Oracle Application Server Adapter for IMS/TM(OracleAS Adapter for IMS/TM)を使用すると、Oracle Application ServerをInformation Management System-Transaction Management(IMS/TM)に接続できます。この項では、OracleAS Adapter for IMS/TMの機能とアーキテクチャの概要について説明します。
この項の構成は、次のとおりです。
IMS/TMは、IBM社のIMS製品ファミリの一部である高性能なトランザクション管理システムです。
IMS/TMのアプリケーション・コンポーネントは、トランザクションと呼ばれる実行可能プログラムです。これらのプログラムは、通常、COBOLで記述されますが、PL/I、C、Javaなどの他の言語で記述されることもあります。IMS/TMには、MPP(メッセージ処理プログラム)やBMP(バッチ・メッセージ処理プログラム)などの様々な種類のプログラムがあります。
IMS/TMトランザクションは、OTMA(Open Transaction Manager Access)と呼ばれるAPIを使用して起動されます。3270端末を介して起動される場合もあります。IMS/TMトランザクションは、ユーザー・インタフェースに使用する画面のメッセージを翻訳して戻す特別なレイヤーを持つ入出力メッセージ概念(MFS)を中心として作成されます。
OTMAに加え、IMS/TMトランザクション・ゲートウェイも用意されています。これにより、TCP/IPでIMS/TMトランザクションにアクセスできるようになります。
OracleAS Adapter for IMS/TMには、次の機能が含まれています。
IMS/TMのメタデータ・スキーマを取得および保持する機能。COBOLコピーブックをz/OS SeriesプラットフォームにインポートしてOracle Connectのマッピング定義に変換し、特定の物理ファイルを備えたデータ構造を関連付けます。
エンタープライズ・アプリケーション統合(EAI)モデルを利用する機能。アプリケーションをリクエストするユーザーが、各相互作用の内容と発生時期、および各相互作用に想定される入出力を指定することで、実装する相互作用をモデル化できます。
MPPベースのIMS/TMトランザクションにアクセスする機能。OracleAS Adapter for IMS/TMの各アウトバウンド相互作用が、特定のIMS/TMトランザクションにマップされます。
OracleAS内からIMS/TMトランザクションへのアクセスを容易にするデータ構造のマッピング機能。
OracleAS Adapterには、次のコンポーネントが含まれています。
J2CA 1.5 IMS/TMアダプタ: J2CA IMS/TMアダプタは、J2EEコンポーネントとの接続性を提供するJ2EE Connector Architectureに準拠している標準のリソース・アダプタです。
Oracle Connect: Oracle Connectは、レガシー・システム上で動作し、Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)内で動作するJ2CA 1.5 IMS/TMアダプタからのリクエストを処理します。
Oracle Studio: Oracle StudioはOracle Connectの構成ツールです。Oracle Studioを使用する構成タスクは、Windowsプラットフォームで実行されます。Oracle Studioは、OracleAS Adapter for IMS/TMのモデル化に必要な特定の情報を生成できるパースペクティブを使用します。
次の図は、OracleAS Adapter for IMS/TMのコンポーネントを示しています。
J2CA 1.5 IMS/TMアダプタは、アプリケーション・クライアントから受け取ったJ2CA相互作用の起動をXMLフォーマットに変換し、XMLフォーマットをレガシー・サーバー上のOracle Connectに渡します。デーモンは、J2CA 1.5 IMS/TMアダプタ・クライアントから着信するリクエストをリスニングし、リクエストを処理するためにサーバー・プロセスに割り当てます。接続プーリングの要件など、サーバー・プロセスのプロパティは、デーモン内のワークスペース定義によって設定されます。サーバー・プロセスにはアプリケーション・エンジンのインスタンスが含まれています。このインスタンスがXMLフォーマットをIMS/TMで理解できる固有の構造に変換し、バックエンド・アダプタに渡します。バックエンド・アダプタは、リポジトリに格納されているバックエンド・アダプタのメタデータとXMLから変換された着信データに基づいて相互作用を作成し、その相互作用を実行するレガシー・アプリケーションに渡します。実行の結果は、バックエンド・アダプタを使用してアプリケーション・エンジンに戻されます。結果は、XMLに変換され、クライアントに渡されます。