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Oracle Application Server CDC Adapters for DB2ユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61402-01
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1 概要

チェンジ・データ・キャプチャ(CDC)は、エンタープライズ・データソースに加えられた変更内容を取得し、Oracle Fusion Middlewareなどの統合ミドルウェアに送信して処理することによって、リアルタイムに近い効率的な統合を可能にする統合テクノロジです。CDCアダプタは、Oracle SOA Suite(BPEL Process Manager、Oracle Enterprise Service Bus)およびOracle Data Integrator(ODI)で使用できます。

Oracle CDC Adapter for DB2では、DB2のログ・ファイルやアーカイブ・ファイルに書き込まれた変更内容が取得されます。

DB2 CDCアダプタでは、DSNJU004モジュールを内部的に使用して、指定されたブートストラップ・データセットに基づいて指定されたタイムスタンプに対応する最初のLRBAを含むアーカイブ・ファイルまたはログ・ファイルが検索されます。

DB2 CDCアダプタでは、ログからレコードを取得する場合にIFIインタフェースが使用されます。モニタリング・プロセスは、IFIコマンド-STA TRA(MON) CLASS(1) IFCID(306)を使用して起動されます。


注意:

  • DB2エージェントでは、DB2データ共有(DB2plexとも呼ばれます)はサポートされていません。

  • メインフレーム・システム用のDB2エージェントでは、結合機能を使用するDB2インスタンスはサポートされていません。


OracleAS CDCアダプタ OracleAS CDCアダプタ

この章では、OracleAS CDC Adapter for DB2の機能とアーキテクチャの概要について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

OracleAS CDC Adapter for DB2の概要

OracleAS CDC Adapter for DB2では、DB2データソース内のデータに加えられた変更内容(挿入操作、更新操作、削除操作など)が取得されて配信されます。CDCアダプタを使用すると、DB2データを使用する効率的なデータ統合ソリューションの構築、システムを同期化することによるデータの整合性の保証、データ・ウェアハウスおよび運用データストアのリアルタイムに近い更新、ビジネス・アクティビティのイベント・ドリブンの監視や処理が可能になります。

OracleAS CDC Adapter for DB2には、次の機能が備わっています。

OracleAS CDC Adapter for DB2を使用すると、ETL(抽出、変換、ロード)処理がより効率的になります。また、従来必要であったETLのための停止時間が不要になるため、ソース・データベース・システムの操作を中断することが少なくなります。

OracleAS CDC Adapter for DB2のアーキテクチャ

次の図に、OracleAS CDC Adapter for DB2を使用したチェンジ・データ・キャプチャに使用されるシステム・コンポーネントを示します。

図1-1 DB2 CDCアダプタで使用されるコンポーネント・アーキテクチャ

IMS/DB用のOracle CDCエージェントのアーキテクチャ

OracleAS CDC Adapter for DB2のコンポーネント・アーキテクチャには、次のコンポーネントが含まれています。

ステージング領域

ステージング領域はOracle Connectによって使用され、ジャーナルから取得したデータが保存されます。ジャーナルは1回のみスキャンされ、そのスキャン中に読み取られたすべての対象表に対する変更内容がステージング領域に渡されて保存されます。そのため、ジャーナルは、ポーリングされるたびに1回のみスキャンされます。変更内容がステージング領域に書き込まれた後、これらの変更内容の処理は、ジャーナルとは独立して実行されます。

ステージング領域は、トランザクションを使用している場合に役立ちます。変更データは、トランザクションがコミットされるまでは変更キューに書き込まれません。したがって、トランザクションが失敗した場合でも、失敗したトランザクションの手順について行われた処理を取り消すオーバーヘッドは発生しません。

ステージング領域は、Oracle Application Serverが実行されている任意のコンピュータ(Windows、LinuxまたはUNIXオペレーティング・システム)に配置でき、DB2 CDC Adapterと同じサーバー上で実行する必要はありません。ジャーナルから情報が抽出されて、ステージング領域に書き込まれた後、ステージング領域上でのみ変更内容の処理が行われます。したがって、ステージング領域は、ネットワーク構成およびコンシューマ・アプリケーションの実行場所を考慮して設定する必要があります。

ステージング領域では、コンシューマ・アプリケーションによって読み取られた最後の位置(ステージング領域コンテキスト)が管理されて、次にコンシューマ・アプリケーションからのリクエストを受信したときには、このポイントから読取りが開始されます。コンテキストは、ステージング領域が管理されているリポジトリに保存されます。

ステージング領域には索引が作成されているため、特定のストリームを目的としてステージング領域に迅速にアクセスできます。

ステージング領域は、自動的に48時間ごとに消去されます。ステージング領域に48時間を超えて存在するすべてのイベントは削除されます。