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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発
11g リリース 1 (10.3.1)
B55515-01
 

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5 分割開発ディレクトリからのデプロイメントとパッケージ化

以下の節では、WebLogic 分割開発ディレクトリ環境を使用して WebLogic Server Java EE アプリケーションをデプロイする手順を説明します。

wldeploy を使用したアプリケーションのデプロイメント

wldeploy タスクは、分割開発ディレクトリから直接デプロイする簡単な手段を提供します。wlcompile は、weblogic.Deployer ディレクトリとほとんど同じ引数を提供します。分割開発ディレクトリからデプロイするには、次のように、ビルド ディレクトリの位置をデプロイ可能なファイルとして指定するだけです。

<wldeploy user="${user}" password="${password}"
   action="deploy" source="${dest.dir}"
   name="helloWorldEar" />

上のタスクは、weblogic.BuildXMLGen を使用して build.xml ファイルを作成すると自動的に作成されます。

詳細なコマンドのリファレンスについては、「wldeploy Ant タスクのリファレンス」を参照してください。

wlpackageを使用したアプリケーションのパッケージ化

wlpackage Ant タスクは、ソース ディレクトリとビルド ディレクトリの両方の内容を使用して、デプロイ可能なアーカイブ ファイル (.EAR ファイル)、またはエンタープライズ アプリケーションを表す展開アーカイブ ディレクトリ (展開 .EAR ディレクトリ) を作成します。wlpackage は、評価、テスト、パフォーマンスのプロファイリング、またはプロダクション デプロイメントを目的として別のグループまたは個人にアプリケーションを配布する際に使用します。

アーカイブと展開されたアーカイブ ディレクトリ

プロダクションが目的の場合は、エンタープライズ アプリケーションを展開された (アーカイブされていない) ディレクトリ形式でデプロイすると便利です。これは、エンタープライズ アプリケーションの一部としてパッケージ化されたスタンドアロンの Web アプリケーション、EJB、およびコネクタにも当てはまります。この形式を使うことで、アプリケーション全体のアーカイブを展開してから、編集および再アーカイブするのではなく、展開ディレクトリの中でファイルを直接更新できます。展開されたアーカイブ ディレクトリを使うと、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイメント アーカイブ ファイルと展開されたアーカイブ ディレクトリ」で説明するように、他にも利点があります。

アプリケーションを 1 つのアーカイブ ファイルにパッケージ化することもできます。その方法は、モジュールとアプリケーションを配布用にパッケージ化する際に便利です。アーカイブ ファイルは簡単にコピーでき、展開されたディレクトリよりも処理するファイル数が少なく、ファイル圧縮によってディスク スペースも節約できます。

Java クラスローダは、クラスパス内のディレクトリを検索するのと同じように、JAR ファイル内の Java クラス ファイル (および他のファイル タイプ) を検索できます。クラスローダはディレクトリまたは JAR ファイルを検索できるので、JAR (アーカイブ) ファイルまたは展開された (アーカイブされていない) ディレクトリのどちらとしてでも、Java EE モジュールを WebLogic Server にデプロイできます。

wlpackage Ant タスクの例

プロダクション環境において、wlpackage Ant タスクは、分割開発ディレクトリ アプリケーションを WebLogic Server にデプロイ可能な従来の EAR ファイルとしてパッケージ化するのに使用します。MedRec サンプルの続きで、アプリケーションのパッケージ化は次のように行えます。

<wlpackage tofile="\physicianEAR\physicianEAR.ear" 
           srcdir="\physicianEAR"
            destdir="\build\physicianEAR"/>
<wlpackage todir="\physicianEAR\explodedphysicianEar" 
           srcdir="\src\physicianEAR"
            destdir="\build\physicianEAR" />

wlpackage Ant タスクの属性のリファレンス

次の表では、wlpackage Ant タスクの属性について説明します。

表 5-1 wlpackage Ant タスクの属性

属性 説明 データ型 必須/省略可能

tofile

wlpackage Ant タスクによってパッケージ化された分割開発ディレクトリ アプリケーションの EAR アーカイブ ファイルの名前。

String

tofile または todir のどちらかの属性を指定する必要がある。

todir

wlpackage Ant タスクによってパッケージ化された分割開発ディレクトリ アプリケーションの展開ディレクトリの名前。

String

tofile または todir のどちらかの属性を指定する必要がある。

srcdir

分割開発ディレクトリ アプリケーションのソース ディレクトリを指定する。

ソース ディレクトリには、プロジェクトのすべての編集可能なファイル (Java ソース ファイル、編集可能な記述子ファイル、JSP、静的コンテンツなど) が格納される。

String

必須。

destdir

分割開発ディレクトリ アプリケーションのビルド ディレクトリを指定する。

既に、ソース ディレクトリに対して wlcompile Ant タスクを実行し、必要なコンポーネントがビルド ディレクトリに生成されていることが前提となる。必要なコンポーネントとしては、コンパイル済みの Java クラス、生成されたデプロイメント記述子などがある。

String

必須。