この章の内容は、次のとおりです。
この章では、WebベースのインタフェースとしてOracleデータベースを管理するための主要ツールとなる、Oracle Enterprise Manager Database Control(Database Control)の機能および管理について説明します。Database Controlを使用すると、スキーマ・オブジェクト(表、ビュー、索引など)の作成、ユーザー・セキュリティの管理、データベースのメモリーとストレージの管理、データベースのバックアップとリカバリ、データのインポートとエクスポートなどの管理タスクを実行できます。また、データベースのパフォーマンスおよびステータス情報を表示できます。
Oracle Databaseソフトウェアをインストールし、データベースを作成またはアップグレードしてネットワークを構成すると、データベースの管理にDatabase Controlを使用できます。また、Database Controlには、パフォーマンス・アドバイザとSQL*LoaderやRecovery Manager(RMAN)などのOracleユーティリティの両方に対するインタフェースも備えられています。
Oracleは、Oracle Enterprise Manager管理パッケージ、管理プラグイン、および特定の環境でのOracle Enterprise Manager機能拡張用に購入できるその他の製品をそれぞれ個別のライセンスで提供しています。
Oracle Databaseをインストールすると、デフォルトでDatabase Controlもインストールされます。このため、Oracle Databaseのインストール手順を実行すると、Enterprise Managerのディレクトリおよびファイルが$ORACLE_HOME
ディレクトリにインストールされます。
特に、Database Controlを制御するために必要なemctl
コマンドが、$ORACLE_HOME/bin
ディレクトリにインストールされます。
管理エージェントおよび管理サービスのサポート・ファイルは、Oracle Databaseをインストールするとき、2つの場所にインストールされます。
データベースのすべてのインスタンスに共通し、共有されるファイルは、次のディレクトリに格納されます。
$ORACLE_HOME/sysman
たとえば、管理ファイルは管理対象となるタイプおよび管理エージェント構成タスクの実行に使用されるスクリプトを定義するファイルであり、$ORACLE_HOME
/sysman/admin
ディレクトリに格納されます。
データベースの各インスタンスに固有のファイルは、次のディレクトリに格納されます。
$ORACLE_HOME/
hostname_dbuniquename
/
(単一インスタンス・データベースの場合)
$ORACLE_HOME/
nodename_dbuniquename
/(Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースの場合)
注意: Oracle Database 10gでは、データベースの各インスタンスに固有のファイルは、Oracle Database 10gホームの次のディレクトリに格納されます。
|
この章のこれ以降では、$ORACLE_HOME/
hostname_dbuniquename
/
と$ORACLE_HOME/
nodename_dbuniquename
は互いに読み替えることができます。(データベースのリリース10gの場合、ディレクトリは$ORACLE_HOME/
hostname_sid
/
および$ORACLE_HOME/
nodename_sid
/
です)。いずれのパスも同じ概念、つまり特定のデータベース・インスタンスのEnterprise Managerディレクトリを表します。両者の違いは、$ORACLE_HOME/
hostname_dbuniquename
/
が単一インスタンス・データベースに使用されるのに対して、$ORACLE_HOME/
nodename_dbuniquename
/はクラスタ(Oracle RAC)データベースに使用されることです。クラスタ・データベースでは、nodenameはノードのパブリック名を表し、クラスタ環境のCluster Ready Services(CRS)を構成するときに指定した名前になります。
たとえば、データベース・ホスト名がmgmt1.example.com
であり、データベース名のシステム識別子がdb11
である場合、そのインスタンスの管理エージェントおよび管理サービスのログ・ファイルは次のディレクトリにインストールされます。
$ORACLE_HOME/mgmt1.example.com_db11/sysman/log/
hostname_dbuniquename
ディレクトリがOracleホーム・ディレクトリに存在しない場合は、Database Controlがデータベース・インスタンス用に構成されていないことを示します。Oracle Databaseリリース10gでは、ディレクトリはhostname_sid
であることに注意してください。
また、Database ControlをJ2EEアプリケーションとしてデプロイするために必要なファイルが、$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/
ディレクトリ構造にインストールされます。Database Controlは、Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)のスタンドアロン・バージョンを使用してデプロイされるJ2EEアプリケーションです。OC4J_DBConsole
ディレクトリには、OracleホームにデプロイされたDatabase Controlインスタンスごとにデータベース固有のデプロイメント・ディレクトリを作成するときに使用されるテンプレート・ファイルが含まれています。
インストール・ファイルおよび構成ファイルは、$ORACLE_HOME
ディレクトリの次のサブディレクトリに格納されます。
cfgtoollogs/dbua
cfgtoollogs/rconfig
cfgtoollogs/dbca
cfgtoollogs/emca
図10-1に、Oracle Database 11g リリース2以降で一般的なOracleホーム・ディレクトリの重要なEnterprise Managerディレクトリの場所を示します。hostname_dbuniquename
は単一インスタンス・データベース用の場所であり、クラスタ・データベースのパスはnodename_dbuniquename
という形式で表されています。
図10-2に同じように、Oracle Databaseリリース10gのOracleホーム・ディレクトリのEnterprise Managerディレクトリのディレクトリ構造を示します。
次の各項では、インストールするときにDatabase Controlを構成する方法、およびインストール後にDatabase Controlを構成する方法について説明します。
データベース管理者がDatabase Control環境を構成するときに使用できる製品、ツールおよびユーティリティを次に示します。
Oracle Universal Installer
Oracle Universal Installer(OUI)は、Oracleソフトウェアおよびオプションをインストールするユーティリティです。これによりOracle Database Configuration Assistantが自動的に開始され、データベースがインストールされます。
DBCA
Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)は、Oracleから提供されているテンプレートからデータベースを作成するユーティリティです。また、あらかじめ構成されているシード・データベースをコピーして独自のデータベースを作成できるため、新しいデータベースの生成とカスタマイズにかかる時間と手間を軽減できます。
Database Upgrade Assistant
Database Upgrade Assistantは、既存のデータベースを新しいリリースのOracle Databaseにアップグレードする際に使用するツールです。
Net Configuration Assistant
Net Configuration Assistant(NETCA)は、Oracle Databaseネットワークのクリティカル・コンポーネントであるリスナーとネーミング・メソッドを構成する場合に使用するユーティリティです。
Oracle Databaseのインストール中にデータベースを作成する場合は、Oracle Enterprise ManagerのGrid ControlコンソールまたはDatabase Controlコンソールで管理できるようにデータベースを構成できます。
管理オプションとしてGrid Controlコンソールを選択するには、Oracle Management Serviceがネットワーク・ホストにインストールされている必要があります。また、データベースをインストールするホストにOracle Management Agentがインストールされている必要もあります。このようにしない場合は、Grid Controlコンソールのオプションを使用できないため、Database Controlでデータベースを管理することを選択する必要があります。
Oracleのほとんどのインストール・タイプでは、インストール中にデータベースを作成する場合、管理オプションとしてDatabase ControlまたはGrid Controlのいずれかを選択する必要があります。
ただし、次のいずれかの方法を使用してデータベースを作成する場合は、Database Controlを構成しないことを選択できます。
Enterprise EditionまたはStandard Editionのインストール中に、「詳細」データベース構成オプションを選択する方法
インストール後のDBCAの実行
Oracle Database 11gインスタンスのインストール時にDatabase Controlを構成しない場合は、Oracleホーム・ディレクトリにhostname_dbuniquename
ディレクトリが作成されません。リリース10gデータベースをインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリにhostname_sidディレクトリが作成されません。
Database Controlで管理できるように既存のOracleデータベースを構成するための主要な方法は、DBCAを使用することです。DBCAを使用すると、新しいデータベースを作成したり、既存のデータベースを再構成することができます。
関連項目: DBCAを使用して新規データベース・インスタンスを作成する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のOracleソフトウェアのインストールおよびデータベースの構築に関する項を参照し、DBCAを使用したOracle RACの例は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。 |
DBCAを使用して、Database Controlで管理できるようにデータベースを再構成するには、次の手順を実行します。
Oracleソフトウェアのインストールとデータベースの作成および実行が許可されている管理グループのメンバーとしてデータベース・ホストにログインします。
DBCAを起動し、ディレクトリを$ORACLE_HOME
/bin
ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力します。
$ ./dbca
DBCAの「ようこそ」ページが表示されます。
「操作」ページに進み、「データベース・オプションの構成」を選択します。
「データベース」ページに進み、構成するデータベースを選択します。
「管理オプション」ページに進み、次のオプションを選択します。
Enterprise Managerによるデータベースの構成
データベース管理にDatabase Controlを使用
電子メール通知と日次バックアップの有効化に関する、任意のオプションを選択します。
Enterprise Managerの通知および日次バックアップの詳細を参照するには、「管理オプション」ページの「ヘルプ」をクリックしてください。
「終了」ボタンが使用可能になるまで続行します。
「終了」をクリックして、Database Controlを使用するようにデータベースを再構成します。
DBCAによるデータベースの再構成が終了すると、Oracleホームに新しいサブディレクトリが作成されます。データベースのリリース11g以降、このディレクトリは次のような命名形式になり、構成したデータベースに固有のDatabase Controlの構成ファイルおよび状態ファイルが保存されます。
hostname_dbuniquename
ただし、クラスタ・データベースの場合、ディレクトリの命名形式は次のようになります。
nodename_dbuniquename
。
Oracle Database 10gでは、この新規サブディレクトリの命名形式は次のようになります。
hostname_sid
Oracle Database 10gの場合と同様に、クラスタ・データベースのディレクトリの命名形式は次のようになります。
nodename_sid
次に例を示します。
mycluster1.example.com_myNewDB
DBCAを使用してOracle 11g リリース2(11.2)を構成する場合は、DBCAに備えられているグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用して、Database Controlの各種オプションを選択したり、データベースの他の側面を構成できます。
一方、オペレーティング・システムのコマンドラインを使用してDatabase Controlを構成するには、Enterprise Manager Configuration Assistant(EMCA)を使用できます。
注意: EMCAを使用してDatabase Controlを構成するとき、データベースが使用できなくなり、ユーザーがデータベースに接続できなくなったり、データベースに対する操作を実行できなくなる場合があります。 |
EMCAを使用してDatabase Controlを構成するには、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME
環境変数に管理するデータベースのOracleホームを指定します。
ディレクトリを$ORACLE_HOME
/bin
ディレクトリに変更します。
次のコマンドを入力してEMCAを起動します。コマンドには、オプションとして表10-1「EMCAコマンドライン操作」に示すコマンドライン引数を指定できます。
$ ./emca
EMCAのコマンドラインに含めた引数によっては、EMCAnによりDatabase Controlの構成に必要な情報の入力を求められます。
たとえば、データベースの自動日次バックアップを実行するようにDatabase Controlを構成するには、次のコマンドを入力します。
$ ./emca -config dbcontrol db -backup
EMCAコマンドは、次の形式で入力します。
emca [operation] [mode] [flags] [parameters]
注意: Oracle Automatic Storage Management (ASM)を使用して単一インスタンス・データベース用にDatabase Controlを構成するときには、EMCAコマンドにパラメータは必要ありません。次のコマンドを実行してDatabase Controlを構成すると、Oracle ASMインスタンスが自動的に検出されます。$ emca -config dbcontrol db -repos create |
表10-1では、有効な実行操作とモードを説明し、オプションのパラメータを括弧内に示します。表10-2では、フラグとその動作を説明し、表10-3にオプションのパラメータの詳細を示します。EMCAパラメータの形式は、[
-parameterName parameterValue
]
です。コマンドラインで複数のパラメータを組み合せて使用できます。
コマンド | 説明 |
---|---|
|
このオプションは、EMCAユーティリティのヘルプ・メッセージを表示する場合に使用します。表10-1、表10-2および表10-3で説明したオプションと、指定できる有効なパラメータが表示されます。 |
|
EMCAに関連付けられているバージョン情報を出力します。 |
|
データベースに対してDatabase Controlを構成します。Database Controlリポジトリの作成(再作成)、自動バックアップの構成、クラスタ・データベースでの対象操作の実行などのオプションがあります。 |
|
データベース・インスタンスまたはOracle ASMインスタンスに対する集中エージェント管理を構成します。この操作をクラスタ環境で実行するオプションなどがあります。この操作により、Oracle Enterprise ManagerのGrid Controlコンソールで集中管理できるようにデータベースが構成されます。このオプションを使用するには、Enterprise ManagerのOracle Management Serviceコンポーネントをネットワーク・ホストに事前にインストールしておく必要があります。また、データベースを実行しているホストにOracle Management Agentをインストールする必要があります。 |
|
データベースに対してDatabase Controlと集中エージェント管理の両方を構成します。指定可能な構成オプションは、前述のオプションと同様です。 |
|
データベースに対するDatabase Controlの構成を解除します。Database Controlリポジトリの削除、クラスタ・データベースでの対象操作の実行などのオプションがあります。たとえば、このコマンドは、削除予定のデータベースからDatabase Control構成を削除する場合に使用します。そのような場合は、Database Control構成を削除してからデータベースを物理的に削除します。この操作では、実際のデータベースまたはそのデータ・ファイルは削除されません。 |
|
データベース・インスタンスまたはOracle ASMインスタンスに対する集中エージェント管理の構成を解除します。この操作をクラスタ環境で実行するオプションなどがあります。たとえば、このコマンドは、削除予定のデータベースから集中エージェント管理の構成を削除する場合に使用します。そのような場合は、集中エージェント管理の構成を削除してからデータベースを物理的に削除します。この操作では、実際のデータベースまたはそのデータ・ファイルは削除されません。 |
|
データベースに対するDatabase Controlと集中エージェント管理の両方の構成を解除します。指定可能な構成解除オプションは、前述のオプションと同様です。 |
|
データベースまたはASMの記憶域の新しいクラスタ・インスタンスに対してEnterprise Managerを構成します。詳細は、「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。このオプションは、リリース11gにのみ適用されます。 |
|
今後削除する予定のノード用に構成されたEnterprise Managerの構成を解除します。詳細は、「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。このオプションは、Oracle Databaseリリース11gにのみ適用されます。 |
|
管理者が管理するデータベースまたはOracle ASM記憶域の新たに追加されるクラスタ・インスタンス用にEnterprise Managerを構成します。このパラメータには、追加するインスタンスのSIDを指定します。詳細は、「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。 |
|
管理者が管理するデータベースまたはOracle ASM記憶域の新たに削除されるクラスタ・インスタンス用に構成されたEnterprise Managerの構成を解除します。このパラメータには、削除するインスタンスのSIDを指定します。詳細は、後の「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。 |
|
Database Controlのポートを明示的に再割当てします。この操作をクラスタ環境で実行するオプションなどがあります。詳細は、「Database Controlで使用されるポートの指定」を参照してください。 |
|
クラスタ・データベースに対してDatabase Controlのデプロイメントを再構成します。このコマンドは、 |
|
クラスタ環境内のDatabase Controlの現行のデプロイメント構成に関する情報を表示します。このコマンドは、 |
|
以前のリリースのEnterprise Managerの構成を現在のリリースにアップグレードします。この操作は、Oracle DatabaseまたはOracle ASMに対して個別に実行したり、Oracle DatabaseとOracle ASMのインスタンスに対して同時に実行できます。この操作によって、データベースまたはOracle ASMの実際のインスタンスがアップグレードされたり、Enterprise Managerソフトウェアがアップグレードされることはありません。かわりに、指定したインスタンスの構成ファイルがアップグレードされ、現行のバージョンのEnterprise Managerソフトウェアと互換性を持つようになります。EMCAは、ホスト上のすべてのOracleホームを調べて、指定したデータベースまたはOracle ASMターゲット、あるいはその両方のインスタンスをすべてアップグレードすることを試みます(これは、リスナー・ポートやOracleホームなどターゲット・プロパティに変更が加えられている可能性もあるためです)。 |
|
現行のバージョンのEnterprise Manager構成を以前のバージョンに戻します。これは、 |
|
Database Controlから集中エージェントにEnterprise Manager構成を移行します。 |
表10-2 EMCAコマンドライン・フラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
データベース(クラスタ・データベースを含む)に対して操作を実行します。このオプションは、Oracle ASMを使用してデータ・ファイルを格納するデータベースに対して使用します。データベースがOracle ASMを使用している場合、( |
|
Oracle ASMのみのインスタンス(クラスタOracle ASMインスタンスを含む)に対して操作を実行します。 |
|
このフラグは、 |
|
新しいDatabase Control管理リポジトリを作成します。 |
|
現行のDatabase Control管理リポジトリを削除します。 |
|
現在のDatabase Control管理リポジトリを削除し、新規にリポジトリを再作成します。 |
|
クラスタ・データベース・インスタンスまたはOracle ASMインスタンスに対して操作を実行します。 |
|
追加情報の入力を求めるプロンプトを表示せずに操作を実行します。このモードが指定されている場合、必須パラメータはすべてコマンドラインに入力するか、または |
|
データベースに対して自動バックアップを構成します。EMCAによって日次自動バックアップのオプションの入力を求めるプロンプトが表示されます。データベース・ファイルのバックアップには、Enterprise Managerのデフォルトの設定が使用されます。 注意: このオプションを使用すると、EMCAは |
表10-3 EMCAコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
構成操作の実行中にEMCAで使用されるパラメータが記述された入力ファイルのパスを指定します。詳細は、「EMCAパラメータの入力ファイルの使用方法」を参照してください。 |
|
データベースのシステム識別子。 |
|
データベースにサービスを提供するリスナーのポート番号。 |
|
データベースのOracleホーム(絶対パス)。 |
|
ローカル・データベースのホスト名。 |
|
リスナーが実行されるOracleホーム。データベースが実行されているものとは異なるOracleホームからリスナーが実行される場合は、パラメータ |
|
ホスト・システムのユーザー名(自動バックアップの場合)。 |
|
ホスト・システムのユーザー・パスワード(自動バックアップの場合)。 |
|
HH:MMの形式で指定した日次自動バックアップのスケジュール。 |
|
通知用の電子メール・アドレス。 |
|
通知に使用される送信メール(SMTP)サーバー。 |
|
Oracle ASM Oracleホーム。 |
|
Oracle ASMインスタンスのシステム識別子。 |
|
Oracle ASMインスタンスにサービスを提供するリスナーのポート番号。 |
|
Oracle ASMインスタンスに接続するためのユーザー・ロール。 |
|
Oracle ASMインスタンスに接続するためのユーザー名。 |
|
Oracle ASMインスタンスに接続するためのパスワード。 |
|
DBSNMPユーザーのパスワード。 |
|
SYSMANユーザーのパスワード。 |
|
SYSユーザーのパスワード。 |
|
Enterprise Manager構成をアップグレードまたはリストアするデータベースのOracleホーム。 |
|
このパラメータは、WebブラウザにDatabase Controlコンソールを表示する際に使用するポートを指定する場合に使用します。詳細は、「Database Controlで使用されるポートの指定」を参照してください。 |
|
このパラメータは、Database ControlのManagement Agentポートを指定する場合に使用します。詳細は、「Database Controlで使用されるポートの指定」を参照してください。 |
|
このパラメータは、Database ControlのRMIポートを指定する場合に使用します。詳細は、「Database Controlで使用されるポートの指定」を参照してください。 |
|
このパラメータは、Database ControlのJMSポートを指定する場合に使用します。詳細は、「Database Controlで使用されるポートの指定」を参照してください。 |
|
クラスタ名(クラスタ・データベース用)。 |
|
データベースの一意の名前(クラスタ・データベース用)。 |
|
データベースのサービス名(クラスタ・データベース用)。 |
|
Database Controlコンソールを実行するノード(クラスタ・データベース用)。詳細は、「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。 |
|
エージェントのみの構成用ノードのカンマ区切りリストであり、データを-EM_NODEにアップロードします。詳細は、「Oracle RACでのEMCAの使用方法」を参照してください。 |
|
ソフトウェア・ライブラリの場所。 |
|
使用するポートが記載された静的ファイルへのパス。デフォルト値は |
EMCAの実行時に表示される一連のプロンプトに応答するかわりに、-respFile
引数を使用して入力ファイルを指定できます。作成する入力ファイルは、次の例の形式と同様の形式にする必要があります。
PORT=1521 SID=DB DBSNMP_PWD=xpE234D SYSMAN_PWD=KDOdk432
作成したEMCA入力ファイルは、コマンドラインで次のように使用できます。
$ ./emca -config dbcontrol db -respFile input_file_path
たとえば、日次バックアップを実行し、Database Control管理リポジトリを作成するようにDatabase Controlを構成するには、例10-1に示すような入力ファイルを作成し、オペレーティング・システム・プロンプトに次のコマンドを入力します。
$ ./emca -config dbcontrol db -repos create -backup -respFile input_file_path
Oracle Databaseをインストールするか、またはEMCAでDatabase Controlを構成した当初、Database Controlではデフォルトのシステム・ポートが使用されます。たとえば、次の例に示すように、デフォルトではポート1158を使用してDatabase Controlにアクセスします。
http://host.domain:1158/em
これは、Internet Assigned Numbers Authority(IANA)によってDatabase Controlに割り当てられているデフォルト・ポートです。同様に、IANAによって割り当てられているDatabase Controlエージェントのデフォルト・ポートは3938です。
EMCAを使用してDatabase Controlを初めて構成する場合にデフォルト・ポート以外のポートを使用するには、次のEMCAコマンドライン引数を使用します。また、Database Controlの構成後に、次のコマンドを使用してポートを明示的に割り当てることもできます。
$ emca -reconfig ports [-cluster]
注意: また、Oracle Databaseをインストールして構成した後、次のEMCAコマンドライン引数を使用して、Database Controlを構成することもできます。 |
次に、Database Controlの標準的なポート割当てを制御するEMCAコマンドライン引数の概要を示します。
-DBCONTROL_HTTP_PORT
port_number
このポートは、Database Controlコンソールを示すURLで使用します。たとえば、このポートを5570に設定した場合、次のURLを使用してDatabase Controlコンソールを表示できます。
http://host.domain:5570/em
-RMI_PORT
port_number
このポートは、Database Controlに必須のJ2EEソフトウェアに含まれるRemote Method Invocation(RMI)システムで使用されます。Database Control用に特定のポートを構成する場合には、デフォルト・ポートを変更できます。デフォルト・ポート(1521)以外のポートを使用するときは、emca reconfig
コマンドとともに-RMI_PORT
オプションまたは-JMS_PORT
オプションを使用します。
-JMS_PORT
port_number
このポートは、Database Controlに必要なJ2EEソフトウェアの一部であるOC4J Java Message Service(JMS)で使用されます。Database Control用に特定のポートを構成する場合には、デフォルト・ポートを変更できます。デフォルト・ポート(1521)以外のポートを使用するときは、emca reconfig
コマンドとともに-RMI_PORT
オプションまたは-JMS_PORT
オプションを使用します。
-AGENT_PORT
port_number
このポートは、Database Controlのデータベースの監視と管理を行うDatabase Control Management Agentで使用されます。
各EMCAコマンドはOracle RAC環境で使用できますが、クラスタの設定には一部のコマンドのみを適用できます。EMCAを使用してクラスタ・コマンドを実行するには、ほぼすべてのEMCA動作モードで使用できるクラスタ・フラグを使用します。
EMCAを使用してOracle RACのDatabase Controlを構成する場合は、クラスタ内のインスタンスごとにDatabase Controlを構成します。ただし、デフォルトではDatabase Controlコンソールはローカル・ノードでのみ起動します。クラスタ内の他のすべてのノードでは、Enterprise Managerエージェントのみが起動されます。これは、Database Controlコンソールによって、データベースへの複数の接続がオープンされるためです。クラスタ内のそれぞれのホストでコンソールのインスタンスが実行されていると、32ノード環境または64ノード環境で開くことができる接続の最大数を容易に超過することがあります。
この状況を回避するため、Database Controlはローカル・ノードでのみ起動します。他のすべてのノードでエージェントの起動と停止に使用するコマンドは、emctl start dbconsole
とemctl stop dbconsole
のみです。各リモート・エージェントによって、それぞれのデータがローカル・ノードで稼働しているコンソールにアップロードされるため、そのコンソールからクラスタ内のすべてのターゲットの監視および管理を実行できます。Oracle RACデータベースの各インスタンスに次のサブディレクトリが作成され、ここでnodename
はクラスタ内のノード名、dbuniquename
はリリース11g以降のデータベースのデータベース・インスタンス名です。
$ORACLE_HOME/nodename_dbuniquename
Oracle Databaseリリース10gの場合、nodename
はクラスタ内のノードの名前であり、sid
はデータベース・インスタンス名です。
$ORACLE_HOME/nodename_sid
ただし、Database Controlで構成された既存のOracle RACデータベースを最新のリリースにアップグレードしても、既存のDatabase Control構成が保持されることに注意してください。既存のDatabase Controlには、各クラスタ・ノードで稼働しているDatabase Controlが含まれています。このコンソールは、引き続き各ノードで起動されます。
リリース11g以降のデータベースの既存の構成を変更するには次のコマンドを使用しますが、ここでnodename
はノードのパブリック名、node_list
はデータベースが構成されているノードのカンマ区切りリストです。
$ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE nodename -EM_NODE_LIST node_list
リリース10gデータベースの既存の構成を変更するには次のコマンドを使用しますが、ここでnodename
はノードのパブリック名、SID_list
はデータベース・システム識別子を記載したカンマ区切りリストです。
$ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE nodename -EM_SID_LIST SID_list
注意: Oracle RAC環境でDatabase Controlを構成するときは、SCANリスナーの構成は必須です。 |
このコマンドは、現在のDatabase Control設定を再構成し、次の処理を順に実行します。
注意: 特に指定がないかぎり、次の処理のコマンド・オプションはすべてリリース11g以降のデータベースを表しています。リリース10gデータベースでの相違点は、そのつど付記します。 |
Database Controlコンソールがnodename
で起動されます(起動されていない場合)。
node_list
(リリース10gデータベースでは
SID_list)に記載されたデータベース・インスタンスを監視する各エージェントをリダイレクトして、各エージェントがnodename
で実行中のコンソールにそれぞれのデータをアップロードするようにします。また、nodename
でデータベース・インスタンスを監視する各エージェントは、それぞれのデータをローカル・コンソールにもアップロードします。コマンドラインにコマンド・オプション-EM_NODE
または-EM_NODE_LIST
(リリース10g
データベースの場合は-EM_SID_LIST)を入力しないと、その入力を求められます。
-EM_NODE
の入力を求められたときに入力しないと、デフォルトでローカル・ノードを指定したことになります。-EM_NODE_LIST
(リリース10g
データベースの場合は、-EM_SID_LIST)を指定しないと、デフォルトでデータベースが構成されているすべてのノードを指定したことになります。
このコマンドを使用すると、複数のノードでコンソールを起動できます。たとえば、node1
、node2
、node3
、node4
、node5
、node6
、node7
、node8
の各ノードからなる8ノード・クラスタでは、次のコマンドを連続して実行できます。
$ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE node1 -EM_NODE_LIST node2,node3,node4 $ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE node5 -EM_NODE_LIST node6,node7,node8
リリース10gデータベースの場合は、次のコマンドを連続して実行します。
$ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE node1 -EM_SID_LIST sid2,sid3,sid4 $ emca -reconfig dbcontrol –cluster –EM_NODE node5 -EM_SID_LIST sid6,sid7,sid8
この例では、2つのDatabase Controlコンソール( node1 で1つ、 node5 で1つ)が実行されます。クラスタ内のすべてのターゲットは、いずれのコンソールからでも管理および監視できます。
現在のクラスタ構成の詳細を参照するには、次のコマンドを実行してください。
$ emca -displayConfig dbcontrol –cluster
前述のコマンドを実行すると、クラスタ・データベースの一意のデータベース名の入力が求められます。現在の構成が画面に出力され、コンソールが実行されているノードと、各エージェントがアップロードしているコンソールが示されます。
クラスタの新たに追加されるノード用にEnterprise Managerを構成するには、次のコマンドを入力します。
$ emca -addNode db
管理者が管理するデータベースまたはOracle ASM記憶域の新しいクラスタ・インスタンス用にEnterprise Managerを構成するには、次のコマンドを入力します。
$ emca -addInst db
Oracle Databaseリリース11gの場合、クラスタ・ポリシーで管理するデータベースでよく使用される別の操作として、クラスタ・ノードの追加と削除をあげることができます。新規ノードを追加した後、EMCAを実行し、emca -addNode db
コマンドを使用して、ノードに対するDatabase Controlまたは集中エージェント管理を構成できます。EMCAを実行すると、Enterprise Managerは、他のクラスタ・データベース・インスタンスと一貫性のある方法で管理できるように構成されるのみとなります。
Oracle Databaseリリース10gおよび11の場合、クラスタ・データベースではデータベース・インスタンスを作成および削除できます。新規インスタンスを作成した後で、EMCAを実行し、そのインスタンスに対してemca -addInst db
コマンドを使用すると、Database Controlまたは集中エージェント管理を構成できます。EMCAを実行しても、実際のデータベース・インスタンスは作成されません。Enterprise Managerの構成のみを行い、残りのクラスタ・データベース・インスタンスと一貫性のとれた方法でインスタンスを管理できるようにします。
リリース11g以降で、新規ノードに対してEnterprise Managerを構成する場合は、ノードの追加後にのみEMCAコマンドを実行します。また、Enterprise Managerが構成済であるクラスタのノードからコマンドを実行します。その既存ノードのEnterprise Managerの構成設定が、コマンドを実行すると新規ノードに伝播されるためです。-addNode
オプションはOracle RAC環境でのみ使用できるため、コマンドラインで-cluster
オプションを使用する必要はありません。
emca -addNode db
コマンドを実行した後、ノードおよびデータベースに対してノード名およびデータベースの一意の名前を入力します。次に例を示します。
Node name: node2 Database Unique Name: EM102
同様に、リリース10gおよび11gのデータベースで、新規インスタンスに対してEnterprise Managerを構成する場合、EMCAコマンドを実行するのはインスタンスを作成した後のみです。また、これらの構成設定が新規インスタンスに伝播されるように、クラスタに関連付けられたデータベース・インスタンスに対してEnterprise Managerを構成したクラスタ内のノードからコマンドを実行します。新規インスタンスが作成されたノードからは、このコマンドを実行しないでください。このオプションはOracle RAC環境でのみ使用できるため、コマンドラインで-cluster
オプションを使用する必要はありません。emca -addInst db
コマンドを実行した後、ノードおよびデータベースに対して次の情報を入力します。
Node name: node2 Database Unique Name: EM102 Database SID: EM1022
リリース11g以降の場合、クラスタから削除する特定のノード用に構成されたEnterprise Managerの構成を解除するには、削除するそのノードとは別のノードにログインし、emca -deleteNode db
コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、Enterprise Manager構成が削除され、ノードでのEnterprise Managerによるインスタンスの管理ができなくなります。EMCAコマンドを実行してから、実際のクラスタ・ノードを削除するようにします。このオプションはOracle RAC環境でのみ使用できるため、コマンドラインで-cluster
オプションを使用する必要はありません。
Oracle Databaseリリース10gの場合、(一般的にデータベース・インスタンスが削除される前に)特定のデータベース・インスタンス用に構成されたEnterprise Managerの構成を解除するには、構成の逆の操作を実行するemca -deleteInst db
コマンドを使用します。EMCAを実行しても、データベース・インスタンスは削除されず、その後Enterprise Managerを使用してインスタンスを管理できないように、Enterprise Manager構成が削除されるのみです。
このEMCAコマンドは、実際のクラスタ・データベース・インスタンスを削除する前に実行してください。また、データベース・インスタンスを削除するノードではなく、別のノードからコマンドを実行してください。このオプションはOracle RAC環境でのみ使用できるため、コマンドラインで-cluster
オプションを使用する必要はありません。
詳細は、表10-1で説明しているEMCAコマンドライン操作を参照してください。
注意: コマンドemca -cluster を使用して、Oracle RACに対してDatabase Controlを構成する場合は、環境変数TNS_ADMIN をすべてのクラスタ・ノードで確認してください。各ノードでTNS_ADMINの設定が異なる場合は、ターゲットのリスナーを正しく構成できません。この場合、emca -cluster コマンドを実行する前に、すべてのクラスタ・ノードでTNS_ADMINに同じ値を設定してください。 |
ここでは、Database Controlでデータベースを管理する場合に実行できるアクティビティについて簡単に説明します。次の各項では、Oracleデータベースの管理に使用できるタスクについて説明します。
ブラウザからDatabase Controlにアクセスするには、Database Controlコンソール・プロセスのdbconsole
がデータベースのホスト・コンピュータで稼働している必要があります。dbconsole
プロセスはインストール後に自動的に起動します。ただし、システムを再起動する必要がある場合は、このプロセスをコマンドラインから手動で起動するか、Windowsのサービスとして起動できます。また、コマンドを実行して、このプロセスを停止したり、そのステータスを表示できます。このプロセスが停止した場合は、Database Controlを使用する前に、このプロセスを手動で再起動する必要があります。コマンドラインからデータベースを起動または停止したり、dbconsole
プロセスのステータスを表示する手順は、次のとおりです。
『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の「オペレーティング・システムの環境変数の構成」の説明に従って、オペレーティング・システムの環境変数を構成します。
次のいずれかを実行します。
プロセスを開始するには、次のコマンドを実行します。
$ ./emctl start dbconsole
プロセスを停止するには、次のコマンドを実行します。
$ ./emctl stop dbconsole
プロセスの状態を表示するには、次のコマンドを実行します。
$ ./emctl status dbconsole
注意: ORACLE_UNQNAME 環境変数の設定を求められた場合は、この変数を設定し、emctlコマンドを再度実行します。変数をデータベースの一意の名前(DB_UNIQUE_NAME データベース・パラメータの値)に設定します。DB_UNIQUE_NAME の一般的な値はorcl です。 |
Microsoft WindowsでDatabase Controlをサービスとして起動または停止する手順は、次のとおりです。
次のいずれかを実行します。
Windows XPおよびWindows Server 2003では、「スタート」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。
Windows 2000 Serverでは、「スタート」をクリックし、「設定」を選択し、「コントロール パネル」を選択します。
コントロール パネル・ウィンドウが開きます。
「管理ツール」アイコンをダブルクリックし、「サービス」アイコンをダブルクリックします。
サービス・ウィンドウが開きます。
Oracle DatabaseサービスはOracle
で始まります。このサービスはOracleDBConsole
sid
としてリストされ、ここでsid
はデータベース・インスタンスのシステム識別子(SID)です。「ステータス」列にプロセスのステータスが表示されます。
OracleDBConsolesid
サービスをダブルクリックします(リリース10gの場合)。OracleDBConsoledbuniquename
サービスをダブルクリックします(リリース11gの場合)。
「サービスのプロパティ」ウィンドウが開きます。
起動タイプ・リストで、「手動」か「自動」のいずれかが選択されていることを確認します。
次のいずれかを実行します。
サービスを開始するには、「開始」をクリックし、「OK」をクリックします。
サービスを停止するには、「停止」をクリックし、「OK」をクリックします。
データベース・ホームページは、Database Controlのメインのデータベース管理ページです。
データベースのホームページにアクセスするには、次の手順を実行します。
dbconsole
プロセスがデータベースのホスト・コンピュータ上で実行されていることを確認してください。
「Database Controlプロセスの起動と停止」を参照してください。
Webブラウザで次のURLを入力します。
https://hostname:portnumber/em
たとえば、comp42.example.com
という名前のホスト・コンピュータにデータベースをインストールしたと想定します。また、使用するEnterprise ManagerコンソールのHTTPポート番号が1158
であるとします。この場合は、次のURLを入力します。
https://comp42.example.com:1158/em
Oracle Databaseを最近インストールした場合、LinuxおよびUNIXシステムでは$ORACLE_HOME
/install/portlist.ini
ファイルを表示してDatabase Controlのポート番号を確認できます。それ以外の場合は、ORACLE_$HOME/
Oracle_sid
/sysman/config/emd.properties
ファイルでREPOSITORY_URL
を検索してDatabase Controlのポート番号を確認でき、ここで、Oracle_sid
はデータベース・インスタンスのシステム識別子(SID)です。
データベースを起動するには、次の作業を行う必要があります。
「起動/停止」をクリックし、ホスト・ログインのユーザー名およびパスワードを入力し、データベース・ログインのユーザー名およびパスワードを入力します。
データベースのユーザー名およびパスワードの場合、SYSおよびインストール時に指定したパスワードを入力します。
「OK」をクリックしてデータベース・インスタンスを起動し、「確認」ページで「はい」をクリックしてオープン・モードでデータベースを起動します。
Database Controlにアクセス権限のあるユーザー・アカウントでデータベースにログインします。
このユーザーは、最初はSYS
またはSYSTEM
のいずれかで、データベースのインストール時に指定したパスワードを使用します。
SYSTEM
アカウントを使用して日常の管理タスクを実行できるものの、Oracleデータベース管理用のユーザー・アカウントを別途作成して、データベース・アクティビティを監視できるようにすることをお薦めします。データベースをバックアップ、リカバリまたはアップグレードするには、SYSDBA
ユーザーとしてログインする必要があります。
Database Controlに、データベース・ホーム・ページが表示されます。
ページの最上部のサブページ・リンクを使用して、パフォーマンス、可用性およびその他のデータベース管理ページにアクセスできます。これらのページで提供される機能については、このマニュアルの他の項で説明しています。
データベース・ホームページの様々なセクションでは、データベースの環境および状態について説明します。たとえば、「アラート」セクションおよび「診断サマリー」セクションには、データベースの操作に影響を及ぼすエラーおよびパフォーマンスに関する問題が示されます。ここに示されたリンクをクリックすると、問題領域に関する詳細を参照できる以外に、場合によっては問題解決の推奨事項を入手できます。詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の「データベースの監視およびチューニング」を参照してください。
SYS
、SYSTEM
、SYSMAN
のいずれかのユーザー・アカウントを使用してDatabase Controlにログインすると、Database Controlスーパーユーザーとしてログインしたことになります。これらのアカウントには、Database Controlの管理に必要なロールおよび権限が自動的に付与されます。Database Control管理タスクの例は、次のとおりです。
他のDatabase Control管理者の作成。
電子メールおよびその他の通知メソッドの構成。
表領域の領域使用率やSQLレスポンス時間など、データベース・メトリックのアラートしきい値の設定。
適用するデータベース・ポリシーの選択。ポリシーに違反する場合にDatabase Controlにアラートを表示可能(ポリシーの例として、「システム・ユーザー以外は SYSTEM または SYSAUX 表領域をデフォルト表領域として使用できない」などがあります)。
ブラックアウトの定義。ブラックアウトとは、メンテナンス操作によって監視データに偏りが発生したり、無用なアラートが生成されないように、データベース監視を一時停止する期間のことです。
Database Control自体を管理する権限を十分に持ち、SYS
およびSYSTEM
ユーザーの高度のデータベース管理権限を持たないDatabase Control管理ユーザーを作成します。これにより、他のDatabase Control管理者から要求される最小限の権限を割り当てることができ、データベース・セキュリティにとってベスト・プラクティスです。また、Database Control管理アカウントを作成でき、データベース管理タスクを実行するまで、SYS
またはSYSTEM
としてログインすることを回避できます。
次の手順を使用すると、Database Control管理権限を既存のデータベース・ユーザーに割り当てたり、新規にDatabase Control管理ユーザーを作成できます。新しいDatabase Control管理ユーザーを作成する場合は、そのユーザーに対してデータベースのユーザー・アカウントが作成されます。どのシステム権限、オブジェクト権限、またはロールをユーザーに付与するか、また必要であれば、どのシステム権限、オブジェクト権限、またはロールでデータベース管理タスクを実行するかを決定する必要があります。
Database Control管理ユーザーを作成する手順は、次のとおりです。
いずれかのDatabase Controlページのページ上部で、「設定」をクリックします。
Enterprise Manager構成ページが表示されます。このページには設定の概要ページが表示されます。
左にあるナビゲーション・バーで、「管理者」をクリックします。
管理者ページが表示されます。
「作成」をクリックします。
管理者の作成: プロパティ・ページが表示されます。
「名前」フィールドに既存のデータベース・ユーザーの名前を入力するか、フィールドの横にある懐中電灯アイコンをクリックして既存のデータベース・ユーザーを選択します。
データベースの電子メールの通知を設定する場合のみ、この管理者の電子メールアドレスを1つ以上入力します。
「確認」をクリックし、入力した情報の概要を説明するページを表示します。
「終了」をクリックして、Database Control管理ユーザーとしてデータベース・ユーザーを構成します。
リストに新しい管理者が示されている管理者ページが表示されます。
データベース管理者は、SYS
またはSYSTEM
ユーザー・アカウントを使用してDatabase Controlにログインし、管理タスクおよびその他のタスクを実行できます。非管理ユーザーがDatabase Controlにログインする可能性もあります。たとえば、アプリケーション開発者はDatabase Controlインタフェースを利用して、表、索引、ビューなどの作成または変更を行う必要があります。これらのユーザーがログインできるようにするには、ユーザーにDatabase Controlへのアクセス権限を付与する必要があります。管理ユーザー以外のユーザーにDatabase Controlへのアクセス権限を付与するには、SELECT_CATALOG_ROLE
ロールを付与する必要があります。
ここでは、Database Controlのユーザー・プリファレンスの設定について説明します。
Database Controlを使用すると、次のようなユーザー・プリファレンスを設定できます。
通知
Database Controlから自分宛に電子メールでアラートを送信できます。アラートはデータベースが望ましくない状態にあり注意が必要であることを通知します。デフォルトで、データベースのホームページにはすべてのアラートが表示されます。ただし、電子メール通知を使用するには設定が必要です。アラートの内容および通知の設定の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の「データベースの監視およびチューニング」、直接アラート通知の設定に関する項を参照してください。
ブラックアウト管理
ブラックアウト中、Database Controlはデータベース監視データを収集せず、アラートを送信しません。ブラックアウトでは、不要なアラートの受信や監視データの偏りを避けながら、スケジュールされたメンテナンスをデータベースに対して実行できます。
たとえば、データの収集をデータベースのバックアップ時またはハードウェアのアップグレード時に停止できます。このような期間に監視を続けると、収集されたデータには、日常的な操作の結果とは異なる傾向およびその他の監視情報が表示されます。より正確で、長期間のデータベース・パフォーマンスの情報を得るために、ブラックアウトを使用すると、これらの特殊なケースをデータ分析から除外できます。詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の「データベース管理スタート・ガイド」、ブラックアウト期間の定義に関する項を参照してください。
優先資格証明
Database Controlはバックアップなど、多くのルーチンの管理タスクを自動的に実行できます。Database Controlに組み込まれたジョブ・スケジューリング・システムを使用して、これらのルーチン・タスクを実行できます。環境をセキュアに保つために、Enterprise Managerの自動実行のタスクの設定ではホスト・コンピュータおよびデータベースのログイン情報を入力することが必要です。この情報をジョブやタスクを作成または実行するたびに入力することを回避するために、Database Controlではこの情報を優先資格証明として保存できます。優先資格証明は暗号化モードでデータベースに格納され、不正なアクセスから保護されます。詳細は、「優先資格証明の設定」を参照してください。
1回のみまたは繰返しのブラックアウト期間を1つ以上定義できます。この期間中、Database Controlはデータベース監視データを収集せず、アラートを送信しません。
ブラックアウト期間を定義するには、次の手順を実行します。
いずれかのDatabase Controlページのページ上部で、「設定」をクリックします。
Enterprise Manager構成ページが表示されます。このページには設定の概要ページが表示されます。
左側のペインにある「ブラックアウト」をクリックします。
ブラックアウト・ページが表示されます。
「作成」をクリックして、「ブラックアウトの作成」ウィザードを開始します。
「ブラックアウトの作成: プロパティ」ページが表示されます。
必要に応じて、デフォルトのブラックアウト名を任意の名前に置換します。
必要に応じて、「コメント」フィールドに、ブラックアウトの目的を入力します。
「理由」リストで最も適切なブラックアウトの理由を選択します。
「使用可能なターゲット」セクションの「タイプ」リストで、「データベース・インスタンス」を選択します。
データベース・インスタンスの完全修飾名が、「使用可能なターゲット」リストに表示されます。
「使用可能なターゲット」リストで、インスタンスを選択し、「移動」アイコンをクリックします。インスタンス名をダブルクリックすることもできます。
インスタンス名が、「使用可能なターゲット」リストから「選択したターゲット」リストに移動します。
「次へ」をクリックします。
「ブラックアウトの作成: スケジュール」ページが表示されます。
「ブラックアウトの作成: スケジュール」ページで、次の処理を実行します。
「開始」セクションで、ブラックアウトをすぐに行うか、後で行うかスケジュールします。
「期間」セクションでは、ブラックアウトの期間が表示されます。
ブラックアウトを定期的に繰り返すには、「繰返し」セクションで、「繰返し」リストから繰返し頻度を選択します。それ以外の場合、デフォルト値の「繰返しなし」を使用します。
「次へ」をクリックします。
確認ページが表示されます。
入力した項目を確認します。「戻る」をクリックして設定を変更します。
「終了」をクリックします。
ブラックアウト・ページに「確認」ヘッダーが表示されて、新しいブラックアウト期間がリストに示されます。
優先資格証明を設定すると、資格証明が求められる通常の状況で、Database Controlによってホスト・コンピュータおよびデータベース・ログインの資格証明が自動的に入力されます。資格証明が必要なジョブを実行しようとした場合も、これらの資格証明がDatabase Controlによって入力されます。
データベース優先資格証明を設定するには、次の手順を実行します。
いずれかのDatabase Controlページで、ページ上部の「プリファレンス」をクリックします。
「プリファレンス」ページが表示されます。
左ペインの「優先資格証明」をクリックします。
「優先資格証明」ページが開き、ターゲットの表が表示されます。
データベース・インスタンスの表の行にある「資格証明の設定」の下のアイコンをクリックします。
データベースの優先資格証明ページが表示されます。
次の資格証明情報を入力します。
「ユーザー名」/「パスワード」および「SYSDBAユーザー名」/「SYSDBAパスワード」のデータベース資格証明
「ホスト・ユーザー名」/「ホストのパスワード」のホスト資格証明
たとえば、通常はユーザーSYSTEM
として接続し、SYSDBA
アクセスにはSYS
アカウントを使用し、ホスト・ユーザー名にはoracle
を使用することがあります。
注意: ホスト・ユーザーには、データベース・バックアップなどのバックグラウンド・ジョブを実行するための特定のホスト権限が必要な場合があります。たとえば、UNIXおよびLinuxでは、ホスト・ユーザーはOSDBAグループ(一般的にはdba )に属している必要があります。Windowsでは、ホスト・ユーザーはAdministratorsグループのメンバーであり、「Log on as Batch Job」ログイン権限が付与されている必要があります。詳細は、ご使用のプラットフォームのマニュアルを参照してください。 |
「テスト」をクリックし、資格証明をテストします。
確認メッセージには資格証明が検証可能かどうかが表示されます。
変更を適用するには、「適用」をクリックします。
Oracle RACデータベースを作成し、データベース管理にDatabase Controlを選択した場合は、Database Controlが自動的にインストールされて構成されます。
この項の内容は、次のとおりです。
新規Oracle RAC環境でDatabase Controlが起動したことを検証する手順は、次のとおりです。
ORACLE_UNQNAME
環境変数が、接続先データベースの一意の名前(たとえば、orcl
)に設定されていることを確認します。また、次に示すように、ORACLE_HOME
環境変数が、インストールしたOracle Databaseソフトウェアの場所に設定されていることを確認します。
$ export ORACLE_UNQNAME=orcl $ echo $ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1 $ echo $ORACLE_UNQNAME orcl
$ORACLE_HOME/bin
ディレクトリに移動します。
oracle
ユーザーとして次のコマンドを実行します。
./emctl status dbconsole
Enterprise Manager Control(EMCTL)ユーティリティにより、次に示すように、現在のノード上にあるDatabase Controlコンソールの現在の状態が表示されます。
Oracle Enterprise Manager 11g Database Control Release 11.2.0.1.0 Copyright (c) 1996, 2009 Oracle Corporation. All rights reserved. https://racnode1.example.com:1158/em/console/aboutApplication Oracle Enterprise Manager 11g is running. ------------------------------------------------------------------ Logs are generated in directory /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/racnode1_orcl/sysman/log
EMCTLユーティリティにより、Database Controlが起動されていないことがレポートされた場合は、次のコマンドを使用して起動します。
$ ./emctl start dbconsole
標準的なインストールに従うと、Database Controlにより、データベースが作成されたノードからコンソール・ページを利用できるようになります。また、コンソールはクラスタのすべてのノード上にあるエージェントを監視します。ただし、EMCAを使用して、クラスタ内で複数のDatabase Controlコンソールが動作するようにEnterprise Managerを構成できます。
インストール中、Database Control管理リポジトリはセキュア・モードになります。emkey.ora
ファイルに格納されている暗号化キーを使用して、すべてのEnterprise Managerデータが暗号化されます。このファイルが破損しているか失われているためにバックアップからリストアできない場合は、既存のEnterprise Managerリポジトリを使用できなくなります。
emkey.ora
ファイルは、$ORACLE_HOME/
node_name
_Database_name
/sysman/config
ディレクトリにあります。たとえば、racnode2
サーバーの場合、orcl.example.com
データベースの暗号化キー・ファイルは/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/racnode2_orcl/sysman/config/emkey.ora
にあります。
ここでは、Database Controlオブジェクトを削除および作成するプロセス、およびDatabase Controlで構成ファイルおよびリポジトリを再作成する方法について説明します。
ここでは、Database Controlオブジェクトを削除するために必要な手順について説明します。Database Controlオブジェクトを削除する場合に使用できる6つのオプションを次に示します。
EMCAスクリプトを使用してDatabase Control構成ファイルを削除するには、次のいずれかのコマンドを実行します。
単一インスタンス・データベースの場合:
$$ORACLE_HOME
/bin/emca -deconfig dbcontrol db
Oracle RACデータベースの場合:
$$ORACLE_HOME
/bin/emca -deconfig dbcontrol db –cluster
-deconfig
オプションにより、Database Controlの構成が解除される前に、スケジューリングからEnterprise Managerジョブが削除されます。そうしない場合、Database Controlが削除されるときにEnterprise Managerジョブがスケジュールされていた場合に、(削除されない)リポジトリが破損したり不整合が発生する可能性があります。また、Database Controlの削除時にエラーが発生する可能性があります。
EMCAスクリプトを使用して、Database Control構成ファイルおよびリポジトリ・オブジェクトを削除できます。1つのコマンドで構成ファイルとリポジトリ・オブジェクトの両方を削除できます。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -deconfig dbcontrol db -repos drop
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -deconfig dbcontrol db -repos drop –cluster
注意: このコマンドにより、データベースは停止モードになります。 |
次に示すコマンドを使用することによって、EMCAスクリプトを使用してDatabase Controlリポジトリを削除できます。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca –repos drop
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -repos drop -cluster
注意: このコマンドにより、データベースは停止モードになります。 |
EMCAスクリプトを使用しDatabase Controlオブジェクトを削除する以外に、次のように手動でオブジェクトを削除できます。
ファイル・システムから次のディレクトリを削除します。
$ $ORACLE_HOME/
hostname
_sid
$ $ORACLE_HOME
/oc4j/j2ee/OC4J_DBConsole_
hostname
_sid
Windowsでは、次のように、Database Controlサービスを削除する必要もあります。
regedit
を実行します。
HKEY_LOCAL_MACHINE/SYSTEM/CurrentControlSet/Services
に移動します。
OracleDBConsolesid
エントリを探して削除します。
また、Windows XPおよびWindows Server 2003では、コマンドラインから次の処理を実行できます。service_name
はDatabase Controlサービス名です(一般的には
OracleDBConsolesid
)。
sc delete service_name
また、Microsoft社から、delsrv.exe
実行可能ファイルを無料でダウンロードできます。
RepManagerを使用して、Database Controlリポジトリを削除できます。このオプションは、他のオプションほど完成されたものではありません。コマンドライン・オプションを使用してリポジトリを削除する方が適切です。また、RepManagerではDatabase Controlリポジトリを作成できません。
次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager hostname listener_port sid -action drop
注意: このコマンドにより、データベースは停止モードになります。 |
停止モードの詳細は、My Oracle Supportノート375946.1「EMCAを実行するとデータベースが停止する」および「DB Controlリポジトリ作成中に新規の接続または操作を実行できない」を参照してください。
ここでは、Database Controlオブジェクトを作成するために使用できる3つのオプションについて説明します。
Database Controlオブジェクトの作成に使用できる最初のオプションは、Database Control構成ファイルを作成することです。次のコマンドを使用すると、リポジトリ作成プロセスを実行しないでファイルを作成できます。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db -cluster
Database Controlオブジェクトの作成に使用できる2つ目のオプションは、Database Controlリポジトリ・オブジェクトおよび構成ファイルを作成することです。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -repos create
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -repos create –cluster
Database Controlオブジェクトの作成に使用できる3つ目のオプションは、次のように、クローニングしたデータベース・ホーム用にDatabase Controlリポジトリ・オブジェクトおよび構成ファイルを作成することです。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate -cluster
ここでは、Database Controlの再作成または再構成に使用できる2つのオプションについて説明します。
Database Controlの再作成に使用できる最初のオプションは、次のように、Database Control構成ファイルのみを再作成することです。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -cluster
Database Controlの再作成に使用できる2つ目のオプションは、Database Control構成ファイルおよびリポジトリを再作成することです。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate
Oracle RACデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate -cluster
注意: このコマンドにより、データベースは停止モードになります。 |
次の各項では、EMCAを使用してDatabase Controlを構成しているときに考慮する必要があるトラブルシューティングのヒントについて説明します。
Database Controlを構成した後でデータベースのリスナー・ポートを変更すると、データベースの状態がdown
と表示されます。新規のリスナー・ポートを使用するようにDatabase Controlを再構成するには、-config dbcontrol db [-cluster]
コマンドライン引数を使用してEMCAコマンドを実行します。
Oracle Enterprise Manager用に構成したOracle Database 11g リリース2データベースまたはOracle ASMインスタンス(Database ControlまたはGrid Control集中エージェント)をOracle Database 11g リリース2(11.2)データベースにアップグレードすると、該当するホスト上でアップグレードしたインスタンスを参照するすべてのEnterprise Managerターゲットが自動的に更新されます。このことが実行されるのは、アップグレードにおいてはインスタンスOracleホーム、ポートまたはその他のターゲットに関係するプロパティに変更が加えられるためです。ただし、ホスト上のこのようなターゲットの中には、Oracle Database 11g リリース2(11.2)Grid Control Agentによって管理されている場合、アップグレード中に正常に更新されないものもあります。
このようなターゲットを更新するには、アップグレードしたデータベース(またはOracle ASM)ターゲットのホームページで、「監視構成」をクリックします。「監視構成」ページでは、Oracleホームやリスナー・ポートなどのプロパティを正しい値に更新できます。
データベース・ホスト名(ドメイン名を含む)またはIPアドレスが変更された場合は、Database Controlについて、構成を解除した後、emca
コマンドの-repos recreate
フラグを使用して再構成します。たとえば、Database Controlを新規ホスト名で再作成するには、次の手順を実行します。
環境でORACLE_HOSTNAME=
old_hostname
を設定します。
次のコマンドを実行して、古いdbconsole
の構成を解除します。
単一インスタンス・データベースの場合:
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -deconfig dbcontrol db
Oracle RACの場合:
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -deconfig dbcontrol db -cluster
環境でORACLE_HOSTNAME
の設定を解除します。
次のいずれかのコマンドを実行して、新規dbconsole
を構成します。
単一インスタンス・データベースの場合は、次のように入力します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate
Oracle RACの場合は、次のように入力します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db -repos recreate -cluster
TNS構成が変更されたときには、環境変数を設定し、次のコマンドを実行します。
$ emca -config dbcontrol db
ホスト名がlocalhost
であるデスクトップ・クラス・インストールの場合、
EMCA操作またはemctl
操作を実行する前に、環境でORACLE_HOSTNAME=localhost
を設定します。
次に、EMCAエラー・メッセージとその処理手順を示します。
次のことを確認します。
ポートが使用中である場合は解放します。または、EMCAを使用してコマンドライン・オプションで空きポートを指定します。
ファイアウォールで必要なポートを開き、コマンドラインで空きポートを指定してemca -config dbcontrol db [-cluster]
コマンドを再実行します。
/etc/hosts
ファイルを確認します。これには物理ホストのエントリが含まれている必要があります。物理ホスト名を確認するには、次のコマンドを入力します。
$ CMD>hostname
次の環境変数を設定します。
$ set ORACLE_HOSTNAME=
上記コマンドの出力
次のコマンドを実行してみてください。
$ $ORACLE_HOME
/bin/emca -config dbcontrol db
これらの手順を実行して環境変数を修正した後、–config dbcontrol db
コマンドを再実行して、ポートの割当てを再試行します。
次のことを確認します。
指定したポートでリスナーが起動していない場合は、起動した後、EMCAスクリプトを再実行します。
データベース・サービスがリスナーに登録されているかどうかをチェックしてください。登録されていない場合は、登録した後、EMCAスクリプトを再実行します。
リスナーが物理ホスト名とは異なるホスト名で構成されている場合は、次のようにDatabase Controlを構成します。
$ set ORACLE_HOSTNAME
=
リスナー・ホスト
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db
リスナー・ポートが変更された場合は、新規リスナー・ポートを提供してDatabase Controlを再構成します。
$ $ORACLE_HOME/bin/emca -config dbcontrol db