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Oracle Application Server Adapters for VSAMユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61399-01
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3 OracleAS Adapters for VSAMとWebLogicの統合

OracleAS Adapter for VSAMをデプロイし、Oracle Application Server Containers for J2EE(WebLogic)と統合するには、J2CA 1.5 VSAMアダプタを構成する必要があります。

この章の内容は、次のとおりです。

OracleAS Adapter for VSAMとWebLogicの統合の概要

Oracle Application Serverは、標準Java Development Kit(JDK)のJava仮想マシン(JVM)で動作する完全なJava 2 Enterprise Edition(J2EE)環境を提供します。 WebLogicは、J2EEに認定されており、J2EE固有のコンテナ、APIおよびサービスをすべて提供します。 WebLogicはJ2CA 1.5標準をサポートしています。

J2CAは、EISとのアプリケーションの統合を単純化する標準Javaインタフェースを定義します。 Oracleアダプタは、リソース・アダプタとしてWebLogicコンテナ内にデプロイされます。

WebLogicクライアント・アプリケーションとリソース・アダプタとの規約は、Common Client Interface(CCI)によって定義されます。 WebLogicコンテナとリソース・アダプタとの規約は、サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)によって定義されます。 SPI APIは、接続管理、トランザクション管理およびセキュリティ管理を取り扱います。

接続管理により、アプリケーション・コンポーネントは、EISに接続し、アプリケーション・サーバーが提供する接続プーリングを利用できるようになります。

トランザクション管理により、アプリケーション・サーバーは、トランザクション・マネージャを使用して複数のリソース・マネージャ全体のトランザクションを管理できるようになります。 セキュリティ管理により、J2EEサーバーとEIS間には、認証、認可および保護された通信が提供されます。

ライフサイクル管理規約により、アプリケーション・サーバーは、アダプタのデプロイ中またはアプリケーション・サーバーの起動中にリソース・アダプタ・インスタンスを初期化できます。 また、アプリケーション・サーバーは、サーバーの停止中またはアダプタのアンデプロイ中にリソース・アダプタ・インスタンスに通知できます。

ライフサイクル規約は、アプリケーション・サーバーがリソース・アダプタ・インスタンスのライフサイクルを管理するためのメカニズムを提供します。

操作管理規約により、リソース・アダプタはリソース・アダプタ上にスレッドを作成するかわりに、アプリケーション・サーバーがディスパッチしたスレッドを使用してロジックを実行できます。 ハンドシェイクは、Workインスタンス発行を介して実行されます。 これにより、アプリケーション・サーバーのスレッド管理がさらに効果的になり、実行コンテキスト(セキュリティやトランザクションなど)の制御が向上します。


関連項目:

『Oracle Application Server Adapter概要』、『Oracle Application Server Containers for J2EEユーザーズ・ガイド』、『Oracle Application Server Containers for J2EEサービス・ガイド』および『Oracle Application Server Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』

VSAMアダプタの構成

Oracle Connect RARをWebLogicサーバーにデプロイします。

各VSAMアダプタに対して適切なコネクション・ファクトリを作成できます。

次の表では、VSAMアダプタに関係のあるコネクション・ファクトリのプロパティを説明します。 他のプロパティの値は変更しないでください。

表3-1 コネクション・ファクトリのプロパティ

プロパティ 説明

location

Oracle Application Serverがアプリケーション・コンポーネントのコネクション・ファクトリ・インスタンスをバインドするJNDIロケーションを指定します。

eisName

使用するアダプタの名前を設定します。 アダプタは、Oracle Studioを使用してOracle Connectサーバーに定義します。「Oracle Connectへのアクセスの保護」の説明を参照してください。

serverName

Oracle Connectデーモンが動作しているTCP/IPアドレスまたはホスト名を設定します。 デーモンは、「Oracle StudioでのIBM z/OSプラットフォームの設定」の最初に指定したコンピュータ上で動作します。

デーモンの詳細は、付録C「デーモンの高度なチューニング」を参照してください。

workspace

使用するOracle Connectサーバー・ワークスペースの名前を指定します。 デフォルトのワークスペースはNavigatorです。

ワークスペースの詳細は、「ワークスペース」を参照してください。

portNumber

サーバー上でOracle Connectデーモンが動作しているTCP/IPポートを指定します。 デフォルトのポートは2551です。

userName

(オプション)

Oracle Connectサーバーにアクセスできるユーザーを指定します。 Oracle Connectデーモンの構成で定義されたユーザーです。

Oracle Connectサーバーへのアクセスを許可するユーザーの詳細は、「セキュリティ」およびワークスペースの「セキュリティ」を参照してください。

password

(オプション)

ユーザーの有効なパスワードを指定します。

firewallProtocol

(オプション)

使用するファイアウォール・プロトコルを指定します。指定しないか、またはfixedNat(デーモンの固定アドレスを使用するNatプロトコル)を指定します。 デフォルトはnoneです。

connectTimeout

(オプション)

接続のタイムアウト(秒単位)を指定します。 デフォルトは0(ゼロ)です。これは、接続がタイムアウトしないことを意味します。

encryptionProtocol

(オプション)

使用する暗号化プロトコルの名前を指定します。 デフォルトはnullです。 RC4プロトコルがサポートされます。

encryptionKeyName

(オプション)

使用する対称暗号鍵の名前を指定します。

encryptionKeyValue

(オプション)

使用する対称暗号鍵の値を指定します。

fakeXa

(オプション)

trueに設定すると、XA APIはローカル・トランザクションAPIに内部的に変換されます。 常にtrueに設定してください。


高可用性

OracleAS用のOracleレガシー・アダプタは、Oracle ASクラスタを使用したアクティブ-アクティブおよびアクティブ-パッシブのトポロジで高可用性をサポートします。

アクティブ-アクティブ・トポロジでは、Oracle Application ServerはOracleASクラスタのすべてのコンポーネントにアクティブ-アクティブの冗長モデルを提供します。 OracleASクラスタでは、2つ以上のOracle Application Serverインスタンスが同じアプリケーション・ワークロードを処理するように構成されます。 これらのインスタンスは、同じコンピュータ上にも異なるコンピュータ上にも存在できます。 アクティブ・インスタンスをフロントエンド処理するには、外部のロード・バランサによってリクエストを任意のアクティブ・インスタンスにリダイレクトするか、アドレス・リストなどの他のアプリケーションレベルの構成によってリクエストを分散させます。

アクティブ-パッシブ・トポロジでは、Oracle Application ServerはOracleASコールド・フェイルオーバー・クラスタを使用してアクティブ-パッシブ・モデルをサポートします。 この場合は、2つ以上のApplication Serverインスタンスが同じアプリケーション・ワークロードを処理するように構成されますが、常に1つだけがアクティブになります。