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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server エンタープライズ JavaBeans バージョン 3.0 プログラマーズ ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55529-01
 

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7 WebLogic Server での Oracle Kodo の使い方

この章では、WebLogic Server での Oracle Kodo アプリケーションの開発、デプロイメント、およびコンフィグレーションについて概説します。以下の内容について説明します。


注意 :

Oracle Kodo JPA/JDO はこのリリースで非推奨になりました。Oracle TopLink の使用を検討することをお勧めします。Oracle TopLink の詳細については、「WebLogic Server での Oracle TopLink の使用」を参照してください。

Oracle Kodo の概要

Oracle Kodo は、Sun Microsystem の Java Persistence API (JPA) および Java Data Objects (JDO) 仕様の、透過的なデータ オブジェクト用の実装です。Oracle Kodo は、スタンドアロン製品として使用することも、WebLogic Server に統合することもできます。

この章では、WebLogic Server で JPA や JDO を使用してアプリケーションを実装する方法について説明します。WebLogic Server では、JPA および JDO 実装が、WebLogic Server 全体の Enterprise JavaBean 3.0 永続性実装の一部になっています。

JPA および JDO を使用したアプリケーションの作成に関する一般的な情報については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Kodo Developer's Guide for JPA/JDO』を参照してください。

Oracle Kodo アプリケーションの作成

WebLogic Server に Oracle Kodo アプリケーションを実装するには、最初にアプリケーションのコードを記述する必要があります。Oracle Kodo を使用してデータの永続性を管理するアプリケーションの記述については、以下のリソースを参照してください。

Oracle Kodo を使用してアプリケーションを作成する手順を理解し、実際にアプリケーションを作成したら、WebLogic Server を使用してアプリケーションをデプロイおよびコンフィグレーションします。手順については、以降の節を参照してください。

バージョンの異なる Oracle Kodo の使用

WebLogic Server でデフォルトで提供されている Oracle Kodo とは異なるバージョンの Oracle Kodo を使用する場合は、FilteringClassLoader を使用して、システム クラスローダからではなくアプリケーションからロードするパッケージ (この場合は Oracle Kodo と OpenJPA) を指定する必要があります。

以下の例では、weblogic-application.xml を使用して、アプリケーションから Oracle Kodo および OpenJPA パッケージをロードする方法を示します。

<prefer-application-packages>
  <package-name>org.apache.openjpa.*</package-name>
  <package-name>kodo.*</package-name>
</prefer-application-packages>

フィルタリング クラスローダの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』の「WebLogic Server アプリケーションのクラスローディングについて」を参照してください。

その後で、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』の「ライブラリ ディレクトリ」で説明するように、ライブラリ ディレクトリを使用して、Oracle Kodo および OpenJPA をアプリケーション内にパッケージ化できます。

永続性のコンフィグレーション

以下の節では、永続性をコンフィグレーションする方法について説明します。

コンフィグレーション プロパティ ファイルを編集する

Oracle Kodo では、次の表に示す 2 つの XML ファイルを使用してコンフィグレーション プロパティを定義します。

表 7-1 永続性コンフィグレーション ファイル

コンフィグレーション ファイル 説明

persistence.xml

JPA 機能仕様で定義されている Oracle Kodo コンフィグレーション パラメータ。このファイルは必須。

このコンフィグレーションを構造化するための XML スキーマは、http://java.sun.com/xml/ns/persistence/persistence_1_0.xsd から入手できる。

詳細については、「Persistence」(『Oracle Fusion Middleware Oracle Kodo Developer's Guide for JPA/JDO』) を参照。

persistence-configuration.xml

Oracle Kodo 固有のコンフィグレーション パラメータ。このファイルは、アプリケーションのデプロイメントにおいて必須ではない。これを指定する場合でも、persistence.xml 記述子は必要。

デプロイメントに persistence-configuration.xml が含まれていない場合は、各コンフィグレーション パラメータの妥当なデフォルト値が設定される。

このコンフィグレーションを構造化するための XML スキーマは、http://xmlns.oracle.com/weblogic/persistence-configuration/1.0/persistence-configuration.xsd から入手できる。

注意 : Java SE 環境で persistent-configuration.xml ファイルを使用する場合は、weblogic.jar ファイルを CLASSPATH に含める必要がある。


必要に応じてコンフィグレーション ファイルを編集し、永続性をコンフィグレーションします。永続性ユニットは、WAR または EJB JAR ファイルの一部としてパッケージ化するか、WAR または EAR ファイルに含めることのできる JAR ファイルとしてパッケージできます。これらのファイルは、永続性ユニットのルートにある META-INF ディレクトリ内のリソースとして使用できるようにする必要があります。永続性ユニットのルートは、コンテナ環境では以下のいずれかになります。

  • EJB-JAR ファイル

  • WAR ファイルの WEB-INF/classes ディレクトリ

  • WAR ファイルの WEB-INF/lib ディレクトリ内の JAR ファイル

  • EAR のルートにある JAR ファイル

  • EAR ライブラリ ディレクトリ内の JAR ファイル

  • アプリケーション クライアント jar ファイル

2 種類のコンフィグレーション ファイルを組み合わせて使用する

ここでは、これらのコンフィグレーション ファイルを組み合わせて使用する場合の考慮事項について説明します。

  • persistence-configuration.xml を使用する場合は、Oracle Kodo 固有のすべてのプロパティを、persistence.xml ファイルではなく persistence-configuration.xml ファイルに含める必要があります。その場合、WebLogic Server Administration Console と WebLogic Scripting Tool (WLST) では、永続性ユニットが Oracle Kodo 永続性ユニットとして認識され、高度なコンフィグレーションとチューニング可能なサポートが提供されます。

  • Oracle Kodo 固有のプロパティが persistence.xml ファイルに含まれていない場合、WebLogic Server Administration Console と WebLogic Scripting Tool (WLST) では、永続性ユニットがサード パーティの永続性ユニットとして認識されます。

  • persistence-configuration.xml 記述子が使用可能で、特定の永続性ユニットのエントリが含まれている場合は、Oracle Kodo (kodo) や OpenJPA (openjpa) のプロパティを、その永続性ユニットの persistence.xml ファイルの <properties> タグで指定できます。

プラグインをコンフィグレーションする

Oracle Kodo は高度なカスタマイズが可能な環境であるため、コンフィグレーション プロパティの多くが、システム プラグインの作成およびコンフィグレーションに関係しています。プラグイン プロパティの構文は、Java アノテーションの構文によく似ています。プラグイン プロパティを使用することで、プラグインにどのクラスを使用するか、また、インスタンス化されたプラグイン インスタンスのパブリック フィールドや Bean プロパティをどのようにコンフィグレーションするかを指定できます。

基本的に、プラグインは名前と値のペアによる一連のプロパティを使用して定義します。次のサンプルでは、persistence.xml 内でプラグインを定義する方法を示します。

<properties>
<property name='myplugin.DataCache' value='com.bea.MyDataCache(CacheSize=1000, RemoteHost='CacheServer)'>
</properties>

Oracle Kodo アプリケーションのデプロイ

Oracle Kodo アプリケーションをデプロイする前に、以下のタスクを完了する必要があります。

これらのタスクが完了したら、そのアプリケーションを WebLogic Server にデプロイできます。コンフィグレーションが完了していれば、Oracle Kodo アプリケーションは他のアプリケーションと同じ方法でデプロイできます。アプリケーションのデプロイの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照してください。

Oracle Kodo アプリケーションのコンフィグレーション


注意 :

Administration Console では、新しい永続性ユニットを作成することはできません。新しい永続性ユニットを作成するには、persistence.xml を手動で編集する必要があります。

Oracle Kodo アプリケーションをデプロイしたら、persistence.xml および persistence-configuration.xml で定義されているコンフィグレーション パラメータを変更できます。

以下の節では、Oracle Kodo アプリケーションを Administration Console でコンフィグレーションする方法と、Administration Console を使用せずにコンフィグレーションする方法について説明します。

Administration Console を使用する

デプロイしたアプリケーションの永続性が persistence.xml で定義されている場合は、次の手順で Administration Console からコンフィグレーションにアクセスできます。

  1. [デプロイメント] を選択します。

  2. コンフィグレーションしたい永続性ユニットが含まれているモジュールの名前を選択します。

  3. [コンフィグレーション] タブを選択します。

  4. [永続性] タブを選択します。

  5. 表示された一覧から、コンフィグレーションする永続性ユニットを選択します。

これによって、Administration Console で編集可能なすべての Oracle Kodo 永続性パラメータにアクセスできるようになります。

Administration Console を使用せずに Oracle Kodo アプリケーションをコンフィグレーションする

Administration Console を使用できない環境でパラメータを変更する必要がある場合は、以下の方法で変更できます。

  • アプリケーションと一緒にアーカイブされている persistence.xml および persistence-configuration.xml ファイルを手動で編集する。

  • SessionHelper を使用してデプロイメント プランにアクセスしてコンフィグレーションする。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server デプロイメント プログラマーズ ガイド』の「WebLogic デプロイメント API について」にある「Tools パッケージ」の「SessionHelper」を参照してください。

  • WLST の loadApplication() メソッドを使用し、アプリケーション デプロイメント プランをロードして更新する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool ガイド』の「デプロイメント プランの更新」を参照してください。

  • デプロイメント プランを手動で編集する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート」の「デプロイメント プランの手動によるカスタマイズ」を参照してください。