Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B55911-01 |
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この付録では、Oracle Identity Managementをサイレント・モードでインストールする方法について説明します。内容は次のとおりです。
サイレント・インストールでは、画面表示出力や、ユーザーによる入力が不要であるため、Oracle Identity Managementのインストールを監視する必要はありません。
Oracle Identity Managementのサイレント・インストールを実行するには、-silentフラグを付けてインストーラを起動し、コマンドラインからレスポンス・ファイルを指定します。レスポンス・ファイルは、インストーラ・プロンプトへの応答になる変数およびパラメータ値が含まれるテキスト・ファイルです。
このトピックでは、サイレント・インストールを実行する前に、必要になる可能性がある作業について説明します。このトピックの内容は次のとおりです。
インストーラは、Oracleインベントリ・ディレクトリを使用して、システムにインストールしたすべてのOracle製品を追跡します。インベントリ・ディレクトリは、oraInst.loc.という名前のファイルに格納されます。このファイルがすでにシステムに存在しない場合、サイレント・インストールを開始する前に作成する必要があります。
存在しない場合、次の手順を実行してoraInst.locファイルを作成します。
rootユーザーとしてログインします。
テキスト・エディタ(viやemacsなど)を使用して、任意のディレクトリにoraInst.locファイルを作成します。ファイルの内容は、次の2行です。
inventory_loc=oui_inventory_directory inst_group=oui_install_group
oui_inventory_directoryは、インストーラでインベントリ・ディレクトリを作成するディレクトリへのフルパスに置き換えます。oui_install_groupは、メンバーがこのディレクトリへの書込み許可を持っているグループの名前に置き替えます。
rootユーザーを終了します。
注意: UNIXプラットフォーム上でサイレント・インストールを実行した後で、rootユーザーとしてORACLE_HOME/root.shスクリプトを実行する必要があります。root.shスクリプトによって環境変数の設定が検出され、ローカルのbinディレクトリのフルパスが入力できるようになります。 |
Oracle Identity Managementをシステムにインストールしなかった場合、次のレジストリ・キーおよび値を作成する必要があります。
HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Oracle / inst_loc = [inventory_directory]
inventory_directoryは、インストーラ・ファイルへのフルパスに置き替えます。例: C:Program Files\Oracle\Inventory
サイレント・インストールを実行する前に、インストール固有の情報をレスポンス・ファイルに指定する必要があります。レスポンス・ファイルは、テキスト・エディタで作成または編集できるテキスト・ファイルです。正しく構成されていないレスポンス・ファイルを使用してサイレント・インストールしようとすると、インストーラは失敗します。
インストール・メディアに、デフォルトのレスポンス・ファイルがいくつか含まれています。それをテンプレートとして使用して、環境に合せてカスタマイズすることができます。このデフォルトのレスポンス・ファイルは、UNIXではDisk1/stage/Responseディレクトリ、WindowsではDisk1\stage\Responseディレクトリにあります。
インストール・メディアに含まれるデフォルトのレスポンス・ファイルのリストを次に示します。
im_install_only.rsp: このレスポンス・ファイルは、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールはするが、構成は行わない場合に使用します。
im_install_config.rsp: このレスポンス・ファイルは、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールして、構成する場合に使用します。
im_config_only.rsp: インストール済のコンポーネントを構成するには、このレスポンス・ファイルをORACLE_HOME/bin/にあるOracle Identity Management 11gリリース1(11.1.1)構成ウィザード(config.shスクリプトまたはconfig.bat)とともに使用します。
レスポンス・ファイルには、インストーラが必要とするパスワードの一部が含まれます。レスポンス・ファイル内のパスワードに関するセキュリティ上の問題を最小限にするには、次のガイドラインに従います。
サイレント・インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザー以外は読み取ることができないように、レスポンス・ファイルに権限を設定します。
可能な場合は、サイレント・インストールの完了後に、システムからレスポンス・ファイルを削除します。
Oracle Identity Managementのサイレント・インストールを実行するには、-silentフラグを付けてインストーラを起動し、コマンドラインからレスポンス・ファイルを指定します。
UNIXの場合
UNIXシステム上でコマンドラインからインストーラを実行するための構文を次に示します。
runInstaller [-mode] [-options] [(COMMAND_LINE_VARIABLE=VARIABLE_VALUE)*]
次に例を示します。
./runInstaller -silent -response FILE
Windowsの場合
Windowsシステム上でコマンドラインからインストーラを実行するための構文を次に示します。
setup.exe [-mode] [-options] [(COMMAND_LINE_VARIABLE=VARIABLE_VALUE)*]
次に例を示します。
setup.exe -silent -response FILE
表B-1に、サポートされているインストーラのコマンドライン・パラメータをリストして、説明します。
表B-1 インストーラのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
インストール・モード - 指定できるモードは1つのみです。 |
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-i | -install |
インストーラをGUIモードで起動します。これはデフォルトのモードで、コマンドラインでモードを指定しない場合に使用されます。 |
-silent |
サイレント・モードでインストールします。インストーラに、レスポンス・ファイル、またはコマンドラインの変数-値ペアを渡す必要があります。 |
-d | -deinstall |
削除のために、インストーラをGUIモードで起動します。 |
-p | -prerequisite |
GUIモードでインストーラを起動しますが、前提条件のチェックのみ行います。ソフトウェアはインストールされません。 |
-v | -validate |
GUIモードでインストーラを起動し、すべての前提条件チェックと妥当性チェックを実行しますが、ソフトウェアはインストールしません。 |
-sv | -silentvalidate |
すべての前提条件チェックと妥当性チェックを、サイレント・モードで実行します。インストーラに、レスポンス・ファイル、またはコマンドラインの変数-値ペアを渡す必要があります。 |
インストール・オプション |
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-help | --help | --usage |
runInstallerコマンドの使用方法のパラメータを表示します。 |
-invPtrLoc file |
インベントリ場所ファイルへのポインタです。fileを、oraInst.locファイルのフルパスと名前に置き替えます。 |
-response file | -responseFile file |
レスポンス・ファイルへのポインタです。fileを、レスポンス・ファイルのフルパスと名前に置き替えます。 |
-jreLoc location |
Java Runtime Environment(JRE)がインストールされる場所へのポインタです。locationを、JREがインストールされるjreディレクトリへのフルパスに置き替えます。 |
-logLevel level |
インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルより優先順位が低いすべてのメッセージが記録されます。有効なレベルは次のとおりです。
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-debug |
インストーラからデバッグ情報を入手します。 |
-force |
空でないディレクトリでサイレント・インストールを続行できます。 |
-printdiskusage |
ディスク使用量に関連するログ・デバッグ用情報です。 |
-printmemory |
メモリー使用量に関連するログ・デバッグ用情報です。 |
-printtime |
使用時間に関連するログ・デバッグ用情報です。このコマンドにより、timeTakentimestamp.logファイルが作成されます。 |
-waitforcompletion |
Windowsのみ。インストーラは、Javaエンジンを生成して終了せず、完了を待機します。 |
-noconsole |
メッセージをコンソール・ウィンドウに表示しません。 |
-ignoreSysPrereqs |
システム前提条件チェックの結果を無視して、インストールを継続します。 |
-executeSysPrereqs |
システム前提条件チェックのみ実行して、終了します。 |
-paramFile file |
oraparam.iniファイルへのフルパスを指定します。このファイルは、インストーラのための初期化ファイルです。このファイルのデフォルトの場所は、Disk1/install/platformです。 |
-novalidation |
インストーラが実行したすべての妥当性チェックを無効にします。 |
-nodefaultinput |
GUIインストールの場合、いくつかの画面は、情報やデフォルト値が事前に入力されています。このオプションを指定するとその動作が無効になり、情報や値が事前に入力されません。 |
コマンドライン変数 |
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インストーラ変数 |
インストーラ変数を指定するには、「varName=value」を使用します。次に例を示します。 ORACLE_HOME=/scratch/install/Oracle_IDM1 |
セッション変数 |
セッション変数を指定するには、「session:varName=value」を使用します。 |