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Oracle® Databaseプラットフォーム・ガイド
11gリリース2(11.2) for Microsoft Windows
B58885-08
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14 Windows用のOracle Database仕様

Oracle Database for Windowsでは、インスタンスが起動されるたびに、初期化パラメータを使用して各種データベース機能を使用できるようにします。

この章の項目は次のとおりです。

初期化パラメータ・ファイルの概要

初期化パラメータ・ファイルは、パラメータを含むASCIIテキスト・ファイルです。初期化パラメータ・ファイル内のパラメータおよび値を変更することによって、たとえば次のことを指定できます。

  • Oracle Databaseで使用されるメモリー量

  • いっぱいになったオンラインREDOログ・ファイルをアーカイブするかどうか

  • 現在存在する制御ファイル

それぞれのデータベース・インスタンスには、対応する初期化パラメータ・ファイルと、そのインスタンスのシステム識別子を指定するORACLE_SIDレジストリ・パラメータが含まれています。

初期化パラメータ・ファイルの名前はinit.oraという形式です。1つのインスタンスに対して初期化パラメータ・ファイルの数が複数になることがありますが、その場合、それぞれのファイルには、システムのパフォーマンスに与える影響という点でなんらかの違いがあります。


注意:

初期化パラメータ用のinit.oraファイルは、Oracle Universal Installerによりデータベース・インストール中に設定されます。これらのパラメータ設定は、ハードウェア構成の違いに応じて、異なる可能性があります。すべての初期化パラメータの説明と、初期化パラメータの値の設定方法および表示方法の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

初期化パラメータ・ファイルの場所

データベースの起動時にオプションのPFILEで別の初期化ファイルを指定しない場合、Oracle Databaseではデフォルトで次の場所にある初期化パラメータ・ファイルを使用します。

ORACLE_HOME\Database\init.ora

注意:

SQLスクリプトを使用して手動でデータベースを作成する場合は、初期化パラメータ・ファイルを作成するか、または既存の初期化パラメータ・ファイルをコピーしてその内容を変更する必要があります。Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成する場合は、初期化パラメータ・ファイルが自動的に作成されます。

初期化パラメータ・ファイルの編集

Oracle Databaseの機能をカスタマイズするために、初期化パラメータ・ファイルの編集が必要になる場合があります。このファイルの変更に使用できるのは、ASCIIテキスト・エディタのみです。

Database Configuration Assistantによるinit.oraの名前変更

Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)が初期化パラメータ・ファイルから作成され、初期化パラメータ・ファイルの名前が変更されます。Oracleは、名前変更されたファイルを初期化パラメータ・ファイルとして認識せず、インスタンスの開始後には使用しません。

Database Configuration Assistantで作成されたインスタンスを起動後に変更するには、ALTER SYSTEM文を使用する必要があります。サーバー・パラメータ・ファイルは、テキスト・エディタを使用して参照または表示できないバイナリ・ファイルであるため、このファイル自体は変更できません。新規に作成されたサーバー・パラメータ・ファイルの場所は、ORACLE_HOME\databaseです。サーバー・パラメータ・ファイル名は、spfileSID.oraです。


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』のサーバー・パラメータ・ファイルを使用した初期化パラメータの管理に関する項

サンプル・ファイル

Oracle Databaseには、注釈付きのサンプル初期化パラメータ・ファイルが、初期化パラメータに指定できる代替値とともに用意されています。このようなパラメータの値や注釈は、先頭にコメント記号(#)が付いており、処理対象にはならないようになっています。特定のパラメータをアクティブにするには、先頭にある#記号を削除します。特定のパラメータを非アクティブにするには、初期化パラメータ・ファイルを編集してそのパラメータにコメント記号を追加します。サンプル・ファイルの名前はinitsmpl.oraで、次の場所にあります。

ORACLE_HOME\admin\sample\pfile. 

初期データベースをインストールした場合、初期化パラメータ・ファイルは、同じディレクトリにある初期データベースで使用されます。Oracle Databaseの初期化パラメータ・ファイルを新規に作成する場合、そのベースとしてinitsmpl.oraまたは初期データベースのinit.oraのいずれかを使用できます。

サンプル・ファイルinitsmpl.oraをデータベース作成時に使用するには、次のようにします。

  1. サンプル・ファイル名をinit.oraに変更します。

  2. このファイルを編集します。最低限、データベース制御ファイルの正しい場所とデータベースの名前を反映するようにします。

次に、代替パラメータのアクティブ化と非アクティブ化の2つの例を示します。3種類の値が指定された初期化パラメータがあり、それぞれ、小規模、中規模、大規模のシステム・グローバル領域を作成できます。最初の例では、小規模なSGAを作成するパラメータが有効です。

  db_block_buffers = 200  # SMALL 
# db_block_buffers = 550  # MEDIUM 
# db_block_buffers = 3200 # LARGE 

中規模のSGAを作成するには、SMALLのパラメータ定義をコメントにしてから、MEDIUMのパラメータ定義を有効にします。次の2番目の例のように初期化パラメータ・ファイルを編集します。

# db_block_buffers = 200  # SMALL 
  db_block_buffers = 550  # MEDIUM 
# db_block_buffers = 3200 # LARGE 

SGA_MAX_SIZEパラメータ

パラメータSGA_MAX_SIZEには、特定のインスタンスのためのシステム・グローバル領域(SGA)の最大サイズが指定されます。Oracle9iリリース1(9.0.1)以上では、インスタンスの実行中にOracle DatabaseでSGA構成を変更できます。これにより、インスタンスを停止しなくてもバッファ・キャッシュ、共有プールおよびラージ・プールのサイズを変更できます。

Oracle Databaseでは、不十分なサイズに構成されたインスタンスを起動し、SGAをSGA_MAX_SIZEの最大値まで拡張することによってインスタンスがより多くのメモリーを使用できるようにすることが可能です。SGA_MAX_SIZE値が指定されていない場合、Oracle Databaseでは、初期化時に指定された、またはデフォルトで選択されたすべてのコンポーネントの合計であるデフォルト値を選択します。初期化パラメータ・ファイルで指定されたSGA_MAX_SIZEが、初期化時に指定された、またはデフォルトで選択されたすべてのコンポーネントの合計よりも小さい場合、初期化パラメータ・ファイルのSGA_MAX_SIZEの設定は上限として使用されます。


関連項目:

  • SGA初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

  • SGAおよびそのコンポーネントの詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。


Oracle Enterprise Manager(またはSQL*Plus)を使用する際、インスタンスのSGAに割り当てられたメモリーがインスタンス起動時に表示されます。SQL*PlusでSHOW文をSGA句とともに使用して、現行のインスタンスのSGAサイズを表示することもできます。

Windows固有の値を持たない初期化パラメータ

『Oracle Databaseリファレンス』には、オペレーティング・システム固有の多くの初期化パラメータのデフォルト値が記載されています。ただし、オペレーティング・システム固有値を持つと説明されているパラメータでも、Windowsに影響しないものもあります。このような場合、Windowsでは、Oracle Databaseカーネルに設定されているデフォルト値を使用しているか、あるいはそのパラメータを使用していません。表14-1に、これらの初期化パラメータを示します。

表14-1 Windows固有の値を持たない初期化パラメータ

パラメータ 説明

AUDIT_FILE_DEST

WindowsでサポートされるXML形式の監査ファイルを作成します。

DB_WRITER_PROCESSES

サポートされていますが、Windows非同期I/O機能があるため通常は不要です。

COMPATIBLE_NO_RECOVERY

Oracle Databaseカーネルに設定されているデフォルト値が使用されます(Windows固有の値ではありません)。

BACKGROUND_CORE_DUMP

Oracle Databaseでバックグラウンド・プロセスのコア・ファイルにSGAを含めるかどうかを指定します。

SHADOW_CORE_DUMP

Oracle Databaseでフォアグラウンド(クライアント)・プロセスのコア・ファイルにSGAを含めるかどうかを指定します。

CORE_DUMP_DEST

Oracle Databaseでコア・ファイルをダンプするディレクトリを指定します。

CPU_COUNT

Oracle Databaseにより、この値はOracle Databaseインスタンスが利用できるプロセッサの数に自動的に設定されます。

HI_SHARED_MEMORY_ADDRESS

Windowsには該当しません。

SHARED_MEMORY_ADDRESS

Windowsには該当しません。

LARGE_POOL_SIZE

使用可能メモリーにより制限される最大値が使用されます。

LOG_BUFFER

初期データベースでは、Oracle Databaseカーネルに設定されている値が使用されます(Windows固有の値ではありません)。Database Configuration Assistantの「カスタム」データベース作成オプションを使用すると、このパラメータの値をカスタマイズできます。

SPIN_COUNT

Oracle Databaseカーネルに設定されているデフォルト値が使用されます(Windows固有の値ではありません)。


初期化パラメータの値の表示

Windows固有のパラメータ値を表示するには、ASCIIエディタで次の初期化パラメータ・ファイルを開きます。

ORACLE_HOME\admin\db_name\pfile\init.ora

初期化パラメータ・ファイルかOracle Databaseカーネルに設定されているパラメータ値をすべて表示するには、SQL*Plusのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。

SQL> SHOW PARAMETER parameter_name

parameter_nameは、特定の初期化パラメータの名前です。

編集できないデータベース初期化パラメータ

新規データベースを作成するときは、表14-2の初期化パラメータを確認します。データベースを作成した後でこれらの初期化パラメータを変更することはできません。初期化パラメータの変更手順を含め、新規データベースの作成方法の詳細は、第3章「Windowsでのインストール後のデータベース作成」を参照してください。

表14-2 編集できないデータベース初期化パラメータ

パラメータ 説明

CHARACTER SET

使用するデータベースのグローバリゼーション・サポート・キャラクタ・セットを指定します。このパラメータを設定できるのは、データベース作成時のみです。

DB_BLOCK_SIZE

Oracle Databaseブロックの標準サイズをバイト数で指定します。

DB_NAME

作成するデータベースの名前を指定します。データベース名は、8文字以下の文字列です。データベースの名前は変更できません。



注意:

これは、初期化パラメータではなく、CREATE DATABASE文の句です。この句の使用例については、第3章「Windowsでのインストール後のデータベース作成」を参照してください。

データベース制限の計算

この項に記載されているサイズのガイドラインを使用して、Oracle Databaseの制限を計算します。

表14-3 ブロック・サイズのガイドライン

タイプ サイズ

最大ブロック・サイズ

16,384バイト(16KB)

最小ブロック・サイズ

2KB

ファイルごとの最大ブロック

4,194,304ブロック

ブロック・サイズが16Kの場合のファイル・サイズの最大値

64GB
(4,194,304×16,384)= 64GB


表14-4 データベースごとの最大ファイル数

ブロック・サイズ ファイル数

2KB

20,000

4KB

40,000

8KB

65,536

16KB

65,536


表14-5 最大ファイル・サイズ

タイプ サイズ

FATファイルの場合の最大ファイル・サイズ

4GB

NTFSの場合の最大ファイル・サイズ

16EB

データベース・サイズの最大値

65,536×64GB(約4PB)

最大制御ファイル・サイズ

20,000ブロック