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Oracle® Provider for OLE DB開発者ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58886-03
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1 Oracle Provider for OLE DBの概要

この章では、Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)の概要を示します。

この章の項目は次のとおりです。

OLE DBの概要

OLE DBは、オープンで標準的なデータ・アクセス方法であり、様々なタイプのデータに対するアクセスおよび操作において、一連のComponent Object Model(COM)インタフェースを使用します。このインタフェースは様々なデータベース開発元から提供されています。

OLE DBの設計

OLE DBの設計の中心となるのは、コンシューマおよびプロバイダの概念です。図1-1にOLE DBシステムを示します。コンシューマは旧来のクライアントを表します。プロバイダはデータを表形式で格納し、コンシューマにデータを返します。

図1-1 OLE DBの流れ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 OLE DBの流れ」の説明

OLE DBデータ・プロバイダ

OLE DBデータ・プロバイダは、データソースからコンシューマにデータを転送する一連のCOMコンポーネントです。OLE DBプロバイダは、コンシューマからのコールに応答して、そのデータを表形式で格納します。プロバイダは、単純にも複雑にもできます。プロバイダは、表を返すこと、コンシューマがその表形式を決定すること、そのデータに対して操作を実行することができます。

各プロバイダはコンシューマからの要求を処理する標準COMセットを実装します。プロバイダは、追加機能を提供するCOMインタフェースをオプションとして実装できます。

標準インタフェースにより、どのプロバイダからのデータに対しても、すべてのOLE DBコンシューマからアクセスできます。COMコンポーネントにより、コンシューマはC++、Visual BasicおよびJavaなど、COMをサポートする任意のプログラム言語でアクセスできます。

OLE DBデータ・コンシューマ

OLE DBデータ・コンシューマは、プロバイダのOLE DBインタフェースを利用して様々なデータにアクセスするためのアプリケーションまたはツールです。

OraOLEDBの概要

Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)は、高いパフォーマンスを提供し、OLE DBコンシューマがOracleデータへ効率的にアクセスできるようにするOLE DBデータ・プロバイダです。

通常、この開発者ガイドでは、OLE DBまたはADOを介してOraOLEDBを使用していることを想定しています。

.NETフレームワークの出現により、OraOLEDBでのOLEDB.NETデータ・プロバイダの使用がサポートされるようになりました。適切な接続属性を設定することで、OLEDB.NETデータ・プロバイダでOraOLEDBを利用してOracle Databaseにアクセスできます。


関連項目:

OLEDB.NETデータ・プロバイダのサポートの詳細は、「OLEDB.NETデータ・プロバイダの互換性」を参照

システム要件

Oracle Provider for OLE DBを使用するシステムには次の要件が必要です。

  • Windowsオペレーティング・システム。

    • 32-bit: Windows 7(Professional、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Vista(Business、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Server 2008(Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2003 R2(すべてのエディション)、Windows Server 2003(すべてのエディション)またはWindows XP Professional Edition。

      Oracleでは、x86、AMD64およびIntel EM64Tプロセッサのこれらのオペレーティング・システムで、32-bit Oracle Provider for OLE DBがサポートされます。

    • x64: Windows 7 x64(Professional、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Vista x64 (Business、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Server 2008 R2 x64(Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2008 x64 (Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2003 x64(すべてのエディション)、Windows Server 2003 R2 x64(すべてのエディション)またはWindows XP x64。

      Oracleでは、これらのWindows x64オペレーティング・システムで、32-bit Oracle Provider for OLE DBおよび64-bit Oracle Provider for OLE DBがサポートされます。

  • Oracle Database(Oracle 9.2以上)へのアクセス

  • Oracle ClientおよびOracle Net Services(Oracle Provider for OLE DBのインストールに付属)。

  • Microsoft Data Access Components (MDAC) 2.1以上で提供される再配布可能ファイルは、プロバイダで必要です。これらのファイルは、次のMicrosoft社のWebサイトから入手できます。

    http://msdn.microsoft.com/en-us/data/aa937730.aspx 
    
  • Oracle Services for Microsoft Transaction Server(リリース11.2以上)。Microsoft Transaction Server(MTS)またはCOM+を使用するコンシューマに必要です。

OraOLEDBのインストール

Oracle Provider for OLE DBは、Oracleのインストールに含まれています。これには、この製品を使用して実際の問題を解決する方法を例示する機能およびデモが含まれています。


関連項目:

インストールの手順は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照

インストール・プロセス中に、表1-1にリストされているファイルがシステムにインストールされます。一部のファイル名にあるverは、リリース・バージョンを示しています。

表1-1 Oracle Provider for OLE DBファイル

ファイル 説明 場所

OraOLEDBver.dll

Oracle Provider for OLE DB

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrfcver.dll

Oracle行セット・ファイル・キャッシュ・マネージャ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrmcver.dll

Oracle行セット・メモリー・キャッシュ・マネージャ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrstver.dll

Oracle行セット

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBgmrver.dll

Oracle ODBC SQLパーサー

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBlangver.dll

(langは必要な言語)

言語固有のリソースDLL

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBpusver.dll

プロパティの説明

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDButlver.dll

OraOLEDBユーティリティDLL

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBver.tlb

OraOLEDBタイプ・ライブラリ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDB.h

OraOLEDBヘッダー・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\include

OraOLEDBver.lib

OraOLEDBライブラリ・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\lib

OraOLEDBlang.msb

(langは必要な言語)

言語固有のメッセージ・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\mesg

READMEおよびドキュメント・ファイル

リリース・ノートおよびオンライン・マニュアル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\directory

サンプル・ファイル

サンプル・コード

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\samples


コンポーネントの動作保証

オラクル社では、各種プラットフォーム上のコンポーネントに関するサポート情報、互換性のあるクライアントとデータベース・バージョンの一覧、ならびにパッチと対処方法の情報を提供しています。

最新の動作保証情報は、次のURLでMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。

http://metalink.oracle.com/

My Oracle Supportを使用するには、オンラインでの登録が必要です。My Oracle Supportにログインした後、左側の列から「製品ライン」を選択します。「製品ライン」ページから「動作保証」をクリックします。その他の製品ライフサイクル・オプションには、「製品アベイラビリティ」、「サポート終了日のご案内」および「アラート」などがあります。