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Oracle® OLAPユーザーズ・ガイド
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3 ディメンションとキューブの作成

この章では、Analytic Workspace Managerを使用したデータ・モデルの設計方法およびディメンションとキューブの作成方法を説明します。この章では、次の項目について説明します。

データの次元モデルの設計

第1章では、各種次元オブジェクト(キューブ、メジャー、ディメンション、レベル、階層、属性)の概要を説明しました。この章では、これらをOracle Databaseで定義する方法について説明しますが、その前に、作成する次元モデルについて決定する必要があります。使用するメジャーやディメンションを決めたり、データのディメンションと属性をどのように区別するかを決めます。次元モデルの設計は、紙と鉛筆を使用する、データベース設計ソフトウェア・パッケージを利用するなど、各自に合った方法で行うことができます。

ソース・データがスター・スキーマまたはスノーフレーク・スキーマに格納されている場合、次元モデルの要素は次のように決まります。

ソース・データを基にして現在生成されているレポートを検討することにより、次元モデルの構成を把握することもできます。これらのレポートから、レポート利用者にとって必要な集計レベルや、データを絞り込む際に使用する属性を特定できます。

ソース・データを調査するときに、作成しようとしている次元モデルとの一致度がより高いリレーショナル・ビューを作成することもできます。


参照:

次元オブジェクトの概要については、「次元データ・モデルの概要」を参照してください。

Globalアナリティック・ワークスペースの次元モデルの作成事例については、付録A「次元モデルの設計」を参照してください。


Analytic Workspace Managerの概要

Analytic Workspace Managerは、Oracle Database内の次元オブジェクトを作成、構築および管理するためのメイン・ツールです。Analytic Workspace Managerを使用する目的は、ビジネス分析をサポートする次元データ・ストアを構築することです。このデータ・ストアは単独で利用できますが、リレーショナル・データ・ウェアハウスの一部としてサマリー・データを格納することもできます。

次元オブジェクトの作成には、データの物理的な変換が伴います。この変換の最初のステップでは、キューブ、メジャー、ディメンション、レベル、階層および属性を定義します。その後で、次元オブジェクトをリレーショナル・データソースにマップします。データは、データ・ロード・プロセスによってリレーショナル形式から次元形式に変換されます。

Analytic Workspace Managerでは、次の作業を行うことができます。

データをロードできるデータベースのソースは次のとおりです。

データをディメンションやキューブにロードするためには、リレーショナル・データソースに対するSELECT権限が必要です。この章では、スター・スキーマやスノーフレーク・スキーマなど、次元オブジェクトをサポートしているリレーショナル・スキーマをすでに所有しているものと仮定します。

図3-1は、Analytic Workspace Managerのメイン・ウィンドウです。このウィンドウには、メニュー、ツールバー、ナビゲーション・ツリーおよびプロパティ・シートがあります。ナビゲーション・ツリーでオブジェクトを選択すると、右側のプロパティ・シートにそのオブジェクトの詳細情報が表示されます。オブジェクトを右クリックすると、そのオブジェクトに対する適切なアクションを選択できるメニュー項目が表示されます。

Analytic Workspace Managerには、状況依存ヘルプを含む完全なオンライン・ヘルプ・システムがあります。

図3-1 Analytic Workspace Managerのメイン・ウィンドウ

Analytic Workspace Managerのメイン・ウィンドウ
「図3-1 Analytic Workspace Managerのメイン・ウィンドウ」の説明

Analytic Workspace Managerを使用した次元データ・ストアの作成

アナリティック・ワークスペースとは、関連するキューブを格納するためのコンテナです。ディメンションやキューブなどの次元オブジェクトは、アナリティック・ワークスペース内で作成します。

アナリティック・ワークスペースの作成手順: 

  1. Analytic Workspace Managerを開き、この目的で定義されているユーザーとしてデータベース・インスタンスに接続します。

  2. 次の手順で、データベースにアナリティック・ワークスペースを作成します。

    1. ナビゲーション・ツリーでフォルダを開き、アナリティック・ワークスペースの作成先となるスキーマを見つけます。

    2. 「アナリティック・ワークスペース」を右クリックして「アナリティック・ワークスペースの作成」を選択します。

    3. アナリティック・ワークスペースの作成ダイアログ・ボックスに必要な情報を入力し、「作成」をクリックします。

      アナリティック・ワークスペースがそのスキーマの「アナリティック・ワークスペース」フォルダ内に表示されます。

  3. データのディメンションを定義します。

    「ディメンションの作成」を参照してください。

  4. データのキューブを定義します。

    「キューブの作成」を参照してください。

  5. キューブとディメンションにデータをロードします。

    「キューブへのデータのロード」を参照してください。

これらの手順を完了すると、リレーショナル表またはビューからフェッチされたディテール・データが移入されたアナリティック・ワークスペースが作成されます。また、サマリー・データおよび計算済メジャーも作成されます(該当する手順を実行した場合)。

次元オブジェクトへの機能の追加

基本手順に付け加える形で、キューブに次の機能を追加できます。

Analytic Workspace Managerで変更内容が保存されるタイミング

Analytic Workspace Managerは、ユーザーがアナリティック・ワークスペースに対して加えた変更を自動的に保存します。ユーザーが明示的に変更内容を保存する必要はありません。

次のような操作を行ったときに、保存が実行されます。

  • ダイアログ・ボックス内の「OK」またはこれと同等のボタンをクリックする。

    たとえば、「ディメンションの作成」ダイアログ・ボックス内の「作成」をクリックすると、ディメンションがデータベースにコミットされます。

  • プロパティ・シートで「適用」をクリックする。

    たとえば、オブジェクトの「一般」プロパティ・ページでラベルを変更した場合、「適用」をクリックしたときに変更が有効になります。

ディメンションの作成

ディメンションは、データを識別および分類する一意の値のリストです。ディメンションはキューブのエッジを形成します。したがって、キューブ内のメジャーのエッジがディメンションによって形成されます。レポートでは、ディメンション値(またはその説明的な属性)が行や列のラベルになります。

次の一般形式のディメンションを定義できます。

ディメンション・メンバーが一意である必要性

各ディメンション・メンバーは、一意の値でなければなりません。データの内容によっては、リレーショナル・ソースの自然キーまたはサロゲート・キーをメンバーに使用するディメンションを作成できます。すべてのレベルにおいて値が一意であるかどうか確信できない場合は、デフォルトで選択されるサロゲート・キーを使用してください。

Analytic Workspace Managerでは、ユーザーが特に指定しないかぎりはサロゲート・キーが作成されます。

Timeディメンションの特別な要件

ディメンションは、ユーザー・ディメンションまたはTimeディメンションとして定義できます。ビジネス分析は履歴データ上で実行されるため、完全に定義された期間が必須です。時間ディメンション表には期間の最終日および期間の列が必要です。これら必須の属性によって、前の期間または後の期間との比較がサポートされます。これらの情報がない場合でも、Timeをユーザー・ディメンションとして定義できますが、時間ベースの分析は使用できません。

前の期間との差を計算するカスタム・メジャーなど、時間ベースの分析が行えるようにするには、少なくとも1つのレベルを持つTimeディメンションを定義する必要があります。

ディメンションの作成手順: 

  1. 目的のアナリティック・ワークスペースのフォルダを開きます。

  2. ディメンション」を右クリックし、「ディメンションの作成」を選択します。

    「ディメンションの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「一般」タブに必要な情報を入力します。

  4. ソース表のキーがすべてのレベルにおいて一意である場合は、「実装の詳細」タブでデフォルトの設定を変更できます。

  5. 作成」をクリックします。

    ディメンションが「ディメンション」のサブフォルダとして表示されます。

図3-2は、Productディメンションの作成画面です。

図3-2 Productディメンションの作成

「ディメンションの作成」ダイアログ・ボックス
「図3-2 Productディメンションの作成」の説明

レベルの作成

通常、ビジネス分析では、データはレベル単位で集計されます。たとえば、トランザクション・データベースの日次スナップショットがデータベースに格納されているとします。ベース・レベルは日です。このデータは、週、四半期および年レベルで集計できます。

レベルは、親子関係または1対多関係を持ち、これらがレベルベース階層を形成します。たとえば、各週は7日間を集計したもの、各四半期は13週間を集計したもの、各年は4四半期を集計したものです。このような階層構造により、分析者は、高いレベルでなんらかの傾向を発見したら、より低いレベルへとドリルダウンして、その傾向を形成している要因を確認できます。

定義するレベルごとに、そのレベルのディメンション・メンバーのデータソースを指定する必要があります。すべてのレベルのメンバーが、同じディメンションに格納されます。前述の例で言うと、Timeディメンションには、週、四半期および年のメンバーが格納されます。

レベルの作成手順: 

  1. 目的のディメンションのフォルダを開きます。

  2. レベル」を右クリックし、「レベルの作成」を選択します。

    「レベルの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「レベルの作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブに必要な情報を入力します。

  4. 「作成」をクリックします。

    レベルが「レベル」フォルダ内の項目として表示されます。


ヒント:

「ディメンションの作成」ダイアログ・ボックスの「レベル」タブでレベルを作成することもできます。

図3-3は、ProductディメンションのClassレベルの作成画面です。

図3-3 Classレベルの作成

「レベルの作成」ダイアログ・ボックス
「図3-3 Classレベルの作成」の説明

階層の作成

ディメンションは、1つ以上の階層を持つことができます。レベルベース階層または値ベース階層を使用できます。

レベルベース階層

ほとんどの階層はレベルベースです。Analytic Workspace Managerでは、次の一般的なタイプのレベルベース階層がサポートされています。

  • 通常階層は、1つ以上の集計レベルで構成されます。メンバーは、多対1の関係における次に高いレベルにロールアップされ、これらのメンバーがその次に高いレベルにロールアップされ、最終的にトップ・レベルまでロールアップされます。

  • 不規則階層には、異なるベースを持ち、階層の「不規則な」ベース・レベルを形成するメンバーが1つ以上含まれます。不規則階層はキューブ・マテリアライズド・ビューではサポートされません。

  • スキップレベル階層には、複数の高いレベルに親を持ち、階層に欠落部分を作成するメンバーが1つ以上含まれます。スキップレベル階層の例としては、少なくとも1つの都市がその親として国を持つ(アメリカ合衆国におけるワシントン市など)都市-州-国という階層があげられます。

    リレーショナル・ソース表では、スキップレベル階層はレベル列にNULLを含む場合があります。スキップレベル階層はキューブ・マテリアライズド・ビューではサポートされません。

ディメンションに複数の階層がある場合、通常はベース・レベルのディメンション・メンバーが共有され、それぞれの階層に分岐します。これらが同一のベース・メンバーおよび集計演算子を使用する場合は、最上位レベルを共有できます。ベース・メンバーと集計演算子が異なるときは、それぞれの集計値を格納するための個別の最上位レベルが必要となります。たとえば、Customerディメンションには、すべてのベース・レベルの顧客を格納し、共通の最上位レベルに集計される、複数の階層を作成できます。一方、Calendar階層とFiscal階層を持つTimeディメンションの場合は、Calendar Year(暦年)レベル(1月から12月まで)とFiscal Year(会計年度)レベル(7月から6月まで)に分けて集計する必要があります。これらの階層では使用されるベース・レベル・メンバーが異なるためです。

値ベース階層

親子関係を含むが、レベルをサポートしないディメンションも存在します。たとえば、従業員ディメンションが、各従業員の上司を識別する親子関係を含む場合があります。第1レベルの上司、第2レベルの上司、第3レベルの上司などをグループ化するレベルは、分析の役に立つとはかぎりません。同様に、明細項目ディメンションが、意味のあるレベルにグループ化できないメンバーを含む場合もあります。このような場合は、指定されたレベルを持たない、親子関係で定義された値ベース階層を作成できます。値ベース階層は、ソース・キーを使用するディメンションに対してのみ作成できます。サロゲート・キーはレベルの名前を使用して形成されるため、値ベース階層では使用できません。

階層の作成手順: 

  1. 目的のディメンションのフォルダを開きます。

  2. 階層」を右クリックし、「階層の作成」を選択します。

    「階層の作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「階層の作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブに必要な情報を入力します。

    ヘルプ」をクリックすると、各項目の詳細を参照できます。

  4. 「作成」をクリックします。

    階層が「階層」フォルダ内の項目として表示されます。

図3-4は、ProductディメンションのPrimary階層の作成画面です。

図3-4 Product Primary階層の作成

「階層の作成」ダイアログ・ボックス
「図3-4 Product Primary階層の作成」の説明

属性の作成

属性は、ディメンションの個々のメンバーに関する情報を提供します。属性は、クロス集計表示およびグラフィカルなデータ表示のラベル付け、データの選択、ディメンション・メンバーの編成などの目的に使用します。

自動的に定義される属性

Analytic Workspace Managerでは、ディメンションの作成時に一部の属性が自動的に作成されます。これらの属性は一意の型(「詳細な説明」など)を持ちます。

すべてのディメンションは、詳細な説明および簡単な説明付きで作成されます。ソース表に詳細な説明および簡単な説明が含まれている場合は、属性を対応する列にマップできます。ただし、ソース表に含まれている説明が1セットのみである場合は、説明属性を1つのみ作成してマップします。詳細な説明属性と簡単な説明属性の両方を同じ列にマップすると、データは2回ロードされます。

Timeディメンションは、期間属性および終了日属性付きで作成されます。この情報は、Timeディメンションのすべてのメンバーに対して指定する必要があります。

ユーザー定義の属性

ディメンション・メンバーに関する補足的な情報(顧客の住所や電話番号、製品の色やサイズなど)を示す、ユーザー定義の属性を追加することもできます。

属性の作成手順: 

  1. 目的のディメンションのフォルダを開きます。

  2. 属性」を右クリックし、「属性の作成」を選択します。

    「属性の作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「属性の作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブに必要な情報を入力します。

    すべてのディメンション・メンバーに適用される属性と、1つのレベルにしか適用されない属性があります。「属性を適用」ボックスで選択する項目に応じて、属性を1つの列にマッピングするか、複数の列にマッピングするかを制御できます。

    ヘルプ」をクリックすると、各項目の詳細を参照できます。

  4. デフォルトのデータ型はVARCHAR2ですが、別のデータ型に変更する場合は「実装の詳細」タブで設定します。

  5. 「作成」をクリックします。

    属性が「属性」フォルダ内の項目として表示されます。

図3-5は、ProductディメンションのMarketing Manager属性の作成画面です。ここでは、この属性はItemレベルにのみ適用されます。

図3-5 Product Marketing Manager属性の作成

「属性の作成」ダイアログ・ボックス
「図3-5 Product Marketing Manager属性の作成」の説明

一意キー属性

マテリアライズド・ビューでは、キューブの各ディメンションに一意キー属性が必要です。これらの属性にはソース・ディメンションの元のキー値が格納されます。この値は、キューブの埋込み合計ディメンションを作成したときに変更されている可能性があります。

キューブ・マテリアライズド・ビューのディメンションの一意キー属性はAnalytic Workspace Managerによって自動的に作成されます。ユーザーが手動で作成や管理を行う必要はありません。

ディメンションのマッピング

マッピングによって、各次元オブジェクトのリレーショナル・データソースを特定します。ディメンションをリレーショナル表またはビューの列にマッピングした後で、データをロードできます。各ディメンションに対して作成、マッピング、ロードの手順を個別に実行するか、またはすべてのディメンションに対して1つの手順を実行してから次の手順を実行します。

ディメンション用のSQLデータ型

ディメンションおよびレベルは、次のSQLデータ型を持つ列にマップできます。これらのデータ型はデータのロード中にテキストに変換されます。

  • VARCHAR2

  • NVARCHAR2

  • NUMBER

  • INTEGER

  • DECIMAL

  • CHAR

  • NCHAR

  • DATE

  • TIMESTAMP

  • TIMESTAMP WITH TIMEZONE

  • TIMESTAMP WITH LOCAL TIMEZONE

同じデータ型のキューブやメジャーには属性をマップできます(「データ型」を参照)。

ディメンションのマッピング・ウィンドウ

マッピング・ウィンドウには、表形式ビューとグラフィカル・ビューがあります。この2つのビューは、キャンバスの上部にあるアイコンを使用して切り替えることができます。

  • 表形式ビュー: スキーマ・ナビゲーション・ツリーから、個々の列名を次元オブジェクトの行にドラッグ・アンド・ドロップします。

  • グラフィカル・ビュー: スキーマ・ナビゲーション・ツリーから、表およびビューを表すアイコンをマッピング・キャンバスにドラッグ・アンド・ドロップします。その後、列から次元オブジェクトに線を引きます。

表形式ビューでディメンションをマップするときはOLAP式の構文を使用できます。この機能があるため、ディメンション表にソース列がなくてもディメンションの最上位レベルを作成することが可能です。

また、異なる表から属性をマップすることも可能です。OLAPは、同じ名前の列で自動的に表を結合します。

マッピング・ウィンドウの「ヘルプ」をクリックすると、詳細を確認できます。

ディメンションのマッピング手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーでディメンションのフォルダを開き、「マッピング」をクリックします。

    マッピング・ウィンドウには、左側にスキーマ・ナビゲーション・ツリーがある他、選択したディメンションのマッピング表(行はレベルとその属性)が表示されます。これが表形式ビューです。

  2. 正規化されたディメンション表の場合は、「ディメンション表のタイプ」に「スノーフレーク・スキーマ」を選択します。

  3. マッピング・ウィンドウを大きくするために、ペインの境界線を左側にドラッグします。

  4. スキーマ・ツリーで、ディメンションのメンバーおよび属性が格納されている表、ビューまたはシノニムを開きます。

  5. ソース列を、ディメンションのマッピング表の適切なセルにドラッグ・アンド・ドロップします。

  6. すべてのレベルと属性をマップしたら、「適用」をクリックします。

  7. 境界線を右側にドラッグして、ナビゲーション・ツリーが表示されるようにします。

図3-6は、表形式ビューでマップしたProductディメンションを示したものです。矢印は、PRODUCT_DIM.ITEM_BUYER列がPRODUCT.ITEM.BUYER属性にマッピングされていることを表しています。

図3-6 表形式ビューでマップしたProductディメンション

表形式ビューでのディメンションのマッピング
「図3-6 表形式ビューでマップしたProductディメンション」の説明

リレーショナル・ソースなしで最上位レベルをマップする手順: 

  1. ディメンションとそのレベル(最上位レベルを含む)、階層および属性を作成します。

  2. 前述のディメンションを最上位レベル以外のすべてにマップします。

  3. OLAP式の構文で、最上位レベルの式を入力します。

例3-1 Global Timeディメンションの最上位レベルの作成

この例は、Timeディメンションにおけるすべての年の最上位レベルを示しています。TimeディメンションのTotalレベル(すべての年)に使用するマッピングの式は次のようになります。

Member: 'TOTAL' 
LONG_DESCRIPTION: 'Total'
SHORT_DESCRIPTION: 'Total' 
END_DATE: TO_DATE('31-Dec-2007', 'dd-mon-yyyy')
TIME_SPAN: 3646 

MemberLONG_DESCRIPTIONおよびSHORT_DESCRIPTIONはリテラル文字列に設定されます。END_DATETO_DATEファンクションを使用し、TIME_SPANは数値に設定されます。

ソース・データの問合せ

マッピング・ウィンドウから直接、特定のソース列の内容を表示できます。この情報はすぐに確認できるので、名前から内容を判断できないときに推測で作業を進める必要がなくなります。

特定のソース表またはビューの値の表示手順: 

  1. スキーマ・ツリーまたはマッピング・キャンバスのグラフィカル・ビューでソース・オブジェクトを右クリックします。

  2. ショートカット・メニューから「データを表示」を選択します。

図3-7は、PRODUCT_DIM表に格納されているデータを示しています。

図3-7 PRODUCT_DIM表のデータ

GLOBAL.PRODUCT_DIMのデータ
「図3-7 PRODUCT_DIM表のデータ」の説明

ディメンションへのデータのロード

Analytic Workspace Managerでは、複数の方法で次元オブジェクトにデータをロードできます。データ・モデルを最も早く作成できるのは、メンテナンス・ウィザードのデフォルト設定を使用する方法です。本番環境では、ここで紹介する方法よりも適切な方法がある場合もあります。これらについては、「データのメンテナンス方法の選択」を参照してください。

ディメンションにデータをロードする手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーで、「ディメンション」フォルダまたは特定のディメンションのフォルダを右クリックします。

  2. ディメンションのメンテナンス」を選択します。

    メンテナンス・ウィザードが起動し、「オブジェクトを選択」ページが表示されます。

  3. 「使用可能なターゲット・オブジェクト」から1つ以上のディメンションを選択し、矢印のボタンを使用して「選択済ターゲット・オブジェクト」に移動します。

  4. ディメンション値をすぐにロードする場合は、「終了」をクリックします。

    ウィザードの他のページでは、SQLスクリプトを作成したり、ロード処理をOracleジョブ・キューに送ることができます。これらのオプションを使用する場合は、「次へ」をクリックします。

  5. 作成ログを確認します(このログは作成が完了したときに表示されます)。ログにエラーの発生が記録されている場合は、そのエラーを修正してから再度メンテナンス・ウィザードを実行します。

    一般に、エラーの原因は不適切なマッピングです。不完全なマッピングやソース・オブジェクトに対する変更がないかどうかを確認してください。

図3-8は、メンテナンス・ウィザードの最初のページです。Productディメンションのみがメンテナンスの対象として選択されています。Productディメンションのすべてのメンバーおよび属性が、マップされたリレーショナル・ソースからフェッチされます。

図3-8 Productディメンションへのディメンション値のロード

メンテナンス・ウィザードの「オブジェクトを選択」ページ
「図3-8 Productディメンションへのディメンション値のロード」の説明

図3-9は、Analytic Workspace Managerで表示されるメンテナンス・ログです。このメンテナンス・ログは、すべての作成処理をリフレッシュして最新情報を表示します。

図3-9 Productディメンションのメンテナンス・ログ

メンテナンス・ログのスクリーン・キャプチャ
「図3-9 Productディメンションのメンテナンス・ログ」の説明

ディメンション・ビューの表示

メンテナンス・ウィザードは、ディメンションおよび階層のリレーショナル・ビューを自動的に生成します。これらのビューおよびビューに対する問合せ方法については、第4章を参照してください。

図3-10は、Product Primary階層のリレーショナル・ビューの説明画面です。データについては「データ」タブで確認できます。

図3-10 Product Primary階層ビュー

Product Primary階層ビュー
「図3-10 Product Primary階層ビュー」の説明

デフォルト階層の表示

ディメンションにデータをロードしたら、デフォルトの階層を表示できます。

デフォルト階層の表示手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーで、ディメンションの名前を右クリックします。

  2. データを表示」を選択します。

図3-11は、ProductディメンションのPrimary階層です。

図3-11 Product Primary階層の表示

ディメンション・ビューア
「図3-11 Product Primary階層の表示」の説明

キューブの作成

キューブは、まったく同じディメンションを持つメジャーを識別する情報オブジェクトです。したがって、データのロード、集計、格納および問合せというすべての段階において、同時に処理される対象となります。

キューブは、ビジネス・メジャーの形状を定義します。キューブは、順序付けされた一連のディメンションによって定義されます。ディメンションはキューブのエッジを形成し、メジャーはキューブ本体のセルになります。

キューブの作成手順: 

  1. 目的のアナリティック・ワークスペースのフォルダを開きます。

  2. キューブ」を右クリックし、「キューブの作成」を選択します。

    「キューブの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「一般」タブで、キューブの名前を入力し、ディメンションを選択します。

  4. 「集計」タブで「ルール」サブタブをクリックし、各ディメンションの集計方法を選択します。キューブで複数の方法を使用する場合は、必要な結果を取得するためのディメンションの集計順序を指定する必要があります。

    集計から除外する階層を指定する必要がなければ、タブの一番下のオプションは無視してかまいません。

  5. キューブのマッピング後にアドバイザを実行すると、最適なパーティションと記憶域がOracle OLAPによって決定されます。かわりに、これらのオプションをユーザー自身で定義する場合は、キューブを作成する前に「パーティショニング」タブと「記憶域」タブで設定を行います。

  6. 「作成」をクリックします。キューブが「キューブ」以下にサブフォルダとして表示されます。

図3-12は、Unitsキューブの「ルール」サブタブに演算子のリストが表示されている画面です。


参照:

集計演算子については、「集計演算子」を参照してください。

図3-12 集計演算子の選択

「キューブの作成」ダイアログ・ボックスの「集計」タブ
「図3-12 集計演算子の選択」の説明

メジャーの作成

メジャーは、ビジネスに関して収集されたファクトを格納します。各メジャーは特定のキューブに属しているため、キューブ内の他のメジャーと特定の特性を共有しています(ディメンションが同じであるなど)。メジャーのデフォルトの特性はキューブから継承されます。

メジャーの作成手順: 

  1. メジャーのディメンションを持つキューブのフォルダを開きます。

  2. メジャー」を右クリックし、「メジャーの作成」を選択します。

    「メジャーの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「一般」タブで、メジャーの名前を入力します。

  4. 「作成」をクリックします。

    メジャーが「メジャー」フォルダ内の項目としてナビゲーション・ツリーに表示されます。

図3-13は、「メジャーの作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブです。

図3-13 Salesメジャーの作成

「メジャーの作成」ダイアログ・ボックス
「図3-13 Salesメジャーの作成」の説明

キューブのマッピング

キューブのマッピングでは、ディメンションをマッピングしたときと同じインタフェースを使用します(「ディメンションのマッピング」を参照)。キューブを1つのファクト表に直接マップしたり、OLAP式の構文を使用して複雑なマッピングを作成することが可能です。OLAP式の構文は、式、結合条件およびフィルタをサポートしています。

通常、ファクト表のディメンション列にはディテール・レベルのキー値のみが含まれますが、複数のレベルからの値を含む集計表にキューブをマップすることもできます。たとえば、Time列は、日、月、四半期、年を含み、Geography列は、市、州、国を含むことがあります。作成処理によってキューブのデータがディテール・レベルからロールアップされると、ロード済の集計値が計算値によって上書きされるため、発生した不整合はすべて修正されます。

データ型

キューブおよびメジャーは、次のSQLデータ型を持つ列にマップできます。

  • NUMBER

  • INTEGER

  • DECIMAL

  • BINARY_FLOAT

  • BINARY_DOUBLE

  • VARCHAR2

  • NVARCHAR2

  • CHAR

  • NCHAR

  • DATE

  • TIMESTAMP

  • TIMESTAMP WITH TIMEZONE

  • TIMESTAMP WITH LOCAL TIMEZONE

  • INTERVAL YEAR TO MONTH

  • INTERVAL DAY TO SECOND

表形式ビューでキューブをマップするときはOLAP式の構文を使用できます。この機能により、データ・メンテナンスの一部として次のタスクを実行できるため、中間的なデータ・ステージングが不要になります。

  • OLAP式の構文で使用できる関数や演算子を組み合せて、リレーショナル・データに対する計算を実行する。

  • 基になるリレーショナル・ソースよりも集計度が高いメジャーを作成する。たとえば、TimeディメンションにDay、Month、QuarterおよびYearという列があり、Salesのファクト表がDay外部キー列によってTimeに関連付けられているとします。基本的なマッピングの場合、Dayレベルでキューブにデータを格納します。しかし、データ・リフレッシュ時にMonthレベルで集計することが可能です。ワンアップ・マッピングと呼ばれる方法を使用して、キューブをTimeのMonth列にマップして、Day列でディメンション表とファクト表との結合を指定します。

結合条件

表形式ビューでは、各ディメンションのマッピングに結合条件が含まれています。ファクト表の外部キーを関連するディメンション表の主キーにマップする基本的な場合は、結合条件を省略できます。この情報は、マッピングを保存するときにリレーショナル・ソース表から導出されます。

たとえば、UNITS_CUBEマッピングのTIMEディメンションについて、Analytic Workspace Managerは次のような結合条件を提供します。

GLOBAL.TIME_DIM.MONTH_ID = GLOBAL.UNITS_FACT.MONTH_ID

フィルタ

フィルタは、リレーショナル・ソースからキューブにデータをロードする問合せにWHERE句を適用します。フィルタを使用すると、特定の条件を満たす行のみに絞り込むことができます。次のフィルタは、データを2007年のものに制限しています。

GLOBAL.UNITS_FACT.MONTH_ID LIKE '2007%'

フィルタは、メジャーを含む2つ以上の表を結合する際にも使用できます。次のフィルターは、GlobalスキーマのUNITS_FACT表とPRICE_FACT表を、Time(MONTH_ID)ディメンションとProduct(ITEM_ID)ディメンションで結合しています。

GLOBAL.PRICE_FACT.MONTH_ID=GLOBAL.UNITS_FACT.MONTH_ID AND GLOBAL.PRICE_FACT.ITEM_ID=GLOBAL.UNITS_FACT.ITEM_ID 

キューブのマッピング手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーでキューブのフォルダを開き、「マッピング」をクリックします。

    マッピング・ウィンドウには、左側にスキーマ・ナビゲーション・ツリーがある他、選択したキューブとそのディメンションのマッピング表が表示されます。これが表形式ビューです。

  2. マッピング・ウィンドウを大きくするために、ペインの境界線を左側にドラッグします。

  3. スキーマ・ツリーで、メジャーのデータが格納されている表、ビューまたはシノニムを開きます。

  4. ソース列を、キューブのマッピング表の適切なセルにドラッグ・アンド・ドロップします。

  5. すべてのディメンションとメジャーをマップしたら、「適用」をクリックします。

  6. 境界線を右側にドラッグして、マッピング・ウィンドウのサイズを小さくします。

図3-14では、マッピング・キャンバスで、UnitsキューブがUNITS_FACT表の列にマップされています。マッピングを保存すると、この図のようなベース・レベルのマッピングの結合状態が表示されます。

図3-14 表形式ビューでマップしたUnitsキューブ

グラフィカル・ビューでのキューブのマッピング
「図3-14 表形式ビューでマップしたUnitsキューブ」の説明

ファクトがキューブにロードされたときにメジャーのファクトを計算する手順: 

  1. キューブを作成します。

  2. すべてのディメンションとメジャーをソース表にマップします。

  3. OLAP式の構文の計算を含むようにメジャーのマッピングを編集します。

    たとえば、UNITS_FACT.SALESUNITS_FACT.SALES*1.06に変更します。

    行の式、列の式、条件は使用できますが、ネストしたSQL問合せは使用できません。

ディテール・レベルより上のキューブのマッピング手順: 

  1. 目的のレベルでキューブのディメンションを作成し、それらをソースのディメンション表にマップします。

  2. キューブとそのメジャーを作成します。

  3. 各メジャーをファクト表のソース列にマップします。

  4. 集約されないディメンションの場合は、ディテール・レベルをファクト表のソース列にマップします(キューブの基本的なマッピング方法と同じ)。

  5. 集約されるディメンションの場合は、次のようにします。

    1. ディメンションを、ファクト表ではなくディメンション表の対応する列にマップします。前述のシナリオでは、TimeディメンションのMonthレベルをTimeディメンション表のMonth列にマップします。たとえば、Monthをtime_dim.month_columnにマップします。

    2. ファクト表とディメンション表間のディテール・レベルでの結合条件を入力します。たとえば、time_dim.day_key = fact_tbl.day_foreign_keyのように入力します。

異なる表へのメジャーのマッピング手順: 

  1. 目的のレベルでキューブのディメンションを作成し、それらをソースのディメンション表にマップします。

  2. キューブとそのメジャーを作成します。

  3. 各メジャーを対応する表のソース列にマップします。

  4. ディメンションのディテール・レベルをそれぞれの表のソース列にマップします。追加するソース列名をドロップすると、既存のマッピングに追加するか、または既存のマッピングと置き換えるかを尋ねるメッセージが表示されます。「追加」を選択します。

例3-2 異なる表へのメジャーのマッピング

この例では、キューブの2つのメジャーを2つの異なるファクト表の列にマップしています。UNIT_PRICEのデータはUNITS_FACT表内にあり、UNITS_SOLDのデータはPRICE_FACT表内にあります。次のマッピングは、MONTHPRODUCTの2つの表のディメンション・キーを示しています。

UNIT_PRICE: GLOBAL.PRICE_FACT.UNIT_PRICE
UNITS_SOLD: GLOBAL.UNITS_FACT.UNITS
MONTH:      GLOBAL.PRICE_FACT.MONTH_ID
            GLOBAL.UNITS_FACT.MONTH_ID
PRODUCT:    GLOBAL.PRICE_FACT.ITEM_ID
            GLOBAL.UNITS_FACT.ITEM_ID

次の例では、キューブの1つのメジャーを2つの異なるファクト表の列にマップしています。North AmericaのデータはAMERICA表内にあります。EuropeのデータはEMEA表にあります。UNION_CUBEUNITS_SOLDメジャーを使用した次のマッピングは、2つのファクト列の結合を作成します。

UNITS_SOLD: GLOBAL.AMERICA.UNITS
            GLOBAL.EMEA.UNITS
TIME:       GLOBAL.AMERICA.MONTH_ID
            GLOBAL.EMEA.MONTH_ID
CHANNEL:    GLOBAL.AMERICA.CHANNEL_ID
            GLOBAL.EMEA.CHANNEL_ID
CUSTOMER:   GLOBAL.AMERICA.SHIP_TO_ID
            GLOBAL.EMEA.SHIP_TO_ID
PRODUCT:    GLOBAL.AMERICA.ITEM_ID
            GLOBAL.EMEA.ITEM_ID

パーティション化方法の選択

パーティション化は、キューブ内のメジャーを物理的に格納する手法の1つです。これにより、大きなメジャーのパフォーマンスが次のように向上します。

  • データ構造をコンパクトに保つことで、スケーラビリティが向上します。各パーティションは、小さなメジャーのように機能します。

  • 関連するデータはまとめて格納されるため、問合せまたはメンテナンスの際に対象となるデータセットが小さくて済みます。

  • データ・メンテナンス時のパラレル集計が可能になります。各パーティションを別々のプロセスで集計できます。

  • 記憶域上の古いデータの削除が容易になります。古いパーティションを削除し、新しいパーティションを追加できます。

パーティションの数は、キューブへのデータのロードやデータの集計に割当て可能なデータベース・リソースに影響します。十分なリソースが割り当てられていれば、複数のパーティションを同時に集計できます。

ソース表の分析とパーティション化方法の決定は、キューブ・パーティショニング・アドバイザによって行われます。キューブ・パーティショニング・アドバイザの推奨する方法を採用できますが、ユーザー独自のパーティション化方法を決めることもできます。


注意:

キューブ・パーティショニング・アドバイザは、データソースにキューブをマッピングした後、データをロードする前に実行してください。パーティション化方法は、いつでも変更できますが、変更後にはデータを再ロードする必要があります。

パーティション化のディメンションの選択

ライフサイクル管理を中心に考慮してパーティション化方法を決める場合は、Timeディメンションに基づいてキューブをパーティション化する必要があります。こうすれば、古い期間をまとめて削除し、新しい期間を新しいパーティションに追加できます。図3-16では、TimeディメンションのQuarterレベルがパーティション化キーとして使用されています。キューブ・パーティショニング・アドバイザの時間オプションを選択すると、Timeディメンションの階層とレベルをパーティション化に使用するよう推奨されます。

ライフサイクル管理が主要な考慮事項でない場合は、キューブ・パーティショニング・アドバイザを実行して統計オプションを選択します。キューブ・パーティショニング・アドバイザによって、作成と問合せのパフォーマンスを最適化するための方法が決定されます。

キューブ・パーティショニング・アドバイザの実行手順: 

  1. キューブをデータソースにマップします(マップが完了していない場合)。

  2. ナビゲーション・ツリーで、プロパティ・ページを表示するキューブを選択します。

  3. 「パーティショニング」タブで、「キューブ・パーティショニング・アドバイザ」をクリックします。

  4. 時間ディメンションを使用するパーティション」または「統計を使用するパーティション」を選択します。

    キューブ・パーティショニング・アドバイザがキューブを分析する間、しばらく待機します。分析が完了すると、キューブ・パーティショニング・アドバイザによる推奨設定が表示されます。

  5. キューブ・パーティショニング・アドバイザの推奨内容を評価します。

    • 推奨設定を使用する場合は、「パーティション・アドバイスの受入れ」を選択します。パーティションが適用されたキューブが再作成されます。

    • 推奨設定を使用しない場合は、「パーティション・アドバイスの受入れ」ボックスの選択を解除します。

  6. OK」をクリックします。

図3-15は「キューブ・パーティショニング・アドバイザ」ダイアログ・ボックスを示しています。

図3-15 キューブのパーティション化

「パーティショニング・アドバイザ」ダイアログ・ボックス
「図3-15 キューブのパーティション化」の説明

パーティション化したディメンションの例

キューブ・パーティショニング・アドバイザにより、TimeディメンションのCalendar階層のQuarterレベルでのパーティション化を推奨されたとします。この場合、各Quarterおよびその子孫が別個のパーティションに格納されます。アナリティック・ワークスペースに3年分のデータがある場合には、Quarterでパーティション化すると、デフォルトの上位パーティションの他に、12の下位パーティションが作成されます。上位パーティションには、残りのすべてのレベル、つまりQuarterより上のレベル(Yearなど)と、その他の階層のレベル(Fiscal YearやYear-to-Dateなど)が格納されます。

図3-16に、Quarterでパーティション化したTimeディメンションを示します。

図3-16 Quarterでパーティション化したTimeディメンション

パーティション化の図
「図3-16 Quarterでパーティション化したTimeディメンション」の説明

キューブへのデータのロード

キューブにデータをロードする方法は、ディメンションにデータをロードする方法と同じです。ただし、一般にビジネス・メジャーのデータをロード、集計する時間が長くなります。少数のデータ・サンプルを使用して次元モデルを作成する場合を除き、1つ以上のバックグラウンド・プロセスで作成を実行した方がよい場合もあります。

キューブにデータをロードする手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーで、「キューブ」フォルダまたは特定のキューブの名前を右クリックします。

  2. キューブのメンテナンス」を選択します。

    メンテナンス・ウィザードが起動し、「オブジェクトを選択」ページが表示されます。

  3. 「使用可能なターゲット・オブジェクト」から1つ以上のキューブを選択し、矢印のボタンを使用して「選択済ターゲット・オブジェクト」に移動します。ディメンションがロードされている場合は、「選択済ターゲット・オブジェクト」からそのディメンションを削除できます。

  4. 「ディメンション・データ処理オプション」ページでは、デフォルト値を変更する必要はありません。

  5. 「タスク処理オプション」ページでは、作成処理をOracleジョブ・キューに発行したり、Analytic Workspace Managerの外部で実行可能なSQLスクリプトを作成することもできます。

    また、この作成処理に使用されるプロセス数を指定することもできます。パラレル処理の数は、キューブのパーティションの数、作成専用のプロセスの数、JOB_QUEUE_PROCESSES初期化パラメータの設定のうち、最も小さい数が上限になります。

    ヘルプ」をクリックすると、各項目の詳細を参照できます。

  6. 終了」をクリックします。

図3-17は、作成処理をすぐにOracleジョブ・キューに発行する場合の例です。

図3-17 スケジューリング・オプションの選択

メンテナンス・ウィザードのタスク処理オプションのページ
「図3-17 スケジューリング・オプションの選択」の説明

例3-2 Unitsキューブのメンテナンス・ログは、Analytic Workspace Managerで表示される、キューブのメンテナンス・ログです。このメンテナンス・ログは、すべての作成処理をリフレッシュして最新情報を提供します。セッションですぐに実行されるメンテナンス・タスク用に、メンテナンス・ログは自動的に表示されます。ジョブをOracleジョブ・キューに送ると、「メンテナンス・レポート」フォルダ内の様々なレポート(「スケジュールされているジョブ」、「実行中のジョブ」および「ジョブの履歴」)を通して、その進行状況を追跡できます。「実行中のジョブ」と「ジョブの履歴」の各レポートは、例3-2に示したものと同じです。

図3-18 Unitsキューブのメンテナンス・ログ

図3-18の説明が続きます。
「図3-18 Unitsキューブのメンテナンス・ログ」の説明

キューブ内のデータの表示

キューブにデータをロードしたら、Analytic Workspace Managerでビジネス・メジャーのデータを表示できます。

キューブ内のデータの表示手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーでキューブを右クリックします。

  2. ショートカット・メニューから「データを表示」を選択します。

メジャー・データ・ビューアが開き、選択したメジャーがページ上部のクロス集計とページ下部のグラフに表示されます。クロス集計では、行と列の見出しになっているディメンション階層を開いたり閉じたりできます。また、ディメンションをピボットしたりスワップすることによって、ディメンションの位置を変更することもできます。必要に応じて、あるディメンションを別のディメンションの入れ子にして、複数のディメンションを行や列の見出しにできます。

デフォルト表示の変更手順: 

  • ピボット操作を行うには、ディメンションをある位置から別の位置に(通常は他のディメンションの上または下に)ドラッグ・アンド・ドロップします。

  • ディメンションをスワップする場合は、ディメンションを別のディメンションの上に直接ドラッグ・アンド・ドロップすれば、2つのディメンションの位置が入れ替わります。

選択データを大幅に変更する場合は、「ファイル」メニューから「クエリー・ビルダー」を選択します。

図3-19は、メジャー・データ・ビューアに表示されたUnitsキューブです。

図3-19 Unitsキューブの表示

メジャー・データ・ビューア
「図3-19 Unitsキューブの表示」の説明

キューブ・ビューの説明の表示

メンテナンス・ウィザードは、キューブのリレーショナル・ビューを自動的に生成します。これらのビューおよびビューに対する問合せ方法については、第4章を参照してください。

図3-20は、Unitsキューブのリレーショナル・ビューの説明画面です。

図3-20 Unitsキューブ・ビューの説明

Unitsキューブ・ビューのプロパティ・シート
「図3-20 Unitsキューブ・ビューの説明」の説明

データのメンテナンス方法の選択

データの次元モデルを作成するときは、各オブジェクトを作成した後すぐにそれをマップおよびロードすることをお薦めします。オブジェクト定義やマッピングで間違いがあった場合、すぐに見つけて修正できるためです。

ただし、本番環境では、できるだけ簡単で時間もかからない定期的なメンテナンスが必要です。このような場合は、データのメンテナンス方法を選択できます。

キューブはメンテナンス・ウィザードを使用してリフレッシュできます。このウィザードでは、キューブを即時にリフレッシュするか、リフレッシュ処理をジョブとしてOracleジョブ・キューに送るか、またはPL/SQLスクリプトを生成します。スクリプトは手動で実行する以外にも、Oracle Enterprise Managerのスケジューラや、PL/SQLパッケージのDBMS_SCHEDULERなどのスケジューリング・ユーティリティを使用することもできます。

生成したスクリプトによって、PL/SQLパッケージのDBMS_CUBEBUILDプロシージャがコールされます。このスクリプトを編集したり、このパッケージを使用してスクリプトを始めから作成することができます。

複数のプロセスが作成処理に割り当てられている場合、パーティション化されたキューブのデータはパラレルにロードおよび集計されます。この結果は作成ログで確認できます。

さらに、それぞれのキューブに対して次のデータ・メンテナンス方法を使用できます。

既存のマテリアライズド・ビューをキューブに置き換えるように定義した場合は、必ずマテリアライズド・ビューを使用してデータ・メンテナンスを行います。マテリアライズド・ビュー機能を有効にすると、カスタム・キューブ・スクリプトで実行できる分析の種類が制限されます。

カスタム・キューブ・スクリプトの作成および実行

キューブ・スクリプトは、問合せ用のキューブを準備する手順を順番に記述したものです。手順はそれぞれ、特定のデータ変換を表しています。これらの手順が実行される順序を指定することによって、相互依存性を許容できます。

選択できる手順のタイプは次のとおりです。

  • データの消去: キューブ全体、選択したメジャー、またはキューブの選択した部分からデータを消去します。高速リフレッシュ用にディテール・データ(リーフ)のみを消去するか、集計データのみを消去するか、または完全リフレッシュ用に両方を消去することもできます。通常、古いデータ値の消去は新しい値をロードする前に実行されます。

  • ロード: ソース表のデータをキューブにロードします。キューブにはすべてのメジャーをロードすることも、選択したメジャーのみをロードすることもできます。

  • 集計: キューブに対して定義された規則に従って集計値を生成します。キューブ全体、選択したメジャーまたはキューブの選択した部分を集計できます。

  • 分析: オプティマイザ統計を生成します。これにより、一部の問合せのパフォーマンスを向上させることができます。詳細は、「キューブおよびディメンションの分析」を参照してください。通常、統計の生成はデータ・メンテナンスの直後に実行されます。

  • OLAP DML: OLAP DMLのコマンドまたはプログラムを実行します。

  • PL/SQL: PL/SQLコマンドまたはスクリプトを実行します。たとえば、データ・メンテナンスの開始時にリレーショナル・ソース表のリフレッシュを始めるPL/SQLスクリプトを実行できます。

キューブは、キューブ・スクリプトの高度な分析をサポートするために使用する場合、キューブ・マテリアライズド・ビューとして拡張できません(「キューブへのマテリアライズド・ビュー機能の追加」を参照)。この場合、キューブ内のデータが失効していないかどうかや、リフレッシュする必要があるかどうかについて、ユーザー自身で判断する必要があります。

キューブ・スクリプトの作成

キューブ・スクリプトの作成手順

  1. キューブ・マテリアライズド・ビューとして定義されていないキューブのフォルダを開きます。

  2. キューブ・スクリプト」を右クリックし、「キューブ・スクリプトを作成」を選択します。

    「キューブ・スクリプトを作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 「一般」タブで、キューブ・スクリプトの名前を入力します。

  4. 手順を作成するには、「新規手順」をクリックします。

  5. 手順のタイプを選択します。

    選択した手順のタイプに関する「新規手順」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. それぞれのタブに必要な情報を入力し、「OK」をクリックします。

    手順がキューブ・スクリプトの「一般」タブに表示されます。

  7. 「作成」をクリックします。

    キューブ・スクリプトが「キューブ・スクリプト」フォルダ内の項目として表示されます。

  8. キューブ・スクリプトを実行します。

    1. ナビゲーション・ツリーでキューブ・スクリプトを右クリックし、「キューブ・スクリプトの実行」を選択します。

      メンテナンス・ウィザードが起動します。

    2. ウィザードの各手順を実行します。

    3. 結果を表示するには、キューブを右クリックして「データを表示」を選択します。

図3-21に「キューブ・スクリプトの作成」ダイアログ・ボックスを示します。この図では、いくつかの手順がすでに定義されています。

図3-21 キューブ・スクリプトの作成

「キューブ・スクリプトの作成」ダイアログ・ボックス
「図3-21 キューブ・スクリプトの作成」の説明

キューブ・スクリプトの実行

各キューブには、データをロードしたりキューブに対して定義された規則に従ってデータを集計したりする、LOAD_AND_AGGREGATEというデフォルトのキューブ・スクリプトが自動的に割り当てられます。スクリプトはいくつでも追加定義でき、そのうちの1つをデフォルトのキューブ・スクリプトとして指定できます。キューブをリフレッシュする方法はすべて、デフォルトのキューブ・スクリプトを実行します。他のキューブ・スクリプトは、メンテナンス・ウィザードを使用して手動で実行できます。

カスタム・キューブ・スクリプトを手動で実行する手順: 

  1. 目的のキューブの「キューブ・スクリプト」フォルダを開きます。

  2. キューブ・スクリプトを右クリックし、「キューブ・スクリプトの実行」を選択してメンテナンス・ウィザードを起動します。

  3. メンテナンス・ウィザードの各手順を実行します。

デフォルト・スクリプトとしてカスタム・キューブ・スクリプトを実行する手順: 

  1. 目的のキューブの「キューブ・スクリプト」フォルダを開きます。

  2. キューブ・スクリプトを選択します。「一般」タブが表示されます。

  3. 「このキューブのデフォルト・スクリプト」を選択して「適用」をクリックします。

  4. ナビゲーション・ツリーの任意の場所でメンテナンス・ウィザードを起動して、キューブを選択します。

  5. メンテナンス・ウィザードの各手順を実行します。

メンテナンス・スクリプトの手順としてキューブ・スクリプトを実行する手順: 

  1. メンテナンス・スクリプトを作成します。

  2. 作成したキューブ・スクリプトを手順として追加します。

  3. メンテナンス・スクリプトを実行します。

メンテナンス・スクリプトの作成および実行

メンテナンス・スクリプトは、スキーマ内の複数のキューブをメンテナンスする手順を順番に記述したものです。メンテナンス・スクリプトを使用すると、キューブ間の相互依存性を管理できます。

キューブまたはディメンションをロードして集計するには、それを手順として追加します。特定のキューブやディメンションのメンテナンスをさらに細かく制御する場合は、キューブ・スクリプトを作成するか、次に示す個々の手順をメンテナンス・スクリプトに直接入力するようにしてください。

  • データのクリア

  • ロード

  • 集計

  • 分析

  • OLAP DML

  • PL/SQL

これらは、「カスタム・キューブ・スクリプトの作成および実行」で説明した手順と同じです。

メンテナンス・スクリプトの作成

メンテナンス・スクリプトの作成手順:

  1. ナビゲーション・ツリーで、メンテナンス・スクリプトを右クリックし、「メンテナンス・スクリプトの作成」を選択して「メンテナンス・スクリプトの作成」ダイアログ・ボックスを表示します。

  2. 「一般」タブで、名前、ラベルおよび説明を入力します。

  3. 新しい手順を作成するために、「追加」をクリックして、リストから手順のタイプを選択します。

  4. 必要に応じて手順をさらに作成します。この手順の編集、削除または順序変更はいつでも実行できます。

  5. 「作成」をクリックします。新しいメンテナンス・スクリプトが「メンテナンス・スクリプト」フォルダ内のオブジェクトとして表示されます。

図3-22は、「メンテナンス・スクリプトの作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブです。

図3-22 メンテナンス・スクリプトの作成

図3-22の説明が続きます。
「図3-22 メンテナンス・スクリプトの作成」の説明

メンテナンス・スクリプトの実行

メンテナンス・スクリプトの実行手順:

  1. 「メンテナンス・スクリプト」フォルダを開きます。

  2. スクリプトを右クリックし、「メンテナンス・スクリプトの実行」を選択します。

  3. メンテナンス・ウィザードが起動します。

  4. メンテナンス・ウィザードの各手順を実行します。

キューブへのマテリアライズド・ビュー機能の追加

Oracle OLAPキューブは、マテリアライズド・ビュー機能を利用できるように拡張できます。キューブはOracle Databaseマテリアライズド・ビュー・サブシステムを介して段階的にリフレッシュでき、ソース表に対する問合せの透過的リライトの対象として使用できます。このように拡張されたキューブを、キューブ・マテリアライズド・ビューと呼びます。

キューブ・マテリアライズド・ビューに関連付けられたOLAPディメンションも、マテリアライズド・ビュー機能を使用して定義されます。

キューブ・マテリアライズド・ビューとして設定するキューブは、次の条件を満たしている必要があります。

  • キューブのすべてのディメンションに、少なくとも1つのレベルと、1つのレベルベース階層が存在する。不規則階層およびスキップレベル階層はサポートされない。ディメンションがマップされている必要がある。

  • キューブのすべてのディメンションで同じ集計演算子(SUMMINMAXのいずれか)を使用している。

  • ディメンションとメジャーがそれぞれ1つ以上存在する。

  • 定義とマップが完全に行われている。たとえば、キューブに5つのメジャーがある場合、その5つすべてがソース表にマップされている。

  • キューブのデータ型が、NUMBERVARCHAR2NVARCHAR2またはDATEである。

  • ソースのディテール表で、ディメンションおよびRELY制約がサポートされている。これらが定義されていない場合は、リレーショナル・スキーマ・アドバイザを使用して、ディテール表に対してこれらを定義するスクリプトを生成できる。

  • 圧縮されている。

  • 計算済メジャーは使用できるが、キューブ・スクリプト内のより高度な分析機能は使用できない。

マテリアライズド・ビュー機能を追加する手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーでキューブを選択します。

    そのキューブのプロパティ・シートが表示されます。

  2. 「マテリアライズド・ビュー」タブを選択します。

  3. チェックリストを確認し、エラーになったテストがあった場合はその原因を修正します。

    キューブ全体が有効な状態にならないと、キューブ・マテリアライズド・ビューを定義できません。

  4. 自動リフレッシュする場合は、このページの上半分の項目について設定を行います。クエリー・リライトを行う場合は、このページ内のすべての項目について設定を行ってください。

    このページの各項目に関する詳細を確認する場合は、「ヘルプ」をクリックしてください。

  5. 適用」をクリックします。

アナリティック・ワークスペースと同じスキーマにキューブ・マテリアライズド・ビューが表示されます。キューブおよびキューブの各ディメンションのマテリアライズド・ビューが作成されます。従来のマテリアライズド・ビューとは異なり、キューブ・マテリアライズド・ビューはデータの格納にリレーショナル表を使用しません。データはその背後にあるキューブに格納されます。CB$という接頭辞が付いた表が、キューブ・マテリアライズド・ビューです。

新しいマテリアライズド・ビューの最初の状態は無効であるため、リフレッシュを実行するまでクエリー・リライトは利用できません。キューブの「マテリアライズド・ビュー」タブで最初のリフレッシュ時刻を指定するか、メンテナンス・ウィザードでリフレッシュを実行できます。

図3-23は、Unitsキューブの「マテリアライズド・ビュー」タブを示しています。

図3-23 マテリアライズド・ビューの定義

キューブの「マテリアライズド・ビュー」タブ
「図3-23 マテリアライズド・ビューの定義」の説明

複数言語のサポート

1つのアナリティック・ワークスペースで複数の言語をサポートできます。このサポートにより、OLAPのアプリケーションやツールのユーザーは自国語でメタデータを表示することが可能になります。たとえば、メジャー、キューブ、ディメンションの表示名に翻訳された名前を使用できます。また、各言語に対応する複数の列に属性をマップすることも可能です。

データベース・キャラクタ・セットでサポートされていて、訳語を指定できる限り、使用できる言語の数と種類に制限はありません。言語の追加や削除はいつでも行うことができます。

複数言語のサポートの追加手順: 

  1. ナビゲーション・ツリーでアナリティック・ワークスペースのフォルダを開きます。

  2. 「言語」を選択して言語のプロパティ・ページを表示します。

  3. 「一般」タブで、「言語の変更」をクリックします。

  4. 「言語の変更」ダイアログ・ボックスで、アナリティック・ワークスペースでサポートする必要のある言語を選択します。矢印のボタンを使用して「選択された言語」ボックスに移動します。

  5. OK」をクリックして「言語」プロパティ・ページに戻ります。

  6. 各種ラベルや説明の翻訳を入力します。それぞれの言語に、この情報を入力できる列があります。

  7. それぞれのディメンションで、マッピング・ウィンドウを開きます。属性を各言語のソース列にマップします。

図3-24では、アナリティック・ワークスペースにフランス語を追加しています。

図3-24 言語の追加

図3-24の説明が続きます。
「図3-24 言語の追加」の説明

メジャー・フォルダの定義

メジャー・フォルダは、メジャーをグループに分類して名前を付けたものです。ユーザーは、SalesやCostsといった名前のメジャーを含む複数のアナリティック・ワークスペースやリレーショナル・スキーマにアクセスすることがあります。アプリケーションではメジャー・フォルダを利用してこれらのメジャーを区別します。

メジャー・フォルダの作成手順: 

  1. 目的のアナリティック・ワークスペースのフォルダを開きます。

  2. 「メジャー・フォルダ」を右クリックし、ショートカット・メニューから「メジャー・フォルダの作成」を選択します。

  3. 「メジャー・フォルダの作成」ダイアログ・ボックスの「一般」タブで必要な情報を入力します。

    ヘルプ」をクリックすると、各項目の詳細を参照できます。

メジャー・フォルダが、ナビゲーション・ツリーの「メジャー・フォルダ」の下に表示されます。サブフォルダも作成できます。

図3-25は、メジャー・フォルダの作成画面です。

図3-25 メジャー・フォルダの作成

「メジャー・フォルダの作成」ダイアログ・ボックス
「図3-25 メジャー・フォルダの作成」の説明

テンプレートを使用した次元モデルの再作成

Analytic Workspace Managerでは、データ・モデルのすべてまたは一部をテキスト・ファイルとして保存できます。このテキスト・ファイルには、ディメンション、レベル、階層、属性、メジャーなどの次元オブジェクトのXML定義が含まれます。保存されるのはメタデータのみであり、データは保存されません。テンプレートは小さなファイルです。したがって、GlobalおよびSales HistoryのテンプレートがOracle Webサイトで配布されているように、電子メールやWebサイト上で簡単に配布できます。次元オブジェクトを再作成するには、Analytic Workspace Managerでテンプレートを指定するだけです。

次の種類のオブジェクトをXMLテンプレートとして保存できます。

テンプレートは、ローカル・システム上の任意の場所に保存できます。

テンプレートの作成手順: 

テンプレートからアナリティック・ワークスペースを再作成する手順: 

テンプレートからディメンションやキューブを追加または変更する手順: 

  1. アナリティック・ワークスペースを開くか、または作成します。

  2. ナビゲーション・ツリーで「ディメンション」または「キューブ」を右クリックし、「テンプレートからディメンションを作成」(または「テンプレートからキューブを作成」)を選択します。既存のディメンションやキューブのメタデータを上書きするには、「オプション」タブで「既存のオブジェクトの変更」を選択します。