この付録では、Oracle Metadata Repositoryの外部のカスタマ・データベース構成に存在するPortalスキーマをアップグレードする手順について詳しく説明します。カスタマ・データベースに存在するPortalスキーマをアップグレードするには、upgrade.bat
(Windows)またはupgrade
(UNIX)スクリプトを使用する必要があります。次の手順を実行して、カスタマ・データベースに存在するPortalスキーマをアップグレードします。
ORACLE_HOME
環境変数に中間層のOracleホームを設定します。
Windows上のORACLE_INSTANCE\config
およびUNIX上のORACLE_INSTANCE
/config
へのPortalスキーマを含むデータベースのTransparent Network Services(TNS)エントリを追加します。
TNS_ADMIN
環境変数に、場所としてOracle_INSTANCE
/config
(UNIX)を設定します。
Portalスキーマを使用するデータベースに接続できることを確認します。
SQL*PlusでスキーマのパスワードとTNS名を指定して、データベースOracleホームのPortalスキーマに接続できるかどうかを確認します。
UNIXの場合の例:
sqlplus portal/portal@orcl
ディレクトリをORACLE_HOME
/upgrade/portal/admin/plsql
(UNIX)に変更します。
移行対象のPortalスキーマに関連付けられている中間層のOracleホームで、すべてのOracle Fusion Middlewareサービスを停止します。それには、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_PORTAL
を停止してから、ORACLE_INSTANCE
/bin/opmnctl stopall(UNIX)を実行します。
Portalスキーマに関連付けられているOracle Internet Directoryが起動し、実行されていることを確認します。
更新スクリプトを事前チェック・モードで実行します。
UNIXで、次のようにスクリプトを実行します。
ORACLE_HOME/upgrade/portal/admin/plsql/upgrade -precheck
-precheck
を指定すると、アップグレード前のチェックのみが実行され、アップグレードは終了します。このモードでは、事前チェックが失敗しても、アップグレードはすぐには終了されません。すべての事前チェックのエラーはupgrade.log
ファイルにまとめられます。このファイルはORACLE_HOME
/upgrade/portal/admin/plsql
(UNIX)ディレクトリに生成されます。ログ・ファイルの末尾に失敗したチェックのリストがあります。事前チェックの失敗がなくなるまで、このモードでアップグレードを実行します。このモードでは、スキーマは変更されないため、実行間で、バックアップからリストアする必要はありません。
事前チェックのログ・ファイルに記録されたエラーはすべて調べます。説明されていないエラー、またはエラーの後に説明されている処置によって解決できないエラーについては、Oracleサポート・サービスに連絡してください。
precheck.log
ファイルのすべての警告およびエラーを解決した後に、パラメータなしで更新スクリプトを実行します。
UNIXで、次のようにスクリプトを実行します。
ORACLE_HOME/upgrade/portal/admin/plsql/upgrade
このスクリプトでは、システム設定に関する情報を要求するプロンプトが表示されます。入力内容は、スクリプトの最後に確認のために表示されます。ただし、スクリプトの終了前に、入力した情報が誤っていることがわかった場合は、スクリプトの最後の質問に「n
」と応答することで、変更を行わずにスクリプトを終了できます。
スクリプトからの質問内容は次のとおりです。質問に対するデフォルトの応答は、大カッコ内に示されています。
Have you backed up your database (y|n)? [y]:
データベースをバックアップしていない場合は「n
」と応答して、データベースをバックアップしてからスクリプトを再起動します。データベースをバックアップしていた場合は「y
」と応答します。
Enter the name of the schema you would like to upgrade [portal]:
スキーマ名がPortalのデフォルトのOracle Infrastructureインストールのスキーマ名と異なる場合は、スキーマ名を入力します。
Enter the password of the schema you would like to upgrade [portal]:
パスワードがスキーマ名と同じでない場合は、Portalスキーマのパスワードを入力します。
Enter the password for the SYS user of your database [change_on_install]:
パスワードがchange_on_install
でない場合は、データベースのSYS
パスワードを入力します。
Enter the TNS connect string to connect to the database [orcl]:
TNS接続文字列を入力します。これは、ORACLE_INSTANCE
/config/tnsnames.ora file
(UNIX)にあります。
スクリプトが完了したら、カレント・ディレクトリのアップグレード・ログ・ファイルを調べ、ファイルの末尾でエラーが報告されていないことを確認します。
ここで、このリポジトリに関連付けられている中間層を起動します。ポータルがアクセス可能なことを確認します。