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Oracle® WebLogic Communication Services 管理ガイド
11g リリース 1 (11.1.1)
B55505-01
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C Diameter のコンフィグレーション リファレンス

以下の節は、Diameter のコンフィグレーション ファイル diameter.xml の詳細なリファレンスです。

C.1 diameter.xml の概要

diameter.xml ファイルには、以下の Diameter ノード属性が定義されています。

Diameter プロトコルの実装は、コンフィグレーション ファイルの起動時に読み出される。datatier.xml は、domain_dir/config/CUSTOM サブディレクトリに格納されます。Domain_dir は Oracle WebLogic Communication Services ドメインのルート ディレクトリです。

C.2 グラフィカルな表示

図 C-1diameter.xml ファイルの要素階層を示します。

図 C-1 diameter.xml の要素階層

図 C-1 の説明
「図 C-1 diameter.xml の要素階層」の説明

C.3 diameter.xml の編集

通常の運用時に diameter.xml ファイルを移動、変更、または削除することは絶対に避けてください。

diameter.xml ファイルに変更を加えるときは、直接編集せずに、Administration Console を使って間接的に行うようお勧めします。Administration Console を使用すれば、diameter.xml に常に有効な XML になります。

問題のあるコンフィグレーションを修正したり、壊れたファイルを修復したり、Oracle WebLogic Communication Services のアップグレード時にカスタム Diameter ノード コンフィグレーションを多数のマシンに展開するために、diameter.xml を手動で表示または編集する可能性もあります。手動編集の時 diameter.xml、変更を適用するために Diameter ノード をリブートする必要があります。


警告 :

動作中の Oracle WebLogic Communication Services デプロイメントに変更を行うときは、必ず Administration Console の Diameter ノードまたは WLST ユーティリティを使用してください。『コンフィグレーション ガイド』の「エンジン層コンテナのプロパティのコンフィグレーション」を参照してください。

C.3.1 diameter.xml の編集手順

プロダクション システムの sipserver.xml に変更を加える必要がある場合は、以下の手順に従ってください。

  1. テキスト エディタで DOMAIN_DIR/config/custom/diameter.xml ファイルを開きます。ただし、DOMAIN_DIR は Oracle WebLogic Communication Services ドメインのルート ディレクトリを表します。

  2. diameter.xml ファイルに対して必要な変更を行います。XML 要素の詳細については、節 C.6「XML 要素の説明」を参照してください。

  3. 変更を保存し、テキスト エディタを終了します。

  4. サーバを再起動して、変更内容を有効にします。


    警告 :

    動作中の Oracle WebLogic Communication Services デプロイメントに変更を行うときは、必ず Administration Console の Diameter ノードまたは WLST ユーティリティを使用してください。『コンフィグレーション ガイド』の「エンジン層コンテナのプロパティのコンフィグレーション」を参照してください。

  5. 更新後のシステムをテストして、コンフィグレーションを検証します。

C.4 XML スキーマ

WLSS_HOME/server/lib/wlss ディレクトリにインストールされた wlss-descriptor-binding.jar ライブラリ内に xml スキーマ (wcp-diameter.xsd) がバンドルされています。

C.5 diameter.xml ファイルの例

サンプル コンフィグレーション ファイル diameter.xml の複数リストについては、『ネットワーク リソースのコンフィグレーション』の「クライアント ノードとリレーエージェントのコンフィグレーション」を参照してください。

C.6 XML 要素の説明

以下の節では、diameter.xml の各 XML 要素について説明します。

C.6.1 configuration

最上位レベルの configuration 要素には、Diameter 全体のコンフィグレーションノードが含まれます。

C.6.2 target

ノード コンフィグレーション適用されたターゲットの Oracle WebLogic Communication Services インスタンスを 1 つまたは複数指定します。ドメンの config.xml ファイルにターゲット サーバを定義する必要があります。

C.6.3 host

Diameter ノードのホスト ID を指定します。host 要素が何も指定されていない場合、ローカル サーバのホスト名から ID が取得されます。このホスト ID は DNS 名と同じであっても違っていてもかまいません。


注意 :

複数の sh クライアント ノードを対象に diameter サポートをコンフィグレーションする場合は、diameter.xml ファイルの host 要素を省略することをお勧めします。これにより、同じ Diameter Web アプリケーションをエンジン層クラスタのすべてのサーバにデプロイすることができます。その際、各サーバ インスタンスのホスト名が動的に取得されます。

C.6.4 realm

Diameter ノードに対応するレルム名を指定します。異なるレルムとリスン ポート番号を使用すると、同一ホスト上で複数の Diameter ノードを運用することができます。HSS、アプリケーション サーバ、リレー エージェントはすべて、レルム名または名前が一致している必要があります。HSS とアプリケーション サーバのレルム名は一致していなくてもかまいません。

realm 要素を省略した場合は、完全修飾されたホスト名 (host@oracle.com など) のドメイン名部分から派生したレルム名が作成されます。

C.6.5 address

Diameter ノードのリスン アドレス (DNS 名または IP アドレス) を指定します。アドレスを省略した場合は、このノードでは host ID がリスン アドレスとして使用されます。


注意 :

host ID は Diameter ノードの DNS 名と同じであっても違っていても、どちらでもかまいません。コンフィグレーション エラーを回避するため、address 要素と一緒に DNS 名または IP アドレスを明示的に指定することをお勧めします。

C.6.6 port

Diameter ノードの TCP または TLS リスン ポートを指定します。デフォルト ポートは 3868 です。

C.6.7 tls-enabled

この要素は、TLS 機能を使用するためにスタンドアロン ノード操作だけに使用されます。

サーバ インスタンスに動作中ノードの tls-enabled 要素は Oracle WebLogic Communication Services では無視されます。その代わり、サーバ インスタンスで TLS 対応のネットワーク チャネル (Diameter チャネル) がコンフィグレーションされている場合は、TLS 転送が有効として報告されます。『ネットワーク リソースのコンフィグレーション』の「Diameter プロトコルのネットワーク チャネルの作成」を参照してください。

C.6.8 sctp-enabled

この要素は、SCTP 機能を使用するためにスタンドアロン ノード操作だけに使用されます。

サーバ インスタンスに動作中ノードの sctp-enabled 要素は Oracle WebLogic Communication Services では無視されます。 その代わり、サーバ インスタンスで SCTP 対応のネットワーク チャネル (diameter-sctp チャネル) がコンフィグレーションされている場合は、SCTP 転送が有効として報告されます。『ネットワーク リソースのコンフィグレーション』の「Diameter プロトコルのネットワーク チャネルの作成」を参照してください。

C.6.9 debug-enabled

デバッグ メッセージの出力を有効/無効にする boolean 値を指定します。デフォルトでは、デバッグ メッセージの出力は無効化されています。

C.6.10 message-debug-enabled

Diameter メッセージのトレースを有効/無効にする boolean 値を指定します。デフォルトでは、この要素は無効化されています。

C.6.11 application

選択したノード上で実行する Diameter アプリケーションを指定します。Oracle WebLogic Communication Services には、Diameter Sh、Ro と Rf クライアント、Diameter リレー エージェント、または Home Subscriber Servers (HSS) として動作するノードをサポートする 3 つのアプリケーションが含まれています。HSS アプリケーションは、開発またはテスティングのみを目的として提供されるシミュレータです。

C.6.11.1 class-name

ロードするアプリケーション クラス ファイルを指定します。

C.6.11.2 param*

アプリケーション クラスに渡す任意のパラメータを 1 つまたは複数指定します。

C.6.11.2.1 name

アプリケーション パラメータの名前を指定します。

C.6.11.2.2 value

パラメータ値を指定します。

C.6.12 peer-retry-delay

ノードが Diameter ピアへのアクセスを再試行する間隔を秒単位で指定します。デフォルト値は 30 秒です。

C.6.13 allow-dynamic-peers

ピアの動的なコンフィグレーションを有効または無効にする boolean 値を指定します。デフォルトでは、動的なピアは無効化されています。動的なピアを有効にするのは、TLS 転送を使用する場合のみにする。ピアになるホストを制限するためのアクセス制御メカニズムがないからである。

C.6.14 request-timeout

タイミング アウトの前にピアから応答間隔をミリ秒単位で指定します。.

C.6.15 watchdog-timeout

Diameter Tw watchdog タイマの秒単位を指定します。

C.6.16 supported-vendor-id+

機能交換で Supported-Version-Ids AVP に追加された一つ以上の vendor ID を指定する。

C.6.17 include-origin-state

ノードにリクエストと応答で origin state AVP を含めるかどうか指定します。

C.6.18 peer+

個々の Diameter ピアの接続情報を指定します。ピア ノードごとに接続情報を設定するか、ノードをピアとして動的に追加することを許可するかの、どちらかを選択することができます。ただし、動的なピアを有効にするのは、TLS 転送を使用する場合のみにしてください。なぜなら、動的なピアを有効にすると、ピアになるホストを選別したり制限したりできなくなるからです。

Sh クライアント ノードをコンフィグレーションする場合、peers 要素には、システムにデプロイされている各 Diameter リレー エージェントのピア定義を含める必要があります。システムでリレー エージェントを使用しない場合は、システム内の Home Subscriber Server (HSS) のピア エントリと、Sh クライアント ノードとして動作するその他すべてのエンジン層ノードのピア エントリを含める必要があります。

Diameter リレー エージェント ノードをコンフィグレーションする場合は、HSS の他に、ピアにアクセスするすべての Diameter クライアント ノードのピア エントリを peers 要素に含める必要があります。

C.6.18.1 host

Diameter ピアのホスト ID を指定します。

C.6.18.2 address

Diameter ピアのリスン アドレスを指定します。アドレスを何も指定していない場合、ホスト ID が使用されます。

C.6.18.3 port

Diameter ピアの TCP または TLS ポート番号を指定します。デフォルト ポートは 3868 です。

C.6.18.4 protocol

ピアのプロトコルを指定します。この要素は tcp または sctp の 1 つになります。

C.6.19 route

メッセージを解決するためにノードが使用するレルムベースのルートを指定します。

Sh クライアント ノードをコンフィグレーションする場合は、システム内にデプロイされている各 Diameter リレー エージェントへのルートと、選択したリレーへの default-route を指定することをお勧めします。システムでリレー エージェントを使用していない場合は、HSS への default-route を 1 つ指定してください。

Diameter リレー エージェント ノードをコンフィグレーションする場合は、HSS への default-route を 1 つ指定してください。

C.6.19.1 realm

このルートで使用される目的レルムを指定します。

C.6.19.2 application-id

このルートの目的アプリケーション ID を指定します。

C.6.19.3 action

このルートを使用するときの Diameter ノードのロールを説明するアクションの種類を指定します。この要素には次の値のいずれかを指定できます。

  • none

  • local

  • relay

  • proxy

  • redirect

C.6.19.4 server+

このルートの目的サーバを 1 つまたは複数指定します。server 要素に指定されているサーバは、Diameter ノードの peer として定義されている必要があります。または、動的ピアのサポートが有効化されている必要があります。

C.6.20 default-route

コンフィグレーションされたルートとリクエスト対応しない場合に使用するデフォルト ルートを指定します。

C.6.20.1 action

Diameter ノードのデフォルトのルーティング動作を指定します。節 C.6.19.3「action」を参照してください。

C.6.20.2 server+

デフォルト ルートに対して、1 つまたは複数の対象サーバを指定します。この要素に含めるサーバはいずれも、この Diameter ノードの peer としても定義されている必要があります。または、動的ピアのサポートが有効化されている必要があります。