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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーション ロギングのロギング サービス ユーザーズ ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55513-01
 

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3 WebLogic Server のインターナショナライゼーションおよびローカライゼーション

以下の節では、ローカライゼーションおよびインターナショナライゼーションの概要について説明します。

インターナショナライゼーションおよびローカライゼーションの標準規格

Oracle では、WWW コンソーシアム (World Wide Web Consortium: W3C) 推奨による、世界中のすべての言語および記述システムで使用できる標準フォーマットおよびプロトコルを採用しています。これらの規格は、WebLogic Server で使用されている Java インターナショナライゼーション API に組み込まれています。インターナショナライゼーション (I18N) とは、簡単かつ高い費用対効果で、またとりわけ、エンジニアリング上の変更を加えることなく、さまざまな言語および地域に適合させられるよう、ソフトウェアを設計するプロセスを言います。ローカライゼーション (L10N) とは、実行時にロケール固有の言語および構成を使用することです。

WebLogic Server のインターナショナライゼーションおよびローカライゼーションについて

ローカライゼーションでは、言語だけでなく、照合、日付と時刻の書式、通貨の書式、および文字コードも対象となります。WebLogic サーバ ログに記録されるメッセージは、ユーザ個々の要件に合わせてローカライズできます。

WebLogic Server のインターナショナライゼーションでは、以下の 2 種類のデータのローカライゼーションがサポートされます。

メッセージ カタログ

インターナショナライズするテキストはすべてメッセージ カタログで定義します。各メッセージ カタログでは、ログ メッセージまたはシンプル テキストのコレクションが定義されます。ログ メッセージには、ログ ファイルに書き込まれるデータが含まれています。データは非常に動的で、アプリケーションやシステムの現在の状態に特定の情報が含まれています。ローカライズされたログ メッセージ カタログのテキストと結合すれば、このデータはユーザの言語でエラー状態を説明する、適切にフォーマットされたローカライズ済みのメッセージになります。WebLogic Server Administration Console に送信される出力は、シンプル テキストです。ログ メッセージと同様、シンプル テキストも動的データと結合して使用できます。

インターナショナライズされたメッセージを作成するには、コードの変更や再コンパイルをせずに、さまざまなロケールに文字列を変換できるように、すべてのメッセージ文字列をメッセージ カタログに外部化する必要があります。アプリケーション コードは、ロギング メソッドの実行時値を提供します。ロギング メソッドは、現在のロケールに従ってコードとカタログ内のメッセージ文字列を結合します。次に、ローカライズされたメッセージをアプリケーション コードがログ ファイルに出力します。

メッセージ カタログには、次の 3 つのタイプがあります。

ログ メッセージまたはロケール メッセージ カタログのメッセージ ID は、すべてのログ メッセージまたはロケール メッセージ カタログでユニークです。メッセージ カタログ ファイル内で、各メッセージのローカライズされたバージョンには、エラーを特定するユニークなメッセージ ID とメッセージ テキストが割り当てられます。原則的に、メッセージは、サポート担当者が簡単に見つけられるように、システム内の 1 つの場所からログに記録します。シンプル テキスト カタログのメッセージ ID は、各シンプル テキスト カタログ内でユニークです。

メッセージ カタログの詳細については、「WebLogic Server でのメッセージ カタログの使い方」を参照してください。

WebLogic Server のメッセージ カタログについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server メッセージ カタログ』の「WebLogic Server メッセージ カタログ」を参照してください。

インターナショナライゼーション用 Java インタフェース

WebLogic Server では、インターナショナライゼーションおよびローカライゼーションに Java インターナショナライゼーション インタフェースを使用しています。ユーザは、WebLogic Server でインターナショナライゼーションをどのように処理するかを理解するだけでなく、この Java インターナショナライゼーション インタフェースおよび Java 開発キット (Java Development Kit: JDK) に組み込まれている以下のクラスに関する知識も必要です。

クラス 説明
java.util.Locale
地理的、政治的、または文化的に区別される特定の地域を表す。
java.util.ResourceBundle
ロケール固有のオブジェクトが格納されるコンテナを提供する。
java.text.MessageFormat
言語に依存しない方法で連結されたメッセージを生成する。

インターナショナライズされたメッセージを作成する主要な手順

以下の手順は、WebLogic Server で使用する、インターナショナライズされたメッセージを作成する方法を示しています。この手順の詳細については、このガイドの後半の節で説明します。

  1. カタログ内のメッセージを定義して、最上位のログ メッセージ カタログまたはシンプル テキスト メッセージ カタログを作成、または編集します。

    メッセージ テキストだけでなく、メッセージが格納する実行時値の型と配置に関する情報も含みます。詳細については、「WebLogic Server メッセージ エディタの使い方」を参照してください。

  2. weblogic.i18ngen を実行して、手順 1 で作成または編集したカタログを検証し、実行時クラスを生成します。

    生成されたクラスには、各メッセージで使用するメソッドが組み込まれています。このクラスは、メッセージ カタログ エントリで指定されたデータに従って定義されます。クラスには、カタログのタイプによって、メッセージ テキストをロギングまたは取得するメソッドが組み込まれます。クラス名の末尾には、Logger または TextFormatter が付きます。詳細については、「weblogic.i18ngen ユーティリティ」を参照してください。

  3. 手順 1 で作成したメッセージ カタログの必要に応じて、ロケール固有カタログを作成します。「ロケール固有のカタログの例」を参照してください。

  4. weblogic.l10ngen を実行して、ロケール固有のカタログを処理します。詳細については、「weblogic.l10ngen ユーティリティ」を参照してください。

  5. 手順 2 で生成した Logger または TextFormatter クラスを使用できるようにアプリケーションをコンフィグレーションします。アプリケーションがメッセージをログに書き込む、または返す場合、メッセージは使用された Logger または TextFormatter クラスによりローカライズされたバージョンのテキストを用いて書き込まれます。

詳細については、「WebLogic Server ログへのメッセージの書き込み」を参照してください。