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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP 管理ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55552-01
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5 WebLogic SNMP コマンドライン ユーティリティ

WebLogic Server には、SNMP マネージャと同じ機能の多くを提供する、コマンドライン ユーティリティが用意されています。このユーティリティは、WebLogic Server ドメイン内の SNMP エージェントのコンフィグレーションに対するテストとトラブルシューティングに使用できます。

以下の節では、WebLogic Server SNMP コマンドライン ユーティリティを操作する方法について説明します。

SNMP コマンドライン ユーティリティの環境要件

WebLogic Server SNMP コマンドライン ユーティリティ用に環境を設定するには、次の手順に従います。

  1. インストール ガイドの説明に従って、WebLogic Server ソフトウェアをインストールおよびコンフィグレーションします。

  2. SNMP エージェントと、トラップ送り先を WebLogic Server ドメイン内に作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP を使用した WebLogic Server のモニタ」を参照してください。

  3. コマンド プロンプト (シェル) を開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (Windows では setWLSEnv.cmd)

    ここで、WL_HOME は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

    このスクリプトを実行すると、シェルの PATH 環境変数にはサポートされる JDK が追加され、CLASSPATH 変数には WebLogic Server クラスが追加されます。

SNMP コマンドライン ユーティリティの構文とコマンド

SNMP コマンドライン ユーティリティは、次のようにして呼び出します。

java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager command [-?]

ただし、command は、表 5-1 に記載されているコマンドの 1 つです。また -? により、指定したコマンドの使い方の情報が出力されます。

表 5-1 SNMP コマンド

コマンド 説明
SnmpBulkWalk [-Bm]
[startingOID] [endingOID]

指定したパターンで SnmpGetNext を繰り返し呼び出すことにより、MIB オブジェクト インスタンス (MIB 変数) の集合を返す。

コマンドラインで指定した最初の OID から開始して、オブジェクトの下にあるすべての MIB 変数を取得するのに必要な回数、SnmpGetNext コマンドを呼び出す。

コマンドラインで指定した OID をインクリメントして、前述のパターンを繰り返す。

-Bm 引数を指定すると、SNMP エージェントに送信する各リクエスト内の複数の SnmpGetNext の呼び出しがグループ化される。たとえば、-Bm 3 を指定すると、シーケンス内の最後の OID に到達するまで、各リクエストにおいて 3 回の SnmpGetNext 呼び出しが発行される。

SnmpInform 

INFORM 通知を構築し、SNMP マネージャまたはトラップ モニタに配信する。

SnmpGet

1 つまたは複数の MIB 変数の値を取得する。このコマンドでは、管理対象オブジェクトの OID は使用できない。

指定した変数の値が繰り返し取得されるように、必要に応じて間隔を指定することができる。

SnmpGetAll <columnOID>[<columnOID>...] 

指定したテーブル カラムを確認して、出力内の各行に対するカラム値をグループ化する。指定されたカラムはすべて、同じテーブルのものであることが必要。

SnmpGetBulk [-Bn] [-Bm] [OIDs]

指定したパターンで SnmpGetNext を繰り返し呼び出すことにより、MIB 変数の集合を返す。パターンの指定には、-Bn および -Bm 引数と、1 つまたは複数の OID を使用する。

-Bn (非リピータ) 引数は、コマンドが SnmpGetNext オペレーションを繰り返し実行することのないコマンドラインに対して、OID 引数の数を指定する。これらの OID に関しては、コマンドは SnmpGetNext オペレーションを一度実行してから、コマンドライン上の次の OID 引数に進む。スカラー オブジェクトに対しては、-Bn および非リピータ OID の使用を検討すること。

-Bm (繰り返し上限) 引数は、コマンドライン上の他のすべての OID に対して、コマンドが SnmpGetNext オペレーションを実行する回数を指定する。テーブル形式のオブジェクトに対しては、-Bm およびそれに関連付けられた OID の使用を検討すること。

SnmpGetNext 

管理対象オブジェクトまたは MIB 変数を返す。テーブル形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返される。スカラー オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初の変数が返される。

SnmpWalk コマンドが提供する再帰的なリストとは異なり、このコマンドでは、OID の順序が次となる管理対象オブジェクトまたは変数 1 つのみに関する説明を返す。一連の SnmpGetNext コマンドを並べて指定すると、SnmpWalk コマンドと同じ結果が得られる。

SnmpTrap

TRAP 通知を構築し、SNMP マネージャまたはトラップ モニタに配信する。

SnmpTrapLogger

通知をリスンするプロセスを開始する。受信した各通知を、ログ ファイルに書き込む。

SnmpTrapMonitor

通知をリスンするプロセスを開始する。受信した各通知を、標準出力へ出力する。

SnmpWalk

MIB 内の指定されたノード以下に、または指定された範囲内にあるすべての管理対象オブジェクトまたは変数を返す。

テーブル形式のオブジェクト OID を指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト変数と、関連するすべての子オブジェクトおよび変数を返す。


この節のサンプルでは、管理サーバ上に SNMP エージェントを作成済みであり、エージェントのデフォルト変数を変更していないということが前提となっています (たとえば、エージェントは UDP ポート 161 をリスンし、コミュニティ名として public を使用します)。

これらのサンプルでは、-m および -M オプションを使用して、WebLogic Server MIB モジュールをロードします。MIB モジュールをロードすると、管理対象オブジェクトを、OID ではなく表示名で参照できるようになります。-M オプションを使用するには、前提条件として、WebLogic Server が c:\MW_HOME\WL_HOME にインストールされていることが必要です。

各 WebLogic Server 管理対象オブジェクトの表示名については、BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zip を参照してください。