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Oracle Application Server Adapters for Tuxedoユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61400-01
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1 概要

この章では、OracleAS Adapter for Tuxedoの機能とアーキテクチャの概要について説明します。

この章の構成は、次のとおりです。

OracleAS Adapter for Tuxedoの概要

OracleAS Adapter for Tuxedoには、次のアダプタが含まれています。

これらのアダプタは、Oracle Application Serverをレガシー・アプリケーションに統合します。 OracleAS Adapter for Tuxedoは、BEA Tuxedoアプリケーション・サーバーで稼働するサービスをモデル化します。 このBEA Tuxedoアプリケーション・サーバーには、Common Object Request Broker Architecture(CORBA)およびApplication to Transaction Monitor Interface(ATMI)の2つのプログラミング・インタフェースが用意されています。 ATMIは、一連のCまたはCOBOLのプロシージャを使用してプロシージャ・ライブラリ・ベースのプログラミングを提供するプログラミング・インタフェースをサポートしています。 ATMIでは、通信、トランザクションおよびデータ・バッファ管理用のインタフェースも提供しています。 さらに、ATMIインタフェースとBEA Tuxedoシステムによって、トランザクション処理用のX/Open分散トランザクション処理(DTP)モデルが実装されます。

Adapter for Tuxedo

OracleAS Adapter for Tuxedoには、次の機能が含まれています。

  • OracleAS Adapter for Tuxedoが稼働しているプラットフォームへのダイレクト・アクセスの提供により、パフォーマンスが向上します。

  • Tuxedoサービスは相互作用の集合としてモデル化され、各相互作用は入力レコードと出力レコードとともに特定のTuxedoサービスにマップされます。

  • FMLとVIEWファイル、またはJOLTファイルのいずれかからTuxedoメタデータをインポートし、そのメタデータをOracle Connectのマッピング定義に変換することによって、Tuxedoシステムのメタデータ・スキーマを取得および保守します。

  • Tuxedo/T同期コールをサポートします。

  • Tuxedoメッセージ構造とXMLデータの間でマップを行います。

  • リソース・マネージャ(RM)として動作することによって、ローカル・トランザクションをサポートします。 このサポートは、アダプタでXMLトランザクション演算子に応答し、対応するATMIトランザクション・コールを発行することで実現します。 バックエンド・サービスは、トランザクションのセマンティクスおよび実装を担当します。

  • Tuxedoサーバーでの完全なクライアント認証をサポートします。 OracleASアダプタとパスワードの使用もオプションでサポートされています。

  • 次の表に示されたバッファ・タイプをサポートします。

    表1-1 バッファ・タイプおよび対応するフィールド・タイプ

    バッファ・タイプ フィールド・タイプ

    FML: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。

    CARRAY

    Short

    Long

    Char

    Float

    Double

    String

    VIEW: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。

    Short

    Long

    Char

    Float

    Double

    String

    X_C_TYPE

    x_common

    Short

    Long

    Char

    Float

    Double

    String

    x_octet


    CARRAY


    String


    XML



  • Postイベント(EventBroker)がサポートされています。 これを使用すると、JavaアプリケーションがTuxedoイベントにサブスクライブし、J2CA 1.5メッセージ・インフローとしてイベントを受信できます。 イベントは、準拠ポリシーに従って1つ以上のキューにポストされます。

  • キューへのメッセージ書込み(エンキュー)がサポートされています。 これは、イベントが相互作用入力レコードとして定義されているenqueue相互作用を実行することにより、行われます。

OracleAS Adapter for Tuxedoはグローバル・トランザクションをサポートしていないため、分散トランザクションには関与できません。


関連項目:

『Oracle Application Server Adapter概要』。 BEA Tuxedo関連のマニュアル。

Adapter for Tuxedo/Q

OracleAS Adapter for Tuxedo/Qは、キューからメッセージを取り込むために使用します。 キューはアウトバウンド・チャネルとして参照されます。キューは論理的にアウトバウンド相互作用と同等です。

キューからメッセージを取り込むには、getEvents相互作用を実行します。 この相互作用は、自動的にアダプタ・スキーマに追加されます。 実行すると、すべてのメッセージがキューから取り込まれます。 また、すべての出力レコードを統合するレコードが作成され、相互作用出力レコードとして使用されます。

dequeue相互作用を使用すると、選択したメッセージをキューから削除できます。 実行すると、特定の属性を含むメッセージがキューから削除されます。

Adapter for Tuxedo Gateway

OracleAS Tuxedo Gatewayアダプタは、同期インバウンド通信用に使用されます。 この場合、Tuxedo Gatewayアダプタはアプリケーションをコールしてレスポンスを待機します。 これにより、Tuxedoのみの環境から異種環境にTuxedoサービスをシームレスに統合または移行すること(あるいはその両方)が可能になります。その環境でTuxedoサービスにより、BPELおよびESBなどのOracle製品を他のTuxedoの場合とまったく同じようにコールできます。 このアダプタの下で作成される相互作用が、TuxedoサービスとしてTuxedo Gatewayによって公開されるサービスを示します。

Tuxedo Gatewayアダプタには、TuxedoサービスからOracleサービスへの同期アクセスが提供されています。 Tuxedo Gatewayアダプタを使用することで、BPEL Process ManagerおよびESBなどのOracle製品を他のTuxedoサービスと同じようにコールできます。

Tuxedo Gatewayアダプタは、2フェーズ・コミット・トランザクションをサポートしています。 詳細は、「トランザクション・ゲートウェイ・プロセスの構成」を参照してください。

バッファ・タイプ

Tuxedo Gatewayアダプタは、次の表に示されたバッファ・タイプをサポートします。

表1-2 バッファ・タイプおよび対応するフィールド・タイプ

バッファ・タイプ フィールド・タイプ

FML: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。

CARRAY

Short

Long

Char

Float

Double

String

VIEW: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。

Short

Long

Char

Float

Double

String

X_C_TYPE

x_common

Short

Long

Char

Float

Double

String

x_octet


CARRAY


String


XML



リターン・コード

次の表に、Tuxedo Gatewayアダプタ・サービスのコール時に返されるコードを示します。

表1-3 戻り値とリターン・コード

イベント 戻り値とリターン・コード

成功

戻り値(rval): TPSUCCESS

リターン・コード(rcode): 0

注意: データおよびデータ長が返されます。

失敗

戻り値(rval): TPFAIL

リターン・コードは、コールが失敗した理由により異なります。 次に、コールが失敗したときに返されるコードを示します。

  • unavaliable = 1

  • badinput = 2

  • applicationError = 3

  • generalError = 4

注意: データは返されません。


OracleAS Adapter for Tuxedoのアーキテクチャ

この項の構成は、次のとおりです。

インバウンド用Tuxedoアダプタのアーキテクチャ

Oracle AS Adapter for Tuxedoのアーキテクチャは、次のコンポーネントで構成されています。

  • J2CA 1.5 Tuxedoアダプタ: J2CA Tuxedoアダプタは、J2EEコンポーネントとの接続性を提供するJ2EE Connector Architectureに準拠している標準のリソース・アダプタです。

  • Oracle Connect: Oracle Connectは、レガシー・システム上で動作し、Oracle Application Server Containers for J2EE(WebLogic)内で動作するJ2CA 1.5 Tuxedoアダプタからのリクエストを処理します。

  • Oracle Studio: Oracle StudioはOracle Connectの構成ツールです。 Oracle Studioを使用する構成タスクは、Windowsプラットフォームで実行されます。 Oracle Studioは、OracleAS Adapter for Tuxedoのモデル化に必要な特定の情報を生成できるパースペクティブを使用します。

図1-1は、OracleAS Adapter for Tuxedoのコンポーネントを示しています。

図1-1 OracleAS Adapter for Tuxedoのアーキテクチャ

Oracle Application Server Adapter for Tuxedoのアーキテクチャ
「図1-1 OracleAS Adapter for Tuxedoのアーキテクチャ」の説明


関連項目:

『Oracle Application Server Adapter概要』

Oracle Application Serverとレガシー・アプリケーションの間の流れ

J2CA 1.5 Tuxedoアダプタは、アプリケーション・クライアントから受け取ったJ2CA相互作用の起動をXMLフォーマットに変換し、XMLフォーマットをレガシー・サーバー上のOracle Connectに渡します。 デーモンは、J2CA 1.5 Tuxedoアダプタ・クライアントから着信するリクエストをリスニングし、リクエストを処理するためにサーバー・プロセスに割り当てます。 サーバー・プロセスのプロパティ(接続プーリングの要件など)は、デーモン内のワークスペース定義によって設定されます。 サーバー・プロセスにはアプリケーション・エンジンのインスタンスが含まれています。このインスタンスがXMLフォーマットをTuxedoで理解できる固有の構造に変換し、バックエンド・アダプタに渡します。 バックエンド・アダプタは、リポジトリに格納されているバックエンド・アダプタのメタデータとXMLから変換された着信データに基づいて相互作用を作成し、その相互作用をレガシー・アプリケーションに渡します。 この実行の結果は、バックエンド・アダプタを使用してアプリケーション・エンジンに戻されます。結果は、XMLに変換され、クライアントに渡されます。

同期インバウンド用Tuxedo Gatewayアダプタのアーキテクチャ

Tuxedo Gatewayアダプタは、TuxedoサービスがOracleサービスをコールできるように設定されます。 これは、Tuxedoサービスが異なるタイプのサービスをコールしていることを認識せずに実行されます。 次の図に、TuxedoサービスがTuxedo Gatewayアダプタを使用してOracleサービスをコールする方法を示します。

図1-2 Tuxedo Gatewayアダプタのフロー

Tuxedo Gatewayアダプタのフロー

この例では、標準TuxedoサービスがOracleASサービス(この場合はBPEL)のコールを必要としています。 Tuxedoサービスは、このサービスを認識しないためコールできません。 TuxedoサービスがOracleASサービスをコールできるように、2つの中間ステップがTuxedo Gatewayアダプタによって追加されます。 次の表に、このフロー内の4つのステップを示します。

表1-4 Tuxedo Gatewayアダプタのフローの説明

ステップ 説明

TuxedoサービスA'

標準Tuxedoサービスです。

Tuxedoサービス・スタブ

Tuxedoアダプタの使用時に追加される中間ステップで、Tuxedoサーバーとして機能します。 このコンポーネントは、Tuxedoサービスからのリクエストを受け入れてTuxedo Gatewayに転送し、レスポンスを受け取って元のサービスに返します。

Tuxedo GatewayからOracleへ

Tuxedo Gatewayアダプタの使用時に追加される中間ステップです。 このコンポーネントは、Tuxedoサービス・スタブからの作業リクエストを受け入れてOracleASに転送します。 サービス・リクエストが実行されると、すべてのレスポンスがTuxedo Gatewayに返され、さらにTuxedoサービス・スタブに返され、元のTuxedoサービスに転送されます。

Oracle Application Server

Tuxedoによってコールされているサービスです。 BPELまたはESBサービス実装が可能です。



関連項目:

『Oracle Application Server Adapter概要』、『Oracle Application Server Containers for J2EEユーザーズ・ガイド』、『Oracle Application Server Containers for J2EEサービス・ガイド』および『Oracle Application Server Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』

Tuxedo Gatewayアダプタのコンポーネント

次の図に、Tuxedo Gatewayアダプタのシステム・コンポーネントを示します。

図1-3 Tuxedo Gatewayアダプタのコンポーネント

Tuxedo Gatewayアダプタのコンポーネント

次の表に、各コンポーネントを示します。

表1-5 Tuxedo Gatewayアダプタのコンポーネントの説明

コンポーネント 説明

Tuxedo BBS

Tuxedoサービスを登録し、Tuxedoサーバーを管理するTuxedoコンポーネント。

Tuxedoサーバー

Tuxedoサービスをホストするプロセス。 Tuxedo BBSによって管理されます。 Tuxedoサーバーの複数のインスタンスを構成できます。

Connect Tuxedo Gateway(CTG)

メイン・アダプタ。 このアダプタがTuxedoからのサービス・リクエストを処理します。

Tuxedoサービス・スレッド

Tuxedoサービス・リクエストをゲートウェイに中継し、ゲートウェイからのレスポンスを返す特別のTuxedoサービス機能(すべて同一プロセス内)。 1つのTuxedoサーバー上に複数のTuxedoサービス・スレッドが可能です。 これはTuxedo構成に依存しています。

Connectデーモン

クライアント用のConnectサーバー・プロセスを起動するConnectデーモン。 このデーモンは、Tuxedo Gatewayサーバーに関する通知もTuxedo JCAコネクタに提供します。

Connectサーバー

固有のアプリケーション・アダプタをホストするConnectデーモンによって管理されるプロセス。

Connect Tuxedoアダプタ(CTSA)

Tuxedoサービスに対する固有のConnectアダプタ。

Oracle Application Server(OAS)

JCA Tuxedoリソース・アダプタをホストしているJ2EEコンテナ。

Connect Tuxedoコネクタ

Tuxedoとのインバウンドおよびアウトバウンドの両方の同期相互作用をサポートするJCA 1.5ベースのコネクタ。 Connect Tuxedoコネクタのコンポーネントを次に示します。

  • リスナー: Tuxedoによって開始された新規の各Connect Tuxedo Gatewayプロセスと相互作用するために、レシーバ/トランスミッタ・スレッドのペアを作成/終了するコネクタ・スレッド。 デプロイされた各コネクタごとにリスナー・スレッドが作成され、このスレッドが1つのConnectデーモンを使用します。

  • レシーバ: Connect Tuxedo Gatewayインスタンスからコール・リクエスト・バッチを取得するコネクタ・スレッド。 Tuxedoによって開始された各Tuxedoサーバー・プロセスごとにレシーバ・スレッドが作成されます。

  • トランスミッタ: Connect Tuxedo Gatewayインスタンスにコール・レスポンス・バッチを送信するコネクタ・スレッド。 Tuxedoによって開始された各Tuxedoサーバー・プロセスごとにトランスミッタ・スレッドが作成されます。

  • ワーカー: コール・リクエストに基づいてエンドポイントを同期的に起動するコネクタ・スレッドのプール。