ヘッダーをスキップ
Oracle® Databaseプラットフォーム・ガイド
11gリリース2(11.2) for Microsoft Windows
B58885-08
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

9 Windows環境におけるデータベース・ユーザーの認証

この章では、Windowsオペレーティング・システム環境におけるOracle Databaseユーザーの認証について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

Windowsネイティブ認証の概要

Oracle Databaseでは、データベース・ユーザーの認証にWindowsのユーザー・ログオン資格証明を使用できます。これには次の利点があります。

  • ユーザーは、ユーザー名またはパスワードを入力しなくても、Oracle Databaseに接続できます。

  • Oracle Databaseのユーザー認証およびロール認可の情報を、Windowsで一元管理することにより、ユーザー・パスワードまたはロールの情報をOracle Databaseに格納して管理する必要がなくなります。

Windowsネイティブ認証アダプタ(Oracle Net Servicesとともに自動的にインストールされます)を使用して、Windowsによるデータベース・ユーザー認証を有効にすることができます。これにより、クライアント・コンピュータはWindowsサーバー上のOracle Databaseに安全に接続できます。その後、サーバーではユーザーによるデータベース・アクションの実行が許可されます。


注意:

  • Windowsネイティブ認証では、現在のユーザー・データベース・リンクがサポートされていません。

  • この章では、Windows XP以上におけるWindows固有の認証方法の使用について説明します。Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルおよびOracle Internet Directoryの詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』および『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。


Windowsの認証プロトコル

Windows固有の認証アダプタは、Windowsの認証プロトコルと連動して、Oracle Databaseへのアクセスを可能にします。

NTSアダプタで使用される認証メカニズムはNTLMおよびKerberosです。

クライアント・コンピュータでは、Oracle Databaseへの接続を試みるときに、認証プロトコルを指定する必要はありません。使用されるプロトコルは、Oracle Databaseによりユーザーに対して完全に透過的に判断されます。Oracle Database側の唯一の要件は、クライアントとデータベース・サーバーの両方で、次のファイル内のパラメータSQLNET.AUTHENTICATION_SERVICESntsが含まれていることです。

ORACLE_HOME\network\admin\sqlnet.ora

インストール後には、これが両方のデフォルト設定になります。

通常の場合、Oracle Databaseのネットワークにクライアント・コンピュータとデータベース・サーバーが存在し、そのネットワーク上のコンピュータが使用しているドメインや、そのドメインの下のWindowsオペレーティング・システム環境、その環境の下のOracle Databaseソフトウェア・リリースがそれぞれ異なっていることがよくあります。異なるリリースの組合せがあるということは、使用している認証プロトコルも異なっている可能性があります。


関連項目:

認証プロトコルの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

ユーザー認証およびロール認可の方式

この項では、Windowsドメインにおいて、ユーザー・ログオン資格証明が認証される方式、およびデータベース・ロールが認可される方式を説明します。表9-1に、ユーザー認証およびロール認可の定義を示します。

表9-1 ユーザー認証およびロール認可の定義

機能 説明 詳細情報の参照先

ユーザー認証

データベースが、ユーザーのWindowsログオン資格証明を使用してユーザーを認証するプロセス。

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』

ロール認可

割り当てられた一連のロールを認証済のユーザーに対して付与するプロセス。

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』


Oracle Databaseでは、Windowsドメインにおけるユーザー認証およびロール認可がサポートされています。表9-2では、これらの基本的な機能について説明します。

表9-2 ユーザー認証およびロール認可の基本的な機能

機能 説明

外部ユーザーの認証

ユーザーは、Windowsログオン資格証明を使用してデータベースにより認証され、追加のログオン資格証明を要求されずにOracle Databaseにアクセスできます。

外部ロールの認可

ロールは、Windowsローカル・グループを使用して認可されます。一度外部ロールを作成すると、データベース・ユーザーに対してそのロールを付与したり、取り消したりできます。初期化パラメータOS_ROLESは、デフォルトではfalseに設定されています。外部ロールを認可するには、OS_ROLEStrueに設定する必要があります。


使用する認証および認可の方式

表9-3では、Oracle Database環境に基づいた、ユーザー認証およびロール認可の方式について説明します。

表9-3 ユーザー認証およびロール認可の方式

方式 データベース環境

エンタープライズ・ユーザーおよびロール

複数のデータベースに多数のユーザーが接続する場合。

エンタープライズ・ユーザーは、複数のデータベース間で同じ識別情報を持ちます。エンタープライズ・ユーザーは、ディレクトリ・サーバーを使用する必要があります。

エンタープライズ・ロールは、ロールが割り当てられたエンタープライズ・ユーザーが地理的に多数の場所に存在しており、複数のデータベースにアクセスする必要がある場合に使用します。各エンタープライズ・ロールは、ディレクトリ内の複数のエンタープライズ・ユーザーに割り当てることができます。エンタープライズ・ロールを使用しない場合は、各データベース・ユーザーに手動でデータベース・ロールを割り当てる必要があります。エンタープライズ・ロールは、ディレクトリ・サーバーを使用する必要があります。

外部ユーザーおよびロール

限定された数のデータベースに少数のユーザーが接続する場合。外部ユーザーは個別に各データベースで作成する必要があり、ディレクトリ・サーバーを使用する必要はありません。

外部ロールも個別に各データベースで作成する必要があり、ディレクトリ・サーバーを使用する必要はありません。外部ロールは、システムのローカル・グループ内のユーザーのグループ・メンバーシップを使用して認可されます。



関連項目:

エンタープライズ・ユーザーおよびロールの詳細は、『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』を参照してください。

インストール時に使用可能になるオペレーティング・システムの認証

Oracle Databaseをインストールすると、ORA_DBAという特別なWindowsローカル・グループが作成され(過去のOracle Databaseインストールで作成されていない場合)、Windowsのユーザー名が自動的に追加されます。ローカル・グループORA_DBAのメンバーには、自動的にSYSDBA権限が付与されます。


注意:

データベース管理のためにドメイン・アカウントを使用する場合は、そのドメイン・アカウントにローカル管理権限とORA_DBAメンバーシップを明示的に付与する必要があります。ドメイン・アカウントが別のグループからこれらのメンバーシップを継承していても不十分です。インストールを実行するユーザーが必ず、このドメイン・アカウントと同じドメインにいるようにしてください。そうでない場合は、NTS認証が失敗します。

ORA_DBAのメンバーシップにより、次のことが可能です。

  • 次のコマンドを使用し、パスワードなしでOracle Databaseのローカル・インスタンスに接続できます。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
  • 次のコマンドを使用し、パスワードなしでOracle Databaseのリモート・サーバーに接続できます。

    SQL> CONNECT /@net_service_name AS SYSDBA 
    

    net_service_nameは、Oracle Databaseのリモート・サーバーのネット・サービス名です。

  • ローカル・データベースの起動および停止など、データベース管理手順を実行できます。

  • 別のWindowsユーザーをORA_DBAに追加し、そのユーザーにSYSDBA権限を付与できます。