WebLogic Server には、SNMP マネージャと同じ機能の多くを提供する、コマンドライン ユーティリティが用意されています。このユーティリティは、WebLogic Server ドメイン内の SNMP エージェントのコンフィグレーションに対するテストとトラブルシューティングに使用できます。
以下の節では、WebLogic Server SNMP コマンドライン ユーティリティを操作する方法について説明します。
WebLogic Server SNMP コマンドライン ユーティリティ用に環境を設定するには、次の手順に従います。
インストール ガイドの説明に従って、WebLogic Server ソフトウェアをインストールおよびコンフィグレーションします。
SNMP エージェントと、トラップ送り先を WebLogic Server ドメイン内に作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP を使用した WebLogic Server のモニタ」を参照してください。
コマンド プロンプト (シェル) を開いて、次のスクリプトを呼び出します。
WL_HOME
\server\bin\setWLSEnv.sh
(Windows では setWLSEnv.cmd
)
ここで、WL_HOME
は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。
このスクリプトを実行すると、シェルの PATH
環境変数にはサポートされる JDK が追加され、CLASSPATH
変数には WebLogic Server クラスが追加されます。
SNMP コマンドライン ユーティリティは、次のようにして呼び出します。
java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager command [-?]
ただし、command
は、表 5-1 に記載されているコマンドの 1 つです。また -?
により、指定したコマンドの使い方の情報が出力されます。
表 5-1 SNMP コマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
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指定したパターンで コマンドラインで指定した最初の OID から開始して、オブジェクトの下にあるすべての MIB 変数を取得するのに必要な回数、 コマンドラインで指定した OID をインクリメントして、前述のパターンを繰り返す。
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INFORM 通知を構築し、SNMP マネージャまたはトラップ モニタに配信する。 |
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1 つまたは複数の MIB 変数の値を取得する。このコマンドでは、管理対象オブジェクトの OID は使用できない。 指定した変数の値が繰り返し取得されるように、必要に応じて間隔を指定することができる。 |
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指定したテーブル カラムを確認して、出力内の各行に対するカラム値をグループ化する。指定されたカラムはすべて、同じテーブルのものであることが必要。 |
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指定したパターンで
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管理対象オブジェクトまたは MIB 変数を返す。テーブル形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返される。スカラー オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初の変数が返される。
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TRAP 通知を構築し、SNMP マネージャまたはトラップ モニタに配信する。 |
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通知をリスンするプロセスを開始する。受信した各通知を、ログ ファイルに書き込む。 |
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通知をリスンするプロセスを開始する。受信した各通知を、標準出力へ出力する。 |
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MIB 内の指定されたノード以下に、または指定された範囲内にあるすべての管理対象オブジェクトまたは変数を返す。 テーブル形式のオブジェクト OID を指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト変数と、関連するすべての子オブジェクトおよび変数を返す。 |
この節のサンプルでは、管理サーバ上に SNMP エージェントを作成済みであり、エージェントのデフォルト変数を変更していないということが前提となっています (たとえば、エージェントは UDP ポート 161 をリスンし、コミュニティ名として public
を使用します)。
これらのサンプルでは、-m
および -M
オプションを使用して、WebLogic Server MIB モジュールをロードします。MIB モジュールをロードすると、管理対象オブジェクトを、OID ではなく表示名で参照できるようになります。-M
オプションを使用するには、前提条件として、WebLogic Server が c:\MW_HOME\WL_HOME
にインストールされていることが必要です。
各 WebLogic Server 管理対象オブジェクトの表示名については、BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zip を参照してください。
以下の例では、SnmpWalk
コマンドの使い方の情報を出力する。
java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager SnmpWalk -?
以下の例では、ドメインにデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得する。
java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager SnmpWalk -m BEA-WEBLOGIC-MIB -M c:\MW_HOME\WL_HOME\server\lib applicationRuntimeObjectName
以下のコマンドでは、ドメイン内のすべてのアプリケーションのすべての変数バインドを取得する。ネットワーク通信の効率を上げるため、各リクエスト内で 3 つの SnmpGetBulk
コマンドをグループ化しています。
java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager SnmpBulkWalk -v2 -Bm 3 -m BEA-WEBLOGIC-MIB -M c:\MW_HOME\WL_HOME\server\lib applicationRuntimeTable
以下のコマンドでは、ドメイン内で最初にデプロイされたアプリケーションの名前を取得する。その後、ドメイン内の最初の 2 つの JMS サーバの名前と保留中のバイト数を取得します。
java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager SnmpGetBulk -v2 -Bn 1 -Bm 2 applicationRuntimeObjectName jmsServerRuntimeObjectName jmsServerRuntimeBytesPendingCount