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Oracle® OLAP DMLリファレンス
11gリリース2 (11.2)
B61346-03
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FCQUERY

FCQUERYファンクションは、FCEXECコマンドの実行によって作成された予測の結果を問い合せます。

FCQUERYファンクションは、「予測プログラム」に示すように他のOLAP DML文と組み合せて使用する必要があります。

戻り値

戻り値は、このページの表に示すように、使用するオプションによって異なります。

構文

FCQUERY(HANDLELIST|handle-expression option -

     [TRIAL trial-num] [CYCLE cycle-num])

パラメータ

HANDLELIST

HANDLELISTキーワードを指定すると、FCQUERYファンクションは、現在開かれている予測コンテキストへのハンドルのリストである複数行のテキスト式を返します。

handle-expression

これから問い合せる予測コンテキスト、およびFCOPENファンクションを使用して前に開いた予測コンテキストへのハンドルであるINTEGER式。

option

取得する次のような特定の情報。

  • 予測全体に指定されているオプションに関する情報を取得する場合、TRIALキーワードは使用しません。この場合のoptionは、FCSETコマンドを使用して指定可能なオプション、および表7-7「予測全体に指定可能なオプション」に示すオプションです。

    表7-7 予測全体に指定可能なオプション

    キーワード 戻り値 説明

    HANDLEID

    TEXT

    FCOPENコマンドを使用して予測コンテキストが開かれたときに値が指定された場合の予測コンテキストの名前。または、そのときに名前が指定されなかった場合はNA

    TRIALSRUN

    INTEGER

    データを使用できる試行の数。または、試行が実行されていない場合はNA


  • 特定の試行に関する情報を取得する場合、TRIAL trial-num句を使用します。この場合のoptionは、表7-8「個別の試行に指定可能なオプション」に示すオプションです。

    表7-8 個別の試行に指定可能なオプション

    オプション 戻り値 説明

    ALLOCLAST

    BOOLEAN

    過調整の可能性を最後のサイクルの予測ではなく割当てによって削減するかどうかを示す。

    ALPHA

    DOUBLE

    予測の試行に対するアルファの値。アルファは、単純指数平滑法、二重指数平滑法およびHolt-Winters予測法に使用されるレベルまたはベースラインのパラメータ。

    BETA

    DOUBLE

    予測の試行に対するベータの値。ベータは傾向の予測を制御する傾向パラメータ。ベータは二重指数平滑法およびHolt-Winters予測法に使用される。

    COMPSMOOTH

    BOOLEAN

    中央値平滑データ系列に対して最適化を行うかどうかを示す。

    CYCDECAY

    DOUBLE

    予測の試行に対する周期減衰パラメータの値。周期減衰は、Oracle OLAPが線形回帰および非線形回帰を行う際にベースライン・アクティビティからのずれをどこまで考慮するかに関係する。

    GAMMA

    DOUBLE

    予測の試行に対するガンマの値。ガンマはHolt-Winters予測法に使用される季節パラメータ。

    HISTUSED

    INTEGER

    先行するすべてのNA値を省いた後で実際に使用される履歴期間の数。

    MAD

    DOUBLE

    予測の試行に対する平均絶対偏差(MAD)。

    MAPE

    DOUBLE

    予測の試行に対する平均誤差率(MAPE)。

    MAXFCFACTOR

    DECIMAL

    予測データの上限。

    METHOD

    TEXT

    予測の試行に対してOracle OLAPが使用した予測法。各種の方法の説明は、FCSETコマンドのMETHODオプションを参照。

    MINFCFACTOR

    DECIMAL

    予測データの下限。

    MPTDECAY

    DOUBLE

    予測の試行に対する移動周期的合計(MPT)系列の予測の解読の際に使用されたベース値の評価の減衰を調整したときにOracle OLAPが使用したパラメータの値。

    NCYCLES

    INTEGER

    FCSETのPERIODICITY引数を使用して指定されるサイクルの数。

    PERIODICITY

    INTEGER

    1つ以上のサイクルの期間における長さ。戻り値は、次のようにFCQUERYファンクションをコールする方法によって異なる。

    CYCLE引数を指定した場合、PERIODICITYは指定したサイクルの期間の数を返す。

    CYCLE引数を指定せず、FCSET ALLOCLASTがNOの場合、PERIODICITYはすべてのサイクル長の積を返す。

    CYCLE引数を指定せず、FCSET ALLOCLASTがYESの場合、PERIODICITYは、最後の(最小集計)サイクルの長さを省いたすべてのサイクル長の積を返す。

    RMSE

    DOUBLE

    予測の試行に対するルート平均2乗誤差(RMSE)。

    SMOOTHING

    BOOLEAN

    予測の試行に対してOracle OLAPがデータを平滑化したかどうかを示す。YESはデータが平滑化されたことを示し、NOはデータが平滑化されなかったことを示す。

    TRANSFORM

    TEXT

    予測の試行に対してOracle OLAPが使用したデータ・フィルタ。各種のフィルタの説明は、FCSETコマンドのTRANSFORMオプションを参照。

    TRENDHOLD

    DOUBLE

    予測の試行に対する傾向保持パラメータの値。傾向保持パラメータは、二重指数平滑法およびHolt-Winters予測法における傾向の信頼性を示す。


trial-num

情報を取得する試行の番号であるINTEGER式。

cycle-num

PERIODICITYオプションから情報を取得するサイクルを指定するINTEGER式(表7-8「個別の試行に指定可能なオプションを参照)。FCSETコマンドでPERIODICITY引数を使用して一連のサイクルを指定した場合、cycle-numの値は指定した一連のサイクルでの目的のサイクルの位置を示します。たとえば、FCSET PERIODICITY <52,7>を指定したとします。この場合、1のcycle-numは52を返し、2のcycle-numは7を返します。FCSETコマンドでPERIODICITY引数を使用して一連のサイクルを指定しなかった場合、この引数を指定する必要はありません。

使用上の注意

オプションの使用方法

予測全体に指定されているオプションに関する情報または特定の試行に関する情報を取得できます。

  • 予測全体に指定されているオプションに関する情報を取得する場合、TRIALキーワードは使用しません。この場合のoptionは、HANDLEID、TRIALSRUN、またはFCSETコマンドを使用して指定できるオプションです。

  • 特定の試行に関する情報を取得する場合、TRIAL trial-num句を使用します。この場合のoptionは、ALPHA、BETA、CYCDECAY、GAMMA、MAD、MAPE、METHOD、MPTDECAY、RMSE、SMOOTHING、TRANSFORMまたはTRENDHOLDです。

ディメンション化されたデータへのアクセス

FCEXECコマンドを実行するときに複数の時系列がステータスにある場合、TRIALSRUNおよびNTRIALのディメンション化されたデータも時系列式のディメンションによってディメンション化されます。Oracle OLAPはFCQUERYファンクションによって返される値をスカラー式として扱いますが、次の方法でそのディメンション化されたデータにアクセスできます。

  • FORループで、FCQUERYはFORディメンションの現行値に対するデータを返します。

  • QUALファンクションで、FCQUERYは修飾ディメンションの指定値に対するデータを返します。

  • その他のすべての場合で、FCQUERYは各ディメンションのステータスにある最初の値に対するデータを返します。

例7-87 予測の問合せ

例9-119「予測プログラム」に示すautofcstプログラムは、queryallという名前のプログラムをコールします。queryallプログラムは、次のコードを使用して予測の試行の特性を取得します。

DEFINE queryall PROGRAM
PROGRAM
VARIABLE numtrials INTEGER
VARIABLE loopindx INTEGER
numtrials = FCQUERY(hndl trialsrun)
row numtrials 'TRIALS'
loopindx = 1
WHILE loopindx LE numtrials
  DO
    ROW loopindx 'METHOD' FCQUERY(hndl method trial loopindx)
    ROW loopindx 'TRANSFORM' FCQUERY(hndl transform trial loopindx)
    ROW loopindx 'SMOOTHING' FCQUERY(hndl smoothing trial loopindx)
    ROW loopindx 'ALPHA' FCQUERY(hndl alpha trial loopindx)
    ROW loopindx 'BETA' FCQUERY(hndl beta trial loopindx)
    ROW loopindx 'GAMMA' FCQUERY(hndl gamma trial loopindx)
    ROW loopindx 'TRENDHOLD' FCQUERY(hndl trendhold trial loopindx)
    ROW loopindx 'CYCDECAY' FCQUERY(hndl cycdecay trial loopindx)
    row loopindx 'MPTDECAY' FCQUERY(hndl mptdecay trial loopindx)
    ROW loopindx 'MAD' FCQUERY(hndl mad trial loopindx)
    ROW loopindx 'MAPE' FCQUERY(hndl mape trial loopindx)
    ROW loopindx 'RMSE' FCQUERY(hndl rmse trial loopindx)
    loopindx = loopindx + 1
  DOEND
END

QUERYALLプログラムの出力から作成されたサンプル・レポートは、次のとおりです。

             3 TRIALS
             1 METHOD     HOLT/WINTERS
             1 TRANSFORM  TRNOSEA
             1 SMOOTHING          NO
             1 ALPHA             0.2
             1 BETA              0.3
             1 GAMMA             0.3
             1 TRENDHOLD         0.8
             1 CYCDECAY           -1
             1 MPTDECAY           -1
             1 MAD         324.97047
             1 MAPE       23.6192147
             1 RMSE        389.40202
             2 METHOD     HOLT/WINTERS
             2 TRANSFORM  TRNOSEA
             2 SMOOTHING          NO
             2 ALPHA             0.2
             2 BETA              0.3
             2 GAMMA             0.2
             2 TRENDHOLD         0.8
             2 CYCDECAY           -1
             2 MPTDECAY           -1
             2 MAD         324.97047
             2 MAPE       23.6192147
             2 RMSE        389.40202
             3 METHOD     HOLT/WINTERS
             3 TRANSFORM  TRNOSEA
             3 SMOOTHING          NO
             3 ALPHA             0.2
             3 BETA              0.3
             3 GAMMA             0.1
             3 TRENDHOLD         0.8
             3 CYCDECAY           -1
             3 MPTDECAY           -1
             3 MAD         324.97047
             3 MAPE       23.6192147
             3 RMSE        389.40202