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Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B56245-01
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11 Oracle Identity Federation高可用性環境のアップグレード

この章では、高可用性環境でのOracle Identity Federationのアップグレード方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

11.1 タスク1: Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの理解

Oracle Identity Federation高可用性アップグレードを準備するには、次の項を参照してください。

11.1.1 Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの前提条件

このアップグレード手順を開始するには、次の事項が前提となります。

  • 10gのソース・トポロジが11gのアップグレード先トポロジと同じであること。

    つまり、インストールを予定しているOracle Identity Federationトポロジが、設計面で10g環境と同様である必要があります。たとえば、11g環境で同じ数のホストと同じ数のOracle Identity Federationインスタンスを実行していることが前提になります。

  • アップグレードする各Oracle Identity Federationインスタンスについて、ターゲットのOracle Identity Federation 11g Oracleホームが、ソースのOracle Identity Federation 10g Oracleホームと同じホストに存在すること。

  • Oracle Identity Federationスキーマのホストに使用するデータベースが、Oracle Fusion Middleware 11gでサポートされるバージョンにアップグレードされていること。

    詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードと準備に関する項を参照してください。

11.1.2 この章で使用される規則

この章の例では、2つの個別ホスト・コンピュータで実行する2つのOracle Identity Federationインスタンスをアップグレードすると仮定しています。これらのホスト・コンピュータをIDMHOST1およびIDMHOST2とします。

さらに、2つのデータベース・サーバーがあり、これらも2つの個別ホストDBHOST1およびDBHOST2で実行しているとします。

11.2 タスク2: データベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール

アップグレード準備のためにOracle Identity Federation 11gをインストールするには、サポートされているデータベースにOracle Identity Federation 11gスキーマをインストールしておく必要があります。

リポジトリ作成ユーティリティを使用してスキーマを作成し、リポジトリ作成ユーティリティの「コンポーネントの選択」画面で「Oracle Identity Federation」コンポーネントを選択します。

詳細は、6.2項「タスク2: リポジトリ作成ユーティリティを使用したデータベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール」を参照してください。

11.3 タスク3: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成

Oracle WebLogic Serverをインストールしてミドルウェア・ホームを作成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』のOracle WebLogic Serverのインストールに関する項を参照してください。

ミドルウェア・ホームの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの「Oracle Fusion Middlewareの概念の理解」を参照してください。

11.4 タスク4: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのみによるOracle WebLogic Serverドメインの構成

次の手順を使用して、Oracle Identity Federation高可用性アップグレード準備のためにOracle Internet Directoryをインストールして構成します。

  1. Oracle Identity Management CD-ROMを検索します。

    また、Oracle Technology Networkでインストール・キットをダウンロードし、解凍することもできます。

    http://www.oracle.com/technology/
    
  2. CD-ROMからインストールする場合は、CD-ROMのルート・ディレクトリに移動します。

    あるいは、Oracle Technology Networkからソフトウェアをダウンロードして解凍した場合は、ディレクトリを、ソフトウェアを解凍した場所のDisk1ディレクトリに変更します。

  3. Oracle Universal Installerを起動します。

    UNIXシステムでは、次のコマンドを入力してリポジトリ作成ユーティリティをインストールします。

    ./runInstaller
    

    Windowsシステムでは、setup.exeファイルをダブルクリックします。

  4. インストーラの手順に従い、Oracle Identity Federationをインストールします。

    インストールと構成時は次のリソースを参照してください。

    表11-1。Oracle Identity Federation高可用性アップグレードのソフトウェアをインストールおよび構成する際に必要な特定の手順について説明します。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』。または、Oracle Identity Federationのインストール時に必要な前提条件とその他のプロンプトについては、「ヘルプ」をクリックします。

  5. インストールと構成が完了したら、Oracle Identity Managementのインストールと構成ツールを終了します。

表11-1 アップグレード準備のためにOracle Identity Federation高可用性をインストールおよび構成する場合のインストール画面の概要

画面 説明および実行するアクション

インストール・タイプの選択

「インストールと構成」を選択します。

前提条件のチェック

この画面では、ホスト・コンピュータがOracle Identity Managementコンポーネントのシステム要件をすべて満たしているかどうかを確認します。

ドメインの選択

「ドメインの新規作成」を選択して、管理者ユーザーweblogicのパスワードを指定します。

OIFDomainなどのわかりやすいドメイン名を入力します。

インストール場所の指定

  • 「タスク3: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成」で作成したミドルウェア・ホームとOracle WebLogic Serverディレクトリの場所を指定します。

  • このインストール時に、ミドルウェア・ホーム内に作成されるOracleホームの名前を指定します。この例では、adminという名前を使用して、これを管理Oracleホームとします。

  • このインストール時に作成されるOracleインスタンスの名前と場所を指定します。この例では、Oracleインスタンスの名前にadmin_instと入力し、これをFusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールが実行しているインスタンスとします。

詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

ミドルウェア・ホームの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの「Oracle Fusion Middlewareの概念の理解」を参照してください。

コンポーネントの選択

この画面では、ディスクにインストールするコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、この画面ですべてのコンポーネントを選択します。

コンポーネントの構成

この画面では、このインストールおよび構成セッションで構成されるコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、「Enterprise Manager」のみを選択します。この画面ではその他のコンポーネントは選択しないでください。Oracle Identity Federationコンポーネントは後で構成します。


11.5 タスク5: ドメインの拡張および最初のOracle Identity Federation 11g Oracleインスタンスの作成

Oracle WebLogic Serverドメインを構成しました。これで、ドメインを拡張し、Oracle Identity Federationコンポーネントの最初のOracleインスタンスを作成できます。詳細は、次の項を参照してください。

11.5.1 ドメインの拡張およびOracle Identity Federationの構成

ドメインを拡張し、Oracle Identity Federationを構成するには、次のようにします。

  1. Oracle Universal Installerを起動します。

    UNIXシステムでは、次のコマンドを入力してリポジトリ作成ユーティリティをインストールします。

    ./runInstaller
    

    Windowsシステムでは、setup.exeファイルをダブルクリックします。

  2. インストーラの手順に従い、Oracle Identity Federationをインストールします。

    インストールと構成時は次のリソースを参照してください。

    表11-2。Oracle Identity Federation高可用性アップグレードのソフトウェアをインストールおよび構成する際に必要な特定の手順について説明します。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』。または、Oracle Identity Federationのインストール時に必要な前提条件とその他のプロンプトについては、「ヘルプ」をクリックします。

  3. インストールと構成が完了したら、Oracle Identity Managementのインストールと構成ツールを終了します。

表11-2 最初のOracle Identity Federation Oracleインスタンスを構成する場合のインストール画面の概要

画面 説明および実行するアクション

インストール・タイプの選択

「インストールと構成」を選択します。

前提条件のチェック

この画面では、ホスト・コンピュータがOracle Identity Managementコンポーネントのシステム要件をすべて満たしているかどうかを確認します。

ドメインの選択

インストール場所の指定

  • 「タスク3: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成」で作成したミドルウェア・ホームとOracle WebLogic Serverディレクトリの場所を指定します。

  • このインストール時に、ミドルウェア・ホーム内に作成されるOracleホームの名前を指定します。この例では、oifと入力し、これを最初のOracle Identity Federationインスタンスのプログラム・ファイルが含まれるOracleホームとします。

  • このインストール時に作成されるOracleインスタンスの名前と場所を指定します。oif_inst1と入力し、これを高可用性トポロジでの最初のOracle Identity Federationインスタンスとします。

詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

ミドルウェア・ホームの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの「Oracle Fusion Middlewareの概念の理解」を参照してください。

コンポーネントの選択

この画面では、ディスクにインストールするコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、この画面ですべてのコンポーネントを選択します。

コンポーネントの構成

この画面では、このインストールおよび構成セッションで構成するコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、次の操作を実行します。

クラスタ詳細の指定

この画面で、Oracle WebLogic Serverクラスタ内の管理対象サーバーで使用されるマルチキャスト・アドレスとマルチキャスト・ポートを指定します。

たとえば、次のようになります。

  • マルチキャスト・アドレス: 239.192.0.0

  • マルチキャスト・ポート: 8001

OIF詳細の指定

この例の場合、この画面のフィールドに次のように入力します。

  • PKCS12パスワード: セキュリティ・パスワードを入力します。

  • パスワードの確認: パスワードを再入力して、正しく入力したことを確認します。

  • サーバーID: oif_OIFDomainと入力します。

OIF拡張フロー属性

この画面の各フィールドには次の内容を入力します。

認証タイプ: JAAS

ユーザー・ストア: NONE

フェデレーション・ストア: NONE

ユーザー・セッション・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

メッセージ・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

構成ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

一時ストアのデータベースの詳細

この画面では次の情報を入力します。

  • 接続文字列: データベースに接続文字列を指定します。RACデータベースの場合、各ノードを入力してカレット文字(^)で区切ります。たとえば、次のようになります。

    oifdbhost1-vip.mycompany.com:1521:oifdb1^
    oifdbhost2-vip.mycompany.com:1521:oifdb2@ oifdb.mycompany.com
    
  • ユーザー名: 11.2項「タスク2: データベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール」で作成したOracle Identity Federationスキーマの名前(接頭辞を含む)を入力します。

  • パスワード: Oracle Identity Federationスキーマの作成時に入力したパスワード。


11.5.2 Oracle HTTP ServerとOracle Identity Federationの選択および構成について

Oracle Identity Federationには、Oracle HTTP Serverインスタンスが必要です。ただし、Oracle Identity Federationと同じホストにOracle HTTP Serverインスタンスをインストールして構成するか、Web層インストールの一部として別のホストにOracle HTTP Serverインスタンスをインストールするかを選択できます。

Oracle HTTP Serverを同じホストにインストールするかどうかを判断する場合は、次の事項に注意してください。

  • Oracle HTTP ServerをOracle Identity Federationと同じホストにインストールする場合、Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・アシスタントを使用して、Oracle Identity Federationのアップグレードと同時にOracle HTTP Serverインスタンスをアップグレードできます。

    つまり、アップグレード・アシスタントでは、すべてのSSL証明書とOSSO統合構成を、ソースのOracle Identity Federation 10gソース・トポロジからOracle Identity Federation 11gアップグレード先トポロジに移行できます。

  • Oracle HTTP Serverを別ホストにインストールする場合、アップグレード・アシスタントでは、SSL証明書とOSSO統合構成を移行しません。これらのアーティファクトは、アップグレード後に手動で移行する必要があります。

11.6 タスク6: アップグレード・アシスタントを使用した最初のOracle Identity Federation Oracleインスタンスのアップグレード

Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントによって、Oracle Application Server 10g環境のアップグレードが多くの点で自動化されます。

アップグレード・アシスタントは、Oracle Fusion Middleware Oracleホームのbinディレクトリに自動的にインストールされます。

詳細は、次の項を参照してください。

11.6.1 タスク6a: Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの起動

グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用したアップグレード・アシスタントを起動する手順は、次のとおりです。


注意:

Oracle Application Server 10g Oracleホームのアップグレードには、アップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースも使用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』の「アップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースの使用」を参照してください。

  1. ディレクトリを、Oracle Fusion MiddlewareインストールのORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、アップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXシステムの場合:

    ./ua
    

    Windowsシステムの場合:

    ua.bat
    

    図11-1に示すとおり、アップグレード・アシスタントに「ようこそ」画面が表示されます。

    図11-1 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面

    図11-1の説明が続きます
    「図11-1 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面」の説明

  3. 「次へ」をクリックして「操作の指定」画面(図11-2)を表示します。

    アップグレード・アシスタントで使用可能なオプションは、アシスタントを起動したOracleホーム固有のものです。Oracle Application Server Identity Management Oracleホームからアップグレード・アシスタントを起動すると、「操作の指定」画面に表示されるオプションは、Oracle Application Server Identity Management Oracleホームに対して有効なオプションになります。

    図11-2 Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面

    図11-2の説明が続きます
    「図11-2 Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面」の説明

11.6.2 タスク6b: Oracle Identity Federationのアップグレード

Oracle Identity Federationをアップグレードする場合、アップグレード・アシスタントによって、Oracle Identity Federation中間層の構成ファイルがアップグレードされます。

Oracle Identity Federationが同一のOracleインスタンスにある場合にOracle Identity Federationをアップグレードするには、次のようにします。

  1. 「タスク6a: Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの起動」に示すとおり、アップグレード・アシスタントを起動します。

  2. 「操作の指定」画面で「アイデンティティ管理インスタンスのアップグレード」を選択します(図11-2)。

  3. Oracle Identity Federationのアップグレード中に入力を必要とするアップグレード・アシスタントの画面の説明は、表11-3を参照してください。

  4. アップグレード・アシスタントでは、「アップグレード・オプションの指定」画面の後に次のタスクが実行され、それぞれのタスクの進行状況が表示されます。

    • アップグレード対象のコンポーネントとスキーマを調査し、アップグレード可能かどうかを確認します。

    • アップグレード対象のコンポーネントのサマリーを示します。これにより、アップグレード・アシスタントによってコンポーネントとスキーマが予測どおりにアップグレードされることを確認できます。

    • 進行状況画面を表示します。これにより、アップグレードのステータスを進行に応じて確認できます。

    • アップグレード中に発生したエラーまたは問題について警告します。


      関連項目:

      アップグレード・アシスタントの実行中に発生する問題のトラブルシューティングの具体的な方法は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。

    • アップグレードが完了したことを確認する「アップグレードの終了」画面を表示します。

  5. アップグレード・アシスタントを終了します。

表11-3 Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレード中に入力が必要なアップグレード・アシスタント画面

アップグレード・アシスタント画面 説明

ソース・ホームの指定

10g(10.1.4.0.1)のソースOracleホームを選択します。

アップグレードするOracleホームがドロップダウン・リストに表示されない場合は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracleASアップグレード・アシスタントに一覧表示されないソースOracleホームに関する項を参照してください。

アップグレード先インスタンスの指定

ミドルウェア・ホーム内にインストールしたアップグレード先の11g Oracleインスタンスの完全パスを入力します。これは、Oracle Identity Federationソフトウェアが含まれるOracleホームです。

または、「参照」をクリックしてディレクトリを選択します。

WebLogic Serverの指定

11.4項「タスク4: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのみによるOracle WebLogic Serverドメインの構成」で構成したOracle WebLogic Serverドメインのホスト、管理サーバーのポートおよび管理ユーザーの資格証明を入力します。

「警告」ダイアログ・ボックス

ソースOracleホームに、ターゲットOracleインスタンスにインストールおよび構成されていないOracle Application Serverコンポーネントがある場合は、この警告ダイアログ・ボックスが表示されます。

この警告は、ソースOracleホームに11g Oracleホームで使用できないOracle HTTP Serverのインスタンスが含まれる場合などに表示されます。

ダイアログ・ボックス内の情報が正しく、どのコンポーネントがアップグレードされるかがわかっている場合は、「はい」をクリックして続行します。それ以外は、「いいえ」をクリックして、コンポーネントが各11g Oracleインスタンスでインストールおよび構成されていることを確認します。

アップグレード・オプションの指定

この画面は、これらのアップグレード・オプションを示します。

  • アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用: Oracle Application Server 10g Oracleホームで使用していたポート割当てを、新しいOracle Fusion Middleware Oracleインスタンスに移行する場合。

    Oracle Identity Federationをアップグレードする際は、このオプションを常に選択することをお薦めします。

  • アップグレード完了後にアップグレード先コンポーネントを起動: アップグレード後に、アップグレード・アシスタントによりアップグレード先Oracleホームのコンポーネントを自動で起動する場合。このオプションを選択しない場合、アップグレード後にアップグレード先インスタンスを手動で起動する必要があります。

この例の目的のため、両方のアップグレード・オプションを選択します。


11.7 タスク7: IDMHOST2でのOracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成

IDMHOST1に作成したOracle WebLogic Serverクラスタを拡張してIDMHOST2を含める前に、Oracle WebLogic Serverバイナリ・ファイルをIDMHOST2にインストールしてIDMHOST2にミドルウェア・ホームを作成しておく必要があります。

Oracle WebLogic Serverをインストールしてミドルウェア・ホームを作成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』のOracle WebLogic Serverのインストールに関する項を参照してください。

Oracle WebLogic Serverをインストールする場合、ミドルウェア・ホームの完全パスを書き留めておいてください。この情報は、アップグレード手順で後ほど必要になります。

11.8 タスク7: IDMHOST2での2番目のOracle Identity Federationインスタンスのインストールおよび構成

ドメインをインストールおよび構成し、Oracle Identity Federationを構成するには、次のようにします。

  1. Oracle Universal Installerを起動します。

    UNIXシステムでは、次のコマンドを入力してリポジトリ作成ユーティリティをインストールします。

    ./runInstaller
    

    Windowsシステムでは、setup.exeファイルをダブルクリックします。

  2. インストーラの手順に従い、Oracle Identity Federationをインストールします。

    インストールと構成時は次のリソースを参照してください。

    表11-2。Oracle Identity Federation高可用性アップグレードのソフトウェアをインストールおよび構成する際に必要な特定の手順について説明します。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』。または、Oracle Identity Federationのインストール時に必要な前提条件とその他のプロンプトについては、「ヘルプ」をクリックします。

  3. インストールと構成が完了したら、Oracle Identity Managementのインストールと構成ツールを終了します。

表11-4 2番目のOracle Identity Federation Oracleインスタンスを構成する場合のインストール画面の概要

画面 説明および実行するアクション

インストール・タイプの選択

「インストールと構成」を選択します。

前提条件のチェック

この画面では、ホスト・コンピュータがOracle Identity Managementコンポーネントのシステム要件をすべて満たしているかどうかを確認します。

ドメインの選択

「クラスタを開く」を選択してドメインの詳細を入力します。

「タスク4: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのみによるOracle WebLogic Serverドメインの構成」でIDMHOST1に作成したドメインの管理サーバーのホスト、ポート、ユーザー名およびパスワードを入力します。

「次へ」をクリックします。

詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

インストール場所の指定

  • 「タスク7: IDMHOST2でのOracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成」で作成したミドルウェア・ホームとOracle WebLogic Serverディレクトリの場所を指定します。

  • このインストール時に、ミドルウェア・ホーム内に作成されるOracleホームの名前を指定します。この例では、oifと入力し、これを最初のOracle Identity Federationインスタンスのプログラム・ファイルが含まれるOracleホームとします。

  • このインストール時に作成されるOracleインスタンスの名前と場所を指定します。oif_inst2と入力し、これを高可用性トポロジでの2番目のOracle Identity Federationインスタンスとします。

詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

ミドルウェア・ホームの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの「Oracle Fusion Middlewareの概念の理解」を参照してください。

コンポーネントの選択

この画面では、ディスクにインストールするコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、この画面ですべてのコンポーネントを選択します。

コンポーネントの構成

この画面では、このインストールおよび構成セッションで構成するコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、次の操作を実行します。

クラスタ詳細の指定

この画面で、Oracle WebLogic Serverクラスタ内の管理対象サーバーで使用されるマルチキャスト・アドレスとマルチキャスト・ポートを指定します。

たとえば、次のようになります。

  • マルチキャスト・アドレス: 239.192.0.0

  • マルチキャスト・ポート: 8001

OIF詳細の指定

この例の場合、この画面のフィールドに次のように入力します。

  • PKCS12パスワード: セキュリティ・パスワードを入力します。

  • パスワードの確認: パスワードを再入力して、正しく入力したことを確認します。

  • サーバーID: oif_OIFDomainと入力します。

OIF拡張フロー属性

この画面の各フィールドには次の内容を入力します。

認証タイプ: JAAS

ユーザー・ストア: NONE

フェデレーション・ストア: NONE

ユーザー・セッション・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

メッセージ・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

構成ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

一時ストアのデータベースの詳細

この画面では次の情報を入力します。

  • 接続文字列: データベースに接続文字列を指定します。RACデータベースの場合、各ノードを入力してカレット文字(^)で区切ります。たとえば、次のようになります。

    oifdbhost1-vip.mycompany.com:1521:oifdb1^
    oifdbhost2-vip.mycompany.com:1521:oifdb2@ oifdb.mycompany.com
    
  • ユーザー名: 11.2項「タスク2: データベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール」で作成したOracle Identity Federationスキーマの名前(接頭辞を含む)を入力します。

  • パスワード: Oracle Identity Federationスキーマの作成時に入力したパスワード。


11.9 タスク8: IDMHOST1からIDMHOST2へのOracle Identity Federationアプリケーションのコピー

Oracle Directory Integration Platformアプリケーションは、外部でステージング済のアプリケーションとしてIDMHOST1にデプロイされます。アプリケーションは、IDMHOST1からOIFHOST2にコピーする必要があります。コピーしないと、IDMHOST2の管理対象サーバーは、Oracle WebLogic Server管理コンソールに不明状態で表示されます。

  1. IDMHOST2にステージング・ディレクトリを作成します。

    MW_HOME/user_projects/domains/IDMDomain/servers
          /wls_oif2/stage/OIF/11.1.1.0.0/OIF
    
  2. IDMHOST1でOracle Identity Federationステージング・ディレクトリを見つけます。

    MW_HOME/user_projects/domains/IDMDomain/servers
          /wls_oif1/stage/OIF/11.1.1.0.0/OIF
    
  3. ディレクトリとその内容を、IDMHOST2のステージングの場所にコピーします。

11.10 タスク9: IDMHOST2での管理対象サーバーの起動

次の手順に従い、クラスタのwls_ods2管理対象サーバーを起動します。

  1. ブラウザを開き、次のURLのWebLogic管理コンソールに移動します。

    http://idmhost1.mycompany.com:port/console
    
  2. 管理者資格証明を使用して、WebLogic管理コンソールにログインします。

  3. WebLogic管理コンソールの左ペインで、「環境」を展開し「クラスタ」を選択します。

  4. 起動する管理対象サーバー(wls_oif2)を含むクラスタ(cluster_oif)を選択します。

  5. 「制御」を選択します。

  6. 「このクラスタの管理対象サーバーのインスタンス」で、起動する管理対象サーバー(wls_ods2)の横にあるチェック・ボックスを選択して「起動」をクリックします。

  7. 「サーバー・ライフサイクル・アシスタント」ページで「はい」をクリックして確定します。


注意:

ノード・マネージャによりターゲット・マシンでサーバーが起動されます。ノード・マネージャによる起動シーケンスが終了すると、サーバーの状態が「サーバー状態」表の「状態」列に示されます。

11.11 タスク10: アップグレード後の手順の完了

アップグレード後の重要なOracle Identity Federation高可用性の手順については、次の項を参照してください。

11.11.1 Oracle Identity FederationとOracle HTTP Server間のルーティングの構成

次の手順に従って新しいOracle HTTP Serverインスタンスを作成し、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle HTTP ServerインスタンスとOracle Identity Federationインスタンス間の通信を有効にします。

Oracle Identity Federationをインストールおよび構成する場合、Oracle HTTP ServerソフトウェアはOracleホームにインストールされますが、Oracle HTTP Serverインスタンスはデフォルトで構成されません。

  1. Oracle HTTP Serverインスタンスを作成し、Oracle Identity Federationとともに構成します。

    INSTANCE_HOME/bin/opmnctl createcomponent
              -componentType OHS
              -componentName ohs1
    
  2. IDMHOST2で、次の構成ファイルを編集します。

    INSTANCE_HOME/config/OHS/ohs_name/moduleconf/oif.conf
    

    この例では、ohs_nameは、Oracle HTTP Serverコンポーネントの名前(ohs1など)です。

  3. Oracle Identity Federation Serverインスタンスを実行する管理対象サーバーを参照するように、WebLogicCluster変数を非コメント化して設定します。

    たとえば、各管理対象サーバーのホストとポートが次のような場合、

    idmhost1.mycompany.com:7499
    idmhost2.mycompany.com:7499
    

    次のエントリを含めるようにファイルを更新します。

    <Location /fed>
         WebLogicCluster idmhost1.mycompany.com:7499,idmhost2.mycompany.com:7499
         SetHandler weblogic-handler
    </Location>
    
  4. oif.confファイルを保存します。

  5. 次に示すようにOracle HTTP Serverを起動します。

    INSTANCE_HOME /bin/opmnctl startproc process-type=OHS
    

11.11.2 ロード・バランサの構成

高可用性構成でデプロイされるOracle Identity Federationトポロジは、外部ロード・バランサでフロントエンド化されます。これにより、各種OIFインスタンス間でHTTPリクエストのロード・バランシングが行われます。

Oracle Identity Federation高可用性環境をアップグレードしたら、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle HTTP Serverインスタンスをリスニングするようにロード・バランサを構成します。このタスクを実行するには、ロード・バランサのベンダーで提供されるドキュメントを参照してください。

11.11.3 Oracle Identity Federationの構成プロパティの設定

次の手順に従い、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle Identity Federationインスタンスを有効にし、ロード・バランサの仮想ホスト名を認識します。

このタスクを行うには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用します。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、Oracle Identity Federationインスタンスのホームページを見つけます。

  2. サーバー・プロパティを次のように変更します。

    1. 「Oracle Identity Federation」メニューから、「管理」「サーバー・プロパティ」を選択します。

    2. ロード・バランサの仮想ホスト名を反映するように、「ホスト」フィールドを変更します。

    3. ロード・バランサで使用されるポートを反映するように、「ポート」「SSL有効」、および「SOAPポート」「SSL有効」を変更します。

    4. 変更を保存します。

  3. アイデンティティ・プロバイダのプロパティを次のように変更します。

    1. 「管理」メニューから、「アイデンティティ・プロバイダ」を選択します。

    2. 「プロバイダID」フィールドに、ロード・バランサの仮想ホスト名とポートのURLを入力します。

      たとえば、次のようになります。

      http://load_balancer_host:port
      
  4. サービス・プロバイダのプロパティを次のように変更します。

    1. 「管理」メニューから、「サービス・プロバイダ」を選択します。

    2. 「プロバイダID」フィールドに、ロード・バランサの仮想ホスト名とポートのURLを入力します。

      たとえば、次のようになります。

      http://load_balancer_host:port
      
  5. 高可用性環境の以降のOracle Identity Federationインスタンスについて、手順2〜4を繰り返します。

  6. Oracle Identity Federationメタデータが変更されるため、メタデータをリモート・パートナに再分配して、加えられた構成の変更をリモート・パートナに通知します。

11.12 タスク11: Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの確認

次の手順に従い、アップグレードしたOracle Identity Federation高可用性アップグレードを確認します。

  1. Webブラウザで次に示すURLにアクセスします。

    http://<LoadBalancerHost>:<LoadBalancerPort>/fed/sp/metadata
    http://<LoadBalancerHost>:<LoadBalancerPort>/fed/idp/metadata
    
  2. 『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Identity Federation』の次の項の手順に従い、SPのメタデータをIdPに、IDPのメタデータをSPにインポートします。

    • サーバー・メタデータの取得に関する項

    • 信頼できるプロバイダの追加に関する項

  3. 次のURLに移動して、シングル・サインオン操作を実行します。

    http://Loadbalancer_SP_Host:Loadbalancer SP_port/fed/user/testspsso
    
  4. アップグレード時に、10g環境のシングル・サインオン構成を、アップグレードしたインスタンスに移行する必要があります。その結果、アップグレード・プロセスが正常に完了した場合は、そのURLにアクセスできるようになります。