Coherenceには、JMXのレポート作成機能(Reporter)が用意されています。Reporterのすぐに利用可能なレポートは、管理者および開発者が容量管理や問題のトラブルシューティングを行う際に役立ちます。カスタム・レポートも作成できます。
注意: アーカイブおよび削除処理について計画を立ててください。Reporterでは大量の情報が作成されるため、Reporterを起動する前に、結果をアーカイブしたり削除したりする計画を立てておく必要があります。 |
基本的な内容でReporterを有効にするには、システム・プロパティを設定する必要があります。
例22-1は、管理ノードのプロパティを示しています。
例22-1 Reporterの管理ノードのシステム・プロパティ
-Dtangosol.coherence.management.report.autostart=true -Dtangosol.coherence.management=all -Dcom.sun.management.jmxremote
例22-2は、管理対象ノードのプロパティを示しています。
基本構成では、クラスタ内のすべてのノードについてJMXの統計を記録する、単一のReporterノードが作成されます。ログ・ファイルはアプリケーションの作業ディレクトリに配置されます。
JMX Reporterは、Coherenceドメイン配下のMBeanで管理されます。このReporter MBeanによって、Reporterのステータスおよびパフォーマンスに関する情報が提供されます。またMBeanには、サービスを起動および停止したり、必要に応じてレポートを実行したりする機能も用意されています。
図22-1は、Reporter MBeanで使用可能な属性を示しています。MBeanの表示にはJConsoleを使用しています。
図22-2は、Reporter MBeanで実行可能な操作を示しています。Reporterの属性の詳細は、javadocのReporter
に関する項を参照してください。
Reporterにより、1時間ごとに7つのファイルが作成されます。各ファイル名には、レポートの実行された日付と時刻がYYYYMMDDHH
形式で接頭辞として付加されます。これにより、不要な情報の特定やパージが容易になります。生成されるファイルについて、表22-1で説明します。
表22-1 Reporterで生成されるファイル名
ファイル名 | 説明 |
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各ノードに関するメモリーおよびガベージ・コレクションの情報が含まれます。 |
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グリッド全体におけるパブリッシャの成功率および受信側の成功率が含まれます。 |
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各ノードにおけるパブリッシャの成功率および受信側の成功率が含まれます。 |
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グリッドのメンバーであったノードのリストが含まれます。 |
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各サービスのリクエストおよびタスク情報が含まれます。 |
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グリッド内の各プロキシ・ノードに関する使用状況が含まれます。 |
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各キャッシュの使用(put、getなど)の統計が含まれます。 |
各ファイルに含まれるデータの詳細は、第25章「Reporterの内容の分析」を参照してください。
カスタム・レポート・コンフィギュレーション・ファイルを作成します。第23章「カスタム・レポートの作成方法」を参照してください。
レポートを実行するレポート・バッチを更新します。第24章「レポート・バッチの変更方法」を参照してください。
必要に応じて実行します。第26章「オンデマンドでレポートを実行する方法」を参照してください。
分散構成の使用は、グリッドの安定性に問題がある場合のみお薦めします。この構成では、分散配置されたReporterが個別に実行されるため、実行時刻が一定にはなりません。そのため、グリッド・レベルの分析は非常に困難になりますが、ノードがグリッドに参加または離脱している間のノード・レベルの分析は可能です。
分散モードで実行する場合は、Reporterを一元管理しながら各ノードでローカルのJMXの統計を記録できます。この構成を有効にするには、次のシステム・プロパティを設定します。
管理ノードの場合:
例22-3 分散モードにおけるReporterの管理ノードのシステム・プロパティ
-Dtangosol.coherence.management.report.autostart=false -Dtangosol.coherence.management.report.distributed=true -Dtangosol.coherence.management=all -Dcom.sun.management.jmxremote
管理対象ノードの場合: