Oracle Audit Vaultは、監査データの統合、検出、監視、アラートおよびレポートを効率的に実行し、セキュリティ監査とコンプライアンスを実現する強力なエンタープライズ規模の監査ソリューションです。Oracle Audit Vaultでは、監査データとクリティカル・イベントを一元的でセキュアな監査ウェアハウスに統合できます。
この章では、Oracle Audit Vault Serverのインストール処理の概要を説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracle Audit Vault Server(Audit Vault Server)を、それ自体のホスト・コンピュータか、Enterprise Manager Grid Controlリポジトリ・データベースやOracle Recovery Manager(RMAN)リポジトリ・データベースのような他のリポジトリ・データベースが含まれるホストにインストールします。これにより、それら他のデータベースに対するOracle Audit Vaultの可用性が高くなります。スケーラビリティを確保するため、Audit Vaultサーバーでは障害時リカバリ用にOracle Real Applications Cluster(Oracle RAC)およびData Guardを実装することができます。
Oracle Audit Vaultソフトウェアのインストールは、次の2つの部分から構成されます。
Oracle Audit Vault Serverのインストール。次のいずれかを選択できます。
単一インスタンス・インストール
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を使用したクラスタ・インストール
Oracle Audit Vault収集エージェントのインストール(『Oracle Audit Vault収集エージェント・インストレーション・ガイド』を参照)
Oracle Audit Vault Serverのインストールでは、次の異なるインストール方法を選択できます。
対話方式を使用してOracle Audit Vaultの基本インストール、拡張インストールまたはアップグレード・インストールを実行する場合は、Oracle Universal Installerにより表示される一連の画面で、Oracle Audit Vaultソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を指定できます。
Oracle Audit Vaultでは、Audit Vault Server用のレスポンス・ファイル・テンプレート(av.rsp
)と、アップグレード・インストール用のレスポンス・ファイル・テンプレート(upgrade_av.rsp
)を使用できます。これらのレスポンス・テンプレート・ファイルは、Audit Vault Serverインストール・メディアのAV installer location
/response
ディレクトリにあります。
Oracle Universal Installerを起動し、レスポンス・ファイルを指定すると、Oracle Audit Vault Serverのインストール操作をすべて自動化できます。自動インストールは、構成が類似している複数のシステムにインストールを実行する場合、またはソフトウェアをインストールするシステムにX Window Systemソフトウェアがインストールされていない場合に役立ちます。
Audit Vault Serverでは、Oracle Universal Installerをサイレント(非対話)モードで実行できます。サイレント・モードでは、Oracle Universal Installerをコマンドラインで起動するときに、-silent
と-responseFile
の2つのオプションを指定し、その直後にレスポンス・ファイルのパスを指定します。次に例を示します。
./runInstaller -silent -responseFile path_of_response_file
必要なすべての情報が指定されたレスポンス・ファイルを使用すると、Oracle Universal Installerはサイレント・モードで実行されます。Oracle Universal Installerの画面は表示されず、コマンドラインにすべての対話(標準出力とエラー・メッセージ)およびインストール・ログが表示されます。
レスポンス・ファイルを準備するには、レスポンス・ファイルの最初の部分で、すべての未指定のパラメータの値を入力し、ファイルを保存します。レスポンス・ファイルの2番目の部分にある値は編集しないでください。
Audit Vault Serverのサイレント・インストールの実行の詳細は3.5項を、サイレント・アップグレード・インストールの実行の詳細は4.4項を参照してください。
注意: 基本インストールは、サイレント・モードではサポートされません。サイレント・インストールは、拡張インストールでのみサポートされます。 |
Audit Vault Serverのインストールには、次の3つのオプションがあります。
既存のAudit Vault Serverホームのアップグレード: システム内のアップグレード可能なAudit Vault Serverホームを検出し、現行リリースへのアップグレード・オプションを有効化します。システムで検出されたアップグレード可能な選択済のAudit Vault Serverホームに対してアップグレードを実行してください。
基本インストール: インストール処理を簡素化し、ユーザーによる入力を最小限に抑えて完全インストールを実行します。このオプションでは、Oracle RACインストールはサポートされません。単一インスタンス・インストールのみサポートされます。
拡張インストール: インストール処理の詳細な制御が可能になり、記憶域オプションやバックアップ・オプションなどのインストール処理オプションを選択できます。拡張インストールでは、Audit Vault Serverのクラスタへのインストールと、単一インスタンスとしてのインストールがサポートされます。
インストールが完了したら、Audit Vault ServerとAudit Vault収集エージェント間の管理レベルでの通信に対するセキュリティを設定できます。これはインストール後の構成に含まれ、HTTPSでサーバー側のOracle Audit Vault管理サービスと各収集エージェント間の相互認証を行うようにSSLを構成します。
1.5項に示された要件を確認した後、Oracle Audit Vault Serverをインストールするための一般的な手順には、次のタスクが含まれます。
Oracle Universal Installerを実行してAudit Vault Serverをインストールします。
AVCAを使用してインストール後のタスクと構成タスクを実行します。
この項では、この製品のインストール方法を決定する前に考慮する必要がある情報を示します。この項の内容は次のとおりです。
このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)のWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。My Oracle SupportのWebサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://support.oracle.com
この製品は、複数のOracleホームをサポートしています。したがって、同じシステム上の異なるOracleホーム・ディレクトリに、ソフトウェアのこのリリースを複数回インストールできます。詳細は、2.5.3項を参照してください。