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Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B61383-01
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3.2 重要な決定

これまでに、Portal開発の基礎となる基本概念について確認しました。次に、企業固有の要件の検討を開始します。

3.2.1 計画プロセスの概要

この項では、Portalを設定する際に考慮する必要のある事項をおおよその作業順に説明します。


注意:

すぐにページの作成にとりかかろうとせずに、最初の段階で計画と意思決定に時間をかけた方が、後からPortalの各部分(またはPortal自体の構造)を再構築する可能性が少なくなります。ページ・グループ・レベルでの決定事項は、そのグループ内に含まれるページに広く影響を与えます。

  • Portalの構造を決定することは、おそらく最も重要で、かつ難しい問題です。複数のページ・グループ、単一のページ・グループまたはOracleインスタント・ポータルのどれが必要であるかを決定する際には、コンテンツの大きさと、サービスを提供する個々のユーザー・グループを考慮します。

    • Portalは、内部的にのみ使用しますか。ユーザーは、アイテムおよびスタイルの定義済セットと、レイアウトの柔軟性に欠ける構成済ページに基づく単純なPortalで満足するでしょうか。内部ユーザーのみでコンテンツを交換する場合は、ページ・グループではなくOracleインスタント・ポータルを作成することを検討してください。Oracleインスタント・ポータルで提供される機能のサブセットは制限されていますが、そのかわり使用コストと管理コストは典型的なPortalよりずっと抑えられます。実際に、Portalを作成すると同時にすぐにコンテンツをロードすることができます。

    • ユーザー・ベースの相対的な大きさはどのくらいですか。それぞれのユーザー・グループのニーズに合せた1つのホームページと1つのページ(またはサブページのある1つのページ)を持つ1つのページ・グループに、Portalを含めることは理にかなっていますか。サイト全体をタブ付きの1つのページ内で開発できるくらい、ユーザー数が少ないですか。必要なページ・グループ数を決定する方法の詳細は、3.2.2項「ページ・グループの効果的な使用方法」を参照してください。

    • ほとんどの場合、ビジネス文書や他の情報をページ・グループに公開するユーザー(コンテンツ作成者)と、情報を使用するだけのユーザー(閲覧者)がいます。これらの2つのグループをどのようにして対話させますか。コンテンツ作成者が、コンテンツを表示するのと同じページ上で作成、編集および公開するようにしますか。または、コンテンツ作成者が作業できる別の領域を作成し、ページ・ポートレットとカスタム検索を使用して関連する情報を閲覧者に表示しますか。この決定を行うには、情報の作成者が情報の使用者と大きく異なるかどうかを検討します。

      たとえば、大量のコンテンツを作成するエンジニアのグループが存在すると仮定します。彼らには形式的なガイドラインや標準に頼らずに、自然な方法でページ構造を作成してほしいと考えています。ただし、この情報の多くの使用者はエンジニアではないため、技術者ではない対象ユーザーにとっては、扱いにくいページ構造に混乱することがあります。このような場合、開発者にはコンテンツを希望どおりに公開することを許可したうえで、別にカスタム検索やページ・ポートレットを使用して、コンテンツ使用者にとって自然で満足できるページ構造を追加することをお薦めします。ただし、情報の作成者と使用者が同じ場合は、コンテンツの作成と使用を別のページで行う必要性はありません。

      コンテンツ管理専用のページ・グループを作成する方法の詳細は、3.2.3項「コンテンツ管理用のページ・グループの構成」を参照してください。

    • 異なるグループでの検索結果を独自の領域に限定されるようにしますか。デフォルトでは、検索機能によって、現在のページが属しているページ・グループ全体のすべてのページが検索されます。脚注1 Portal全体が1つのページ・グループに格納されている場合、人事部門のユーザーが特定の人事文書を検索すると、ページ・グループ全体から大量の検索結果が返される可能性があります。検索結果を各グループに関連するデータに制限する場合は、企業内の各グループに対して個別のページ・グループを作成することを検討してください。

    複数のページ・グループを作成する場合、いくつかの共通オブジェクトを作成して「共有オブジェクト」ページ・グループに配置することで、異なるグループによる作業間で一貫性を保つことができます。複数のページ・グループ間では、「共有オブジェクト」ページ・グループのオブジェクト(ナビゲーション・ページ、テンプレート、スタイルなど)のみを使用できます。

組織にとって合理的なPortalの種類を決定したら、次に実際にPortalを構築する方法について検討します。まず、次の事項を検討する必要があります。

  • Portal内の各ページの外観を相互に類似させるかどうかを決定します。類似させる方法の1つとして、テンプレートの使用があります。共通のナビゲーション・バー、フッターおよびバナーを含むPortalテンプレートを作成し、ページの残り部分に追加するコンテンツについては、個々のコンテンツ作成者に任せます。また、ユーザー・グループごとに1つのテンプレートを作成して、そのグループに属しているページを明確に識別できるようにすることもできます。

    注意: ページ設計者または作成者に対してテンプレートの使用を強制することはできませんが、デフォルトのテンプレートを設定することで、ページ作成ウィザードのドロップダウン・リストに最初に表示されるテンプレートとすることが可能です。

  • ページ・グループの様々なプロパティ(アップロード・ファイルに割り当てる容量、デフォルト・スタイル、ナビゲーション・ページ、Portalテンプレートなど)と、ユーザーがページ・グループ内のページに追加できるアイテム・タイプを決定します。次のような項目について決定できます。

    • 各ユーザーまたはユーザー・グループに、このページ・グループ内で作成されたページに対してどのアクセス・レベルを与えますか。

    • 新しいページを作成するときにデフォルトでどのテンプレートが選択されるようにしますか。

    • 新しいページを作成するときに、どのナビゲーション・ページがバナーとしてデフォルトで使用されるようにしますか。

    • 新しいページを作成するときに、デフォルトでどのスタイルが適用されるようにしますか。

    • このページ・グループのユーザーに、独自のHTMLコードを使用して作成されるHTMLテンプレートへのアクセス権限を付与しますか。(HTMLテンプレートには、ページ・スキンとコンテンツ・レイアウトの両方が含まれます。ページ・スキンは、ページの周囲に境界線またはラッパーを配置します。コンテンツ・レイアウトは、ページ上の個々のリージョンのコンテンツをフォーマットします。)

    ページ・グループ全体の設定は、ナビゲータを通じて行うか、編集モード中にページ上部に表示されるツールバーを使用して行います。

  • ページに追加するのに必要なポートレットを用意します。レガシー・アプリケーションのデータを取り込んだポートレットの作成を開発者に依頼するか、Oracle Partner Programや他のサード・パーティ・ベンダーによって提供されているポートレットを使用します。使用するポートレットを決定する方法のヒントは、3.2.4項「公開するコンテンツの決定」を参照してください。外部的に使用可能なポートレットを取得する方法の詳細は、otn.oracle.comにアクセスしてください。

  • Portalのスタイルを作成し(またはグラフィック・デザイナに作成を依頼し)、ページ・グループ内のページで使用する色とフォントを決定します。ページ設計者がページの作成時にこのスタイルを変更できるようにするか、ページを閲覧するユーザーが独自のスタイル・プリファレンスをページに適用できるようにするかは、後から指定できます。

  • ホームページを作成します。

    • 必要なリージョンの数を決定します。

    • ナビゲーション・バーとバナーを作成します(またはグラフィック・デザイナに作成を依頼します)。関連サイトおよびWebページへのリンクとしてフッターを使用することも検討します。

    • ポートレットとアイテムをページに追加します。

    • ページのセキュリティを確立します。

    作成するそれぞれのページについて、このプロセスを繰り返します。

  • ページ・グループ管理者は、ページ・グループ全体に影響を及ぼす決定を行うだけでなく、Portal上でコンテンツを作成および管理する手順も作成する必要があります。ページ・グループ管理者が作業のボトルネックとならないように、ページ作成に関する権限の大部分は、他のユーザーに委任するのが普通です。これを行うには、ページ・グループの「アクセス」タブで、他のユーザーに適切な権限を割り当てます。

3.2.2 ページ・グループの効果的な使用方法

Portalは、1つ以上のページ・グループの集合です。この項では、必要なページ・グループの数を決定するための指針について説明します。ただし、通常、各ページ・グループには、閲覧者によって大部分が決定される次のようなポイントがあります。

  • 閲覧者専用のページ・グループは、コンテンツ管理専用のページ・グループとは異なり、コンテンツ自体の表示形式に重点が置かれる傾向があります。閲覧者は、コンテンツを公開するのに必要な権限を持たないため、他のユーザーが公開した情報の使用者になります。コンテンツがどこで管理されるか(同じページ・グループ内か異なるページ・グループ内か)は、コンテンツの閲覧者にとって重要ではありません。

    通常、閲覧者が使用するために生成されるコンテンツには次のものがあります。

    • 企業のプログラム、イベント、四半期の収益報告書などの告知

    • ユーザーによる情報の取得やビジネス上の主要な意思決定を可能にするレポート

    • 同時配信されたコンテンツ配信によるニュース、天気予報、および株式相場

    • 電子メール、カレンダ、ミーティングのスケジュール・ツールやその他頻繁に使用するビジネス・アプリケーションの可用性

    • 社内の独立部門によって作成され、維持管理される、比較的小さなPortal

    • 従業員によって公開されるビジネス文書およびその他の情報

    次の図は、多くの異なる情報ソースが単一のページに集約される様子を示しています。

    図3-5 単一のページに集約される多くのデータソース

    1ページに集約される様々なデータ・ソースの情報

    この情報の表示は、カスタマイズ(ユーザーが配色、表示されるコンテンツ、ページのレイアウトやコンテンツなどの設定を指定できる機能)などの通常のPortalサービス、および重要な情報をすばやく見つけるための高度な検索エンジンによって強化されています。

  • ページ・グループは、共同で作業するコンテンツ作成者のニーズに合せて構成することもできます。コンテンツ管理のための、このタイプのページ・グループでは、セルフサービスの公開機能によってエンド・ユーザーがあらゆる種類のドキュメントやWebコンテンツをポストしたり、地理的に離れているユーザーとそれらを共有したりできます。たとえば、世界各国に分散しているエンジニア、プロダクト・マネージャおよび品質保証のエンジニアから構成される開発グループを作成する場合について考えてみます。それぞれが自分のチームおよび他のグループのメンバーと共有する必要があるドキュメントを持っています。ほとんどすべてのユーザーがドキュメントをページ・グループへ追加することができますが、一部のユーザーは他のユーザーまたはグループで作成されたドキュメントを変更する権限を持っています。

    汎用性の高いページ・グループとは異なり、コンテンツ管理用のページ・グループは、次のようなOracle Portalの様々な連携機能に大きく依存します。

    • チェックイン/チェックアウト機能。ユーザーがお互いの変更を上書きできないようにします。

    • バージョン制御。特定のアイテムの継続したバージョンを保持または上書きできるようにします。

    • セキュリティ・メカニズム。承認されていない参照または操作からコンテンツを保護できます。

    • ワークフロー。ドキュメントまたは要求がユーザー間で移動するプロセスを確立します。

    • 組織のメカニズム。Portalユーザーが簡単に参照できるコンテンツ構造を作成します。

    企業ファイアウォールの存在しない小規模な環境で作業している場合、またはファイアウォールの外側でコンテンツを使用する予定がない場合、コンテンツ管理用のページ・グループで現在のニーズに十分応えることができます。また、コンテンツ作成者がこのようなページ・グループ内にビジネス文書を作成および編集し、ページ・ポートレット(またはカスタム検索ポートレットの自動問合せ機能)を使用してこれらのドキュメントを閲覧者(その閲覧者に対してのみページ・セット内に、または異なるページ・グループ全体に対して)に公開することもできます。

    必要なページ・グループの数と、各グループの特徴を決定する前に、この章全体を一読することをお薦めします。これらの重要な決定を適切に行うことができるかどうかにより、Portalの最終的な使いやすさが大きく変化します。

3.2.3 コンテンツ管理用のページ・グループの構成

Oracle Portalをコンテンツ管理システムとして使用するか、別のサード・パーティ・ソリューションを新規採用(または継続使用)するか判断が難しい場合は、Oracle Technology Network(OTN)のホワイトペーパー『Manage, Integrate, and Publish Your Enterprise Content』を参照してください。

コンテンツ管理のページ・グループの作成には、他のタイプのページ・グループと同様の考慮事項が多数あります。また、ユーザーがコンテンツを作成する環境に特有の考慮事項もいくつかあります。次のものがあります。

  • 1つのページ・グループでコンテンツ管理のニーズを満たすことができますか。または複数のページ・グループが必要ですか。次のことについて考慮します。

    • コンテンツ作成者のグループがいくつありますか。それらのニーズはどの程度異なっていますか。

    • コンテンツの属性は、コンテンツ作成者の各グループで異なっている必要がありますか。「旅行」部門には、「ホテル」、「航空運賃」、「レンタカー」などのカテゴリが必要で、「財務」グループでは「財務諸表」、「予測」、「データシート」などのカテゴリが必要となります。ここでも、部門の役割に関係なく、すべてのユーザーに適用できる汎用的な分類を作成するとします。

    • 各グループで作成される情報量はどのくらいですか。その情報量から、各グループまたは部門に独自のページ・グループが必要なことがわかりますか。

    • 組織内のグループごとに異なる制御を行う必要がありますか。その必要がある場合、各要件に対応する複数のページ・グループを設定できます。たとえば、あるグループではファイルの複数のバージョンを完全な状態で保持する必要がある一方で、別のグループではその機能を必要としない場合があります。また、特定のグループがサーバー上で使用できる領域の容量を制限することも可能です。ページ・グループ・レベルで制御できる各種設定の説明を表示するには、デフォルト・ページ・グループの横のナビゲータで「プロパティ」をクリックし、各タブのフィールドを確認します。

    コンテンツ管理をサポートするために複数のページ・グループを作成する場合、いくつかの共通オブジェクトを作成して「共有オブジェクト」ページ・グループに配置することで、異なるグループによる作業間で一貫性を保つことができます。複数のページ・グループ間では、「共有オブジェクト」ページ・グループのオブジェクト(ナビゲーション・ページ、テンプレート、スタイルなど)のみを使用できます。

  • 1つのページ・グループ内で、編集機能を単純にしますか。このようにすると、コンテンツ作成者がPortalにコンテンツを容易に追加することができます。たとえば、バナー、ナビゲーション領域(左側)、フッターおよびコンテンツ・リージョン(中央)という非常に単純なレイアウトで構成されるPortalテンプレートを作成することを検討します。メイン・コンテンツ・リージョンを除いたすべてのリージョンで、「このリージョンにコンテンツを含めることをユーザーに許可する」チェック・ボックス(リージョンのプロパティ)の選択を解除します。コンテンツ作成者がこのページにアクセスすると、メイン・コンテンツ・リージョンにのみ編集コントロールが表示されるため、より効率のよい単純化された編集機能を使用することができます。

    編集機能を単純にするもう1つの方法は、編集モードがデフォルトで「リスト」ビューで表示されるようにページ・グループを構成することです(または、他のオプションである「グラフィカル」および「レイアウト」を完全に抑止します)。「リスト」ビューでは、ページ上のすべてのアイテムが、関連度の最も高い基準に基づいてソートされる単純なリストに編成されます。「リスト」ビューでは、複数のオブジェクトに同時に操作を実行することもできます。

  • Oracle Portalに用意されているアイテム・タイプを調査します。それらはニーズを満たすのに十分ですか。その他にも属性が必要ですか。またはデフォルトで定義されたいくつかの属性を削除しますか。たとえば、ファイルには作成者、作成日またはキーワードを関連付けることができます。属性を追加すると、「カスタム検索」ポートレットの使用により、特定の属性に基づいて事前構成された検索を作成できます。「カスタム検索」ポートレットを使用すると、カテゴリ、パースペクティブ、アイテム・タイプなどに関係なくデータを収集できます。たとえば、「批評用」カテゴリに割り当てられているすべてのレポートを定期的に週1回の割合で公開するとします。これを行うには、「公開」属性を使用して、前の週の公開日付よりも後の日付を指定します。属性を適切に構成すると、カスタム検索を作成する際の柔軟性が大幅に向上します。

  • ページ設計者およびコンテンツ作成者に対して、どの程度の制御を与えますか。ページ設計者がサブページを作成できるようにしますか。

  • 次のようなページ・グループ全体のプロパティを設定します。

    • ページ・グループ内のすべてのページに対してどのレベルのバージョニングを有効にしますか。

    • アイテムの削除をどのように処理しますか。アイテムを"仮"削除の状態にしておいて、後でページ管理者が削除を「元に戻す」ことができるようにしますか。

    • 新しいページを作成するときにデフォルトでどのテンプレートが選択されるようにしますか。

    • 新規アイテムおよび更新されたアイテムの横に「新規」および「更新済」のアイコンが表示される期間をどれくらいにしますか。

    • 新しいページを作成するときに、どのナビゲーション・ページがバナーとしてデフォルトで使用されるようにしますか。

    • 新しいページを作成するときに、デフォルトでどのスタイルが適用されるようにしますか。

    • 新しいページを作成するユーザーがどのアイテム・タイプを使用できるようにしますか。

  • ユーザーは、Webフォルダを使用してページにコンテンツを追加しますか。Webフォルダは、WebDAVプロトコルに対応するMicrosoft社の拡張機能の1つです。コンピュータ上でWebフォルダが構成されると、ユーザーは、Windowsエクスプローラを使用してページ・グループのコンテンツを参照し、アクセス権限を持つ任意のページにファイルをドラッグ・アンド・ドロップできます。

  • なんらかの承認または他のタイプのワークフロー・チェーンを設定し、ユーザー間でドキュメントまたは要求を移動する必要がありますか。

Oracle Portalを実用的なコンテンツ管理システム(CMS)として使用する方法の詳細は、OTNの『Oracle Portal 10g Release 2 (10.1.2) Technical Overview』を参照してください。コンテンツを外部のCMSで管理する一方で、そのコンテンツをOracle Portalを使用して公開する場合、少なくとも次の2つの方法を使用できます。

  • CMSからPortalリポジトリにコンテンツを移動してコピーします。詳細は、OTNのホワイトペーパー『Using WebDAV Clients to Replicate External Content』を参照してください。

  • データを公開するために問合せ形式の方法を使用します。たとえば、カスタム・ポートレットを使用してポートレット内にコンテンツを公開するか、OmniPortletを使用します。OmniPortletを使用する場合は、FAST Data Searchアプリケーションのライセンスを取得するか、OmniPortlet統合の利用を検討してください。または、PDKやOmniPortletを使用してカスタム・ソリューションを構築します。

3.2.4 公開するコンテンツの決定

ページ・グループ管理者は、Portalに表示されるコンテンツを実際に作成する必要はありませんが、必要とされるコンテンツの種類を決定することや、他のユーザーによるコンテンツの作成を支援することは、ページ・グループ管理者の役割です。ページ・グループ管理者は、通常、他のユーザーが独自のページを組み込むためのコンポーネントやポートレットの作成を担当するサイトの開発者と緊密に連携する必要があります。コンテンツ作成の際に考慮する必要のある事項は、次のとおりです。

  • 表示しようとしているレポート、チャート、フォームなどのコンポーネントが存在しますか。必要なデータがOracle Portalまたは別の企業データベースにすでに存在している場合は、開発者の支援を受けずにこれらのコンポーネントを作成できます。脚注2 これを行うには、ポートレット・リポジトリの「ポートレット・ビルダー」フォルダに移動して、「追加ポートレット・ビルダー」をクリックします。

  • 場合によっては、適切なコンテンツを見つけるために大量のWebサイトを調べる必要があります。このような場合、Webクリッピング・ポートレットを使用すると作業が簡単になります。Webクリッピング・ポートレットでは、既存のWebサイトからコンテンツと機能を取得し、それらをポートレットとして表示するための、簡単でわかりやすい方法を提供します。ソースのWebページに移動してクリップするページ部分を選択し、その場でWebクリッピングを作成します。Webクリッピング・ポートレットは、ポートレット・リポジトリの「ポートレット・ビルダー」フォルダにあります。(注意: Webクリッピングは、Oracle Portalの外部でのみ使用できます。)

  • OmniPortletを使用すると、Webサービス、SQL、XML、CSV(スプレッドシートとも呼ばれるカンマで区切られた値)などのデータを簡単に公開できます。または、既存のWebコンテンツをデータソースとして使用できます。OmniPortletは基本的に、コンテンツ・レイアウトからコンテンツ公開を分離します。一般的に、ポートレットのレイアウトの変更にはデータの再収集が伴いますが、OmniPortletでは、データを再生成することなく自由にレイアウトを設定できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware開発者ガイド for Oracle Portalまたはオンライン・ヘルプを参照してください。OmniPortletは、ポートレット・リポジトリの「ポートレット・ビルダー」フォルダにあります。

  • ポートレット・リポジトリを参照し、Oracle Portalに付属するポートレットで使用できるものがないかどうかを確認します。また、他のOracle Portal開発者が作成したものを組み込むことができないかどうかKnowledge Exchangeを確認するか、確認を依頼します。さらに、Oracle Partner Programによって提供されるポートレットとサービスの優れたコレクションであるOracle Partner Network Solutions Catalogも参照してください。パートナの完全なリストと、そのサービス内容の簡単な説明は、http://www.oracle.com/webapps/opus/pages/SimpleSearch.jspで確認できます。

  • 企業の告知やプレス・リリースなどの静的な情報を公開するには、テキスト・アイテムを使用します。Oracle Portalには、書式設定されたHTMLを作成するためのWYSIWYGインタフェースを備えた統合型のリッチ・テキスト・エディタが付属します。

  • 多くのコンテンツは、従業員が生成したドキュメントを基にしています。それらのドキュメントがOracle Portalにロードされており、属性が正しく設定されている場合、「カスタム検索」ポートレットは、共通の検索基準セットに基づいてドキュメントを収集し、それらをポートレットに表示するための優れた手段となります。つまり、「カスタム検索」ポートレットを使用すると、Portal検索基準の複雑なセットを定義して、ページがレンダリングされるたびに検索を実行できます。たとえば、「人材」部門で作成したすべてのドキュメントを1つのPortalに表示し、さらにドキュメントを作成した部門に関係なく、従業員が参照するのに必要な内部フォームをすべて備えた、別のポートレットを作成する場合があります。「カスタム検索」ポートレットを使用するには、ポートレット・リポジトリから「カスタム検索」ポートレットをページに追加し、「デフォルトの編集」アクションを使用して検索基準を設定します。

  • どのような種類のアプリケーションが必要ですか。ユーザー・ベースからアクセスできるようにする、サード・パーティまたは社内で作成したアプリケーションがありますか。そのようなアプリケーションが存在する場合、開発者は、次のように簡単なものから複雑なものまで様々な方法を選択できます。

    • 「外部アプリケーション」ポートレットにアプリケーションを追加し、そのポートレットを共通にアクセスされるページに追加します。

    • アプリケーションがWebに対応している場合、Webクリッピング、iFrameまたはURLポートレットを使用して、アプリケーションのホームページを表示します。

    • Portal Developer Kit(PDK)を使用して、アプリケーションをポートレット・プロバイダに変換します。こうすることによって、アプリケーションの個別の領域を、個別に操作できるポートレットにすることができます。



脚注一覧

脚注1: カスタム検索機能を使用して複数のページ・グループを検索することも可能ですが、検索に慣れていないユーザーはこの方法を使いづらいと感じる可能性があります。
脚注2: 別の企業データベースに存在するデータを使用する場合は、作業を開始する前に、Portal管理者によってOracle Portalデータベースからそのデータソースに対して適切なデータベース・リンクが設定されていることを確認してください。