この章では、Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)の概要を示します。
この章の項目は次のとおりです。
OLE DBは、オープンで標準的なデータ・アクセス方法であり、様々なタイプのデータに対するアクセスおよび操作において、一連のComponent Object Model(COM)インタフェースを使用します。このインタフェースは様々なデータベース開発元から提供されています。
OLE DBの設計の中心となるのは、コンシューマおよびプロバイダの概念です。図1-1にOLE DBシステムを示します。コンシューマは旧来のクライアントを表します。プロバイダはデータを表形式で格納し、コンシューマにデータを返します。
OLE DBデータ・プロバイダ
OLE DBデータ・プロバイダは、データソースからコンシューマにデータを転送する一連のCOMコンポーネントです。OLE DBプロバイダは、コンシューマからのコールに応答して、そのデータを表形式で格納します。プロバイダは、単純にも複雑にもできます。プロバイダは、表を返すこと、コンシューマがその表形式を決定すること、そのデータに対して操作を実行することができます。
各プロバイダはコンシューマからの要求を処理する標準COMセットを実装します。プロバイダは、追加機能を提供するCOMインタフェースをオプションとして実装できます。
標準インタフェースにより、どのプロバイダからのデータに対しても、すべてのOLE DBコンシューマからアクセスできます。COMコンポーネントにより、コンシューマはC++、Visual BasicおよびJavaなど、COMをサポートする任意のプログラム言語でアクセスできます。
OLE DBデータ・コンシューマ
OLE DBデータ・コンシューマは、プロバイダのOLE DBインタフェースを利用して様々なデータにアクセスするためのアプリケーションまたはツールです。
Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)は、高いパフォーマンスを提供し、OLE DBコンシューマがOracleデータへ効率的にアクセスできるようにするOLE DBデータ・プロバイダです。
通常、この開発者ガイドでは、OLE DBまたはADOを介してOraOLEDBを使用していることを想定しています。
.NETフレームワークの出現により、OraOLEDBでのOLEDB.NETデータ・プロバイダの使用がサポートされるようになりました。適切な接続属性を設定することで、OLEDB.NETデータ・プロバイダでOraOLEDBを利用してOracle Databaseにアクセスできます。
Oracle Provider for OLE DBを使用するシステムには次の要件が必要です。
Windowsオペレーティング・システム。
32-bit: Windows 7(Professional、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Vista(Business、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Server 2008(Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2003 R2(すべてのエディション)、Windows Server 2003(すべてのエディション)またはWindows XP Professional Edition。
Oracleでは、x86、AMD64およびIntel EM64Tプロセッサのこれらのオペレーティング・システムで、32-bit Oracle Provider for OLE DBがサポートされます。
x64: Windows 7 x64(Professional、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Vista x64 (Business、EnterpriseおよびUltimateの各エディション)、Windows Server 2008 R2 x64(Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2008 x64 (Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationの各エディション)、Windows Server 2003 x64(すべてのエディション)、Windows Server 2003 R2 x64(すべてのエディション)またはWindows XP x64。
Oracleでは、これらのWindows x64オペレーティング・システムで、32-bit Oracle Provider for OLE DBおよび64-bit Oracle Provider for OLE DBがサポートされます。
Oracle Database(Oracle 9.2以上)へのアクセス
Oracle ClientおよびOracle Net Services(Oracle Provider for OLE DBのインストールに付属)。
Microsoft Data Access Components (MDAC) 2.1以上で提供される再配布可能ファイルは、プロバイダで必要です。これらのファイルは、次のMicrosoft社のWebサイトから入手できます。
http://msdn.microsoft.com/en-us/data/aa937730.aspx
Oracle Services for Microsoft Transaction Server(リリース11.2以上)。Microsoft Transaction Server(MTS)またはCOM+を使用するコンシューマに必要です。
Oracle Provider for OLE DBは、Oracleのインストールに含まれています。これには、この製品を使用して実際の問題を解決する方法を例示する機能およびデモが含まれています。
関連項目: インストールの手順は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照 |
インストール・プロセス中に、表1-1にリストされているファイルがシステムにインストールされます。一部のファイル名にあるver
は、リリース・バージョンを示しています。
表1-1 Oracle Provider for OLE DBファイル
ファイル | 説明 | 場所 |
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Oracle Provider for OLE DB |
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Oracle行セット・ファイル・キャッシュ・マネージャ |
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Oracle行セット・メモリー・キャッシュ・マネージャ |
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Oracle行セット |
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Oracle ODBC SQLパーサー |
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( |
言語固有のリソースDLL |
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プロパティの説明 |
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OraOLEDBユーティリティDLL |
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OraOLEDBタイプ・ライブラリ |
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OraOLEDBヘッダー・ファイル |
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OraOLEDBライブラリ・ファイル |
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( |
言語固有のメッセージ・ファイル |
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READMEおよびドキュメント・ファイル |
リリース・ノートおよびオンライン・マニュアル |
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サンプル・ファイル |
サンプル・コード |
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オラクル社では、各種プラットフォーム上のコンポーネントに関するサポート情報、互換性のあるクライアントとデータベース・バージョンの一覧、ならびにパッチと対処方法の情報を提供しています。
最新の動作保証情報は、次のURLでMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。
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