ヘッダーをスキップ
Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55926-01
  目次
目次

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

6 Oracle SOA Suite環境のアップグレード

この章では、Oracle SOA Suite環境をOracle Application Server 10gからOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする方法について説明します。

この環境とアプリケーションのアップグレードには、次のタスクが含まれます。

6.1 タスク1: Oracle SOAトポロジの決定

アップグレード処理を開始する前に、新しいOracle Fusion Middleware 11g環境のトポロジを決定します。

詳細は、第3.2項「Oracle SOA Suiteユーザー向けの情報」を参照してください。

このマニュアルでは、基本的なOracle SOA Suite環境のアップグレード手順を示しています。 このマニュアルの内容を確認した後は、この知識をより複雑な本番環境に適用できます。

クラスタ化と高可用性を利用した本番環境を設定する手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントのアップグレード時に実行する必要がある主なタスクの概要は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のエンタープライズ・デプロイメントの計画に関する項を参照してください。

6.2 タスク2: 必要な外部パートナが稼働していることの確認

SOAアプリケーションを11gにアップグレードする前に、外部パートナが(リモートWebサービスなどで)稼働していて使用可能であることを確認する必要があります。

Oracle JDeveloper 11gが外部パートナにアクセスできることが必要です。アクセスできない場合、アプリケーション内のプロジェクトを11gに正しく移行できません。

必要なWebサービスが使用可能であることを確認するため、11gへの移行前に、Oracle SOA Suiteアプリケーションの各プロジェクトを調査する必要があります。 たとえば、各プロジェクトのOracle BPEL Process Manager構成ファイルを確認し、これらの構成ファイルから参照されているWebサービスのURIが有効で稼働していることを確認します。

特定のデモ・アプリケーション(SOA Order Bookingデモ・アプリケーション)の外部パートナを識別および確認する方法の例は、A.2.3項「タスク1c: すべての外部パートナが使用可能であることの確認」を参照してください。

6.3 タスク3: Oracle SOA SuiteスキーマをホストするOracleデータベースのアップグレード(必要な場合)

Oracle SOA Suite環境をアップグレードする場合は、Oracle SOA Suiteスキーマの格納先のデータベースのバージョンがOracle Fusion Middleware 11gでサポートされることを確認しておく必要があります。

新しいデータベースをインストールするか、または既存のデータベースをサポートされているバージョンにアップグレードできます。

アップグレードに複数のデータベースが含まれる場合は、このアップグレードを続行する前に、ソース・データベースとターゲット・データベースの両方のアップグレードが必要な場合があります。 たとえば、Oracle BAMのアップグレードには、別々のソース・データベースとターゲット・データベースが含まれる場合があります。

データベースがOracle Fusion Middleware 11gの要件を満たしているかどうかを確認する手順については、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードと準備に関する項を参照してください。

6.4 タスク4: リポジトリ作成ユーティリティによる11g SOAスキーマのインストール

Oracle SOA Suiteをアップグレードする場合は、リポジトリ作成ユーティリティを使用してスキーマをデータベースにインストールします。

リポジトリ作成ユーティリティはグラフィカルなコマンドライン・ツールであり、Oracle Fusion Middlewareデータベース・スキーマをデータベース内に作成して管理するために使用します。

詳細は、次の各項を参照してください。

6.4.1 Oracle SOA Suiteのアップグレード準備としてのリポジトリ作成ユーティリティの実行

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を開始するには、rcuコマンドを実行します。このコマンドは、リポジトリ作成ユーティリティCDのルート・ディレクトリまたは(ディスクにOracle SOA Suiteソフトウェアをインストール済の場合は)Oracle SOA SuiteのOracleホームのbinディレクトリにあります。

RCUへのアクセスおよび実行方法の詳細手順は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

リポジトリ作成ユーティリティの実行時に選択するスキーマの詳細は、第6.4.2項「Oracle SOA Suiteのアップグレードに必要なスキーマの選択」を参照してください。

リポジトリ作成ユーティリティによってインストールされるOracle SOA Suiteスキーマの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドのメタデータ・リポジトリ・スキーマに関する項を参照してください。

6.4.2 Oracle SOA Suiteのアップグレードに必要なスキーマの選択

リポジトリ作成ユーティリティを使用して、スキーマを必要とするすべてのOracle Fusion Middlewareソフトウェア・コンポーネントに必要なスキーマをインストールできます。 ただし、すべてのスキーマをインストールする必要があるのは、完全なOracle Fusion Middleware環境をインストールして、すべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネント・スキーマに同じデータベースを使用することを計画している場合のみです。

Oracle SOA Suiteのアップグレードでは、リポジトリ作成ユーティリティから要求されたときに、次のスキーマを選択する必要があります(図6-1を参照)。

  • AS共通スキーマ・カテゴリでメタデータ・サービス・スキーマを選択します。

    このスキーマは、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントや、MDSをサポートするカスタム・アプリケーションに必要なOracle Fusion Middlewareのメタデータ・サービス(MDS)をサポートします。 詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドのMDSリポジトリに関する項を参照してください。

  • SOAインフラストラクチャ・カテゴリ全体のスキーマを選択します。

    これらのスキーマは、Oracle SOA Suiteコンポーネントに必要です。

図6-1 Oracle SOA Suiteのアップグレードに必要なスキーマの選択

図6-1の説明が続きます。
「図6-1 Oracle SOA Suiteのアップグレードに必要なスキーマの選択」の説明

6.5 タスク5: Oracle SOA中間層のインストールと構成

Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする前に、Oracle Application Server 10gに対して設定したトポロジと同様のOracle Fusion Middleware環境をインストールする必要があります。

Oracle SOA Suite中間層のインストールと構成の手順の詳細は、次のマニュアルを参照してください。

表6-1は、Oracle SOA Suite中間層のインストールと構成時に実行する必要がある主なステップの概要と、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteクイック・インストレーション・ガイド』の各ステップで実行する特定の手順の参照先を示しています。

表6-1 Oracle SOA Suite中間層のインストールと構成に必要となる主なステップ

ステップ番号 説明 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteクイック・インストレーション・ガイド』の項

1

Oracle WebLogic ServerのインストールとMiddlewareホームの作成

Oracle WebLogic ServerのインストールとMiddlewareホームの作成に関する項

2

Oracle SOA SuiteソフトウェアのインストールとOracle SOA SuiteのOracleホームの作成

SOA Suiteのインストールに関する項

3

Oracle SOA Suiteの構成

Oracle SOA Suiteの構成に関する項

4

Oracle BAMの構成

Oracle BAMの構成に関する項

5

Oracle WebLogic Serverドメインの開始と確認

インストール後タスクに関する項


6.6 タスク6: SOAコンポーネントのスキーマのアップグレード(必要な場合)

Oracle B2BまたはOracle BAMコンポーネントをアップグレードする場合は、Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントを実行し、これらのコンポーネントのスキーマを11gにアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントによって、Oracle Application Server 10g環境の多様なアップグレード作業が自動化されます。

アップグレード・アシスタントは、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームのbinディレクトリに自動的にインストールされます。 アップグレードする10gの各スキーマに対してアップグレード・アシスタントを1回実行します。


注意:

基本インストール・オプションを使用してインストールした10g リリース3(10.1.3.1.0)のOracleホームをアップグレードする場合は、アップグレード・アシスタントを実行する必要はありません。10g リリース3(10.1.3.1.0)の基本インストール・オプションを選択した場合、Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントでアップグレード可能なコンポーネントはインストールされません。

詳細は、次の各項を参照してください。

6.6.1 タスク6a: アップグレード・アシスタントの実行によるOracle SOAスキーマのアップグレード

グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してアップグレード・アシスタントを起動する手順は、次のとおりです。


注意:

アップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースを使用して、Oracle Application Server 10gのOracleホームをアップグレードすることもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースの使用に関する項を参照してください。

  1. ディレクトリを、Oracle Fusion MiddlewareインストールのORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 次のコマンドを入力してアップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXシステムの場合

    ./ua
    

    Windowsシステムの場合

    ua.bat
    

    図6-2に示すように、アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面が表示されます。

    図6-2 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面

    図6-2の説明が続きます。
    「図6-2 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面」の説明

  3. 「次へ」をクリックすると、「操作の指定」画面が表示されます(図6-3)。

    アップグレード・アシスタントで使用可能なオプションは、アップグレード・アシスタントを起動したOracleホームに固有です。Oracle SOA SuiteおよびWebCenterのOracleホームからアップグレード・アシスタントを起動した場合、「操作の選択」画面に表示されるオプションは、Oracle SOA SuiteおよびWebCenterのOracleホームに対して有効なオプションです。

    図6-3 SOAアップグレードにおけるアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面

    図6-3の説明が続きます。
    「図6-3 SOAアップグレードにおけるアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面」の説明

6.6.2 タスク6b: B2Bスキーマのアップグレード(必要な場合)

Oracle B2Bスキーマのアップグレードの詳細は、次の項を参照してください。

6.6.2.1 B2Bスキーマのアップグレードに関する一般的な情報

Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)を使用していて、Oracle Application Server Integration B2Bをアップグレードする場合は、データベースのB2Bスキーマをアップグレードする必要があります。


関連項目:

Oracle Technology NetworkのOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)ドキュメント・ライブラリにある『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』
http://www.oracle.com/technology/documentation/

B2Bスキーマを10g リリース2(10.1.2)からアップグレードする場合は、ソフトウェア・パッチを10g リリース2(10.1.2)インストールに適用した後、B2B 10gスキーマをデータベースからエクスポートする必要があります。 エクスポートしたデータは、ディスク上のZIPファイルに保存されます。 その後、Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネント・スキーマが含まれているデータベースにデータをインポートできます。

6.6.2.2 Oracle B2B 10g中間層への必要なパッチ・セットの適用

Oracle B2Bスキーマのアップグレードを実行する前に、必要なパッチ・セットをOracle Application Server Integration B2B 10g リリース2(10.1.2)中間層に適用する必要があります。

次の手順で実行する、取引パートナ・アグリーメントのエクスポートで使用するJavaコマンドを有効にするために、このパッチ・セットが必要になります。

アップグレードに対するパッチ・セットの要件や、以前のOracle Application Serverリリースとの互換性に対するパッチ・セットの要件の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』を参照してください。

6.6.2.3 Oracle WebLogic Server管理コンソールにおける最大メッセージ・サイズ属性の設定

Oracle B2B 10gスキーマからエクスポートしたカスタマ・データは、非常に大きなZIPファイルとしてディスクに保存される場合があります。 大きなファイルをOracle Fusion Middleware 11gメタデータ・リポジトリ・データベースに正常にインポートできるようにするために、SOA SuiteコンポーネントがデプロイされるWebLogic管理対象サーバーのデフォルトの「最大メッセージ・サイズ」の一般プロトコル属性を変更してください。

このタスクを実行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    http://localhost:7001/console
    
  2. コンソールの左ペインで、「環境」を展開して「サーバー」を選択します。

  3. 「サーバーの概要」ページで、構成するサーバー・インスタンスを選択します。 ほとんどの場合、SOAコンポーネントをホストする管理対象サーバーはsoa_server1です。

  4. 「プロトコル」をクリックし、ネットワーク・プロトコルの一般接続設定を表示します。

  5. 「最大メッセージ・サイズ」プロパティまでスクロールし、このプロパティを200000000に設定します。

6.6.2.4 B2Bスキーマのアップグレードの実行

B2Bスキーマをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. 必要なパッチ・セットをOracle Application Server Integration B2B 10g リリース2(10.1.2)中間層に適用します。

    詳細は、第6.6.2.2項「Oracle B2B 10g中間層への必要なパッチ・セットの適用」を参照してください。

  2. Oracle B2B 11gが稼働しているOracle WebLogic Serverドメイン内の管理対象サーバーを停止します。

  3. 次の手順で、10g リリース2(10.1.2)取引パートナ・アグリーメントを外部ZIPファイルにエクスポートします。

    1. Oracle Application Server Integration B2BのOracleホームで次のコマンドを実行し、デプロイされている10g リリース2(10.1.2)取引パートナ・アグリーメントをエクスポートします。

      java -ms1024M -mx1024M oracle.tip.repos.export.Export 11g
      

      このJavaコマンドにより、次のディレクトリが作成されます。このディレクトリにはエクスポートされたデータが含まれています。

      Windowsシステムの場合

      %TEMP%/export.zip
      

      UNIXシステムの場合

      /tmp/export.zip
      
    2. 次のディレクトリをOracle Fusion Middleware 11gのOracleホームに作成します。これは、10gのOracleホームと同じホスト上にすることも異なるホスト上にすることも可能です。

      Windowsシステムの場合

      ORACLE_HOME\b2b\upgrade
      

      UNIXシステムの場合

      ORACLE_HOME/b2b/upgrade
      
    3. 作成したディレクトリにexport.zipファイルをコピーします。

  4. Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、SOAコンポーネントの管理対象サーバー(soa_server1など)の「最大メッセージ・サイズ」のプロパティの値を大きくします。

    詳細は、第6.6.2.3項「Oracle WebLogic Server管理コンソールにおける最大メッセージ・サイズ属性の設定」を参照してください。

  5. 「タスク6a: アップグレード・アシスタントの実行によるOracle SOAスキーマのアップグレード」の説明に従って、アップグレード・アシスタントを起動します。

  6. 「操作の指定」画面で「B2Bスキーマ」を選択します(図6-3)。

  7. B2Bスキーマのアップグレード時に入力が必要なアップグレード・アシスタントの画面と、各画面のオプションの説明は、表6-2を参照してください。

    Oracle B2B 10gスキーマとカスタマ・データが含まれているZIPファイルの場所を要求するプロンプトは表示されません。 かわりに、アップグレード・アシスタントによって、ステップ3で指定した場所のZIPファイルが自動的に検出されます。

  8. 「ターゲット・データベースの指定」画面の後は、アップグレード・アシスタントによって次のタスクが実行され、各タスクの進捗状況が表示されます。

    • アップグレード対象のコンポーネントとスキーマが検査され、それらを正常にアップグレードできることが検証されます。

    • アップグレード対象コンポーネントのサマリーが提供されます。これによって、ユーザーは、アップグレード・アシスタントが目的のコンポーネントとスキーマをアップグレードしていることを確認できます。

    • 進捗画面が表示されます。これによって、ユーザーは、アップグレードの進行状況を確認できます。

    • アップグレード時に発生したエラーや問題に関するアラートが表示されます。


      関連項目:

      アップグレード・アシスタントの実行時に発生する問題のトラブルシューティング手順の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。

    • 「アップグレードの終了」画面が表示され、アップグレードの完了が通知されます。

  9. Oracle B2Bスキーマのアップグレードの完了後、Oracle B2B 11gが稼働しているOracle SOA Suite管理対象サーバーを再起動します。

表6-2 B2Bスキーマのアップグレード時に入力が必要なアップグレード・アシスタントの画面

アップグレード・アシスタントの画面 説明

ターゲット・データベースの指定

この画面を使用して、リポジトリ作成ユーティリティでOracle B2B 11gスキーマをインストールしたデータベースの接続詳細を入力します。

  • ターゲット・データベース・タイプ: このドロップダウン・リストから「Oracle」を選択し、Oracle B2BスキーマをOracleデータベースにアップグレードします。

  • 接続文字列: 接続文字列を次の形式で入力します。

    host:port:SID
    

    次に例を示します。

    host3:1521:soaDB3
    
  • ユーザー名: データベース・ユーザー名を入力します。SYSを入力する場合は、文字列SYS as SYSDBAを入力してください。

  • パスワード: データベース・ユーザーのパスワード。

スキーマ名の指定

この画面を使用して、Oracle B2B 11gスキーマ名を選択し、スキーマのパスワードを入力します。

これは、11gリポジトリ作成ユーティリティを使用してB2Bスキーマをインストールした際に定義したパスワードです。


6.6.3 タスク6c: BAMスキーマのアップグレード(必要な場合)

Oracle BAMスキーマをアップグレードするには、次の項を参照してください。

6.6.3.1 Oracle BAMスキーマのアップグレードの注意点

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)を使用していて、Oracle Business Activity Monitoringをアップグレードする場合は、データベースのBAMスキーマをアップグレードする必要があります。

Oracle BAMスキーマのアップグレードでは、次の点に注意してください。

  • この手順では、リポジトリ作成ユーティリティがすでに実行され、サポートされているデータベースに新しいOracle BAM 11gスキーマがすでに作成されていると想定しています。 Oracle BAM 11gスキーマの作成時には、既存のOracle BAM 10gスキーマは上書きされません。

  • Oracle BAMスキーマをアップグレードするには、Oracle BAM 10gスキーマが含まれているデータベースと、Oracle BAM 11gスキーマが含まれているデータベースを識別する必要があります。

  • 10gスキーマと11gスキーマは同じデータベースに格納することも別々のデータベースに格納することも可能ですが、どちらの場合にも、ソースおよびターゲット・データベースを識別する必要があります。

  • Oracle BAMアップグレード・ログ・ファイルの検出および構成の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracle BAMアップグレード・ログ・ファイルの検出と構成に関する項を参照してください。

6.6.3.2 以前のバージョンのOracle BAMからのアップグレードについて

Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)を使用していて、Oracle Business Activity MonitoringをOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする場合は、最初にOracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)にアップグレードする必要があります。

Oracle Technology NetworkのOracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)ドキュメント・ライブラリにある『Oracle Business Activity Monitoringインストレーション・ガイド』のインストールのアップグレードに関する項を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/

6.6.3.3 Oracle BAMスキーマが含まれているOracleデータベースへの必要なパッチ・セットの適用

Oracle BAMスキーマをアップグレードする前に、Oracle BAM 10gスキーマが含まれているOracleデータベースにパッチ・セットを適用する必要があります。

アップグレードに対するパッチ・セットの要件や、以前のOracle Application Serverリリースとの互換性に対するパッチ・セットの要件の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』を参照してください。

6.6.3.4 Oracle BAMスキーマのアップグレードの実行

BAMスキーマをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. BAMアプリケーションをホストするOracle WebLogic Serverインスタンスを停止します。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドのOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。

  2. 「タスク6a: アップグレード・アシスタントの実行によるOracle SOAスキーマのアップグレード」の説明に従って、アップグレード・アシスタントを起動します。

  3. 「操作の指定」画面で「BAMスキーマ」を選択します(図6-3)。

  4. Oracle BAMスキーマのアップグレード時に入力が必要なアップグレード・アシスタントの画面と、各画面のオプションの説明は、表6-3を参照してください。

  5. 「スキーマ名の指定」画面の後は、アップグレード・アシスタントによって次のタスクが実行され、各タスクの進捗状況が表示されます。

    • アップグレード対象のコンポーネントとスキーマが検査され、それらを正常にアップグレードできることが検証されます。

    • アップグレード対象コンポーネントのサマリーが提供されます。これによって、ユーザーは、アップグレード・アシスタントが目的のコンポーネントとスキーマをアップグレードしていることを確認できます。

    • 進捗画面が表示されます。これによって、ユーザーは、アップグレードの進行状況を確認できます。

    • アップグレード時に発生したエラーや問題に関するアラートが表示されます。


      関連項目:

      アップグレード・アシスタントの実行時に発生する問題のトラブルシューティング手順の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。

    • 「アップグレードの終了」画面が表示され、アップグレードの完了が通知されます。

表6-3 BAMスキーマのアップグレード時に入力が必要なアップグレード・アシスタントの画面

アップグレード・アシスタントの画面 説明

ソース・データベースの指定

この画面を使用して、Oracle BAM 10gスキーマが含まれているデータベースのデータベース接続詳細を入力します。

ターゲット・データベースの詳細の指定

この画面を使用して、Oracle Fusion Middlewareのリポジトリ作成ユーティリティで作成したOracle BAM 11gスキーマが含まれているデータベースのデータベース接続詳細を入力します。

スキーマ名の指定

この画面を使用して、Oracle BAM 11gスキーマを選択し、BAMスキーマのパスワードを入力します。 これは、スキーマをデータベースにインストールした際にリポジトリ作成ユーティリティで設定したOracle BAMスキーマ・パスワードです。

コンポーネントの調査

このページには、調査フェーズの進行状況が表示されます。このフェーズ中に、アップグレード・アシスタントによってソースおよびターゲット・スキーマが検証されます。


6.7 タスク7: SOAアプリケーションのサポートに必要なJava EE機能の構成

Oracle WebLogic Serverのインストール時にインストールされるSOAシステム・コンポーネントだけでなく、デプロイするアプリケーションのサポートに必要なその他のOracle WebLogic Server機能も構成する必要があります。

たとえば、アプリケーションに必要なデータソース、JMSリソースまたはその他のサービスを定義することが必要な場合があります。 Oracle WebLogic Serverドメインで提供されるリソースおよびサービスは、Oracle SOA Suiteアプリケーションを含むすべてのJavaベース・アプリケーションに共通です。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Java EEアップグレード・ガイド』を参照してください。

6.8 タスク8: SOAコンポーネントに必要なアップグレード後タスクの実行

アップグレードしたコンポーネントによっては、次のようなアップグレード後タスクが必要になります。

6.8.1 Identity Managementコンポーネントを使用するためのOracle SOA Suite 11gの構成

Oracle Application Server 10g環境がOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントに依存していた場合、またはサード・パーティのLDAPサーバーを使用していた場合は、それらのコンポーネントを新しいOracle Fusion Middleware 11g環境に関連付けることができます。

具体的には、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してLDAPディレクトリをOracle Fusion Middlewareに関連付けることにより、LDAPディレクトリをOracle WebLogic Serverドメインの資格証明ストアまたはポリシー・ストアとして使用できます。

詳細は、次の項を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のOracle Enterprise Managerへのドメイン・ストアの再関連付けに関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Securing Oracle WebLogic Server』のLDAP認証プロバイダの構成に関する項

6.8.2 Oracle Human Workflowにおける大/小文字区別について

Oracle Human Workflow 10gとOracle Human Workflow 11gでは、ユーザー名、グループ名およびアプリケーション・ロール名の大/小文字区別について、サポートしているデフォルトの動作が異なります。

  • Oracle Human Workflow 11gでは次のとおりです。

    • デフォルトでは、Human Workflowコンポーネント内のすべてのユーザー名では大/小文字を区別せず、すべてのユーザー名は小文字で格納されます。

    • デフォルトでは、すべてのグループ名およびアプリケーション・ロール名では常に大/小文字を区別します。

  • Oracle Workflow 10g リリース3(10.1.3)では、ユーザー名の大/小文字をデフォルトでは区別し、すべてのユーザー名はシードされているとおりの大/小文字で格納されていました。

両方の環境の互換性を保つため、11gの大/小文字区別は10g リリース3(10.1.3)と同様に設定する必要があります。

ユーザー名で大/小文字を区別しないという動作は、workflow-identity-config.xmlで変更できます。 caseSensitiveプロパティにより、ユーザー名で大/小文字を区別するかどうかが指定されます。 このフラグは、MBeanブラウザを使用してアップグレードする必要があります。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』の大/小文字区別に関する項を参照してください。

6.8.3 Oracle B2Bアップグレード後の情報およびタスク

表6-4は、Oracle B2Bのアップグレードに関して理解しておく必要がある情報や、Oracle B2B 11gへのアップグレード後に実行が必要となる場合のある特定のアップグレード後タスクを要約したものです。

表6-4 Oracle B2Bユーザー向けのアップグレード後の情報

項目 説明 詳細情報

ホストおよびパートナのセキュリティ証明書

Oracle B2Bのホストおよびパートナのセキュリティ証明書は、Oracle B2B 11gに適切な形式にはアップグレードされません。

かわりに、証明書をexport.zipファイル(第6.6.2.4項「B2Bスキーマのアップグレードの実行」で作成したファイル)のルート・ディレクトリからコピーし、キーストアにインポートする必要があります。

Oracle B2Bでは、証明書の保存先はSSLウォレットではなく、キーストアになりました。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のOracle B2Bのセキュリティ機能に関する項

『Oracle Fusion Middleware Securing Oracle WebLogic Server』のアイデンティティと信頼の構成に関する項

コールアウト・ライブラリjarファイル

独自のカスタム・コールアウト・ライブラリjarファイルをOracle B2B 10gで作成していた場合、これらのjarファイルはOracle B2B 11gにはアップグレードされません。

かわりに、Oracle B2B 11gを使用してカスタム・コールアウトjarファイルを再作成する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のコールアウトの管理に関する項

「ドキュメント・プロトコル・リビジョン」および「ドキュメント・タイプ」

この2つのフィールドは、Oracle B2B 11gでは変更されています。 Oracle B2B 10gでは、どちらのフィールドにも名前とバージョンが含まれていました。 Oracle B2Bでは、「ドキュメント・プロトコル・バージョン」と「ドキュメント・タイプ名」のフィールドのみを使用します。

このため、ドキュメントをIP_OUT_QUEUEにエンキューする際は、Oracle B2B 10gで提供されるものとは異なる属性セットを提供する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のMSエンキューおよびデキュー・ユーティリティに関する項

交換プロトコル・パラメータの識別子

Oracle B2B 10gでは、チャネルの交換プロトコル・パラメータに識別子を指定できました。 交換プロトコル・パラメータへの識別子の追加はOracle B2B 11gではサポートされなくなり、これらの識別子はOracle B2B 11gにはアップグレードされません。

かわりに、Oracle B2B 11gでは、必要な識別子を取引パートナ・プロファイルの一部として再作成する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』の取引パートナ・プロファイルの作成に関する項

MLLPチャネルの交換プロトコル・パラメータ

Oracle B2B 10gの次の交換プロトコル・パラメータは、MLLPチャネルの属性になりました。

  • ImmediateACK

  • ImmediateACK-Custom-File

  • ImmediateACK-mapAckControlID

  • ImmediateACK-MapImmTriggerEvt

  • DiscardHL7ACK

これらのパラメータをOracle B2B 10gで設定していた場合は、MLLPチャネルの属性として再設定する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のチャネルの構成に関する項

チャネル・パスワード

Oracle B2B 11gでは、ユーザーの資格証明およびパスワード情報の保存に新しい方法を使用します。 このため、10gでチャネルに入力していたパスワードは、Oracle B2B 11gにはアップグレードされません。

かわりに、アップグレード後に、パスワードをチャネル・パラメータの一部として入力する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のチャネルの構成に関する項

AS2-1.1チャネルの受信者プロパティ

AS2-1.1チャネルの「受信配信オプション」プロパティをOracle B2B 10g環境で設定していた場合、このプロパティの値はOracle B2B 11gにはアップグレードされません。 アップグレード後に、このプロパティを適切な値に設定する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のチャネルの構成に関する項

Oracle B2B 11gでオプションから必須に変更されたフィールド

次のフィールドはオプションから必須に変更されました。このため、アップグレード後に、これらのフィールドへの値の指定が必要になる場合があります。

  • EDI EDIFACTおよびEDI X12ドキュメントをOracle B2B 10gで使用していた場合は、「グループID」識別子が必須の識別子になったことに注意してください。

  • RosettaNetドキュメントをOracle B2B 10gで使用している場合は、「コラボレーション・コード」および「コラボレーションの実行時間」フィールドは必須ではないことに注意してください。 Oracle B2B 11gではこれらは必須です。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のタイプの作成に関する項

インバウンドおよびアウトバウンドのパートナ・アグリーメント

Oracle B2B 11gにアップグレードすると、Oracle B2B 10gに既存の単一のパートナ・アグリーメントは、Oracle B2B 11gでは2つのアグリーメントとして表示されます(一方はインバウンド交換用、他方はアウトバウンド交換用)。

たとえば、10gのRosetta 3A4アグリーメントは次のように分割されます。

  • Pip3A4PurchaseOrderConfirmation_Inbound

  • Pip3A4PurchaseOrderRequest_Outbound

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』の取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイに関する項

RosettaNetアウトバウンド・メッセージ

RosettaNetアウトバウンド・メッセージの動作が、Oracle B2B 11gでは変更されました。

RosettaNetをOracle B2B 11gで使用する場合は、レスポンス・メッセージとして扱う必要があるアウトバウンド・メッセージ(PurchaseOrderConfirmationメッセージなど)に対し、追加のエンキュー・プロパティ(msgType=2)の設定が必要になりました。

この設定を行わないと、アウトバウンド・メッセージはリクエスト・メッセージとして扱われます。 Oracle B2B 10gでは、このプロパティは不要でした。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のエンキューおよびデキュー・ユーティリティに関する項

インバウンドおよびアウトバウンド・メッセージ用に構成されたMLLPチャネル

アップグレード後に、Oracle B2B 10gにおけるMLLPチャネルの構成方法に応じて、次のいずれかのタスクを実行します。

  • singleDCプロパティをtip.propertiesファイルで使用し、単一のMLLPチャネルでインバウンドとアウトバウンドの両方のメッセージを転送できるようにしていた場合は、新しいチャネルを作成した後、その新しいチャネルを使用するようにパートナ・アグリーメントを更新する必要があります。

  • singleDCプロパティを使用していなかった場合は、ホスト取引パートナの接続モードを「サーバー」に設定します。

『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle B2B』のチャネル詳細の追加に関する項