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Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B61383-01
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3.1 効率的な学習

Portalの構築を開始する前に、正確な情報に基づいた決定を行うのに必要な背景知識を獲得することが重要です。この項では、Oracle Portalに関連する学習プロセスと、対象ユーザーを正確に理解する方法について説明します。また、最も重要な内容として、Oracle Portal自体を理解するのに必要な主要概念をすべて紹介します。

3.1.1 Portalの準備

Portalの構築を開始するための方法は、通常、構築者がごく一般的なプロジェクトに対して個人としてアプローチする際の傾向を反映します。Oracle Portalの学習プロセスは、次の3つのカテゴリに分類されます。

  • セルフラーニング。Oracle Portalに初めて接した多くのユーザーは、管理対象ユーザーに何か役立つものを作成する全面的な権限を与えられると、すぐに製品を試してみる傾向があります。この場合、小規模なプロジェクトを実現してその感覚を把握してから、ユーザー用のPortalを作成するためのより大規模な作業を開始するのが普通です。これは一部の人にとっては最も手っ取り早い方法ですが、同時に、最もやりなおしが多く、根気を必要とする方法です。このような方法では、多くの不適切な判断を行い、将来的にPortalに多大な影響を与えることになります。

  • 正式なトレーニング・クラスへの出席、または自分のペースに合せたチュートリアルの使用。オラクル社では、Oracle Portalを短期間で理解するのに役立つ、講師主導の様々なトレーニング・セッションを提供しています。または、多くのOracle By Example(OBE)から選択することも可能です。OBEは、自分のペースに合せて好きな曜日に24時間いつでも利用できる無料の学習ユニットです。詳細は、Oracle Universityに問い合せるか、OTN(http://portalcenter.oracle.com)のOracle Portal学習ページにアクセスしてください。

  • オラクル社のコンサルタントの活用。独自のビジネス・ニーズを評価し、特に自分の組織に合ったPortalを開発するため、Oracle Consultingと契約することを検討できます。Portalの構築完了後は、コンサルタントの支援を受けながらPortalの管理方法と拡張方法を学習できます。正式のトレーニングでは一般的なシナリオに基づいて学習するのに対して、この方法では、独自のPortalに集中して学習を進めることができ、学習曲線が問題とならないため、自力で行うよりも格段に早くPortalを構築できる、といった利点があります。短所としては、組織の規模や予算によっては、Oracle Consultingを活用できない可能性があります。

3.1.2 対象ユーザーの理解

Portalを設計および実装するうえで、対象者について常に意識していることが、本当に役に立つものを作成するためには重要です。オラクル社は、様々な企業との共同作業で独自の開発プロセスを調整するため、対象となる可能性の高い次の6つの基本的なユーザー・グループを区別しています。

  • 閲覧者: 情報を利用するだけで公開しません。Oracle Portal特有の知識や技術は、ほとんど必要ありません。目的の情報を検索する方法について知っている必要があります。また、コンテンツを表示または非表示にして表示をカスタマイズする方法を知る必要がある場合があります。

    第2章「Portalの操作」には、Portalの閲覧者にとって役立つ情報が記載されています。ユーザーにこの章の写しを配ることもできますが、この章の内容は、独自のチュートリアルおよび手引書を作成するための情報ソースとして使用する方が実用的です。その方が、独自のPortalにおける具体的な例を使用してOracle Portalの概要を示すことができるため、ユーザーの関心を引くことができます。

  • コンテンツ作成者: コンテンツをPortalページに公開します。コンテンツを追加および編集する方法について知っておく必要があります。保持する権限によっては、それらの権限を管理する方法についても確認しておく必要があります。

    第14章「アイテムの使用」および第15章「ポートレットの使用」には、Portalにコンテンツを追加するユーザーにとって役立つ情報が記載されています。この章の資料は、Portalの実際例に基づいて独自のユーザーズ・ガイドを作成または補強するための基礎情報として使用することもできます。

  • ページ設計者/作成者: ページを作成します。通常は、そのページに他のユーザーがコンテンツを移入できるようにします。簡単なウィザードで作成できるコンポーネントでページを拡張し、開発者にポートレットの要件を提示します。OmniPortletやWebクリッピングなどの手段を通じてページにコンテンツを移入することが可能です。また、適切なユーザーおよびユーザー・グループにページ・アクセス権限を付与します。再使用可能なコンポーネント(ナビゲーション・ページ、スタイル、テンプレートなど)を設定することもできます。

    特に、第6章「ページの作成」には、独自サイトのページ設計者または作成者を対象とした情報が記載されています。

  • ページ・グループ管理者: このガイドの読者は、おそらくページ・グループ管理者に分類されます。ページ・グループ管理者は、Portalの実装方法の決定(使用するページ・グループを1つとするか複数とするかの決定、ネストするページ階層の深さの決定など)、カスタム・アイテムおよびページ・タイプの必要性の判断とその作成、カテゴリとパースペクティブの作成、ワークフロー・プロセスの確立、コンテンツ作成作業の管理、およびページ設計者への要件の提示を行います。また、一貫性を確保するために、再使用可能オブジェクト(ナビゲーション・ページ、スタイル、テンプレートなど)の開発について全体的または部分的に制御できます。

    このボリューム(Portalの構築)に含まれるすべての情報は、ページ・グループ管理者の適切な作業を支援する目的で作成されています。

  • Portal管理者: Oracle Portalおよびそのサブシステムをインストールして構成します。ユーザーおよびユーザー・グループの設定、パフォーマンスの監視および許容レベルの維持、ポートレット・リポジトリの管理、アップグレードの実行およびソフトウェア・パッチの追加、ポートレット・プロバイダの登録を行います。

    Portal管理者は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイド for Oracle Portalを参照する必要があります。このユーザーズ・ガイドに記載されているタスクは、必要な構成作業がすべて完了していることを前提としています。

  • 開発者: 他のユーザーが各自のページに組み込むことのできるコンポーネントやポートレットなどを作成します。Oracle Portalの機能を拡張するためのAPIを重点的に利用するため、Knowledge Exchangeまたはフォーラムを頻繁に参照して、アドバイスやヒントを得るようにします。

    Oracle Fusion Middleware開発者ガイド for Oracle Portalを参照してください。このガイドには、ポートレット開発者が使用できる各種テクノロジ、特定の要件を満たすのに最適なテクノロジの選択方法、および開発したポートレットをデプロイするのに適切なツールの使用方法が記載されています。

3.1.3 主要な概念および用語

この項では、Oracle Portalの基礎的な概念について説明したうえで、読者がその重要性に関して実際的な知識を身に付けることができるよう要約します。ただし、各概念は、このガイドの別の章でより詳細に説明しています。理解しておく必要があることが、次の図に要約されています。

図3-1 ページ・グループの構造

ページ・グループと再使用可能オブジェクトのビュー

次に、この図をセクションごとに(ページの階層、ページの構造および再使用可能オブジェクト)検討します。

ページの階層

まず、Oracle Portalでは、Portalは1つ以上のページ・グループの集合であるということを理解する必要があります。基礎となるページ・グループは、複数のページの階層的な集合です。ページは、Portalのインタフェースであり、ユーザーが情報およびアプリケーションにアクセスする際に使用します。Oracle Portalのページは、任意のHTMLコンテンツを格納するのに十分な柔軟性を備えています。これらのページは、ブラウザ・ベースのウィザードを使用して宣言的に作成および構成するか、JavaServer Pagesとしてプログラム的に定義します。Portalページに関する情報は、ポートレットまたはアイテムとして公開されます。これらについては、この章の後半で説明します。

ページ・グループは、その名前から連想できるように複数のページのグループです。ページ・グループでは、グループに含まれるページの動作を制御する共通の属性とメカニズムを設定できます。Portal全体を1つのページ・グループ内に作成することも、組織内の特定のコミュニティを対象にしたサブPortalとして異なるページ・グループを使用することもできます。多くの重要な決定事項と構成は、ページ・グループ管理者がページ・グループ・レベルで指定します。

図の左端にあるページ・グループの最上位のページは、ルート・ページと呼ばれます。あるページ・グループ内の他のすべてのページは、ルート・ページのサブページです。ページ・グループを作成すると、ページ・グループと同じ名前のルート・ページが自動的に作成されます。ルート・ページは、Portalのホームページ(またはサブPortalのホームページ)を作成する際によく使用されます。

Portal開発に関するもう1つの重要な概念として、セキュリティがあります。ページ・グループ管理者は、ページ・グループ全体、個別のページ、タブ、またはページ上の個々のアイテムを対象に様々なレベルのアクセス権限を付与できます。これらのオブジェクトは、パブリックに使用可能とするか、アクセス制御リストを通じて制御することが可能です。アクセス制御リストには、オブジェクトを操作できるユーザーおよびグループと、その操作範囲が記載されます。アクセス制御リストを操作するための権限を、必要に応じて他のユーザーに付与することもできます。

ページの構造

図のこのセクションは、3つの基本的な概念であるリージョン、ポートレットおよびアイテムを示しています。

すべてのページは、1つ以上のリージョンに分割できます。この分割は、ページの編集時に使用可能なツールによって行います。次の図は、3つの異なるリージョン構成を含む3つのページを示しています。

図3-2 3つの異なるリージョン構成

3つの異なるリージョン構成

各リージョンには、リージョン内のコンテンツの表示方法を制御するための、オプション・セットが用意されています。たとえば、ページを基準とするリージョンの幅、リージョンに含めるコンテンツの種類、およびポートレット・リージョンのポートレットを囲む境界線を表示するかどうかを指定できます。リージョンには、1つ以上のタブを作成することもできます。

リージョンを使用すると、ページ領域を特定の機能に簡単に特化できます。たとえば、次の図のようにページの一番上のリージョンをバナーとして、左側をナビゲーション・バーとして、そして一番下をフッターとして使用するのが最も一般的です。

図3-3 サンプル・ページ

バナー、ナビゲーション・バーおよびフッターを含む典型的なページ

Oracle Portalでは、これらの3つの要素はすべてナビゲーション・ページと呼ばれます。(ナビゲーション・ページは、Oracle Portalを使用して作成するか、ニーズに適したHTMLの作成をグラフィック・デザイナに依頼します。)残りのリージョン(この図のナビゲーション・バーの右側部分など)は、Portalが表示するコンテンツのプレースホルダです。Oracle Portalには、ポートレットとアイテムという2つのタイプのコンテンツがあります。

  • ポートレットは、情報やアプリケーションを簡単に公開するための再使用可能な構築ブロックと考えることができます。ポートレットをPortalユーザーのビューへ追加するだけで、何千人ものユーザーに対して新しいコンテンツをすぐに配布できます。すべてのポートレットは、Oracle Portal内に登録されたデータソースであるポートレット・プロバイダから取得されます。

    ポートレットに表示される情報は、複数のソースから取得されます。ウィザードのチェック・ボックスを選択するだけで簡単に作成できるポートレットもあれば、PL/SQLやJavaの知識を必要とするポートレットもあります。ポートレットは、次のように様々な方法で作成できます。

    • ページやナビゲーション・ページをポートレットとして公開します。これには、作成ウィザードで、ページをポートレットとして公開するためのチェック・ボックスを選択するだけです。こうすると、ページを他のページで再利用したり、ページを他のユーザーが使用できるようにしたりできます。

    • Oracle Portalのウィザードを使用して、レポート、フォーム、チャート、およびその他のタイプの動的コンポーネントを簡単に作成し、それらをポートレットとして公開します。プログラミングの知識は必要ありません。

    • 独自のツールを使用して、レガシー・アプリケーションとWebソースからポートレットを作成し、Portal Developer Kit(PDK)で使用できるPortalのApplication Programming Interfaces(API)を介してそれらを統合します。Oracle Fusion Middleware開発者ガイド for Oracle Portalを参照してください。

    ただし、必ずしも独自のポートレットを作成する必要はありません。Oracle Portalをインストールするだけで、Oracle Partner Programを通じて登録された様々なサード・パーティ・ベンダーによって作成されたポートレットをすぐに使用できます。また、Oracle Portal Developer Servicesに登録することで、Portal開発者コミュニティ限定で公開されている多くのサービスやリソースにアクセスできます。Oracleの開発チームにアクセスできるだけでなく、実際のPortletについての専門知識を持ったPortalの開発者の意見を聞くことができます。さらに、自分自身のPortal開発知識や経験を公開できます。

  • アイテムは、Oracle Portalのもう1つの基本的な構築ブロックです。つまり、アイテムはコンテンツの一部(テキスト、ハイパーリンク、イメージなど)で、アイテム・リージョンのページ上に表示されます。アイテムには2つのタイプがあります。テキスト、ファイル、イメージ、URLなどの、ユーザーが管理するコンテンツを表示するコンテンツ・アイテム・タイプ、そしてナビゲーションを提供し、Portal特有の様々な機能へのアクセスまたは実行に使用するナビゲーション・アイテム・タイプです。アイテムは、簡単なウィザードの使用によりPortalに追加され、継続的な管理および公開のためにOracle Metadata Repositoryに格納されます。Oracle Portalをコンテンツ管理ソリューションとして使用する場合は、アイテムを頻繁に使用することになります。

再使用可能オブジェクト

再利用可能なオブジェクトはページ・グループ・レベルで作成され、そのページ・グループ内のどのページでも使用できます。たとえば、Portal内のすべてのページに対して一貫性のある配色(スタイルと呼ばれる)を作成できます。図には表示されていませんが、ページ自体を再使用可能オブジェクトと考えることもできます。任意のページは、ポートレットとして公開することや、Portal内の別の場所またはリモートPortalで再使用または共有することが可能であるためです。

一部のオブジェクトは、ページの配置方法や表示方法を制御する際に使用します。別のオブジェクトは、ユーザーが情報を迅速に検索できるように、情報を編成して分類する際に使用します。次の画面ショットは、すべての再使用可能オブジェクトを作成および管理する際に使用する「ページ・グループ」ポートレットを示しています。「ページ・グループ」ポートレットは、Portalを作成するときによく使用する重要な作業領域です。

図3-4 「ページ・グループ」ポートレット

「ページ・グループ」ポートレット

多くの場合、ページは、表示されるたびにコンテンツ(ポートレットおよびアイテム)とそのページ用に選択された再使用可能オブジェクトに基づいて動的に構築およびフォーマットされます。


注意:

ページの表示ごとに再構築されるかどうかは、ページ・リクエストの作成時に有効なキャッシュ・オプションによって決まります。

レイアウトと外観

テンプレートは、他のページがレイアウト、スタイル、権限およびコンテンツを継承できるページ・タイプであり、テンプレートの使用により複数のページ全体で一貫性を保つことができます。Portalテンプレートには、企業ロゴ、頻繁に使用するリンク(上部)、ナビゲーション・バー、ページ・グループ内における現在のページの場所を示すフッターなどが含まれます。新規ページを作成する場合、基にするPortalテンプレートを指定するか、テンプレートを使用しないかを選択できます。スタイルは、ページまたはページ内のリージョンの色、フォントおよび背景を制御します。

ページの作成ウィザードを使用する場合、適用するナビゲーション・ページ、テンプレートおよびスタイルを指定するよう要求されます。ページを作成する際にこれらのオブジェクトを適用することを選択しなくても、後でページを編集するときにいつでもオブジェクトを適用することができます。

コンテンツ属性

コンテンツ属性は、ユーザー間の連携作業をサポートするページ・グループを作成する場合に非常に重要となります。連携作業は、アイテムの使用を中心とするOracle Portalのコンテンツ管理機能によって主にサポートされます。コンテンツ属性は、様々な属性をPortal内の各アイテムおよびページに関連付けるプロセスに相当します。これらの属性により、情報を格納することや、論理的に関連するアイテムとページを簡単にグループ化することができます。属性によって、拡張メタデータ検索も可能になります。

Portalへファイルを追加する場合などには、アイテムの追加ウィザードを使用します。このウィザードにより、アイテム・タイプを入力するよう要求されます。アイテムの追加ウィザードで提示されるアイテム・タイプの種類は、ページ・グループ管理者によって決定されます。たとえば、Oracle Portalにデフォルトで付属する「ファイル」アイテム・タイプを選択するとします。「ファイル」アイテム・タイプには、「ファイル名」、「説明」、「管理者」などのデフォルトの属性が含まれており、ファイルを公開するユーザーは、公開プロセスを完了するためにこれらの情報を入力する必要があります。これらの属性により、追加するファイルの情報が指定されるだけでなく、ユーザーが後でカスタム検索(特定の管理者によって公開されたすべてのコンテンツを表示するなど)を実行できるようになります。(カスタム検索は、Oracle Portalで簡単に作成できます。)

ただし、「ファイル」アイテム・タイプに用意されている属性でユーザーの要件を満たすことができない場合もあります。ファイルの基となるグループを識別するために、「グループ名」という属性をもう1つ追加するとします。Oracle Portalでは、属性の作成ウィザードを使用して、独自のカスタム属性を簡単に作成できます。この場合、「グループ名」属性を「テキスト」属性として指定し、この属性を「ファイル」アイテム・タイプの定義に追加するだけで済みます。

特に自分の要件に合ったカスタム・アイテム・タイプを作成することも可能です。たとえば、エンターテインメントのPortalを管理している場合、「映画批評」というカスタム・アイテム・タイプを作成し、「評価」、「レビューア」、「プロデューサ」などのカスタム属性を含めることができます。必須の属性、および任意の属性を指定することもできます。

カスタム・ページ・タイプも同じように使用できます。Oracle Portalには、様々なタイプのコンテンツで使用するために最適化されたいくつかの異なるページ・タイプがデフォルトで付属しています。たとえば、「標準」ページ・タイプは、ポートレットとアイテムの両方を表示する場合に使用されるため、ほとんどすべてのPortalの開発で使用されます。他のページ・タイプには、JavaServer Pagesの実行結果を表示するJSPページや、Portal内にWebアクセス可能なページを組み込むことができるURLページがあります。ただし、既存のページ・タイプを修正したり、追加のページ・タイプが必要になる場合があります。たとえば、マネージャ用の「パフォーマンス・レビュー」ページを作成して、「評価」、「従業員名」、「従業員ランク」などの属性を含めることができます。カスタム・ページ・タイプは、カスタム・アイテム・タイプと同様に、特定の要件に合せて簡単に作成することが可能です。

カテゴリおよびパースペクティブは、アイテム・レベルでの様々なタイプのコンテンツ属性を示します。両方とも、コンテンツを個別のグループに分類し、検索しやすくするための手段です。「人材」ページ・グループには、「給付金」、「保険契約書」、「給与総額」などのカテゴリを含めることができます。「カテゴリ」属性が対象のアイテム・タイプ用に公開されている場合には、ユーザーがコンテンツを追加するたびに、1つのカテゴリに対してのみコンテンツを割り当てる必要があります。ユーザーは、カテゴリとパースペクティブで検索することも、カテゴリとパースペクティブの階層に編成されたコンテンツを参照することもできます。

パースペクティブは、複数のカテゴリにわたる場合に最もよく機能します。1つのアイテムは複数のパースペクティブに割り当てることができるため、この利点を活用するために分類用のパースペクティブを用意しておくことをお薦めします。「人材」ページ・グループで、企業レベルの様々なユーザー・グループ(「エンジニア」、「設計アナリスト」、「営業担当」など)に影響を与えるパースペクティブを選択する場合があります。企業の休日スケジュールなど、特定のコンテンツについては、ユーザー・グループに関係なくすべてのユーザーが関心を持っていることは容易に想像できます。ユーザーが、「エンジニア」に基づいて検索を実行した場合、Oracle Portalでは、カテゴリとは関係なくそのパースペクティブに関連するすべてのコンテンツが検索されます。エンジニアは休日のスケジュールだけでなく、グループに対して特別に関係があると定義されている「給付金」、「保険契約書」および「給与総額」のすべてのコンテンツを参照できます。また、旅行専用のPortalでは、「格安」、「一般」および「豪華」のパースペクティブは「宿泊」、「レストラン」、「航空運賃」および「レンタカー」のカテゴリにもまたがっています。

すべての属性をどのように構成するかを決めるのは、Portalの分類を構築するうえで重要なポイントで、この決定は注意して行う必要があります。しっかりした属性モデルを作成することの主なメリットの1つは、カスタム検索ポートレットの自動問合せ機能を使用してコンテンツを動的に公開するよう選択した場合に、柔軟性が増すということです。自動問合せ機能は、特にインプレースで結果を表示するよう構成すると非常に有益です。自動問合せを効果的に使用することで、Portal内のコンテンツを管理および公開する方法と場所を詳細に制御できます。実際には、多くの場合で、コンテンツを1つの領域またはページ・グループで管理し、Portalを介して動的に公開するのが最もよい方法です。詳細は、3.2項「重要な決定」を参照してください。