この章では、リリース9.1.1.1のMicrosoft Exchangeコネクタのソフトウェアとドキュメントに関する更新の概要を示します。
この章で説明する更新内容は、次のカテゴリに分類されます。
この項では、コネクタのソフトウェアに対する更新について説明します。また、ソフトウェアの各更新内容に応じて変更された、このマニュアルの項目も示します。
このドキュメントに対する主な変更が含まれます。たとえば、第2章から第3章への項目の移動は、ドキュメント固有の更新です。この変更はソフトウェアの更新には関係ないものです。
次の項では、ソフトウェアの更新について説明します。
次の問題が、リリース9.1.0で解決されました。
コネクタを使用して、Microsoft Exchange 2000、2003または2007をOracle Identity Managerと統合できます。また、コネクタでは、複数バージョンのターゲット・システムとOracle Identity Managerとの統合に、単一のコネクタが使用される複合モード操作もサポートされています。
Microsoft Exchange 2007に固有の情報は、このマニュアルの様々な箇所に記載されています。
コネクタは、Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソールのコネクタ・インストーラ機能を使用してインストールできるようになりました。
詳細は、「コネクタ・インストーラの実行」を参照してください。
プロビジョニング操作用のプロセス・フォームに、「メールストア名」フィールドが追加されました。このフィールドを使用して、プロビジョニング操作を実行する必要のあるExchange Serverおよびメールストアを指定できます。
Exchangeリコンシリエーション・タスク・スケジュール済タスクのメールストア名属性および配布グループ名属性を使用することで、メールボックス・データのリコンサイルが必要なメールストアまたは配布グループを指定できます。詳細は、「コネクタで対応しているリコンシリエーションのタイプ」を参照してください。
以前のリリースでは、ターゲット・システムに対してネイティブでない演算子を使用した場合、指定した問合せ条件の対象となるリコンシリエーションが限定されました。今回のリリースで、問合せ条件の指定に、ネイティブ演算子と非ネイティブ演算子のどちらでも使用できるようになりました。
詳細は、「制限付きリコンシリエーション対標準リコンシリエーション」を参照してください。
リコンシリエーションのスケジュール済タスクのMEXC Timestamp属性を使用して、完全リコンシリエーションと増分リコンシリエーションのいずれを構成するかを指定できます。
詳細は、「完全リコンシリエーション対増分リコンシリエーション」を参照してください。
コネクタを構成して、削除されたメールボックス・データをリコンサイルできます。このプロセスを自動化するために、Exchange削除リコンシリエーション・タスク・スケジュール済タスクが導入されました。
このスケジュール済タスクの詳細は、「Exchange削除リコンシリエーション・タスク」を参照してください。
リリース9.1.0.1でのソフトウェアの更新は次のとおりです。
次の問題が、リリース9.1.1で解決されました。
このリリース以降では、Microsoft Windows Server 2008が、動作保証されているターゲット・システム・ホスト・プラットフォームのリストに追加されています。このことは、「動作保証されているデプロイ構成」で説明します。
このリリース以降では、サポートされているOracle Identity Managerの最小のリリースはOracle Identity Managerリリース9.1.0.1です。このことは、「動作保証されているデプロイ構成」で説明します。
Parameters.Exchange参照定義は「Lookup.Exchange.Configuration」という名前に変更されました。また、ユーザー・レコードを比較するために使用されるプロセス・フォーム・フィールドの名前を保持する新しいエントリが、この参照定義の中に追加されています。プロセス・フォームのコピーを作成する場合は、Lookup.Exchange.Configuration参照定義のコピーの中で新しいプロセス・フォームの詳細を指定できます。この機能を使用すると、コードレベルの変更を加えずに、コネクタの複数のコピーを作成できます。
詳細は、次の項を参照してください。
Lookup.Exchange.Constants参照定義では、コネクタを構成するJavaクラスの中で定義されている定数と変数を保存します。
注意: Lookup.Exchange.Constants参照定義の中では、どのエントリも変更しないでください。いずれかのエントリを変更した場合は、コネクタは正しく機能しなくなります。 |
この参照定義の名前は、Lookup.Exchange.Configuration参照定義の中にあるExchange Constants Lookupコード・キーの値として指定されます。
ユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済タスクのQuery属性を使用して、リコンシリエーション時に適用する必要のある問合せ条件を指定できます。以前のリリースでは、Use Native Query属性を使用して、問合せ条件がネイティブLDAP形式かどうかを指定していました。このリリースからは、ネイティブLDAP問合せのみを使用できます。スケジュール済タスクからUse Native Query属性が削除されています。
次の問題が、リリース9.1.1で解決されました。
Oracle Bug# | 問題 | 解決内容 |
---|---|---|
7157839、7676069および7507908 | ターゲット・システムがMicrosoft Exchange 2007の場合は、コネクタはLookup.Exchange.Configuration参照定義の中にあるRMTimeOutの設定に対して正しく応答していませんでした。 | この問題は解決されました。Lookup.AD.Configuration参照定義のRMTimeOut属性は削除されています。この機能はコネクタによって内部で処理されるようになりました。 |
7157996 | メールボックスを有効にした場合は、受信または送信のメッセージ・サイズを設定する必要がありませんでした。これは、ターゲット・システムと同じ動作ではありません。 | この問題は解決されました。DefaultInComingMsgSizeおよびDefaultOutGoingMsgSizeの各パラメータがLookup.Exchange.Configuration参照定義に追加されています。
詳細は、「Lookup.Exchange.Configuration参照定義の構成」を参照してください。 |
8276367 | 以前のリリースでは、メールストアの名前はメールストアDNから抽出され、管理およびユーザー・コンソールの参照フィールドで表示されていました。 | この問題は解決されました。このリリースからは、完全なメールストアDNが参照フィールドに表示されます。 |
7577059 | 属性の値が指定されていないときにスケジュール済タスクを実行すると例外が発生します。以前のリリースでは、表示されたメッセージには、例外の原因を特定するための十分な詳細が示されていませんでした。 | この問題は解決されました。スタック・トレースがJavaコンソールに表示され、ログ・ファイルにも記録されます。 |
7145460 | OIMユーザーに対してMicrosoft Active DirectoryリソースとMicrosoft Exchangeメールボックスがプロビジョニングされていたとします。次にターゲット・リソースのリコンシリエーションを実行するときに、ターゲット・システムでユーザーが削除されていたとすると、その後、削除されたユーザーのリコンシリエーションに関するスケジュール済タスクが実行されていました。この時点で、Microsoft Active Directoryリソースは無効になっていましたが、メールボックスは無効になりませんでした。 | この問題は解決されました。Microsoft Active Directoryリソースとともにメールボックスも無効になります。 |
次の問題が、リリース9.1.1.1で解決されました。
このリリースでは、次のように動作保証が変更されています。
このリリース以降、コネクタは、Oracle Identity Managerリリース9.1.0.2以上にインストールして使用できます。
Microsoft Exchange 2007ターゲット・システムは、x86コンピュータとx64コンピュータの両方で動作保証されます。
動作保証されているコンポーネントの詳細は、「動作保証されているデプロイ構成」を参照してください。
このリリースからは、コネクタにより複数のMicrosoft Active Directoryドメインにわたるユーザーのメールボックスのリコンシリエーションおよびプロビジョニングがサポートされます。
詳細は、「複数のドメインにわたるメールボックスのリコンシリエーションおよびプロビジョニング」を参照してください。
プロセス・フォームのメールストア参照定義(Lookup.ExchangeReconciliation.MailStore)では、ITリソース・キーとITリソース名がメールストアの名前とともに表示されます。この機能により、プロビジョニング操作時に、特定のMicrosoft Exchangeインストール環境からメールストアを選択できます。
この参照定義のエントリの書式に関する情報は、「参照フィールドの同期」を参照してください。また、Oracle Identity Managerインストール環境がMicrosoft SQL Server上で稼働している場合は、「Microsoft SQL Serverの参照フィールドの依存参照問合せプロパティの変更」に記載されている手順を実行してください。
次の問題が、リリース9.1.1.1で解決されました。
Oracle Bug# | 問題 | 解決内容 |
---|---|---|
8229697 | エラー発生時に記録されるデータに十分な詳細情報が含まれていませんでした。 | この問題は解決されました。ログ・メッセージの記述がより詳細になりました。また、一部のエラー状況については、スタック・トレースが取得されます。 |
8669819 | コネクタが、Microsoft Active Directory User Management Connectorにコードレベルで依存していました。 | このリリースからは、コードレベルの依存性は削除されています。コネクタをデプロイする際に、「Exchangeリソース・オブジェクトとAD Userリソース・オブジェクトのリンク」に記載されている手順を実行する必要があります。 |
次の項では、ドキュメント固有の更新について説明します。
このマニュアルの構成は大きく変更されました。これらの変更は、ドキュメントをコネクタに対する変更と同期化し、ドキュメントで提供する情報の可用性を改善するために行われました。
このマニュアルの内容構成の詳細は、「コネクタのデプロイおよび使用のロードマップ」を参照してください。
Microsoft Exchange 2007用のRemote Managerのインストールに関する固有の情報が、次の項に追加されています。
リリース9.1.1でのドキュメント固有の更新は次のとおりです。
「コネクタでサポートされているメールボックス・プロビジョニング機能」の項で、次の機能が追加されています。
メールボックスの無効化
メールボックスの有効化
「ターゲット・リソースのリコンシリエーション用のメールボックス・フィールド」の項のリコンサイルされるターゲット・システム・フィールドのリストに、次のフィールドが追加されました。
userPrincipalName
homeMDB
mDBUseDefaults
「既知の問題」の章に、Oracle Bug#7207232に関する説明が追加されました。
Microsoft Windows 2000はターゲット・システムのホストとしてサポートされなくなりました。「Microsoft Windows 2000」に関するすべての記述がこのガイドから削除されています。
Remote ManagerをインストールするためのJDK要件の情報が、次の各項に追加されています。
「動作保証されているデプロイ構成」の項で、「ターゲット・システム」の行が変更されています。
リリース9.1.1.1のドキュメント固有の更新は次のとおりです。
Microsoft Exchange Managementツールがインストールされている任意のドメイン・メンバーにRemote Managerをインストールできることが保証されます。この情報は、「Remote Managerのインストール」にも記載されています。