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Oracle® Fusion Middleware WLEC から Oracle WebLogic Server への Tuxedo Connector 移行の概要
11g リリース 1 (10.3.1)
B55563-01
 

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2 WLEC アプリケーションを Oracle WebLogic Tuxedo Connector 用に変更する方法

以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector 用に WLEC アプリケーションを変換するために必要な手順について説明します。

Tuxedo 環境の変更方法

Tuxedo ユーザは、以下の節で説明されるように環境の変更を行う必要があります。

Tuxedo dmconfig ファイルの作成

新しい dmconfig ファイルを作成して、Tuxedo アプリケーションと WebLogic Server アプリケーションの間の接続を提供する必要があります。Tuxedo ドメインの作成方法の詳細については、http://e-docs.bea.com/tuxedo/tux90/add/adcorb.htm の「CORBA Domains の計画とコンフィグレーション」を参照してください。

Tuxedo UBBCONFIG ファイルの変更

アプリケーションは Tuxedo/T Domain ゲートウェイを使用するので、UBBCONFIG ファイルを変更する必要があります。これを行うには、このファイルの *SERVERS セクションに Tuxedo ドメイン サーバを追加します。

次に例を示します。

DMADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=7
GWADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=8
GWTDOMAIN SRVGRP=SYS_GRP SRVID=9

Oracle WebLogic Tuxedo Connector では ISL は使用されません。ISL を必要とするその他のアプリケーションがない場合は、UBBCONFIG ファイルの *SERVERS セクションから ISL を削除できます。または、次の例に示すように、ISL をコメント アウトすることができます。

#     ISL
#          SRVGRP  = SYS_GRP
#          SRVID   = 5
#           CLOPT   = "-A -- -n //lchp15:2468 -d /dev/tcp"

WebLogic Server 環境の変更方法

以下の節では、WebLogic Server 環境を変更する方法について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション方法


注意 :

Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション方法の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector 管理ガイド』の「アプリケーション用の Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション」を参照してください。

この節では、WebLogic Server Administration Console を使用して、移行された WLEC アプリケーション用に WTC サービスを作成する基本的な方法について説明します。WTC サービスは、WebLogic Server が Tuxedo アプリケーションへの接続の作成に使用するコンフィグレーション情報を表します。移行された WLEC アプリケーション用の WTC サービスは通常、ローカル Tuxedo アクセス ポイント、リモート Tuxedo アクセス ポイント、およびインポートされたサービスで構成されます。

次の節で説明された手順に従って、アプリケーションを管理するためのコンフィグレーションを作成します。

  1. WTC サービスの作成

  2. ローカル Tuxedo アクセス ポイントの作成

  3. リモート Tuxedo アクセス ポイントの作成

  4. インポートされたサービスの作成

WTC サービスの作成

WebLogic Server Administration Console を使用して、WTC サービスを作成およびコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. Administration Console のナビゲーション ツリーで、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。

  2. [WTC サーバ] ページで、[新規作成] をクリックします。

  3. [新しい WTC サーバの作成] ページの [名前] フィールドに、WTC サービスの名前を入力します。たとえば、mySimpapp

  4. [OK] をクリックします。

新しい WTC サービスが WTC サーバのリストに表示されます。

ローカル Tuxedo アクセス ポイントの作成


注意 :

ローカル アクセス ポイントのネットワーク アドレスをコンフィグレーションする場合、使用するポート番号は、他のプロセスに割り当てられたポート番号とは異なる必要があります。たとえば、WebLogic Server のリスン ポートが //mymachine:7001 に割り当てられている場合、ネットワーク アドレスを //mymachine:7001 に設定すると無効になります。

ローカル Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。

  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックして、設定ページにアクセスします。

  3. [ローカル AP] タブをクリックします。

  4. [WTC ローカル アクセス ポイント] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。

    • [アクセス ポイント] に、このローカル Tuxedo アクセス ポイントを WTC サービスのコンフィグレーション内でユニークに識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス ポイント ID を持つ複数のローカル Tuxedo アクセス ポイントのコンフィグレーションを作成できます。

    • [アクセス ポイント ID] に、リモート Tuxedo アクセス ポイントへのセッション接続を確立するときに使用する接続名を入力します。[アクセス ポイント ID] は、Tuxedo DMCONFIG ファイルの *DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある、対応する DOMAINID に一致する必要があります。

    • [ネットワーク アドレス] に、このローカル Tuxedo アクセス ポイントのネットワーク アドレスとポートを入力します。たとえば、//123.123.123.123:5678

  5. [OK] をクリックします。

  6. Tuxedo 6.5 ドメインに接続する場合は、

    1. [接続] タブをクリックします。

    2. [相互運用] フィールドを [はい] に設定します。

    3. [保存] をクリックします。

リモート Tuxedo アクセス ポイントの作成

リモート Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。

  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックします。

  3. [リモート AP] タブをクリックします。

  4. [WTC リモート アクセス ポイント] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。

    • [アクセス ポイント] に、このリモート Tuxedo アクセス ポイントを WTC サービスのコンフィグレーション内でユニークに識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス ポイント ID を持つ複数のリモート Tuxedo アクセス ポイントのコンフィグレーションを作成できます。

    • [アクセス ポイント ID] に、ローカル Tuxedo アクセス ポイントへの接続を確立するときにリモート Tuxedo アクセス ポイントを識別するために使用する接続名を入力します。リモート Tuxedo アクセス ポイントの [アクセス ポイント ID] は、Tuxedo DMCONFIG ファイルの *DM_LOCAL_DOMAINS セクションにある、対応する DOMAINID に一致する必要があります。

    • [ローカル アクセス ポイント] に、このリモート ドメインのローカル アクセス ポイントの名前を入力します。

    • [ネットワーク アドレス] に、このリモート ドメインのネットワーク アドレスとポートを入力します。たとえば、//123.123.123.123:1234

  5. [OK] をクリックします。

インポートされたサービスの作成

インポートされたサービスをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。

  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックします。

  3. [インポート済み] タブをクリックします。

  4. [WTC インポート サービス] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。

    • [リソース名] に、このインポートされたサービスのコンフィグレーションを識別するための名前を入力します。この名前により、WTC サービス内で同じリモート名を持つ、ユニークな複数のインポートされたサービスのコンフィグレーションを作成できます。

    • [ローカル アクセス ポイント] を、サービスを使用するローカル Tuxedo アクセス ポイントの名前に設定します。

    • [リモート アクセス ポイント リスト] に、このインポートされたサービスを提供するリモート アクセス ポイントの名前のリストを入力します。

    • [リモート名] に、//domain_id を入力します。domain_id は、Tuxedo UBBCONFIG ファイルで指定された DOMAINID です。この CORBA ドメインのユニークな識別子の最大長は、// を含めて 15 文字です。たとえば、//simpappff

  5. [OK] をクリックします。

ejb-jar.xml ファイルの更新方法

Oracle WebLogic Tuxedo Connector では、ドメイン ゲートウェイを使用して WebLogic アプリケーションと Tuxedo アプリケーションが接続されます。IIOP 接続プールは使用されないので、記述子を ejb-jar.xml ファイルから削除できます。以下は、wlec/ejb/simpapp サンプルからのコードの断片です。

コード リスト 2-1 wlec/ejb/simpapp サンプルの IIOP 接続プール記述子

.
.
.
<env-entry>
         <env-entry-name>IIOPPoolName</env-entry-name>
         <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
         <env-entry-value>simplepool</env-entry-value>
       </env-entry>
.
.
.

WLEC アプリケーションの変更方法

以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用して WebLogic Server オブジェクトと Tuxedo CORBA オブジェクトを相互運用するために、WLEC アプリケーションを変更する方法について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector で使用される CORBA オブジェクトを参照するように WLEC EJB を変更する方法

以下の手順に従って、EJB を変更し、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用して Tuxedo にデプロイされている CORBA オブジェクトを呼び出します。

WTC ORB の初期化

WLEC は weblogic.jndi.WLInitialContextFactory を使用して、Tobj_Bootstrap オブジェクトによって使用されるコンテキストを返します。

Properties p = new Properties();
p.put(Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
     "weblogic.jndi.WLInitialContextFactory");
InitialContext ic = new InitialContext(p);
rootCtx = (Context)ic.lookup("java:comp/env");

WLEC コンテキストの参照を置き換えて、Bean の WTC ORB を初期化します。次に例を示します。

// ORB を初期化。
String args[] = null;
Properties Prop;
Prop = new Properties();
Prop.put("org.omg.CORBA.ORBClass",
"weblogic.wtc.corba.ORB");

orb = (ORB)new InitialContext().lookup("java:comp/ORB");

ORB を使用して FactoryFinder オブジェクトの取得

各 WLEC 接続プールには、Tuxedo ドメインへのアクセスに使用される Tobj_Bootstrap FactoryFinder オブジェクトがあります。次に例を示します。

Tobj_Bootstrap myBootstrap = Tobj_BootstrapFactory.getClientContext("myPool");
org.omg.CORBA.Object myFFObject = 
    myBootstrap.resolve_initial_references("FactoryFinder");

Tobj_Bootstrap FactoryFinder オブジェクトへの参照を削除します。次のメソッドで、ORB を使用して FactoryFinder オブジェクトを取得します。

// オブジェクトの文字列。
org.omg.CORBA.Object fact_finder_oref =               orb.string_to_
object("corbaloc:tgiop:simpapp/FactoryFinder");

// ファクトリ ファインダをナロー変換。
FactoryFinder fact_finder_ref =
FactoryFinderHelper.narrow(fact_finder_oref);

// ファクトリ ファインダを使用して Simple ファクトリを見つける。
org.omg.CORBA.Object simple_fact_oref =
fact_finder_ref.find_one_factory_by_id(SimpleFactoryHelper.id());

トランザクションの問題


注意 :

JTA トランザクションの実装方法の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JTA プログラマーズ ガイド』を参照してください。

この節では、トランザクションを使用する WLEC アプリケーションの変更方法について説明します。

  • JTA トランザクションを使用する WLEC アプリケーションの場合、変更は必要ありません。

  • CosTransactions を使用する WLEC アプリケーションの場合、JTA に変換する必要があります。WLEC クライアントがトランザクション内で実行中であり、新しい CosTransaction を呼び出す必要がある場合、新しいトランザクションは新しいトランザクション コンテキストで実装されます。JTA で同じ動作を実装するには、次の手順に従います。

    • 元のトランザクションを中断します。

    • 新しいトランザクションを開始します。

    • 新しいトランザクションが完了した後で、元のトランザクションを再開します。

WLEC から WTC へ移行するセキュリティ事項の管理方法

次の表に、セキュリティ事項の WLEC と WTC の間のマッピング ガイドラインと、その Tuxedo との関係を示します。

表 2-1 WLEC から WTC へ移行するセキュリティ事項のマッピング ガイドライン

WLEC のセキュリティ事項 WTC/WLS でのマッピング Tuxedo

ユーザ名

[WTC サーバ] ページにアクセスし、[ローカル AP] タブをクリックする。[アクセス ポイント ID] フィールドのユーザ名を使用する。

DMCONFIG ファイルの DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある DOMAINID

ユーザ パスワード

パスワードのペア (相互認証を形成するには、1 つのパスワードではなく、ローカル アクセス ポイント用のパスワードと、リモート アクセス ポイント用のパスワードを定義する必要がある)。

weblogic.wtc.gwt.genpasswd ユーティリティを使用して暗号化されたパスワードのペアを生成できる。それを切り取って、Console の [WTC パスワード] ページに貼り付ける。

dmadmin を使用して、定義された各 TDomain セッションにパスワードのペアを追加する。

ロール

サポートされていない。

WTC ではなりすましユーザが信頼され、Tuxedo で定義されたなりすましユーザのロールが使用される。

非適用

アプリケーション パスワード

[WTC リソース] ページのパスワード。weblogic.wtc.gwt.genpasswd ユーティリティを使用して、暗号化されたアプリケーション パスワードを生成する。

特別なコンフィグレーションは不要。

最小暗号化レベル

  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。

  2. [リモート AP] タブをクリックする。

  3. [セキュリティ] タブをクリックし、必要な [最小暗号化レベル] を選択する。

DMCONFIG ファイルの DM_TDOMAIN セクションにある MINENCRYPTBITS

最大暗号化レベル

  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。

  2. [リモート AP] タブをクリックする。

  3. [セキュリティ] タブをクリックし、必要な [最大暗号化レベル] を選択する。

DMCONFIG ファイルの DM_TDOMAIN セクションにある MAXENCRYPTBITS

証明書認証

サポートされていない。

非適用

セキュリティ コンテキストの伝播

  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。

  2. [リモート AP] タブをクリックする。

  3. [セキュリティ] タブをクリックし、[資格ポリシー] フィールドで [グローバル] を選択して Tuxedo にユーザ資格を伝播する。

DMCONFIG ファイルの DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある ACL="GLOBAL"


以下の考慮事項に留意していただくと、現在お使いの WLEC セキュリティを WTC および Tuxedo セキュリティにマップする方法が理解しやすくなります。