製品をインストールすると、事前定義済みの Basic WebLogic Server Domain テンプレートが 1 つインストールされます。事前定義済みの他のテンプレートはどれも拡張テンプレートであり、基本的な WebLogic Server ドメインにリソース、サービス、およびアプリケーションを追加するために使用できます。これらの事前定義済みテンプレートをコンフィグレーション ウィザードまたは WLST と共に使用すると、ドメインの作成や拡張を簡単に行うことができます。
Basic WebLogic Server Domain テンプレートでは、簡単な WebLogic Server ドメインを作成できます。デフォルトでは、Basic WebLogic Server Domain テンプレートを使用すると、必須コンポーネント (管理サーバと単一管理ユーザ) のみで構成されるドメインが生成されます。必要なアプリケーションは、このドメイン内で作成およびコンフィグレーションする必要があります。
以下の表は、Basic WebLogic Server Domain テンプレートで生成されるデフォルトのディレクトリ構造とファイルの定義を示しています。特に指定がない限り、コンフィグレーション ウィザード フレームワークではデフォルトで MW_HOME\user_projects\domains\base_domain
ディレクトリにこのドメインが作成されます。デフォルトのコンフィグレーション設定を変更すると、その出力ディレクトリ構造は、ここで示したディレクトリ構造と異なる場合があります。
表 2-1 Basic WebLogic Server Domain テンプレートから生成される出力
[ディレクトリ] | File/s | 説明 |
---|---|---|
user_projects\applications\base_domain\ |
該当なし |
作成するカスタム アプリケーション ファイルのリポジトリとして指定されたディレクトリ。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
fileRealm.properties |
互換性セキュリティの使用時にデフォルトのセキュリティ レルムで使用可能な ACL、ユーザ、およびグループを格納したファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\autodeploy\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では自動デプロイメントのプレースホルダとして機能する。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
setDomainEnv.cmd setDomainEnv.sh |
Windows および UNIX システムの開発環境をそれぞれ設定するために使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startManagedWebLogic.cmd startManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startPointBaseConsole.cmd startPointBaseConsole.sh |
Windows および UNIX システムで PointBase コンソールを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
stopManagedWebLogic.cmd stopManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
stopWebLogic.cmd stopWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\config\ |
config.xml |
管理サーバで使用されるコンフィグレーション情報を格納したファイル。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメインのコンフィグレーション」を参照。 |
user_projects\domains\base_domain\config\deployments\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、アプリケーションのステージング モードが「staged」の場合に、アプリケーションのステージング用に使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\diagnostics\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、WebLogic 診断フレームワーク (WLDF) のインスツルメンテーションに関連付けられたシステム モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jdbc\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、(JSR-88 とは異なり) JMX から直接コンフィグレーションできるグローバル JDBC モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jms\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、(JSR-88 とは異なり) JMX から直接コンフィグレーションできるグローバル JMS モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、サーバの Java 仮想マシンが開始したときにサーバのシステム クラスパスに追加される JAR ファイルを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\nodemanager\ |
nm_password.properties |
ノード マネージャ パスワード プロパティの値を含むファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\config\security\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、セキュリティ フレームワーク用のシステム モジュールを格納するために使用される。このディレクトリには、ドメインの現在のレルムにおける各タイプのセキュリティ プロバイダごとに 1 つずつのセキュリティ プロバイダ コンフィグレーション拡張が含まれる。 |
user_projects\domains\base_domain\config\startup\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、起動プランを含んだシステム モジュールを格納するために使用される。起動プランは、サーバ起動の一部に使用できるシェル スクリプトを生成するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\console-ext\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では WebLogic Server Administration Console に対するカスタム拡張用のプレースホルダとして機能する。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
domain-info.xml |
ドメインの作成と拡張の情報を識別するために使用されるファイル。情報は、ドメイン内のコンポーネントの ID、ドメインで使用される JDK とアプリケーション ディレクトリの場所、ドメインの作成と拡張に使用されるテンプレートなどである。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
security.xml |
ドメイン リソースへの ID とアクセスを確立するユーザ グループとロールを作成するために使用されるファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
startscript.xml |
ドメインのルート ディレクトリおよび |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
tokenValue.properties |
起動スクリプトで指定されたトークンを置き換える実際の値を含んでいるファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではドメインのライブラリ用のプレースホルダとして機能する。このディレクトリ内の JAR ファイルは、サーバ起動時にサーバ クラスパスの最後に動的に追加される。 |
user_projects\domains\base_domain\security\ |
DefaultAuthenticatorInit.ldift DefaultRoleMapperInit.ldift XACMLRoleMapperInit.ldift |
認証 (ユーザとグループ)、認可、ロール マッピングなどのブートストラップ処理で使用されるファイル。これらのファイルには、LDAP 固有の情報が収められている。 注意 : このリリースを使用して作成した WebLogic ドメインは、デフォルトで XACML プロバイダを使用する。それらの XACML プロバイダは、WebLogic 認可プロバイダ (DefaultAuthorizer) および WebLogic ロール マッピング プロバイダ (DefaultRoleMapper) で作成したポリシーやロールに対して互換性がある。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Security について』の「WebLogic セキュリティ プロバイダ」を参照。 |
user_projects\domains\base_domain\security\ |
SerializedSystemIni.dat |
暗号化されたセキュリティ情報を格納したファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\servers\AdminServer\security\ |
boot.properties |
サーバの起動に必要なユーザ名やパスワードなど、サーバの起動プロパティを格納したファイル (暗号化形式)。このファイルは、起動モードとして開発モードを選択した場合にのみ生成される。 このファイルによって、サーバの起動サイクル時におけるユーザ名とパスワードの入力を省略できる。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止を行うユーザ資格の指定」を参照。 |
user_projects\domains\base_domain\user_staged_config\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では、管理者がドメイン内の管理対象サーバにコピーするために必要に応じてステージングするコンフィグレーション情報のプレースホルダとして機能する。 |
以下の表は、Basic WebLogic Server Domain テンプレートで作成されるドメイン内でコンフィグレーションされるリソースとサービスを示しています。
表 2-2 Basic WebLogic Server Domain でコンフィグレーションされるリソース
リソースの種類 | 名前 | メモ |
---|---|---|
管理サーバ |
AdminServer |
新しいドメインの作成にコンフィグレーション ウィザードまたは WLST Offline を使用し、管理サーバの名前をデフォルト名 ( コンフィグレーション ウィザードを使用してドメインを作成するときの管理サーバのカスタマイズ方法の詳細については、『Oracle Fusion Middleware コンフィグレーション ウィザードを使用したドメインの作成』の「WebLogic ドメインの作成」を参照。 WLST Offline でドメインを作成するときの管理サーバのカスタマイズ方法の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool ガイド』の「WLST オフラインを使用した WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション」を参照。 以下の WLST Offline サンプル コードは、デフォルトの管理サーバ名である AdminServer を MedRecServer に変更する方法を示している。 #-----------------------------------# Basic WebLogic Server Domain テンプレートを読み取る readTemplate('d:/MW_HOME/wlserver_10.3/common/templates/domains/wls.jar') #管理サーバ名を変更するcd('Servers/AdminServer') set('Name', 'MedRecServer') #----------------------------------- |
セキュリティ レルム |
myrealm |
該当なし |