Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit) B58877-06 |
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この付録では、デフォルトのポート番号と、インストール後に割当て済ポートを変更する方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。
インストール中、Oracle Universal Installer(OUI)によって、ポート番号がデフォルトの一連のポート番号からコンポーネントに割り当てられます。Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の多くのコンポーネントおよびサービスがポートを使用します。管理者は、これらのサービスで使用されているポート番号を把握し、システム上の2つのサービスで同じポート番号が使用されないようにする必要があります。
ほとんどのポート番号はインストール中に割り当てられます。すべてのコンポーネントおよびサービスには割り当てられるポート範囲がありますが、この範囲は、ポートの割当て時にOracle RACが使用する一連のポート番号です。Oracle RACでは、範囲の最小番号から順番に次のチェックが実行されます。
ポートが、システム上の別のOracle Databaseインストールで使用されているか。
この時点で、インストールがアクティブである可能性も、アクティブでない可能性もありますが、Oracle Databaseは、ポートが使用されているかどうかを検出できます。
ポートが、現在実行中のプロセスによって使用されているか。
これは、ホスト上のいずれのポートにも(Oracle Database以外のプロセスにも)適用されます。
前述のいずれかのチェックに該当するものがあると、Oracle RACは、割り当てられるポート範囲の中で次に大きい番号に移動し、空きポートが見つかるまでチェックを続けます。
ほとんどの場合、Oracle Databaseコンポーネントのポート番号は、ポートの構成に使用するツールで表示されます。また、いくつかのOracle Databaseアプリケーションのポートは、portlist.ini
ファイルにリストされています。このファイルは、%ORACLE_HOME
%\install
ディレクトリにあります。
インストール後にポート番号を変更しても、portlist.ini
ファイルでは更新されないため、このファイルを信頼できるのはインストール直後のみです。ポート番号を検出または変更するには、この付録で説明する方法を使用します。
表F-1に、インストール中に構成されるコンポーネントが使用するポート番号およびプロトコルを示します。デフォルトでは、範囲の中の最初のポートが使用可能であれば、そのポートがコンポーネントに割り当てられます。
表F-1 Oracleコンポーネントで使用されるポート
コンポーネントおよび説明 | デフォルトのポート番号 | ポート範囲 | プロトコル | インターコネクトでのみ使用 |
---|---|---|---|---|
ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
可 |
クラスタ同期サービス・デーモン(CSSD) クラスタ同期サービス(CSS)デーモンは、ノードの再起動を薦めるメッセージに固定ポートを使用します。 このポートは、ブロードキャスト機能を持つすべてのインタフェースで使用されます。ブロードキャストは、ノード削除による再起動が差し迫っている場合にのみ発生します。 |
42424/ |
動的 |
TCP |
可 |
Oracle Net Listenerポートを共有し、インストール中に構成されます。このポートを再構成するには、Oracle Net Configuration Assistant(NETCA)を使用して、リスナーを再構成します。 |
1521(リスナーと同じ) |
1521 |
TCP |
不可 |
OracleクライアントからOracle Connection Managerへの接続用リスニング・ポートです。Oracle Connection Managerは、インストール後にNETCAを使用して構成することができます。 |
1630 |
1630 |
TCP |
不可 |
クラスタ・レディ・サービス・デーモン(CRSD) Oracle Clusterwareクラスタ・レディ・サービス(CRS)デーモンのノード間接続です。ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
可 |
ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
可 |
Oracle EM Database Control - HTTP Oracle Enterprise Manager Database Control用のHTTPポートです。このポートは、インストール中に構成されます。このポート番号の変更方法については、第F.5項「Oracle Enterprise Manager Database Controlのポートの変更」を参照してください。 |
1158 |
5500–5519 |
TCP/HTTP |
不可 |
Oracle EM Database Control - Java RMI Oracle Enterprise Manager Database ControlのJava Remote Method Invocation(RMI)ポート。このポートは、インストール中に構成されます。このポート番号の変更方法については、第F.5項「Oracle Enterprise Manager Database Controlのポートの変更」を参照してください。 |
5520 |
5520–5539 |
TCP |
不可 |
Oracle EM Database Control - JMS Oracle Enterprise Manager Database ControlのOracle Java Message Service(JMS)ポート。このポートは、インストール中に構成されます。このポート番号の変更方法については、第F.5項「Oracle Enterprise Manager Database Controlのポートの変更」を参照してください。 |
5540 |
5540–5559 |
TCP |
不可 |
Oracle Clusterwareのイベントを生成します。ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
可 |
Oracle高可用性サービス・デーモン(OHASD) Oracle高可用性サービス(OHAS)デーモンによってOracle Clusterwareスタックが起動されます。 |
42424 |
動的 |
TCP |
可 |
Oracle Management Agent用のHTTPポートで、Oracle Enterprise Managerの一部です。このポートは、インストール中に構成されます。 このポート番号の変更方法については、第F.4項「Oracle Management Agentポートの変更」を参照してください。 |
3938 |
1830–1849 |
HTTP |
不可 |
Oracleクライアントは、Oracle Net Servicesを使用してデータベースに接続できます。このポートは、インストール中に構成できます。このポートを再構成するには、NETCAを使用します。 |
1521 |
1024-65535 |
TCP |
不可 |
Oracle Notification Services(ONS) ONS用のポートで、Fast Application Notification(FAN)イベントに関する情報の通信を行うためのサービスの公開およびサブスクライブに使用されます。FAN通知プロセスでは、クラスタ・サーバーが使用不可になるか、またはネットワーク・インタフェースに障害が発生した場合にOracle Databaseが発行するシステム・イベントが使用されます。 ONSポートを変更するには |
6100(ローカル) 6200(リモート) |
手動構成 |
TCP |
不可 |
Oracle Real Application Clusters ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
可 |
Microsoftトランザクション・サーバー用のOracleサービス Microsoft Transaction Server用のポート番号は、特定のサーバーにMicrosoft Transaction Serverを初めてインストールする際に、Oracle Universal Installer (OUI)により自動的に構成されます。ソフトウェアを同じサーバーの複数のOracleホームにインストールする場合、OUIはすべてのインストールに同じポート番号を使用します。 ほとんどの場合、ポート番号を再構成する必要はありません。このポート番号の変更方法は、第F.7項「Oracle Services for Microsoft Transaction Serverポートの変更」を参照してください。 |
動的 |
49152-65535 |
TCP |
不可 |
WebベースのアプリケーションがHTTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB HTTPポートが使用されます。このポートはインストール中に構成されますが、後で表示することはできません。 このポート番号の変更方法については、第F.6項「Oracle XML DBポートの変更」を参照してください。 |
0 |
手動構成 |
HTTP |
不可 |
Oracle XML DB - FTP アプリケーションがFTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB FTPポートが使用されます。このポートはインストール中に構成されますが、後で表示することはできません。 このポート番号の変更方法については、第F.6項「Oracle XML DBポートの変更」を参照してください。 |
0 |
手動構成 |
FTP |
不可 |
Management Agentポートの現在の設定を確認するには、ファイル%ORACLE_HOME%\
host_sid
\sysman
\
config
\
emd.properties
ファイルでEMD_URL
を検索します。host_sid
はOracle RACデータベースのローカル・ホスト名およびSIDを含む文字列です。
管理エージェントのHTTPポートを変更するには、次の例に示すようにemca -reconfig
ports
コマンドを使用します。
emca -reconfig ports -AGENT_PORT 1831
現行のHTTP、RMIおよびJMSポート設定を確認するには、次のファイルで検索します。host_sid
はOracle RACデータベースのローカル・ホスト名およびSIDを含む文字列です。
HTTPポート: %ORACLE_HOME%\
host_sid
\sysman
\
config
\
emd.properties
ファイルでREPOSITORY_URL
を検索します。
RMIポート: %ORACLE_HOME%\
oc4j
\
j2ee
\
OC4J_DBConsole_
host_sid
\config
\
rmi
.xml
ファイルでrmi-server
タグのport
属性を検索します。
JMSポート: %ORACLE_HOME%\
oc4j
\
j2ee
\
OC4J_DBConsole_
host_sid
\config
\jms
.xml
ファイルでjms-server
タグのport
属性を検索します。
Oracle Enterprise Manager Database Controlのポートを変更するには、次に示すemca -reconfig
ports
コマンドを使用します。
C:\> %ORACLE_HOME%\bin\emca -reconfig ports option setting
前述の例のoption
に次に示すポートを1つ以上指定し、setting
には新しいポート値を指定します。
オプション | 説明 | 例 |
---|---|---|
DBCONTROL_HTTP_PORT |
HTTPポートを設定します | emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820 |
RMI_PORT |
RMIポートを設定します | emca -reconfig ports -RMI_PORT 5520 |
JMS_PORT |
JMSポートを設定します | emca -reconfig ports -JMS_PORT 5521 |
複数のポート設定を1行で指定できます。次に例を示します。
emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820 -AGENT_PORT 1831 -RMI_PORT 5520
デフォルトでは、Oracle XML DBのFTPおよびHTTP(HTTPSを含む)ポートは0に設定されており、Oracle XML DBへのFTPまたはHTTPアクセスは無効にされています。Oracle XML DB用のFTPポートおよびHTTPポートを変更するには、catxdbdbca.sql
スクリプトを実行する必要があり、これは、デフォルトのインストールの%ORACLE_HOME%\rdbms\admin
にあります。
Oracle XML DBポートを変更するには、次の手順を実行します。
Oracleリスナーが実行されていることを確認します。Windowsのサービス・コントロール・マネージャで、Oracleリスナー・サービス(OracleOraDb11g_home1TNSListener
など)が「開始」に設定されていることを確認します。
リスナーを起動できない場合は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
SYSDBA権限を使用するSYS
またはXDB
ユーザーとしてSQL*Plusにログインします。たとえば、SYS
としてSQL*Plusにログインします。
SQL> sqlplus sys/ as sysdba
catxdbdbca.sql
スクリプトを実行します。
たとえば、OracleホームがC:\app\oracle\product\11.2.0\db_1
ディレクトリにあるとします。FTPポートに8200
およびHTTPポートに2200
を使用するには、次のSQL文を入力します。
SQL> @C:\app\oracle\product\11.2.0\db_1\rdbms\admin\catxdbdbca.sql 2200 8200
SQL*Plusを終了します。
関連項目: SQL*Plusを使用してデータベースに接続する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
ほとんどの場合、Oracle Services for Microsoft Transaction Serverのポート番号を再構成する必要はありません。ポート番号を変更する必要がある場合は、レジストリ・エディタを使用して、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\OracleMTSRecoveryService\Protid_0
Windowsレジストリ・キーの値を1024から65535の範囲の使用可能なポートに編集します。
このキーのポート値が設定されていれば、インストール中、Oracle Universal Installerではこの値が使用されます。設定されていない場合、49152から65535の範囲の空いているポートが自動的に選択されます。