この章では、OracleAS Adapter for DB2を作成する場合の例について説明します。OracleAS Adapter for DB2を使用するには、BPELプロセスまたはメディエータ・プロセスのいずれかも構成する必要があります。BPELまたはメディエータの使用方法の詳細は、「JDeveloperでのプロジェクトの作成例」を参照してください。
OracleAS Adapter for DB2を使用してアウトバウンドの相互作用を作成するには、新しいDB2データベースを作成し、そのデータを使用してCDCソリューションを作成する必要があります。
DB2データソースを作成するには、次の手順を実行します。
DB2データベースに、Hospitalという名前のデータベースを作成する必要があります。このデータベースに、表4-1に記載されている表と列を作成します。
表4-1 DB2の表と列
表 | 列 |
---|---|
HOSPITAL |
HOSPNAME HOSP_ADDRESS HOSP_PHONE ADMIN |
PATIENT |
HOSPNAME WARDNO PATNAME PATADRESS PAT_PHONE BEDIDENT DATEADMT PREV_STAY_FLAG PREV_HOSP PREV_DATE PREV_REASON |
SYMPTOM |
HOSPNAME WARDNO BEDIDENT DIAGNOSE SYMPDATE PREV_TREAT_FLAG TREAT_DESC SYMP_DOCTOR SYMP_DOCT_PHONE |
WARD |
HOSPNAME WARDNO TOT_ROOMS TOT_BEDS BEDAVAIL WARDTYPE |
最初に、DB2データを保有するWindowsコンピュータへのアクセスを構成します。このアクセスは、Oracle Connectを使用して構成します。Oracle Connectを開いて、「Oracle StudioでのIBM z/OSプラットフォームの設定」の指示に従ってください。「Add Machine」ダイアログ・ボックスには、次の情報を入力します。
Host name/IP address: Hospitalデータベースが存在するメインフレーム・コンピュータの名前またはIPアドレスを入力します。これは、Oracle Connectと同じディレクトリにインストールされているはずです。
Port: デーモンが実行されているポート番号を入力します。デフォルト・ポートは2551です。
Display name: このフィールドには、情報を入力する必要はありません(デフォルトでは、「Display name」はホスト名とポート番号です)。
User name: アクセス先のコンピュータが管理者のパスワードを必要とする場合。この場合、コンピュータの管理者の名前を入力します。
Password: 必要に応じて、コンピュータの管理者のパスワードを入力します。
Connect via NAT with fixed IP address: 指定するポートにかかわらず、マシンでNAT(ネットワーク・アドレス変換)ファイアウォール・プロトコルを使用していて、固定の構成(複数の外部IPと1つの内部IPのマッピング)を使用している場合は、これを選択します。
図4-1に、正しい情報を入力した「Add Machine」ダイアログ・ボックスを示します。
続いて、作成した表のチェンジ・データ・キャプチャを作成します。完了すると、WSDLファイルおよびバインディング(jca)ファイルを作成できます。詳細は、「JCA構成ファイルの作成」を参照してください。
これらのファイルには、JDeveloperでBPELプロジェクトおよびメディエータ・プロジェクトを作成する場合に必要な情報が含まれます。BPEL Process MangerおよびメディエータのためにJDeveloperを使用する方法の詳細は、「JDeveloperでのプロジェクトの作成例」を参照してください。
チェンジ・データ・キャプチャの設定を開始する前に、DB2がチェンジ・データ・キャプチャを処理するように設定されていることを確認してください。この設定を行う方法は、次の項を参照してください。
次の項では、Oracle Studioでチェンジ・データ・キャプチャを作成する方法について説明します。
次の手順では、このサンプルに対してチェンジ・データ・キャプチャを設定する方法を記載しています。DB2のチェンジ・データ・キャプチャの設定方法の詳細は、「Oracle Studioでのチェンジ・データ・キャプチャの設定」を参照してください。
Oracle Studioで「Solution」パースペクティブを開きます。
左側のペインで、「Create new project」をクリックします。
次のように入力します。
Project name: Hospital
Type: DB2
図4-2に、「Create new project」画面の正しいデータを示します。
「Design」をクリックし、続いて「Next」、「Finish」をクリックして、画面のデフォルト値を使用します。UNIXコンピュータのステージング領域を設定する場合は、2番目の画面の設定内容を変更する必要があります。詳細は、「CDCプロジェクトの作成」を参照してください。
「Implement」をクリックして、「Implementation」ガイドに移動します。
「Server Configuration」で、次の情報を入力します。
Machine: Oracle ConnectがインストールされているWindowsコンピュータの情報を入力します。
Data Source: 次のように入力します。
Location: このプロジェクトで使用するDB2インスタンスのDB2ロケーション名を入力します。このパラメータは、接続先のDB2インスタンスが、ODBCINIファイルのMVSDEFAULTSSIDパラメータで定義されているインスタンスと異なる場合に指定する必要があります。
Database Name: このプロジェクト用に作成したHospital DB2データベースの名前を入力します。
詳細は、「データソースの設定」を参照してください。
CDC Service: デフォルト設定を使用できます。デフォルト設定では、イメージ前レコードのキャプチャは含まれません。
Logger: DB2ログの追跡に使用するブートストラップ・データセットの名前を入力します。
Logging Level: デフォルト設定を使用します。
「Stream Service Configuration」に、次の情報を入力します。
Machine: ステージング領域として使用するコンピュータの情報を入力します。WindowsマシンまたはUNIXマシンである必要があります。
Stream Service: 次のように入力します。
「Staging Area」画面で、指定したコンピュータとステージング領域コンピュータ上の変更ファイルの場所を入力します。
「Changed Data Capture Table Selection」では、すべての表を選択します。
その他の画面では、「Next」をクリックして、デフォルト値を使用します。
Access Service Manager: すべての画面で「Next」をクリックして、デフォルト値を使用します。
詳細は、「CDCサービスの設定」を参照してください。
続いて、ソリューションのデプロイを行う必要があります。
ソリューションをデプロイするには、「Activate Workspaces」をクリックします。開いたすべての画面で、「OK」をクリックします。ネーミングの競合に関するメッセージが表示された場合は、最初にその問題を解決する必要があります。
チェンジ・データ・キャプチャのデプロイの詳細は、「チェンジ・データ・キャプチャのデプロイ」を参照してください。
JDeveloperを使用して接続を設定するには、WSDLファイルとJCAファイルの両方を作成する必要があります。Oracle Studioを使用してこれらのファイルを作成してから、BPELプロセスまたはメディエータの接続を設定します。
JCA構成ファイルの作成方法の詳細は、「JCA構成ファイルの作成」を参照してください。Hospital_CDCQueue
アダプタのファイルを作成するには、次の手順を実行します。
Oracle Studioの「Configuration」ペインから、作成したCDCステージング領域のバインディングを開きます。バインディングの名前は、Oracle Studioで作成したCDCソリューションのプロジェクト名に、_SA
という接尾辞が付いたものです。
Hospital_CDCQueue
アダプタを右クリックして、「Generate JCA Configuration Files」を選択します。
BPELプロセスまたはメディエータの接続を作成する際に参照可能な場所にファイルを保存します。