この項では、このマニュアルに記載された新機能について説明し、詳細の参照先を示します。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降、ソフトウェア更新のダウンロードの詳細を指定する際、プロキシ・レルム情報を入力できます。プロキシ・レルムは、認証に使用されるセキュリティ・データベースを識別します。プロキシ・レルムがない場合、「プロキシ・ユーザー名」、「プロキシ・パスワード」および「プロキシ・レルム」の各フィールドにエントリを入力する必要はありません。これは、大/小文字が区別されます。
このプロキシ・レルムは、ソフトウェア更新のダウンロードのみを対象とします。
Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)の新機能または拡張機能を次に示します。
Oracle Database 11gリリース2の11.2.0.2パッチ・セットのリリース以降、Oracle Databaseのパッチ・セットはOracle Databaseソフトウェアのフル・インストールになりました。新しいパッチ・セット・パッケージの変更点を次に示します。
前のリリース(11.x、10.x)から最新のパッチ・セットへの直接のアップグレードをサポートします。
アウトオブプレース・アップグレードにより、新しい別のOracleホームにパッチ・セットをインストールする方法が、推奨されるベスト・プラクティスです。インプレース・アップグレードは、サポートされていますが、推奨されません。
基本リリースをインストールしてから特定のパッチ・リリースへのアップグレードを実行する必要なしに、最新のパッチ・セットをインストールできます。
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 関連項目: 次のURLでMy Oracle SupportのNote 1189783.1(11.2.0.2以降のOracle Databaseパッチ・セットの重要な変更)を参照してください。
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Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1)の新機能または拡張機能を次に示します。
Oracle Grid Infrastructureのインストールが、Oracle Database 11gリリース2で導入されました。単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)、リスナーおよびOracle Restartが含まれます。Oracle Restartは、Oracle Databaseインスタンス、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスおよびリスナーを含むOracle Database環境を監視および管理し、障害の発生時にこれらを自動的に再起動する新しい機能です。クラスタ環境の場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Clusterware、Oracle ASMおよびリスナーが含まれます。
Oracle Grid Infrastructureは、64-bit Windowsでのみ使用可能です。
スタンドアロン・サーバーでOracle Grid Infrastructureを使用する場合は、データベースをインストールする前に、Oracle Grid InfrastructureメディアからOracleソフトウェアをインストールする必要があります。
Oracle Database 11gリリース2では、新しいオプションが導入され、データベースがインストールされるシステム・タイプを指定できます。ラップトップまたはデスクトップにインストールする場合は「デスクトップ・クラス」オプションを選択し、それ以外の場合は「サーバー・クラス」オプションを選択してサーバーにインストールします。これらのオプションは、「サーバー・クラス」画面で使用できます。
いずれかのオプションを選択した後にインストールされるソフトウェアに差異はありませんが、「デスクトップ・クラス」オプションでは、拡張構成オプションなしに単一インスタンス・データベースがインストールされます。
夏時間の変更によってタイムゾーン・バージョン・ファイルが更新されると、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)データは古くなります。以前のリリースでは、データベース管理者がSQLスクリプトutltzuv2.sqlを実行してタイムゾーン・バージョンの変更の影響を受けるTSTZデータを検出し、広範囲に及ぶ手作業を実行してTSTZデータを更新していました。
このリリースでは、TSTZデータは、新たに提供されるDBMS_DST PL/SQLパッケージを使用した非常にわずかな手作業で透過的に更新されます。また、クライアントでタイムゾーン・データファイルにパッチを適用する必要がなくなりました。
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 関連項目: 
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11gリリース2以降では、Oracle ASM管理はSYSASM権限を使用して行う必要があります。SYSASM権限は、Oracle ASMインスタンスでパスワード認証を使用して付与することもできます。
OPERATOR権限(SYSASM権限のサブセット、Oracle ASMの起動および停止を含む)は、Oracle ASMグループ用のORA_OPERのメンバーに指定できます。
Oracle ASM管理にSYSASM権限を使用すると、Oracle ASM管理とデータベース管理の対象をより明確に分離できます。
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 関連項目: SYSASM権限、ASMSNMPアカウントおよびORA_DBAオペレーティング・システム・グループの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 | 
Oracle Universal Installerでは、個別のコンポーネントのカスタム・インストール・オプションを提供しなくなりました。choptツール(ORACLE_HOME\binディレクトリにあるコマンドライン・ユーティリティ)を使用して、データベース・オプションを構成します。
新しい削除ツール(deinstall)は、Oracle Technology Networkからダウンロードしたり(インストール前)、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで、Oracle Databaseソフトウェアを削除するために使用できます。
詳細は、「削除ツールについて」を参照してください。
インテリジェント・データ配置機能により、Oracle ASMディスク上のディスク・リージョンを指定して、高いパフォーマンスを提供する一番外側(ホット)のトラックに、頻繁にアクセスされるデータを確実に配置できます。
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 関連項目: Oracle ASMインテリジェント・データ配置の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 | 
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、マルチプラットフォームかつスケーラブルな新しいファイル・システムで、Oracle ASMテクノロジを拡張して単一インスタンス構成とクラスタ構成の両方でOracle ASMに格納できないデータをサポートするストレージ管理設計です。また、Oracle ACFSには、Oracle ACFSシステムのコピー時のスナップショット機能が用意されています。
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システムの必要なソフトウェアは、Oracle Grid Infrastructureのインストールによりインストールされます。
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 関連項目: 
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データ・ポンプが提供するレガシー・モードにより、データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートの操作の際、元のエクスポートおよびインポート・パラメータを使用できます。
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 関連項目: データ・ポンプのレガシー・モードの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 | 
Oracle Restartはこのリリースに含まれる新機能です。この機能により、単一インスタンス環境でのOracleデータベースの可用性が向上します。Oracle Restartをインストールし、データベース、リスナー、Oracle ASMインスタンスなどのOracle Databaseソフトウェア・スタックの一部が一時的に失敗した場合、失敗したコンポーネントはOracle Restartによって自動的に再起動されます。また、データベース・ホスト・コンピュータの再起動の際、これらのすべてのコンポーネントがOracle Restartにより起動されます。コンポーネントは、コンポーネント間の依存性も考慮に入れて適切な順序で起動されます。
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 関連項目: Oracle Restartの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。 | 
過去のリリースでは、Oracle ASMのインストールは、Oracle Databaseインストールの一部として実行されました。Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降では、Oracle ASMのインストールは、Oracle Grid Infrastructureコンポーネントをインストールする際に実行され、Oracle Real Application Clustersなどでクラスタにインストールされる場合はOracle Clusterware、単一インスタンス・データベースの場合はOracle RestartとOracleホームを共有します。
既存のOracle ASMをアップグレードするには、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。Oracle ASMがインストールされていない場合、Oracle ASMを記憶域オプションとして使用するには、Oracle Databaseのインストールを開始する前に、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了してください。
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 関連項目: Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールの詳細は、「Oracle Grid Infrastructure」を参照してください。 | 
SRVCTLが拡張され、スタンドアロン・サーバーおよびOracle Clusterwareを使用したクラスタで、Oracle Restartを備えた単一インスタンス・データベースがサポートされています。SRVCTLは、Oracle Restartを使用する際に、Oracle Database(データベース・インスタンス、リスナー、Oracle ASMインタフェース)を管理するために使用するコマンドライン・インタフェースです。SRVCTLを使用すると、Oracle Restart構成の管理、Oracle Restartで管理されるプロセスのステータスの確認、およびOracle Databaseなどのプロセスの開始や停止が可能です。
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 関連項目: SRVCTLコマンドの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。 |