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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55926-01
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10 Oracle WebCenterアプリケーションのアップグレード時の考慮事項

この章では、Oracle Fusion Middleware 11gへのOracle WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのアップグレードに固有のタスクについて説明します。

Oracle SOA Suite、Oracle WebCenterおよびADFの各アプリケーションのアップグレード時に必要となる主なタスクは、第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」を参照してください。

Oracle WebCenterアプリケーションのアップグレードに固有のタスクについては、次の各項を参照してください。

10.1 WebCenterアプリケーションの移行について

Oracle WebCenter 10.1.3.xアプリケーションとOracle WebCenter 11gアプリケーションは、様々なアプリケーション・テンプレートに基づいています。 この項では、様々なWebCenterアプリケーション・テンプレートの概要について説明し、主な移行タスクを示します。

10.1.1 WebCenterアプリケーションのテンプレートについて

WebCenterアプリケーションの作成に使用するアプリケーション・テンプレートは、Oracle JDeveloper 10.1.3.xとOracle JDeveloper 11gでは異なります。 JDeveloper 10.1.3.xでは、「WebCenterアプリケーション[ポートレット、コンテンツ・リポジトリ、JSF]」というアプリケーション・テンプレートを使用してWebCenterアプリケーションを作成します。 このテンプレートに基づくWebCenterアプリケーションには、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの両方が含まれます。


注意:

このマニュアルでは、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとは、ユーザー・インタフェースを提供し、Webアプリケーションに必要なJSPページおよびコンポーネントが含まれているアプリケーションを表します。 ポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは、Oracle WebCenterサーバー側プロデューサ・コンポーネントと、WebCenterコンシューマ・アプリケーションで使用できるポートレットが含まれているアプリケーションを表します。

一方、Oracle WebCenter 11gアプリケーションは、「WebCenterアプリケーション」または「ポートレット・プロデューサ・アプリケーション」のいずれかのアプリケーション・テンプレートに基づいて作成されます。 WebCenterコンシューマ・アプリケーションは、「WebCenterアプリケーション」テンプレートを使用して作成されます。ポートレット・プロデューサ・アプリケーションは、「ポートレット・プロデューサ・アプリケーション」テンプレートを使用して作成されます。

JDeveloper 10.1.3.xの場合、「モデル」「ポートレット」「ViewController」という3つのプロジェクトでWebCenterアプリケーションが構成されます。JDeveloper 11gの場合、「WebCenterアプリケーション」テンプレートを使用して作成されたアプリケーションには、「モデル」「ViewController」という2つのプロジェクト、「ポートレット・プロデューサ・アプリケーション」テンプレートを使用して作成されたアプリケーションには、「ポートレット」というプロジェクトが1つだけ含まれています。

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションは、「WebCenterアプリケーション[ポートレット、コンテンツ・リポジトリ、JSF]」アプリケーション・テンプレートに基づいており、次のいずれかの目的用に作成できます。

  • コンシューマ・アプリケーションとして使用

  • ポートレット・プロデューサ・アプリケーションとして使用

  • コンシューマとポートレット・プロデューサの両方のアプリケーションとして使用

10.1.2 移行タスクについて

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションと、このアプリケーションで使用するOracle WebCenterサービスの目的に応じて、アプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行するために次のタスクの実行が必要な場合があります。

  • WebCenterコンシューマ・アプリケーションの移行

  • ポートレット・プロデューサ・アプリケーションとカスタマイズ内容の移行(WebCenterアプリケーションにポートレットが含まれている場合)

  • Oracle WebCenterサービスに関連するデータの移行(WebCenterコンシューマ・アプリケーションでこれらのサービスを使用している場合)

WebCenterコンシューマ・アプリケーションの移行はJDeveloper内で行います。 一部のポートレット・プロデューサ・アプリケーションと一部のOracle WebCenterサービスの移行はJDeveloper内とJDeveloper外の両方で行います。


注意:

Oracle WebCenter 11gでは、Oracle WebCenterサービスをWebCenter Web 2.0サービスと呼びます。

10.2 WebCenterアプリケーションの移行に必要な前提条件タスク

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションを移行する前に、次のタスクを実行します。

  1. アプリケーションがOracle Application Server 10g上で正常に稼働していることを確認します。

    詳細は、第8.2項「タスク2: アプリケーションがOracle Application Server 10g上で正常に稼働していることの確認」を参照してください。

  2. Oracle WebCenter 10.1.3.x環境がOracle WebCenter 11g環境にアップグレードされていることを確認します。

    詳細は、第8.3項「タスク3: 10g環境から11g環境へのアップグレードが完了していることの確認」を参照してください。

  3. Oracle JDeveloper 11gをインストールします。

    詳細は、第8.4項「タスク4: Oracle JDeveloper 11gのインストールと起動」を参照してください。

  4. Oracle WebCenter拡張機能(11.1.1)をインストールします。

    WebCenterアプリケーションを使用するには、Oracle WebCenter拡張機能をインストールする必要があります。 Oracle WebCenter拡張機能は、JDeveloperの全WebCenter機能を提供するJDeveloperアドインです。

    Oracle WebCenter 11g拡張機能をインストールする手順は、次のとおりです。

    1. JDeveloper 11gを起動します。

    2. 「デフォルトのロールの選択」ダイアログが表示される場合は、「デフォルトのロール」を選択して全テクノロジを有効にして、「OK」をクリックします。

    3. JDeveloper 11gを初めて起動した場合は、以前のバージョンのJDeveloperから設定を移行するかどうか入力を要求されます。


      注意:

      アプリケーション設定をJDeveloper 10.1.3.xから移行する場合は、JDeveloper 11gを初めて起動する前に、WebCenterアプリケーションを終了してJDeveloper 10.1.3.xのIDEから削除します。

      アプリケーションをIDEから削除するには、アプリケーション・ナビゲータでアプリケーション名を右クリックし、ショートカット・メニューから「削除」を選択します。 アプリケーションを削除すると、アプリケーションはIDEのみから削除され、ディスクからは削除されません。


      「はい」をクリックすると、ポートレットのカスタム・データが自動的に移行されます。これには、OmniPortletおよびWebクリッピングなどの事前構成したポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容も含まれます。(図10-1

      「いいえ」を選択して後からアプリケーションを移行する場合は、ポートレットのカスタマイズ内容は以前のバージョンのJDeveloperから移行されません。 この場合、カスタマイズ内容を後で手動で移行する必要があります。 カスタマイズ内容の移行の詳細は、第10.4.2.3項「事前構成済ポートレット・プロデューサの移行」を参照してください。

      図10-1 「ユーザー設定の移行」ダイアログの設定の移行

      図10-1の説明が続きます。
      「図10-1 「ユーザー設定の移行」ダイアログの設定の移行」の説明

    4. 「設定ディレクトリ」ドロップダウン・リストに、以前のバージョンのJDeveloperへのパスが表示されます。 別の場所を指定する場合は、「参照」ボタンをクリックしてパスを指定します。(図10-2

    5. 「OK」をクリックします。

      図10-2 「ユーザー設定の移行」ダイアログの「設定ディレクトリ」

      図10-2の説明が続きます。
      「図10-2 「ユーザー設定の移行」ダイアログの「設定ディレクトリ」」の説明

    6. 「ヘルプ」メニューから「更新の確認」を選択します。

    7. 「更新の確認」ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

    8. 「ソース」ページで、「更新センターの検索」を選択した後、「次へ」をクリックします。

    9. 「更新」ページで、WebCenter拡張機能を検索して選択した後、「終了」をクリックします。

    10. JDeveloper 11gを再起動するかどうかを尋ねるメッセージに対し、「はい」をクリックします。

    Oracle WebCenter拡張機能の入手とインストールの詳細は、Oracle Technology Network(OTN)の次のOracle WebCenterページを参照してください。

    http://webcenter.oracle.com

10.3 WebCenterアプリケーションの移行方法

表10-1は、Oracle WebCenter 11gへのWebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションの移行に関連するタスクを示したものです。

表10-1 WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションの移行のタスク・フロー

タスク サブタスク 実行する状況

アプリケーションの移行準備

WebCenterアプリケーションのバックアップ


全状況


Oracle Content DBに依存しているアプリケーションの準備

WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションにOracle Content Database(Oracle Content DB)接続が含まれている場合


ポートレットが含まれているアプリケーションの準備


WebCenterアプリケーションにポートレットが含まれている場合

WebCenterコンシューマ・アプリケーションの移行

WebCenterアプリケーションの移行


全状況

移行後タスクの実行

Oracle Portal接続の移行


WebCenterアプリケーションにOracle Portal接続が含まれている場合


ADFセキュリティの構成


WebCenterアプリケーションにセキュリティが適用されている場合


Content Integration Suite APIのダウンロード


WebCenter 10.1.3.4アプリケーションでcis-client-8.0.0.jarクライアントAPIを使用している場合


事前構成済ポートレット・プロデューサのプロデューサ登録の移行


事前構成済ポートレット・プロデューサがデフォルト・ポート(6688)にデプロイされていない場合


アプリケーションの再デプロイ


全状況


10.3.1 アプリケーションの移行準備

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをJDeveloper 11gで開くと、移行ユーティリティによってアプリケーションがOracle WebCenter 11gに自動的にアップグレードされます。 ただし、アプリケーションを移行する前に、アプリケーションをバックアップする必要があります。 さらに、アプリケーションにポートレットが含まれている場合、またはアプリケーションがOracle Content DBに依存している場合は、移行の前に特定のタスクの実行も必要な場合があります。

この項では、次のタスクについて説明します。

10.3.1.1 WebCenterアプリケーションのバックアップ

WebCenterアプリケーションを移行する前に、アプリケーションのコピーを別の場所に保存する必要があります。


注意:

アプリケーションのバックアップは重要です。Oracle WebCenter 11gに移行したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションは、以前のリリースのJDeveloper 11gでは開くことができなくなります。 また、移行中にアプリケーションに行った変更は、元に戻すことはできません。

ソース・コントロール・システムを使用している場合は、アプリケーションのコピーの保存は不要な場合があります。


注意:

アプリケーションの移行時は、JDeveloper 10.1.3.xインストールを保持してください。 アプリケーションの移行準備をするには、JDeveloper 10.1.3.xで特定のタスクの実行が必要な場合があります。

10.3.1.2 Oracle Content DBに依存しているアプリケーションの準備

Oracle WebCenter 11gでは、Oracle Content ServerとOracle Portalを外部コンテンツ・リポジトリとしてサポートしています。 WebCenterアプリケーションがコンテンツ統合に関してOracle Content DBに依存している場合は、次の操作が必要です。

  • アプリケーションをOracle WebCenter 10.1.3.4にアップグレードし、Oracle Content Serverのサポートを有効にします。 これは、移行するアプリケーションがWebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションの場合にのみ必要です。

  • Oracle Content DBの全データをOracle Content Server 10.1.3.4.1に移行します。

    Oracle Content Server 10.1.3.4.1のインストールと構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』を参照してください。


注意:

アプリケーションにOracle Content DB接続が含まれていない場合は、この項は省略してください。

10.3.1.2.1 JDeveloper 10.1.3.4によるアプリケーションのアップグレード

WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションをOracle WebCenter 10.1.3.4にアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーションをJDeveloper 10.1.3.4で開き、移行ウィザードの指示に従います。

  2. 移行したアプリケーションの既存のコンテンツ・リポジトリ・データ・コントロールを、Oracle Content Serverを指すように編集します。 このためには、接続タイプをOracle Content Serverに変更し、カスタム属性定義を再定義する必要があります。 移行したWebCenter 10.1.3.4アプリケーションでは、カスタム属性に対し、WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションで使用していたものと同じ名前および値を使用する必要があります。

    コンテンツ・リポジトリ接続の詳細は、次のマニュアルを参照してください。

    • 『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle WebCenter』のコンテンツ・リポジトリの管理に関する項。ここでは、管理対象サーバーにデプロイされているWebCenterアプリケーションのコンテンツ・リポジトリ接続を管理者が構成する方法が説明されています。

    • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』の「コンテンツの統合」。この章では、開発者が新しいWebCenterアプリケーションを作成およびテストする間に、コンテンツ・リポジトリ接続をJDeveloper内で設定する方法が説明されています。

    これらのタスクの実行後、WebCenter 10.1.3.4アプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行できます。

10.3.1.2.2 Oracle Content DBデータの移行

Oracle Content DBデータは、アプリケーション移行中に任意のタイミングで移行できます。

WebDavクライアントを使用してOracle Content DBデータをOracle Content Serverに移行する手順は、次のとおりです。

  1. 全コンテンツにアクセスできるユーザー・アカウントを使用して、WebDAVの次の場所を開きます。

    • Oracle Content DBの場合: http://server:host/content/dav

    • Oracle Content Serverの場合: http://server:host/content-server-root/idcplg/webdav

  2. コンテンツをOracle Content DBの場所からOracle Content Serverの場所にコピーします。

WebDavを使用してコンテンツを移行する場合は、いくつかの制約があります。 この内容は次のとおりです。

  • ごみ箱フォルダがコピーされます。

  • バージョニング済のドキュメントでは、最新バージョンのみがコピーされます。

  • メタデータおよびアクセス制御設定は、コピーされたコンテンツでは保持されません。

10.3.1.3 ポートレットが含まれているアプリケーションの準備

JDeveloper 11gでは、WebCenterアプリケーションに「ポートレット」プロジェクトはデフォルトでは含まれていません。 WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにポートレットが含まれている場合、移行した後もアプリケーションには「ポートレット」プロジェクトが含まれています。 このため、WebCenterアプリケーションを移行する前に、「ポートレット」プロジェクトをアプリケーションから手動で削除する必要があります。


注意:

アプリケーションにポートレットが含まれていない場合は、この項は省略してください。

「ポートレット」プロジェクトをWebCenter 10.1.3.xアプリケーションから削除する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを起動します。


    注意:

    「ポートレット」プロジェクトを削除するには、JDeveloper 11gではなくJDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。

  2. 移行する10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  3. アプリケーション・ナビゲータで、「ポートレット」プロジェクトを選択します。

  4. 「ファイル」メニューから「ディスクから削除」を選択します。

  5. 「はい」をクリックし、アプリケーションからプロジェクトを削除します。

  6. アプリケーションを保存します。

10.3.2 WebCenterアプリケーションの移行

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションを準備した後、そのアプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行できます。

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 11gを起動します。

  2. WebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

    WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをバージョン11gのJDeveloperで開いたため、移行ウィザードが起動します。

  3. 「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  4. 「確認」ページでは、図10-3のように、デフォルトでは「はい」オプションが選択されています。「次へ」をクリックし、アプリケーションとそのプロジェクトの移行を確定します。

    「いいえ」を選択すると、移行プロセスは中断され、アプリケーションはJDeveloperで開かれません。

    図10-3 移行ウィザードの「確認」ページ

    図10-3の説明が続きます。
    「図10-3 移行ウィザードの「確認」ページ」の説明

  5. 「Webapp 2.5移行」ページで、図10-4のように、JavaServer Pages Standard Tag Library(JSTL)バージョン1.0または1.1を使用して作成されたプロジェクトを移行するかどうかを指定します。 デフォルトの設定を受け入れるには、「次へ」をクリックします。

    図10-4 移行ウィザードの「Webapp 2.5移行」ページ

    図10-4の説明が続きます。
    「図10-4 移行ウィザードの「Webapp 2.5移行」ページ」の説明

  6. 「コンポーネントID」ページで、コンポーネントIDを移行してランダム化するかどうかを指定します。「次へ」をクリックし、デフォルトの設定を受け入れます。(図10-5

    図10-5 移行ウィザードの「コンポーネントID」ページ

    図10-5の説明が続きます。
    「図10-5 移行ウィザードの「コンポーネントID」ページ」の説明

  7. トリニダード移行ページで、「次へ」をクリックします。(図10-6

    図10-6 移行ウィザードのトリニダード移行ページ

    図10-6の説明が続きます。
    「図10-6 移行ウィザードのトリニダード移行ページ」の説明

  8. 「終了」をクリックし、WebCenterアプリケーションの移行を開始します。(図10-7

    アプリケーションのサイズによっては、移行プロセスに時間がかかる場合があります。移行プロセスの実行中は進行状況を示すダイアログが表示されます。 アプリケーションの移行が終了すると、図10-8のように、移行されたプロジェクトのリストが「移行ステータス」ダイアログに表示されます。

    図10-7 移行ウィザードの「終了」ページ

    図10-7の説明が続きます。
    「図10-7 移行ウィザードの「終了」ページ」の説明

  9. 「OK」をクリックします。

    図10-8 移行ステータス

    図10-8の説明が続きます。
    「図10-8 移行ステータス」の説明

    移行したアプリケーションが開き、そのプロジェクトがアプリケーション・ナビゲータに表示されます。 図10-8および図10-9で、移行されたプロジェクトのリストに「ポートレット」プロジェクトが含まれていない点に注目してください。

    アプリケーションの移行中にエラーが発生した場合は、エラーが「メッセージ - ログ」ウィンドウに表示されます。

図10-9 JDeveloper 11gに移行されたプロジェクト

図10-9の説明が続きます。
「図10-9 JDeveloper 11gに移行されたプロジェクト」の説明

10.3.3 移行後タスクの実行

アプリケーションの移行中は、JDeveloper 11gの移行ユーティリティによってアプリケーションに様々な変更が加えられ、Oracle WebCenter 11g用に構成されます。 これらの変更には、次に関連するものが含まれます。

  • カスタマイズ可能コンポーネント

  • 外部アプリケーション

  • ポートレット・コンポーネントの変更

これらの変更の詳細は、付録B「その他のOracle WebCenter移行の詳細」を参照してください。

WebCenterコンシューマ・アプリケーションの移行後は、様々な移行後タスクの実行が必要な場合があります。 これには次のタスクが含まれます。

10.3.3.1 Oracle Portal接続の移行

Oracle Portalアダプタに基づくコンテンツ・リポジトリ接続については、データ・ソースをデータベース接続に移行して、connections.xmlに保存する必要があります。最初にJDeveloper 11gを起動したときに、以前のバージョンのJDeveloperから設定を移行するかどうかを尋ねるメッセージが表示されます。

  • 「はい」を選択すると、データベース接続が自動的に移行され、JDeveloper 11gのIDE接続から接続を使用できるようになります。

  • 「いいえ」を選択した場合、データベース接続は移行されません。

設定の移行に関するJDeveloperのメッセージに対して「はい」を選択した場合、WebCenterアプリケーションの移行時に、移行されたデータベース接続が移行ユーティリティによって使用されます。 以前のバージョンのJDeveloperから設定を移行しなかった場合、移行ユーティリティはアプリケーションのdata-sources.xmlファイル内の情報を使用してデータベース接続の作成を試みます。この場合、データベース接続のパスワードは使用できません。 そのため、アプリケーションの移行後に、データベース接続の編集ウィザードを使用してデータベース接続のパスワードを指定する必要があります。

まれに、Oracle Portalアダプタで使用されているデータベース接続が自動的に移行または作成されないことがあります。この場合は、アプリケーションの移行後に、データベース接続の作成ウィザードを使用して新しいデータベース接続を作成する必要があります。このウィザードはコンテンツ・リポジトリ接続の編集ウィザードからアクセスできます。 データベース接続の作成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のOracle Portalアダプタに基づくコンテンツ・リポジトリ接続の作成方法に関する項を参照してください

10.3.3.2 ADFセキュリティの構成

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにADFセキュリティが適用されている場合は、アプリケーションの移行後にセキュリティを再構成する必要があります。

ADFセキュリティが適用されているWebCenterアプリケーションを移行すると、ADFセキュリティ・ポリシーが移行されます。 approot/.adf/META-INF/app-jazn-data.xmlに定義されているポリシーは、approot/src/META-INF/jazn-data.xmlに移行されます。 ただし、ポリシーに定義されているユーザーおよびエンタープライズ・ロールは移行されません。

図10-10は、移行後のWebCenterアプリケーションのjazn-data.xmlのプロパティを示したものです。

図10-10 移行後のWebCenterアプリケーションのセキュリティの設定

図10-10の説明が続きます。
「図10-10 移行後のWebCenterアプリケーションのセキュリティの設定」の説明

移行後のWebCenterアプリケーションのADFセキュリティを再構成する手順は、次のとおりです。

  • jazn-dataエディタで新しいレルムを作成した後、WebCenter 10gアプリケーションで使用していたポリシーに定義されている必要なユーザーおよびエンタープライズ・ロールを再作成する必要があります。 レルムの名前はjazn.comにすることをお薦めします。

  • オプションで、アプリケーション・ロールを使用するようにアプリケーション認可データを再構成できます。 Oracle WebCenter 11gアプリケーションでは、アプリケーション・ロールをサポートしています。 エンタープライズ・ロールではなくアプリケーション・ロールを使用するようにADFセキュリティを再構成できます。

ADFセキュリティの構成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』を参照してください。

10.3.3.3 Content Integration Suite APIのダウンロード

Oracle WebCenter 10.1.3.4には、Oracle Content Server用のクライアントAPIであるcis-client-8.0.0.jarが含まれています。 このAPIは、Oracle WebCenter 11gには含まれていません。 移行後のWebCenter 10.1.3.4アプリケーションでこのAPIを使用できない場合、コンパイル・エラーが発生することがあります。

cis-client-8.0.0.jarクライアントAPIは、Content Integration Suite 10g リリース3の一部として入手できます。WebCenter 10.1.3.4アプリケーションでcis-client-8.0.0.jarを使用する場合は、アプリケーションの移行後に、OTNの次の場所からこのAPIをダウンロードする必要があります。

http://www.oracle.com/technology/software/products/content-management/index.html

このOTNページで、「Content Integration Suite 10gR3」リンクをクリックし、ContentIntegrationSuite_10gR3_20081218.zipファイル(このAPIが含まれているファイル)をダウンロードします。

10.3.3.4 事前構成済ポートレット・プロデューサのプロデューサ登録の移行

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションで、WebクリッピングやOmniPortletなど、事前構成済ポートレット・プロデューサのポートレットを使用している場合は、移行中に、事前構成済ポートレット・プロデューサのポート番号が更新されます。 Oracle Application Server 10.1.3.x環境にある事前構成済ポートレット・プロデューサの登録で、ポート6688を使用しているプロデューサ登録はすべて、ポート7101に移行されます。Oracle Application Server 10.1.3.x環境でデフォルトのポート番号を使用していなかった場合は、これらのポート番号を手動で適切なポート番号に変更する必要があります。

事前構成済ポートレット・プロデューサ以外のポートレット・プロデューサ登録に対しては、WebCenterアプリケーションの移行時にポート番号の変更は行われません。

10.3.3.5 アプリケーションの再デプロイ

アプリケーションをJDeveloper 11gで移行した後は、アプリケーションを再コンパイルする必要があります。 次に、アプリケーションを再デプロイし、デプロイ後のアプリケーションを検証します。 詳細は、第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」を参照してください。

10.4 ポートレット・プロデューサの移行方法

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションでポートレットが使用されている場合は、WebCenterコンシューマ・プリケーションの移行に加えて、ポートレット・プロデューサもOracle WebCenter 11gに移行することが必要な場合があります。

表10-2は、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションで使用しているポートレット・プロデューサの移行に関連するタスクを示したものです。

表10-2 ポートレット・プロデューサの移行のタスク・フロー

タスク サブタスク 実行する状況

アプリケーションの移行準備

WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサの互換性の判断


全状況

ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの移行

JDeveloperで作成されたポートレット・プロデューサの移行


WebCenterアプリケーションにJDeveloper 10.1.3.xで開発されたポートレット・プロデューサのポートレットが含まれている場合


JDeveloper以外で作成されたポートレット・プロデューサの移行


WebCenterアプリケーションにJDeveloper以外で開発されたポートレット・プロデューサのポートレットが含まれている場合


事前構成済ポートレット・プロデューサの移行


WebCenterアプリケーションに事前構成済ポートレット・プロデューサのポートレットが含まれている場合

移行後タスクの実行

カスタマイズ内容の移行


WebCenterアプリケーションに事前構成済ポートレット・プロデューサのポートレット以外のポートレットが含まれている場合


ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの再デプロイ


全状況


10.4.1 WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサの互換性の判断

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされているWebCenterコンシューマ・アプリケーションまたはポートレット・プロデューサ・アプリケーションのほとんどは、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードされたアプリケーションと互換性があります。 たとえば、Oracle Fusion Middleware 11gのOracle WebLogic Serverに移行およびデプロイされたWebCenterコンシューマ・アプリケーションが、Oracle Application Server 10.1.3.xで実行されているPDK-Javaプロデューサ・アプリケーションからのポートレットを引き続き使用することも可能です。

Oracle Fusion Middleware 11gは、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの下位互換性をサポートしています。 互換性のサポート状況に応じて、WebCenterコンシューマ・アプリケーションのみを移行するのか、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのみを移行するのか、それとも両方を移行するのかを決定できます。 表10-3は、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの様々なバージョン間の互換性を示したものです。 表内の11gは、元々Oracle WebCenter 11gで作成されたアプリケーションまたはOracle WebCenter 11gに移行されたWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを表しています。

表10-3を見ると、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションとPDK-JavaまたはWSRP 1.0のWebCenter 11gポートレット・プロデューサ・アプリケーションの組合せは互換性があることがわかります。 このように下位互換性がサポートされている場合は、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行しないことも選択できます。 この表を見ると、WebCenter 11gコンシューマ・アプリケーションとPDK-JavaまたはWSRP 1.0のWebCenter 10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションの組合せも互換性があるということがわかります。 この場合は、10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションを移行しないことも選択できます。

ただし、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションはWSRP 2.0のOracle WebCenter 11gポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは互換性がありません。 同様に、WebCenter 11gコンシューマ・アプリケーションはWSRP 2.0のWebCenter 10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは互換性がありません。 このような場合は、アプリケーションの連携動作が可能になるように、すべての10.1.3.x WSRP 2.0アプリケーションをOracle Fusion Middleware 11gに移行する必要があります。

表10-3 WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの様々なバージョン間の互換性

WebCenterコンシューマ・アプリケーションのバージョン ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのバージョン このアプリケーションの組合せがOracle Fusion Middleware 11gでサポートされるかどうか

10.1.3.x

PDK-Java 11.1.1.x

はい

10.1.3.x

Oracle Application Server 11.1.1.xにデプロイされたWSRP 1.0

はい

10.1.3.x

Oracle Application Server 11.1.1.xにデプロイされたWSRP 2.0

いいえ

11g

PDK-Java 10.1.3.x

はい

11g

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされたWSRP 1.0

はい

11g

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされたWSRP 2.0

いいえ


10.4.2 ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの移行

ポートレット・プロデューサ・アプリケーションを移行するには、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションで使用しているポートレット・プロデューサのタイプに応じて、様々なタスクの実行が必要な場合があります。 これには次のタスクが含まれます。

10.4.2.1 JDeveloperで作成されたポートレット・プロデューサの移行

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにポートレットが含まれており、そのアプリケーションがJDeveloperを使用して作成された場合は、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションをOracle WebCenter 11gで作成してポートレット・プロデューサを移行する必要があります。 また、新しく作成されたポートレット・プロデューサ・アプリケーションにWebCenter 10.1.3.xアプリケーションの「ポートレット」プロジェクトを手動で移行する必要もあります。


注意:

WebCenter 10gアプリケーションにポートレット・プロデューサが含まれていない場合、「ポートレット」プロジェクトは空ということになります。

JDeveloper 10.1.3.xで作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションを移行する手順は、次のとおりです。

  1. 「ポートレット・プロデューサ・アプリケーション」テンプレートを使用して、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションをJDeveloper 11gで作成します。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』の「開発環境の準備」を参照してください。

  2. 新しく作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションで、「ポートレット」プロジェクトを選択します。

  3. 「ファイル」メニューから「プロジェクトの削除」を選択します。

  4. 図10-11のように、「プロジェクトを削除してそのコンテンツをすべて削除します(ソース・ディレクトリを含む)」オプションを選択し、「はい」をクリックします。

    図10-11 「ポートレット」プロジェクトの削除

    図10-11の説明が続きます。
    「図10-11 「ポートレット」プロジェクトの削除」の説明

  5. 削除操作を確認するメッセージに対し、「はい」をクリックします。

  6. アプリケーションを保存します。

  7. ファイル・システムで、Portletsディレクトリを、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのバックアップ・コピーから、新しく作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションのディレクトリにコピーします。

  8. JDeveloper 11gで、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのportlets.jprを開きます。

    「ポートレット」プロジェクトを移行するかどうか入力を要求されます。

  9. 図10-12のように、「はい」をクリックして、10.1.3.xの「ポートレット」プロジェクトを11gのポートレット・プロデューサ・アプリケーションに移行します。

    図10-12 「ポートレット」プロジェクトの移行

    図10-12の説明が続きます。
    「図10-12 「ポートレット」プロジェクトの移行」の説明

    「ポートレット」プロジェクトの移行が終了すると、portlets.jprが正常に移行されたことを示すメッセージが「移行ステータス」ダイアログに表示されます。

  10. 「OK」をクリックします。

10.4.2.2 JDeveloper以外で作成されたポートレット・プロデューサの移行

WARファイルまたはEARファイル内のWARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168 Javaポートレット・プロデューサ・アプリケーションまたはPDK-Javaポートレット・アプリケーションがある場合は、アプリケーションをOracle WebLogic Serverアプリケーション・ディスクリプタなどのOracle WebCenter 11gに固有の要素で更新する必要があります。

次の各項では、PDK-JavaまたはJSR 168アプリケーション(EARまたはWARアーカイブ・ファイルの形式のアプリケーション)をOracle WebCenter 11gに移行する方法について説明します。

10.4.2.2.1 EARファイルからのJDeveloperアプリケーションの作成

EARファイル内のWARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168ポートレット・アプリケーションまたはPDK-Javaポートレット・アプリケーションがある場合、そのEARをOracle WebCenter 11gに移行するには、まずアーカイブ・ファイルに基づいてJDeveloper 10.1.3.xアプリケーションを作成する必要があります。 その後、アプリケーションをJDeveloper 11gで開くと、アプリケーションを移行できます。

EARファイルを移行する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを開きます。


    注意:

    EARファイルの移行準備をするには、JDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。

  2. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」ダイアログで「一般」を展開し、「アプリケーション」、続いて「EARファイルからのアプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. 「EARファイルからのアプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  5. EARファイルからのアプリケーション作成ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  6. 「場所」ページで、「EARファイル」フィールドにEARファイルへのパスを入力します。

  7. 「ファイルをアプリケーションへコピー」チェック・ボックスを選択します。

  8. 「終了」を選択し、アプリケーションをJDeveloperで作成します。

  9. アプリケーションを保存します。

  10. アプリケーションのバックアップ・コピーを保存します。

  11. JDeveloper 11gを開きます。

  12. EARファイルから作成したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  13. 指示に従い、アプリケーションをJDeveloper 11gに移行します。

  14. アプリケーションを保存します。

    これで、アプリケーションの再デプロイが可能になります。

10.4.2.2.2 WARファイルからのJDeveloperアプリケーションの作成

WARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168またはPDK-JavaアプリケーションからJDeveloperファイルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを開きます。


    注意:

    WARファイルの移行準備をするには、JDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。

  2. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」ダイアログで「一般」を展開し、「アプリケーション」、続いて「アプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. アプリケーションの作成ウィザードで、「OK」をクリックします。

  5. プロジェクトの作成ウィザードで、「取消」をクリックし、新しいプロジェクトがアプリケーションに作成されないようにします。

  6. アプリケーション・ナビゲータで、新しく作成したアプリケーションを選択します。

  7. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  8. 「新規ギャラリ」で「一般」を展開し、「プロジェクト」、続いて「WARファイルからのプロジェクト」を選択し、「OK」をクリックします。

  9. WARファイルからのプロジェクト作成ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  10. 「WARの場所」ページで、WARファイルへのパスを「WARファイル」フィールドで指定します。

  11. 「終了」をクリックし、プロジェクトを作成します。

  12. アプリケーションを保存します。

  13. アプリケーションをバックアップします。

  14. JDeveloper 11gを開きます。

  15. WARファイルから作成したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  16. 指示に従い、アプリケーションをJDeveloper 11gに移行します。

  17. アプリケーションを保存します。

    これで、アプリケーションの再デプロイが可能になります。

10.4.2.3 事前構成済ポートレット・プロデューサの移行

Oracle WebCenter 11gには、様々な事前構成済ポートレット・プロデューサが用意されています。 たとえば、OmniPortlet、Webクリッピング、リッチ・テキスト・ポートレット、WSRPパラメータ・フォーム・ポートレット、サンプルWSRPポートレット・プロデューサ、サンプルPDK-Javaポートレット・プロデューサなどです。

Oracle WebCenterではポートレットのカスタマイズが可能です。ユーザー・データおよびポートレットやプロデューサの設定などのプリファレンスをカスタマイズすることができます。カスタマイズ内容はデータベースまたはファイル・システム内に保存できます。 事前構成済ポートレット・プロデューサに関連するカスタマイズ内容は、アプリケーション・プロジェクト内ではなく、これらのプロデューサのカスタマイズ内容の保存先に保存されます。 デフォルトでは、事前構成済ポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容は次の場所に保存されます。

ORACLE_HOME/portal/portletdata

このため、構成済ポートレット・プロデューサのポートレットが含まれているWebCenterアプリケーションの移行時は、ポートレットのカスタマイズ内容も移行する必要があります。

10.4.2.3.1 デフォルトの場所からのカスタマイズ内容の移行

JDeveloper 11gのインストール後の最初の起動時に、以前のリリースの設定を移行するかどうかを尋ねるメッセージが表示されます。 「はい」を選択すると、事前構成済ポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容は、他のJDeveloperシステム・プロパティとともに、以前のJDeveloperインストールからJDeveloper 11gに自動的に移行されます。 ただし、ポートレットのカスタマイズ内容は、デフォルトの場所であるORACLE_HOME/portal/portletdataからのみ移行されます。

ポートレットのカスタマイズ内容を移行しないと選択し、「いいえ」を選択した場合は、カスタマイズ内容を後で手動で移行する必要があります。 手動の手順では、JDEV10.1.3.x_ORACLE_HOME/portal/portletdataディレクトリをJDEV11_ORACLE_HOME/jdeveloper/portal/portletdataディレクトリにコピーします。

10.4.2.3.2 デフォルト以外の場所からのカスタマイズ内容の移行

ポートレットのカスタマイズ内容の保存先としては、デフォルトの場所であるORACLE_HOME/portal/portletdata以外も選択できます。

デフォルト以外の場所からカスタマイズ内容を移行するには、次のいずれかのタスクを実行する必要があります。

  • カスタマイズ内容の保存先のディレクトリを必要なパスにコピーし、カスタマイズ内容の保存先の新しい場所を指すように移行済ポートレット・プロデューサを構成します。 カスタマイズ内容がデータベースに保存される場合は、そのデータベースにアクセスするように移行済ポートレット・プロデューサを構成します。

  • 以前の場所からカスタマイズ・ストアにアクセスするように移行済ポートレット・プロデューサを構成します。

カスタマイズ内容をデフォルト以外の場所に保存する方法の詳細は、付録B「事前構成されたポートレット・プロデューサ: カスタマイズ内容の保存先」を参照してください。

10.4.3 ポートレット・プロデューサの移行後タスクの実行

ポートレット・プロデューサの移行後は、カスタマイズ内容を移行し、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションを再デプロイします。

10.4.3.1 カスタマイズ内容の移行

Oracle PDK-JavaおよびWSRPポートレット・プロデューサの移行後に、カスタマイズ内容が共有されていない場合、または移行済ポートレット・プロデューサからカスタマイズ内容にアクセスできない場合は、そのカスタマイズ内容を移行する必要があります。 このカスタマイズ内容は、事前構成済ポートレット・プロデューサ以外のポートレット・プロデューサのものです。

このようなカスタマイズ内容を移行するには、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用できます。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティに関する項を参照してください。

10.4.3.2 ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの再デプロイ

移行済ポートレット・プロデューサ・アプリケーションは、Oracle WebLogic Serverの管理対象サーバーでOracle WebCenterポートレット・プロデューサをサポートする構成のサーバーであれば、どのサーバーにもデプロイできます。 デプロイメントには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用できます。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle WebCenter』のポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

WebLogicサーバーへのアクセスに必要な資格証明がある場合は、JDeveloperを使用して、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションを開発環境から直接Oracle WebLogic Serverインスタンスにデプロイすることも可能です。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のOracle WebLogic管理対象サーバー・インスタンスへのポートレット・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

10.5 WiKiデータの移行方法

Oracle WebCenter 11gには、WebCenterアプリケーションへのWiKiおよびブログの統合を可能にするOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gが含まれています。 Wikiおよびブログのサービスが含まれているWebCenter 10.1.3.xアプリケーションの移行時は、WikiデータもOracle Wiki Server 10.1.3.2またはOracle WebCenter Wiki and Blog Server 10.1.3.4からOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gに移行する必要があります。


注意:

Wikiデータは、WebCenterアプリケーションの移行中に任意のタイミングで移行できます。

Wikiまたはブログのサービスがアプリケーションに構成されていない場合は、この項は省略してください。


Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gは、ファイル・システム・ベースのリポジトリまたはデータベース・リポジトリを使用するように構成できます。 Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 10.1.3.4もこの両方のリポジトリをサポートしていますが、Oracle WebCenter Wiki 10.1.3.2はファイル・システム・ベースのリポジトリのみをサポートしています。 ファイル・システム・ベースのリポジトリでは、ドメインはディレクトリで表され、ドメイン内のWiKiページはそのディレクトリ内のファイルで表されます。


注意:

Oracle Wiki Server 10.1.3.xで使用していた次の機能は、Oracle Wiki and Blog Server 11gで使用できなくなります。
  • Wikiページ上のタグ

  • Wikiページの上のディスカッション

Wikiページにタグやディスカッションの機能を統合するには、Oracle WebCenter 11gでサポートされているタグ・サービスとディスカッション・サービスを使用します。


10.5.1 ファイル・システム・ベースのリポジトリへのコンテンツの移行

Oracle Wiki Server 10.1.3.2またはOracle WebCenter Wiki and Blog Server 10.1.3.4のファイル・システム・ベースのリポジトリのコンテンツをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gのファイル・システム・ベースのリポジトリに移行する手順は、次のとおりです。

  1. Wiki and Blog Server 10.1.3.2または10.1.3.4で、$SOURCE_WIKI_HOME/pagesディレクトリに移動します($SOURCE_WIKI_HOMEはWiki and Blog Serverのデプロイメント・ディレクトリ)。

  2. pagesディレクトリ内のファイルをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11g$WIKI_HOME/pagesディレクトリにコピーします($WIKI_HOMEはWiki and Blog Server 11gのデプロイメント・ディレクトリ)。

    Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gがファイル・システム・ベースのリポジトリを使用するように構成されている場合は、新しくコピーされたディレクトリは新しいドメインとして認識され、そのディレクトリ内のファイルは新しいWiKiページとして認識されます。


    注意:

    WiKiページに関連する添付ファイルは、attachmentsという名前の別のディレクトリに保存されます。 pagesディレクトリの他に、attachmentsディレクトリもOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gにコピーする必要があります。

    デフォルトでは、添付ファイル機能はOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gでは無効になっています。 この機能は、管理モードを使用して有効化できます。


  3. Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gがデプロイされているサーバーを再起動します。

10.5.2 データベース・リポジトリへのコンテンツの移行

Oracle Wiki Server 10.1.3.2またはOracle WebCenter Wiki and Blog Server 10.1.3.4のファイル・システム・ベースのリポジトリのWiKiコンテンツをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gのデータベース・リポジトリに移行する手順は、次のとおりです。

  1. WiKiコンテンツをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gのファイル・ベースのリポジトリに移行します。 詳細は第10.5.1項「ファイル・システム・ベースのリポジトリへのコンテンツの移行」を参照してください。

    これで、WiKi 10.1.3.xファイルがOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gに移行されます。

  2. Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gに管理者としてログオンします。

  3. 「管理」リンクをクリックし、管理モードにアクセスします。(図10-13

    図10-13 Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gの「管理」リンク

    図10-13の説明が続きます。
    「図10-13 Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gの「管理」リンク」の説明

  4. 「ドメイン関連」で、「ドメインのインポート」をクリックし、ドメイン・ディレクトリをデータベースにインポートします。


    注意:

    一度にインポートできるドメインは1つのみです。

  5. 「ドメインのインポート」ページで、インポートするOracle Wiki Server 10.1.3.2ドメインの名前、説明、開始ページ名および場所を指定します。(図10-14

    図10-14 ドメインのインポート

    図10-14の説明が続きます。
    「図10-14 ドメインのインポート」の説明

  6. 「ドメインのインポート」をクリックします。

  7. ステップ3および4を繰り返し、他のドメインをインポートします。

  8. Oracle Wiki Server 10.1.3.2の$SOURCE_WIKI_HOME/attachmentsディレクトリをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11g$WIKI_HOME/attachmentsディレクトリにコピーします。

  9. Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11gがデプロイされているサーバーを再起動します。

データベース・ベースのリポジトリを使用するように構成されているOracle WebCenter Wiki and Server 10.1.3.4からコンテンツを移行するには、同じOracleデータベース(スキーマが同一)を移行先にするか、Oracleツールを使用してOracle WebCenter Wiki and Server 10.1.3.4データベースをエクスポートした後、それを新しいデータベースにインポートします。