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会社の人事管理のためにWebレポートの作成を必要とするシナリオについて検討します。このWebレポートでは、部門内の各従業員の給与情報を表示する必要があります。会社のロゴやカラーに対応したHTMLページはすでに用意されています。このページに必要な情報を追加する必要があります。
この章では、図2-1に示すように、Reports Builderのデータ・ウィザードを使用して既存のHTMLページにデータを追加する方法を説明します。この章の最後に、Webレポートでデータを使用可能にするデータ・モデルが作成されます。
この項では、emprev.htm
という名前の提供されたWebページ・テンプレートをオープンする方法を説明します。まず、テンプレートの内容を確認できるように、WebブラウザでこのWebページをオープンします。
WebブラウザでサンプルHTMLページをオープンするには
Webブラウザ(NetscapeやInternet Explorerなど)で、「ファイル」→「開く」を選択し、emprev.htm
に移動します。emprev.htm
ファイルは、このチュートリアルで提供されているサンプル・ファイルです。
Reports Builderで既存のHTMLページをオープンするには
Reports Builderを起動します。
注意: UNIXを使用している場合は、Reports Builderがインストールされているディレクトリに移動し、rwbuilder.sh を実行します。 |
「ようこそ」ダイアログ・ボックスで、「既存レポートを開く」をクリックし、「OK」をクリックします。
「開く」ダイアログ・ボックスで、チュートリアル・サンプル・ファイルが格納されたフォルダ(d:\Reports_Tutorial
など)に移動します。
emprev.htm
ファイルを検索し、「開く」をクリックします。
EMPREVレポートがオブジェクト・ナビゲータで表示されます。
レポートを作成する場合、まず、レポートで使用するデータを選択して、データ・モデルを構築する必要があります。
この項では、データ・ウィザードを使用して、Webレポート用にデータ・モデルを構築する手順について説明します。このデータ・モデルによって、サンプル・スキーマのデータをレポートで使用できるようになります。
既存のHTMLページにデータを追加するには
データ・ウィザードをオープンして、レイアウトを定義し、データ・モデルを追加します。
オブジェクト・ナビゲータで、「データ・モデル」ノードをダブルクリックします。
データ・モデル・ビューで、キャンバスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「データ・ウィザード」を選択します。
「ようこそ」ページが表示される場合は、「次へ」をクリックします。
「問合せ名」ページで、「次へ」をクリックして、デフォルト名を受け入れます。
「データ・ソース」ページで、「SQL問合せ」が選択されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
注意: 「データ・ソース」ページで、レポートに使用するデータ・ソースを任意に選択できます。プラッガブル・データ・ソースの使用方法の詳細は、Oracle Reportsのオンライン・ヘルプを参照してください。 |
「データ」ページで、次のいずれかを実行できます。
テキスト・エディタでtutorial_sql.txt
ファイルをオープンし、問合せをコピーして、「SQL問合せ文」ボックスに貼り付けます。ステップ16に進みます。
Query Builderの使用方法について学習します。ステップ6〜15に進みます。
Query Builderを使用するには、「クエリー・ビルダー」をクリックします。
注意: 提供されたサンプル・スキーマを含むデータベースの接続情報がわからない場合、管理者に連絡してください。 |
Query Builderで、EMPLOYEES表をダブルクリックします。
再び、EMPLOYEES表をダブルクリックし、「閉じる」をクリックします。
Query Builderでは、EMPLOYEES表がEMPLOYEESとEMPLOYEES A1として表示されます。EMPLOYEESのMANAGER IDとEMPLOYEES A1のEMPLOYEE IDのリンクは、EMPLOYEES表の制約によって自動的に作成されます。
注意: 列名には太字で表記されているものと、イタリックで表記されているものがあります。太字で表記されている列名は主キー、イタリックで表記されている列名は外部キーを示します。 |
EMPLOYEES表で、次のフィールドのチェック・ボックスを選択します(次の順番どおりにフィールドを選択する必要があります)。
EMPLOYEE_ID
FIRST_NAME
LAST_NAME
HIRE_DATE
JOB_ID
SALARY
DEPARTMENT_ID
EMPLOYEES A1表で、次のフィールドのチェック・ボックスを選択します。
EMPLOYEE_ID
FIRST_NAME
LAST_NAME
「OK」をクリックします。
「SQL問合せ文」テキスト・ボックスに、Query Builderで生成した問合せが表示されます。その内容は次のようになります。
SELECT ALL EMPLOYEES.EMPLOYEE_ID , EMPLOYEES.FIRST_NAME,EMPLOYEES.LAST_NAME , EMPLOYEES.HIRE_DATE , EMPLOYEES.SALARY , EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID , EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID , EMPLOYEES_A1.JOB_ID , EMPLOYEES_A1.FIRST_NAME, EMPLOYEES_A1.LAST_NAME FROM EMPLOYEES, EMPLOYEES EMPLOYEES_A1 WHERE (EMPLOYEES.MANAGER_ID = EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID)
部門100の従業員のみに対してデータを取り出すには、AND句を追加します。この場合、問合せは次のようになります(太字は、新しいコードを示します)。
SELECT ALL EMPLOYEES.EMPLOYEE_ID
, EMPLOYEES.FIRST_NAME,EMPLOYEES.LAST_NAME
, EMPLOYEES.HIRE_DATE
, EMPLOYEES.SALARY
, EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID
, EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID
, EMPLOYEES_A1.JOB_ID
, EMPLOYEES_A1.FIRST_NAME, EMPLOYEES_A1.LAST_NAME
FROM EMPLOYEES, EMPLOYEES EMPLOYEES_A1
WHERE (EMPLOYEES.MANAGER_ID = EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID)
AND EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID=100
ここで、従業員名で姓を先に表示し、レポートを見やすくします。
EMPLOYEES.FIRST_NAMEおよびEMPLOYEES.LAST_NAMEの各フィールドを、emp_name
という別名で連結します。
問合せの行は、次のようになります。
, EMPLOYEES.LAST_NAME ||', '|| EMPLOYEES.FIRST_NAME emp_name
EMPLOYEES_A1.FIRST_NAMEおよびEMPLOYEES_A1.LAST_NAMEの各フィールドを、mgr_name
という別名で連結します。
問合せの行は、次のようになります。
, EMPLOYEES_A1.LAST_NAME ||', '|| EMPLOYEES_A1.FIRST_NAME mgr_name
問合せが正しいことを確認します。問合せ全体は、次のようになります。
SELECT ALL EMPLOYEES.EMPLOYEE_ID, EMPLOYEES.LAST_NAME||','|| EMPLOYEES.FIRST_NAME emp_name, EMPLOYEES.HIRE_DATE, EMPLOYEES.JOB_ID, EMPLOYEES.SALARY, EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID, EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID, EMPLOYEES_A1.LAST_NAME||','|| EMPLOYEES_A1.FIRST_NAME mgr_name FROM EMPLOYEES, EMPLOYEES EMPLOYEES_A1 WHERE (EMPLOYEES.MANAGER_ID = EMPLOYEES_A1.EMPLOYEE_ID) AND EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID = 100
注意: 問合せが正しいことを確認するには、提供されたサンプル・ファイルのtutorial_sql.txt をオープンします。 |
「次へ」をクリックします。
生データが選択されたので、これを部門管理者名ごとのグループに編成します。
「グループ」ページで、左の列のMGR_NAMEフィールドをクリックし、右矢印をクリックして、そのフィールドを「グループ・フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。
データの一部を計算します。「合計」ページに、一般的に使用される計算の一部が表示されます。
「合計」ページで、左の列の「SALARY」をクリックし、「合計」をクリックして、「合計」リストの「Salary」列の合計を表示します。
「終了」をクリックします。
注意: データ・モデル・ビューの左上の部分には、レポートレベルのサマリー列が表示されます。ただし、この図では示されていません。 |
Reports Builderでは、レポートを様々な形式で保存できます。この例ではJSPベースのWebレポートを作成しているため、レポートをJSP形式で保存します。
オブジェクト・ナビゲータでレポートを選択し、「ファイル」→「別名保存」を選択します。
「保存」ダイアログ・ボックスで、レポート名をemprev_
自分のイニシャル
に変更し、タイプを「レポートJSP (.jsp)」に変更して、「保存」をクリックします。
注意: 提供されたファイルを上書きしないように、必ず自分のイニシャルを挿入してください。JSPは、Webへのレポート公開に使用するReports Builderの主要なテクノロジなので、レポートをJSP形式で保存すると、このチュートリアルの後の章での使用に備えることができます。 |
「ファイル」→「閉じる」を選択します。
お疲れ様でした。これでデータ・モデルが作成され、Webページにレポートを組み込むことができます。この章では、次の手順を学習しました。
Reports Builderで、既存のWebページ(HTMLファイル)をオープンする。
データ・ウィザードで、レポートのデータを指定する。
Query Builderで、データを選択する。
レポートをJavaServer Pages(JSP)で保存する。
作業を確認するには、第3章「Webレポートのソース・コードの確認」に進みます。または、第5章「Webレポートのレポート・ブロックの作成」に進み、レポートの作成を継続します。