ユーザーが「承認付きアイテムの管理」ページ権限を持っている場合(または、「すべてのユーザーに承認を要求する」オプションがページ・レベルまたはページ・グループ・レベルで設定されている場合)、そのユーザーがOracle Portalコンテンツに行った変更および追加は、その変更が他のユーザーに表示される前に、1人以上のユーザーによる承認を受ける必要があります。承認待ちのコンテンツを追跡する場合、よく使用するページの1つに「承認ステータス」ポートレットを配置すると、自分のコンテンツが承認されたかどうかを即座に確認できます。
下書きコンテンツは、承認を待機することなくPortalにアップロードできます。下書きは、ページを閲覧する他のユーザーには表示されません。下書きの作業が終了して承認待ちの状態になるまで、下書きを続けることができます。2.7.1.1.3項「承認用の下書きアイテムの送信」を参照してください。下書き機能を使用するには、承認がページ・グループで有効になっている必要があります。詳細は、5.4項「承認の設定」を参照してください。
特定のページで承認を待機中のアイテムがあるかどうかを確認する場合、「保留中のアイテム: プレビュー」モードでページを参照できます。このモードでは、まだ承認されていないアイテムに、「保留中」または「更新の保留中」というステータスが表示されます。また、このモードでは、却下されたアイテムを再送信または削除することや、下書きアイテムを参照することもできます。詳細は、2.7.1.1項「「保留中のアイテム: プレビュー」モードの使用」を参照してください。
ユーザーが承認チェーンに属している場合は、「通知」ポートレットおよび「ワークリスト」ポートレットを使用して、承認を必要とするアイテムがあるかどうかを確認できます。対象のアイテムを承認または却下することにより、通知に応答できます。
この項の内容は次のとおりです。
Oracle Portalには、「承認付きアイテムの管理」という特別なページ権限があります。ページに対してこの権限を持っている場合(または、オプション「すべてのユーザーに承認を要求する」がページまたはページ・グループで設定されている場合)、ページにアイテムを追加できますが、そのアイテムは承認されるまで他のユーザーに表示されません。アイテムの承認を行うユーザーは、ページまたはページ・グループの承認プロセスで指定されます。詳細は、第20章「承認チェーンの設定」を参照してください。
たとえば、すべての製品に関するホワイトペーパーを公開する前に法務部門が確認する必要がある場合は、承認プロセスで、法務部門を必要な承認者として追加できます。
承認を待機しているアイテムをページ上で直接プレビューするには、「保留中のアイテム: プレビュー」モードを使用します。
このモードにアクセスするには、ページの編集時に「保留中のアイテム: プレビュー」をクリックします。このオプションが使用できない場合、「承認と通知」がこのページ・グループで無効になっています。5.4項「承認の設定」を参照してください。
「保留中のアイテム: プレビュー」モードでは、各アイテムが次のように表示されます。
新規アイテムは、「保留中」ステータスで表示されます。
更新されたアイテムは、「更新の保留中」ステータスで表示されます。このモードでは更新されたアイテムが表示されますが、他の編集モードでは既存のアイテムが表示されます。
下書きアイテムは、「下書き」ステータスで表示されます。下書きアイテムが表示されるのは、そのアイテムの所有者のみです。
非表示、削除済および期限切れの各アイテムは、その現行ステータスのインジケータとともに表示されます。非表示および期限切れアイテムの横には、「デフォルトの編集」および「操作」アイコンが表示されます。これにより、このビューで、これらのアイテムを表示することや、アイテムの期限切れを無効にすることができます。
ステータスが「保留中」、「更新の保留中」または「下書き」のアイテムは、「グラフィカル」または「レイアウト」モードでは表示されません。これらのモードでは、保留中のアイテムを表示できないためです。
アイテムが却下された場合は、アイテムを編集してから、承認用に再送信できます。却下されたアイテムの横の「編集」アイコンをクリックして、アイテムを変更します。編集が終了すると、アイテムは承認用に再送信されます。
必要に応じて、却下されたアイテムを削除できます。これを行うには、アイテムの横の「操作」アイコンをクリックして「削除」をクリックします。
また、アイテムの横の「操作」アイコンをクリックして「削除を元に戻す」をクリックすることで、却下されたアイテムのうち削除されたものを元に戻すことができます。これを行うと、アイテムは却下済ステータスに戻ります。
「保留中のアイテム: プレビュー」モードでは、下書きアイテムは、そのアイテムの所有者のみに表示されます。下書きが終了したら、承認用にアイテムを送信できます。承認されたアイテムは、他のユーザーにも表示されます。承認用に下書きアイテムを送信するには、アイテムの横の「操作」アイコンをクリックして「承認用に送信」をクリックします。
アイテムのバージョニングが有効の場合(「シンプル」または「監査」)、「アイテムを新規バージョンとして追加するが、現行バージョンにはしない」、「アイテムを新規かつ現行バージョンとして追加」、「現行のバージョンの上書き」(「シンプル」のみ)など、アイテムに適切なバージョン制御オプションを選択する必要があります。詳細は、5.5.2項「ページ・グループに対するアイテム・バージョニングのレベルの設定」を参照してください。
アイテムの所有者は、自分の下書きアイテムを削除できます。下書きアイテムを削除すると、そのアイテムはPoralから削除されて復元できなくなります。「削除を元に戻す」オプションはありません。アイテムをリストアするには、ページにもう一度アイテムを追加するしかありません。「保留中のアイテム: プレビュー」モードで下書きアイテムを削除するには、アイテムの横の「操作」アイコンをクリックして「削除」をクリックします。
ユーザーがアイテムを追加または変更すると、承認プロセスで指定された承認者に、承認通知が送信されます。承認者は、対象のアイテムを承認または却下することにより、通知に応答します。
承認通知は、次の2つのポートレットのいずれかに示されます。
Oracle Portal承認プロセスで開始された承認の通知は、「通知」ポートレットに表示されます。
Oracle BPELワークフロー・プロセスで開始された承認の通知は、ワークリスト・ポートレットに表示されます。
「通知」ポートレットをパーソナライズして、Oracle Portal承認プロセスで承認を保留中のアイテムのステータスを表示できます。
「通知」ポートレットをパーソナライズするには、次の手順を実行します。
「通知」ポートレットが含まれているページを編集します。
「パーソナライズ」リンクをクリックします。
「表示名」フィールドに、必要に応じてポートレットの別のタイトルを入力します。たとえば、このポートレットが承認通知の表示にのみ使用される場合は、表示名を「承認が必要なアイテム」に変更できます。
「表示制限」ラジオ・グループで、すべての通知を表示するか、または指定した数の通知のみを表示するようポートレットを制限するかを選択します。
「承認通知の表示」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。
通知が承認、失効、承認申請のいずれであるかを示すアイコンを表示する場合は、「ポートレット内に通知タイプ・アイコンを表示」チェック・ボックスを選択します。このようにすると、ポートレットに他のタイプの通知を表示する場合に役立ちます。
ポートレット内に通知のステータスを表示する場合は、「ポートレット内に通知ステータスを表示」チェック・ボックスを選択します。このようにすると、ポートレットに他のタイプの通知を表示する場合に役立ちます。承認通知には、「保留中の要求」状態のみ存在します。
「OK」をクリックします。
承認が必要なアイテムがある場合は、「通知」または「ワークリスト」ポートレットで通知を受け取ります。このアイテムを承認するか、却下するかを決定する必要があります。アイテムを承認すると、承認プロセスの次の承認者に通知が送信されます。承認プロセスの最後の承認者が承認すると、アイテムがPortalに公開されます。承認せずに、アイテムを却下することもできます。アイテムを却下すると、まだ手順(承認者)が残っていても承認プロセスが停止します。アイテムを承認または却下した後で、ポートレットから通知が削除されます。
「通知」または「ワークリスト」ポートレットで、承認者は件名のタイトルをクリックして承認ページを表示できます。このページから、承認者はアイテムの表示、コメントの入力、アイテムを承認するか却下するかの決定を行うことができます。承認者は、アイテムの承認履歴を表示することもできます。
Oracle Portal承認プロセスの承認および却下の処理は次のように分散されます。
アイテムを承認または却下できるのは、現在の承認者、ページ・グループ管理者、(ページに対する「管理」または「コンテンツの管理」権限を持った)ページ管理者またはコンテンツ管理者のいずれかです。
承認者は、「保留中のアイテム: プレビュー」モードを使用して、ページ上で直接アイテムを承認(または却下)することもできます。2.7.1.1項「「保留中のアイテム: プレビュー」モードの使用」を参照してください。
承認者は、保留中のアイテムが承認される前に、そのアイテムを更新して直接変更を加えることもできます。保留中のアイテムを更新できるのは、「コンテンツの管理」以上の権限を持っている承認者のみです。2.7.1.1項「「保留中のアイテム: プレビュー」モードの使用」を参照してください。
翻訳されたアイテムが承認を必要とする場合、承認者はそのアイテムを更新できますが、それには承認者が翻訳されたアイテムと同じ言語でPortalにログインしており、必要な権限を持っている必要があります。
Portal管理者は、保留中の任意のアイテムを承認または却下できます。Portal管理者が承認した場合、プロセスは現在の承認者をスキップし、次の承認者に移動します。却下されると、承認プロセスは終了します。この処理方法は、承認プロセスに参加できないユーザーを省略する場合に役立ちます。
ページ・グループ管理者は、自分のページ・グループ内で保留中の任意のアイテムを、「保留中のアイテム: プレビュー」モードまたは「保留中の承認の監視」ポートレットで承認または却下できます。
ページに対して「管理」または「コンテンツの管理」権限を持つページ管理者またはコンテンツ管理者は、自分のページ内で保留中の任意のアイテムを、「保留中のアイテム: プレビュー」モードまたは「保留中の承認の監視」ポートレットで承認または却下できます。
承認または却下したアイテムが含まれているページに対して適切なアクセス権限を持っていない場合は、アイテムを承認または却下した後で、Oracle Portalのホームページにリダイレクトされます。
アイテムの承認
アイテムを承認するには、次の手順を実行します。
「通知」または「ワークリスト」ポートレットで、アイテムの件名(図2-16を参照)をクリックし、「承認通知の詳細」ページにアクセスします。
アイテムを確認するには、「アイテムリンク」をクリックします。
承認のコメントを入力し、「承認」をクリックします。
アイテムの却下
アイテムを却下するには、次の手順を実行します。
「通知」または「ワークリスト」ポートレットで、アイテムの件名(図2-16を参照)をクリックし、「承認通知の詳細」ページにアクセスします。
アイテムを確認するには、「アイテムリンク」をクリックします。
却下のコメントを入力し、「却下」をクリックします。
アイテムが却下された場合
作成したアイテムが却下された場合、そのアイテムは、「承認ステータス」ポートレットに「却下」のステータスで表示されます。また、アイテムが含まれるページを「保留中のアイテム: プレビュー」モードで表示すると、このアイテムが却下されたことがわかります。アイテム作成者は、「保留中のアイテム: プレビュー」モードで却下されたアイテムを編集できます。アイテムを編集した後、アイテムは自動的に承認用に再送信されます。2.7.1.1項「「保留中のアイテム: プレビュー」モードの使用」を参照してください。
却下されたアイテムを削除できるのは、アイテム作成者、ページ・グループ管理者、(ページに対する「管理」または「コンテンツの管理」権限を持った)ページ管理者またはコンテンツ管理者のいずれかです。アイテムのステータスは、「削除済」に変わります。削除された却下済アイテムは、パージ(消去)されていなければ元に戻すことができます。却下されたアイテムの削除を元に戻す(復元する)と、アイテムのステータスは「却下」に戻ります。削除された却下済アイテムは、ページ・グループ内で他に削除されたすべてのアイテムがパージされるときに、パージされます。
却下されたアイテムに対して実行されたすべての操作は、アイテムの承認履歴に表示されます。