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Oracle® Database管理者リファレンス
11gリリース2 (11.2) for Linux and UNIX-Based Operating Systems
B56317-12
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2 Oracleソフトウェアの停止と起動

この章では、Oracle Databaseプロセスを識別する方法と、プロセスを停止および再起動する基本的な方法について説明します。また、Oracle Databaseの起動と停止を自動化する方法についても説明します。内容は次のとおりです。


関連項目:

SRVCTLコマンドの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』および『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

2.1 Oracle Restart

Oracle Database 11gリリース2(11.2)から、データベースの起動と停止を自動化するために使用していたdbstartおよびdbshutスクリプトは、非推奨になりました。ハードウェア障害またはソフトウェア障害の発生後、あるいはデータベース・ホスト・コンピュータの再起動時に、Oracle Restart機能を使用してOracle Databaseを構成し、データベース、リスナー、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)およびその他のOracleコンポーネントを自動的に再起動します。


注意:

Oracle Restartを使用する場合、コマンドライン・インタフェースであるサービス制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用して、Oracleプロセス(データベース・インスタンス、リスナー、ASMインスタンス)を管理できます。SRVCTLを使用すると、Oracle Restart構成の管理、Oracle Restartで管理されるプロセスのステータスの確認およびOracle Databaseなどのプロセスの起動または停止が可能になります。SRVCTLは、スタンドアロン・サーバーおよびOracle Clusterwareのあるクラスタ上のOracle Restartを使用する単一インスタンス・データベースをサポートするように拡張されました。


関連項目:

自動再起動の構成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Databaseの自動再起動の構成に関する説明を参照してください

2.2 Oracleプロセスの停止と起動

この項では、Oracleプロセスを停止および起動する方法について説明します。内容は次のとおりです。

2.2.1 Oracle Databaseインスタンスおよび自動ストレージ管理インスタンスの停止と起動

この項では、Oracle Databaseインスタンスおよび自動ストレージ管理インスタンスを停止および起動する方法について説明します。

2.2.1.1 Oracle Databaseインスタンスまたは自動ストレージ管理インスタンスの停止


注意:

自動ストレージ管理を使用して記憶域を管理しているOracle Databaseインスタンスをすべて停止するまで、自動ストレージ管理インスタンスは停止しないでください。

Oracle Databaseインスタンスまたは自動ストレージ管理インスタンスを停止するには、次の手順を実行します。

  1. 停止する必要があるインスタンスのSIDおよびOracleホーム・ディレクトリを識別する場合は、次のコマンドを実行します。

    Solarisの場合

    $ cat /var/opt/oracle/oratab
    

    その他のオペレーティング・システムの場合

    $ cat /etc/oratab
    

    oratabファイルには、次のような行が含まれています。これによって、システム上の各データベース・インスタンスまたは自動ストレージ管理インスタンスのSIDおよび対応するOracleホーム・ディレクトリを識別します。

    sid:oracle_home_directory:[Y|N]
    

    注意:

    自動ストレージ管理インスタンスのSIDには、1文字目にプラス記号(+)を使用することをお薦めします。

  2. デフォルト・シェルに応じてoraenvまたはcoraenvスクリプトを実行し、停止する必要があるインスタンスの環境変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ . /usr/local/bin/oraenv
      
    • Cシェルの場合

      % source /usr/local/bin/coraenv
      

    プロンプトが表示されたら、インスタンスのSIDを指定します。

  3. 次のコマンドを実行し、インスタンスを停止します。

    $ sqlplus
    SQL> CONNECT SYS as SYSASM
    Enter password: sys_password
    SQL> SHUTDOWN NORMAL
    

    インスタンスの停止後、SQL*Plusを終了できます。

2.2.1.2 Oracle Databaseインスタンスまたは自動ストレージ管理インスタンスの再起動


注意:

データベース・インスタンスで記憶域管理に自動ストレージ管理を使用している場合は、データベース・インスタンスを起動する前に、自動ストレージ管理インスタンスを起動する必要があります。

Oracle Databaseインスタンスまたは自動ストレージ管理インスタンスを再起動するには、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、手順12を繰り返し、環境変数ORACLE_SIDおよびORACLE_HOMEを設定して、起動するインスタンスのSIDおよびOracleホーム・ディレクトリを識別します。

  2. 次のコマンドを実行し、インスタンスを起動します。

    $ sqlplus
    SQL> CONNECT SYS as SYSASM
    Enter password: sys_password
    SQL> STARTUP
    

    インスタンスの起動後、SQL*Plusを終了できます。

2.2.2 Oracle Restartの停止と起動

CRSCTLユーティリティは、Oracle Restartの起動と停止に役立ちます。Oracle Restartの起動または停止のために、srvctlコマンドは使用されなくなりました。


関連項目:

Oracle Restartの起動と停止の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Restartの起動と停止に関する説明を参照してください

2.2.3 Oracle Enterprise Manager Database Controlの停止と起動

この項では、Oracle Enterprise Manager Database Controlを停止および起動する方法について説明します。

Oracle Enterprise Manager Database Controlの停止

Oracle Enterprise Manager Database Controlを停止するには、次の手順を実行します。

  1. デフォルト・シェルに応じてoraenvまたはcoraenvスクリプトを実行し、停止するDatabase Controlで管理されているデータベースの環境を設定します。

    • coraenvスクリプトの場合:

      % source /usr/local/bin/coraenv
      
    • oraenvスクリプトの場合:

      $ . /usr/local/bin/oraenv
      
  2. 次のコマンドを実行し、Database Controlを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/emctl stop dbconsole
    

Oracle Enterprise Manager Database Controlの起動

Database Controlを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 環境変数ORACLE_SIDおよびORACLE_HOMEを設定し、起動するDatabase ControlのSIDおよびOracleホーム・ディレクトリを識別します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home
      $ ORACLE_SID=sid
      $ export ORACLE_HOME ORACLE_SID
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home
      % setenv ORACLE_SID sid
      
  2. 次のコマンドを実行し、Database Controlを起動します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/emctl start dbconsole
    

2.2.4 Oracle Management Agentの停止と起動

Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用して複数のOracle製品を中央から管理する場合は、Oracle Management Agentが各ホスト・システムにインストールされている必要があります。通常、Oracle Management Agentは固有のOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。

この項では、Oracle Management Agentを停止および起動する方法について説明します。

Oracle Management Agentの停止

Oracle Management Agentを停止するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行し、Oracle Management AgentのOracleホーム・ディレクトリを判別します。

    $ ps -ef | grep emagent
    

    このコマンドは、Oracle Management Agentプロセスに関する情報を表示します。このコマンドの出力は、次のようになります。

    94248 ?? I 0:00.18 oracle_home/agent/bin/emagent ...
    
  2. 必要に応じて環境変数ORACLE_HOMEを設定し、Oracle Management AgentのOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home
      $ export ORACLE_HOME
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home
      
  3. 次のコマンドを実行し、Oracle Management Agentを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/agent/bin/emctl stop agent
    

Oracle Management Agentの起動

Oracle Management Agentを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて環境変数ORACLE_HOMEを設定し、Oracle Management AgentのOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home
      $ export ORACLE_HOME
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home
      
  2. 次のコマンドを実行し、Oracle Management Agentを起動します。

    $ $ORACLE_HOME/agent/bin/emctl start agent