.1 以前のリリースのOracle Databaseの使用に関する一般的な制限

Oracle Databaseリリース10.2およびリリース11.1をOracle ClusterwareおよびOracle ASMリリース11.2で使用できます。


注意:

Oracle Grid Infrastructure 11.2でOracle Databaseバージョン11.1以前を使用するデータベースに対する、ディスク・グループの互換性の構成の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

既存のリリースのOracle ClusterwareおよびOracle ASMをOracle Grid Infrastructureリリース11.2(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMが含まれます)にアップグレードし、さらにご使用のOracle RACデータベースをリリース11.2にアップグレードすると、既存のデータベースに必要な構成が自動的に実行されます。

Oracle ClusterwareおよびOracle ASMリリース11.2をOracle RAC 10.2および11.1で使用する場合は、次の項で説明する追加の構成作業を完了する必要があります。また、Oracle RAC 10.2および11.1をOracle Clusterware 11.2およびOracle ASM 11.2で適切に動作させるには、Oracle RAC 10.2または11.1のソフトウェア・インストールにパッチを適用する必要があります。特定のパッチに関する詳細は、Oracle DatabaseのReadmeを参照してください。


注意:

Oracle RACまたはOracle Databaseをリリース11.1.0.7、11.1.0.6または10.2.0.4からアップグレードする予定で、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMがリリース11.2にアップグレード済である場合は、Oracle RACまたはOracle Databaseをリリース11.2にアップグレードする前に、アップグレード前のリリースに対する最新の推奨パッチを確認し、必要に応じてパッチをインストールすることをお薦めします。

推奨パッチの詳細は、My Oracle SupportのNote 785351.1にある「Oracle Upgrade Companion」を参照してください。

https://support.oracle.com

また、各リリースの推奨パッチの最新のリストについては、Note756388.1および756671.1を参照してください。


4.5.2 以前のリリースのOracle Databaseまたはアップグレードされるデータベースに必要なパッチ

Oracle ClusterwareおよびOracle ASMリリース11.2の環境に、DBCAを使用してOracle RACまたはOracle Databaseの10.xまたは11.1のデータベースを作成するには、Oracle RACまたはOracle Databaseホームにパッチをインストールする必要があります。特定のパッチに関する詳細は、Oracle DatabaseのReadmeを参照してください。

ご使用のOracle Database 10g リリース2、またはOracle Database 11g リリース1のソフトウェアになんらかのパッチを適用する前に、クラスタのすべてのノードでOracleRemExecService Windowsサービスを停止する必要があります。Oracle Database 10g リリース2またはOracle Database 11g リリース1のデータベースにパッチを適用する前にこのプロセスを停止しないと、パッチ操作中にエラーが発生し、Oracleソフトウェアに適切にパッチが適用されません。

Oracle Databaseリリース11.2.0.3では、Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3へのアップグレードまたはそのインストール後に、Oracle Databaseまたはリリース11.2.0.2 (またはそれ以下)を作成またはアップグレードする場合、まず表4-2に示されているパッチを適用する必要があります。

表4-2 Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3で必要なパッチ

環境 パッチ Oracle Gridホームへの適用 Oracle RACホームへの適用

Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.3上で実行するOracle RACリリース11.1データベースの作成

8288940

10636465

不可

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseリリース11.2.0.1のリリース11.2.0.3へのアップグレード

10100101

可(Oracle Databaseリリース11.2.0.1データベースの作成後)

可(Oracle Databaseリリース11.2.0.1データベースの作成後)

Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.3のフレッシュ・インストール環境で実行するOracle Databaseリリース11.2.0.1データベースの作成

10100101

不可

可(Oracle Databaseリリース11.2.0.1データベースの作成後)

Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3上で実行されるOracle Database 10gリリース2データベース(10.2.0.5)の起動

12799034

不可


4.5.3 Oracle Databaseリリース10.2または11.1用のクラスタ・ノードの固定

新しいOracle Grid InfrastructureにOracle Databaseリリース10.2または11.1がクラスタ構成用にインストールされる場合、これは動的クラスタ構成用に構成され、一部またはすべてのインターネット・プロトコル(IP)アドレスが一時的に割り当てられ、他のクラスタ識別情報も動的になります。この構成は、固定アドレスおよび構成が必要な、以前のリリースのデータベースとは互換性がありません。

旧リリースのデータベースを実行するノードを変更して、永続的な構成を作成することが可能です。ノードに永続的な構成を作成することを、ノードの固定と呼びます。

以前のリリースのOracle Databaseをインストールするためにノードを固定するには、CRS_home\bin\crsctlを使用して次のコマンド構文を実行します。nodesはスペース区切りリストで、構成を固定するクラスタ内の1つまたは複数のノードを示します。

crsctl pin css -n nodes

たとえば、ノードnode3およびnode4を固定するには、管理者ユーザーとしてログインして、次のコマンドを入力します:

C:\> crsctl pin css -n node3 node4

ノードが固定状態か非固定状態かを確認するには、CRS_home\bin\olsnodesを使用して次のコマンド構文を実行します。

olsnodes -t -n 

たとえば、すべての固定されたノードを表示するには、次のコマンドを使用します。

C:\> app\11.2.0\grid\bin\olsnodes -t -n
node1 1       Pinned
node2 2       Pinned
node3 3       Pinned
node4 4       Pinned

特定のノードの状態を表示するには、次の例に示すように-nオプションを使用します。

C:\> app\11.2.0\grid\bin\olsnodes -t -n node3
node3 3       Pinned

関連項目:

ノードの固定および固定解除の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。