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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B56238-01
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5 Oracle BPEL Process Managerの基本操作

この章では、Oracle BPEL Process Managerの基本操作について説明します。 アクティビティ、パートナ・リンク、アダプタなど、BPELの主要な設計機能も説明します。

項目は次のとおりです。

5.1 BPELプロセス・サービス・コンポーネントの概要

この項では、設計環境でのBPELプロセス・サービス・コンポーネントの概要を説明します。

5.1.1 BPELプロセス・サービス・コンポーネントの追加方法

BPELプロセス・サービス・コンポーネントはSOAコンポジット・エディタで追加します。

BPELプロセス・サービス・コンポーネントを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 表5-1の説明に従って、Oracle JDeveloperを起動します。

    表5-1 Oracle JDeveloperの起動

    起動対象 Windowsでの手順 UNIXでの手順

    Oracle JDeveloper


    JDev_Oracle_Home\jdeveloper\JDev\bin\jdev.exeをクリックするか、ショートカットを作成します。

    $ORACLE_HOME/jdev/bin/jdev


  2. 次のいずれかの方法を使用して、BPELプロセス・サービス・コンポーネントを追加します。

    既存のSOAコンポジット・アプリケーションのサービス・コンポーネントとして追加する方法:

    1. 「コンポーネント・パレット」からSOAコンポジット・エディタにBPELプロセス・サービス・コンポーネントをドラッグします。

    新規アプリケーションに追加する方法:

    1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、「ファイル」「新規」「アプリケーション」「SOAアプリケーション」の順に選択します。

      これにより、SOAアプリケーションの作成ウィザードが起動します。

    2. 「アプリケーション名」ダイアログで、「アプリケーション名」フィールドにアプリケーション名を入力します。

    3. 「ディレクトリ」フィールドに、SOAコンポジット・アプリケーションおよびプロジェクトを作成するディレクトリ・パスを入力します。

    4. 「次へ」をクリックします。

    5. 「プロジェクト名」ダイアログで、「プロジェクト名」フィールドに名前を入力します。

    6. 「次へ」をクリックします。

    7. プロジェクトのSOA設定ダイアログで、「BPELを使用するコンポジット」を選択します。

    8. 「終了」をクリックします。

    どちらの方法でも、図5-1に示す「BPELプロセスの作成」ダイアログが表示されます。

    図5-1 「BPELプロセスの作成」ダイアログ

    BPELプロセスの作成
    「図5-1 「BPELプロセスの作成」ダイアログ」の説明

  3. BPELプロセス名などの必要な詳細を指定します。 作成できるBPELプロセスのタイプの詳細を参照する場合は、「ヘルプ」をクリックします。

    BPELプロセスの作成時は、必ず完全に一意の名前を使用してください。 次のような名前のプロセスは作成しないでください。

    • 先頭が数値のプロセス名(1SayHelloなど)。

    • ハイフンを含むプロセス名(Say-Helloなど)。

    • 同じ名前で、大/小文字が異なる2つのプロセス名(SayHellosayhelloなど)。

    • 500文字を超えるプロセス名。

    • ASCIIでないプロセス名(図5-2を参照)。 BPELプロセス名はSOAプロジェクトのディレクトリおよびファイルの名前に使用されます。そのため、ASCII以外の文字を使用すると問題が発生する可能性があります。

      図5-2 ASCIIでないBPELプロセス名

      図5-2の説明は次にあります。
      「図5-2 ASCIIでないBPELプロセス名」の説明

  4. 「OK」をクリックします。

図5-3に示すセクションがOracle BPELデザイナに表示されます。

図5-3 Oracle JDeveloperのセクション

図5-3の説明は次にあります。
「図5-3 Oracle JDeveloperのセクション」の説明

Oracle BPELデザイナの各セクションを使用して、特定の設計およびデプロイメント・タスクを実行できます。

  • アプリケーション・ナビゲータ

  • 「設計」ウィンドウ

  • 「ソース」ウィンドウ

  • 「履歴」ウィンドウ

  • コンポーネント・パレット

  • プロパティ・インスペクタ

  • 「構造」ウィンドウ

  • 「ログ」ウィンドウ

これらのセクションの説明は、第2.1項「SOAコンポジット・エディタの概要」を参照してください。


注意:

これらのセクションの詳細を参照する場合、該当するセクション内にカーソルを置いて[F1]を押し、オンライン・ヘルプを表示することもできます。

5.2 アクティビティの概要

アクティビティは、BPELプロセス・サービス・コンポーネントのビルディング・ブロックです。 Oracle BPELデザイナには、BPELプロセス・サービス・コンポーネントにドラッグする一連のアクティビティが用意されています。アクティビティの属性(プロパティ値)を定義するには、そのアクティビティをダブルクリックします。アクティビティを使用すると、BPELプロセス・サービス・コンポーネント内で特定のタスクを実行できます。 次に、いくつかの主要なアクティビティの例を示します。

図5-7に、プロパティ・ウィンドウ(ここではinvokeアクティビティ)の例を示します。 この例では、StoreFrontServiceという名前のパートナ・リンクを起動し、その属性を定義しています。

図5-7 invokeアクティビティの例

図5-7の説明は次にあります。
「図5-7 invokeアクティビティ」の説明

このinvokeアクティビティを使用すると、サービス(パートナ・リンクで識別)に対して起動する操作を指定できます。操作は、サービスによって指定されたポートでの一方向またはリクエスト/レスポンスです。invokeアクティビティで変数を自動的に作成することも可能です。 invokeアクティビティは、同期サービスを起動するか、非同期Webサービスを開始します。

invokeアクティビティは、プロセス内でデータを送受信するためのポートをオープンします。このポートを使用して、必要なデータの送信およびレスポンスの受信を行います。同期コールバックの場合、関数の送受信に必要なポートは1つのみです。

アクティビティの詳細は、付録A「BPELプロセスのアクティビティとサービス」および『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteアプリケーションの作成および実行のためのチュートリアル』を参照してください。

5.3 パートナ・リンクの概要

パートナ・リンクを使用すると、BPELプロセス・サービス・コンポーネントと対話する外部サービスを定義できます。 パートナ・リンクは、SOAコンポジット・エディタまたはOracle BPELデザイナのBPELプロセス・サービス・コンポーネント内にサービスまたは参照(JCAアダプタ経由など)として定義できます。 図5-8に、パートナ・リンク・アイコン(この例ではWriteRecordという名前)を示します。

図5-8 パートナ・リンク・アイコン

図5-8の説明は次にあります。
「図5-8 パートナ・リンク・アイコン」の説明

パートナ・リンク・タイプは、対話において各サービスが果たす役割を定義すること、および対話の中でメッセージを受信するために各サービスが提供するポート・タイプを指定することで、2つのサービス間での対話関係の特性を決定します。

図5-9に、サービスに対するパートナ・リンクの属性の例を示します。

図5-9 「パートナ・リンク」ダイアログ

図5-9の説明は次にあります。
「図5-9 「パートナ・リンク」ダイアログ」の説明

表5-2に、このダイアログの各フィールドを示します。

表5-2 「パートナ・リンクの作成」ダイアログのフィールド

フィールド 説明

名前

パートナ・リンクに対して指定する一意のわかりやすい名前です。

プロセス

BPELプロセス・サービス・コンポーネント名が表示されます。

WSDL URL

パートナ・リンクに対して選択するWeb Services Description Language(WSDL)ファイルの名前と場所です。 「SOAサービス・エクスプローラ」アイコン(「WSDL URL」フィールド上部の左から2番目)をクリックすると、使用するWSDLファイルを選択するウィンドウにアクセスできます。

パートナ・リンク・タイプ

WSDLファイルで定義したパートナ・リンクです。

パートナ・ロール

パートナ・リンクによって実行されるロールです。

マイ・ロール

BPELプロセス・サービス・コンポーネントが実行するロールです。この場合、BPELプロセス・サービス・コンポーネントは同期プロセスのため、ロールはありません。



注意:

「パートナ・リンクの作成」ダイアログの「パートナ・リンク・タイプ」「パートナ・ロール」および「マイ・ロール」フィールドは、BPEL標準で定義される必須フィールドです。

5.4 パートナ・リンクの作成

Oracle BPELデザイナのBPELプロセス内にパートナ・リンクを作成する方法は、SOAコンポジット・エディタ上部のパートナ・リンクの表示方法に影響します。この項では、この影響について説明します。 WSDLファイルは、ローカル・オペレーティング・システムに配置される場合や、リモートでホストされる場合(この場合はWSDLのURLが必要)があります。

同様に、SOAコンポジット・エディタでサービス・バインディング・コンポーネントまたは参照バインディング・コンポーネントを作成し、BPELプロセス・サービス・コンポーネントに接続すると、パートナ・リンクがOracle BPELデザイナに表示されます。

5.4.1 パートナ・リンクの作成方法

パートナ・リンクを作成する手順は、次のとおりです。

  1. SOAコンポジット・エディタで、BPELプロセス・サービス・コンポーネントをダブルクリックします。

    Oracle BPELデザイナが表示されます。

  2. 「コンポーネント・パレット」「BPELサービス」を開きます。

  3. 図5-10に示すように、パートナ・リンクを適切な「パートナ・リンク」スイムレーンにドラッグします。

    図5-10 Oracle BPELデザイナでのパートナ・リンクの作成

    図5-10の説明は次にあります。
    「図5-10 Oracle BPELデザイナでのパートナ・リンクの作成」の説明

    「パートナ・リンクの作成」ダイアログが表示されます。

  4. このダイアログの各フィールド(表5-2を参照)を完成します。

SOAコンポジット・エディタでのパートナ・リンクの作成方法の詳細は、第4章「SOAコンポジット・エディタの機能の概要」を参照してください。

次の各項では、パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響について説明します。

5.4.1.1 アウトバウンド・アダプタのパートナ・リンク

表5-3に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-3 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

アウトバウンド・アダプタのパートナ・リンク

  • BPELサービス・コンポーネントの参照ハンドル

  • コンポジット内でアウトバウンド・アダプタを表す参照

  • BPELサービス・コンポーネントとアダプタ参照を接続するワイヤ


図5-11に、この作成方法を使用するとSOAコンポジット・エディタにどのように表示されるかを示します。

図5-11 SOAコンポジット・エディタへの影響

図5-11の説明は次にあります。
「図5-11 SOAコンポジット・エディタへの影響」の説明

5.4.1.2 インバウンド・アダプタのパートナ・リンク

表5-4に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-4 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

インバウンド・アダプタのパートナ・リンク

  • BPELサービス・コンポーネントのサービス

  • コンポジット内でインバウンド・アダプタを表すサービス

  • インバウンド・アダプタ・サービスとBPELサービス・コンポーネントを接続するワイヤ


図5-12に、この作成方法を使用するとSOAコンポジット・エディタにどのように表示されるかを示します。

図5-12 SOAコンポジット・エディタへの影響

図5-12の説明は次にあります。
「図5-12 SOAコンポジット・エディタへの影響」の説明

5.4.1.3 抽象的なWSDLからサービスをコールするパートナ・リンク

表5-5に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-5 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

抽象的なWSDLからサービスをコールするパートナ・リンク

BPELサービス・コンポーネントに定義されたインタフェースおよびコールバック・インタフェースを持つ参照ハンドル


5.4.1.4 抽象的なWSDLからサービスを実装するパートナ・リンク

表5-6に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-6 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

抽象的なWSDLからサービスを実装するパートナ・リンク

BPELサービス・コンポーネントのインタフェースおよびコールバック・インタフェースを持つサービス

注意: 指定されたインタフェースおよびコールバック・インタフェースがある外部Simple Object Access Protocol(SOAP)参照がSOAコンポジット・エディタに存在する場合は、新しい外部SOAP参照を作成してその参照に接続することも、既存の外部SOAP参照に接続することもできます。


図5-13に、この作成方法を使用するとSOAコンポジット・エディタにどのように表示されるかを示します。

図5-13 SOAコンポジット・エディタへの影響

図5-13の説明は次にあります。
「図5-13 SOAコンポジット・エディタへの影響」の説明

5.4.1.5 パートナ・リンクとヒューマン・タスクまたはビジネス・ルール

表5-7に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-7 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

ヒューマン・タスクまたはビジネス・ルール

  • コンポジット内のヒューマン・タスクまたはビジネス・ルール

  • BPELサービス・コンポーネントの参照

  • BPELサービス・コンポーネントと新しいヒューマン・タスクまたはデシジョン・サービスを接続するワイヤ


図5-14に、この作成方法を使用するとSOAコンポジット・エディタにどのように表示されるかを示します。

図5-14 SOAコンポジット・エディタへの影響

図5-14の説明は次にあります。
「図5-14 SOAコンポジット・エディタへの影響」の説明

5.4.1.6 既存のヒューマン・タスク、ビジネス・ルールまたはOracle Mediatorからのパートナ・リンク

表5-8に、SOAコンポジット・エディタへの影響を示します。

表5-8 パートナ・リンクの作成がSOAコンポジット・エディタに与える影響

Oracle BPELデザイナでBPELプロセスに作成されるもの SOAコンポジット・エディタに表示されるもの

既存のヒューマン・タスク、ビジネス・ルールまたはメディエータ・サービス・コンポーネントを「リソース・パレット」からBPELプロセスにドラッグすることによるパートナ・リンク

  • BPELサービス・コンポーネントの参照

  • BPELサービス・コンポーネントと既存のヒューマン・タスク、ビジネス・ルールまたはメディエータを接続するワイヤ


図5-12に、この作成方法を使用するとSOAコンポジット・エディタにどのように表示されるかを示します。

図5-15 SOAコンポジット・エディタへの影響

図5-15の説明は次にあります。
「図5-15 SOAコンポジット・エディタへの影響」の説明

5.5 テクノロジ・アダプタの概要

図5-9に示す「パートナ・リンク」ダイアログを使用すると、Oracle BPEL Process ManagerおよびOracle JDeveloperが提供するもう1つの主要な機能を利用できます。 アダプタ構成ウィザードにアクセスするには、図5-16に示す「サービスの定義」アイコンをクリックします。

図5-16 アダプタの定義

図5-16の説明は次にあります。
「図5-16 アダプタの定義」の説明

アダプタにより、BPELプロセス・サービス・コンポーネント(つまり、SOAコンポジット・アプリケーション全体)に、ファイル・システム、FTPサーバー、データベース表、データベース・キュー、ソケット、Java Message Service(JMS)、MQおよびOracle E-Business Suiteへのアクセスが提供されます。 このウィザードを使用すると、図5-17に示すアダプタ・タイプを、BPELプロセス・サービス・コンポーネントで使用するように構成できます。

図5-17 アダプタ・タイプ

図5-17の説明は次にあります。
「図5-17 アダプタ・タイプ」の説明

使用可能なアダプタ・タイプは、次のとおりです。

アダプタ・タイプを選択すると、図5-18に示す「サービス名」ウィンドウで名前を入力するように求められます。 この例では、図5-17で、「ファイル・アダプタ」が選択されています。ウィザードが完了すると「アプリケーション・ナビゲータ」に、BPELプロセス・サービス・コンポーネント用のこのサービス名のWSDLファイル(ここではReadFile.wsdlという名前)が表示されます。 サービス名はプロジェクト内で一意である必要があります。このファイルには、このウィザードで指定したアダプタ構成設定が含まれます。その他の構成ファイル(ヘッダー・ファイル、アダプタ固有のファイルなど)も作成され、「アプリケーション・ナビゲータ」に表示されます。

図5-18 アダプタのサービス名

図5-18の説明は次にあります。
「図5-18 アダプタのサービス名」の説明

「サービス名」ウィンドウの後に表示されるアダプタ構成ウィザードのウィンドウは、選択したアダプタ・タイプによって変わります。

また、SOAコンポジット・エディタ内のサービスまたは参照として、アダプタをSOAコンポジット・アプリケーションに追加できます。

SOAコンポジット・アプリケーションへのアダプタの追加方法の詳細は、第4章「SOAコンポジット・エディタの機能の概要」を参照してください。

テクノロジ・アダプタの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。