この新機能によって、MS Officeでのビジネス・インテリジェンス・レポートの分析とデプロイがこれまで以上に容易になりました。
このリリースのOracle BI Enterprise Editionでは、Oracle Business Intelligence Add-in for Microsoft Officeが改良され、Excel用とPowerPoint用の新しいアドインがそれぞれ用意されています。これらのアドインによって、BI EEのビューをネイティブなOffice表として挿入できるようになります。また、BIのチャート・ビューは、ネイティブなOfficeチャート(つまり、静的だがリフレッシュ可能なイメージ)として挿入したり、高画質なFlashオブジェクトとして挿入したりできます。このように、Oracle BIのセマンティック・レイヤーを参照しながらOffice機能を利用することで、企業全体のユーザー間で単一のファクト・データを共有できるようになります。
Oracle BI for Microsoft Officeでは、次の機能が用意されています。
Microsoft Excel用のOracle BIアドイン。
Microsoft PowerPoint用のOracle BIアドイン。
Excel 2007にインストールされている場合、ネイティブなOfficeリボン・インタフェースを介してOracle BIアドインの機能を使用できます。Excel 2003にインストールされている場合、メニューとツールバーを介してOracle BIアドインの機能を使用できます。どちらの場合でも、Officeのペインを使用して、BI Presentation Catalogを参照できます。また、ビューを選択してOfficeドキュメント内部に挿入できます。
Oracle BI Officeサーバー。これはサーバー・サイドのJ2EEアプリケーションで、Webサービスを使用して、BI OfficeクライアントとBI Presentation Server間の通信を行います。
ExcelスプレッドシートやPowerPointプレゼンテーションに挿入されたBIビューのBIデータを保護する機能。BIビューを記述するメタデータは保持されますが、データはすべてBIアドインによって消去されます。BIアドインを使用してBIビューをリフレッシュすることで、ユーザーは最新のデータを取得できます。
AnswersページやInteractive Dashboardsページからビューをコピーし、Oracle BIアドインの貼付け機能を使用して、そのビューをExcelドキュメントやPowerPointドキュメントに貼り付けることができます。コピーされたビューは、Officeドキュメント(つまりExcelやPowerPointの表やチャート)として貼り付けられます。AnswersやInteractive Dashboardsからの複合ビューのコピーに対してもこの機能は拡張されています。AnswersやInteractive Dashboardsからコピーされた複合ビューは、ネイティブなOffice表とOfficeチャートとしてOfficeドキュメントに貼り付けられます。Oracle BIアドインによってサポートされているBIビューのみが、Officeドキュメントに貼り付けられます。リリース10.1.3.4でこの機能を使用している場合、ゲージ・ビューやファンネル・ビューはリフレッシュ可能なイメージとして貼り付けられます。
このコピー機能を使用すると、BIビューの特定の状態をInteractive Dashboardsにおいてコピーし、その状態のビューをOfficeドキュメントに貼り付けることができます。コピー・リンクを使用できるビューで、チャートを年度から四半期にドリル操作し、地域から地区レベルにドリル操作することができます。その場合、コピー・リンクを使用してこの状態をコピーし、Oracle BIアドインを使用してOfficeドキュメントに貼り付けることができます。BIビューをOfficeドキュメント内でリフレッシュすると、リクエストのこの状態に基づいて、データがリフレッシュされ表示されます。プロンプト定義は、リリース10.1.3.4でこの機能を使用している場合は保持され、後からExcelドキュメントやPowerPointドキュメントで変更できます。
AnswersとDashboardsにおけるコピー機能の動作の詳細は、貼り付け機能に関する前述の項目を参照してください。
リリース10.1.3.4より前のBI Officeでは、すべてのリクエストにフラット・データ・ビューが用意されています。このビューでは、元のリクエストのデータ・セット全体が単純な表形式で表示されます。このビューは、データのみを取得してからExcel機能を使用してデータを分析する場合に適しています。
テーブル・ビューでは、結果が表形式で表示されます。合計の追加、ヘッダーのカスタマイズおよび列式や集計ルールの変更を実行できます。10.1.3.4より前のリリースでは、Excelの表で列のドリルもサポートされています。BI Officeアドインがインストールされている場合は、BI Presentation Serverに接続しなくても、オフライン・モードでドリル機能を使用できます。
Excelアドインで使用できるピボット・テーブル・ビューでは、BIリクエストからのデータが、セクションに基づいたレイアウトやページ・アイテムとともに表示されます(そのリクエストのBIピボット・テーブル・ビューにそれらがAnswersで定義されている場合)。
Oracle BIセキュリティ・モデルのサポート(暗号化(SSL)とシングル・サインオン・モードの両方も含まれる)。AnswersやInteractive Dashboardsで使用するものと同じログインを、BI Officeアドインに使用できます。リリース10.1.3.4以降の場合は、NTLMが有効な環境であれば、BI OfficeアドインのNTLMベース認証のサポートを使用して、サイレント・モードのシングル・サインオンを有効にすることができます。
ExcelやPowerPointのペインとしてBI Presentation Catalogブラウザを使用し、ユーザーが作成したリクエストとユーザーが共有しているリクエストの両方を参照できます。また、各リクエストで使用できる個々のビューを表示することもできます。
テーブル、ピボット・テーブルおよびチャート・ビューを、Excelの表やチャートとしてExcelドキュメントに挿入する機能(Excelの制限に依存)。
BIリクエストに定義されているプロンプトのサポート。
挿入対象として選択されたビューにおいて1つ以上の次元で複数のレベルがある場合、レベル選択ダイアログで不要なレベルを選択解除することで、次元ごとにデータを制限できます。
テーブルやチャート・ビューを、PowerPointの表やチャートとしてPowerPointプレゼンテーションに挿入する機能(PowerPointの制限に依存)。
Oracle BIアドインを使用してリフレッシュ可能なイメージとして、チャート・ビューをExcelスプレッドシートやPowerPointプレゼンテーションに挿入する機能。
Oracle BIアドインを使用してリフレッシュ可能な高画質Flashオブジェクトとして、チャート・ビューをPowerPointプレゼンテーションに挿入する機能。
リリース10.1.3.4の場合、BIゲージ・ビューをイメージやFlashオブジェクトとして挿入する機能。ゲージのFlashサポートは、PowerPointでのみ使用できます。
リリース10.1.3.4の場合、ExcelとPowerPointでBIファンネル・ビューをイメージとして挿入する機能。
BIビューからのデータに対して、Excel固有の条件式を定義できます。これらの条件式は、データのリフレッシュ時も保持されます。
BIビューに表示されるデータ・アイテムのフォーマットを、ExcelドキュメントやPowerPointドキュメントで変更できます。アイテムのフォーマットをExcelシートで変更するには、対象セルのスタイルを変更する必要があります。このフォーマット変更は、リフレッシュ時も保持されます。また、このフォーマット変更は、同じスタイルを持つすべてのセルに適用されます。
BIチャート・ビューがネイティブなExcelチャートやPowerPointチャートとして挿入されていると、ExcelやPowerPointのチャート機能を使用して、チャート・タイプを変更したりその他のフォーマット変更を適用したりできます。これらの変更は、リフレッシュ時も保持されます。
Excelシートに挿入されたBIテーブルやピボット・テーブル・ビューにおけるデフォルトの外観と配置を、クライアント・アドインのインストール時にインストールされたExcelテンプレートを使用してカスタマイズする機能。
図29-1は、Oracle Business Intelligence Add-in for Microsoft Excelを示しています。
図29-1のコールアウト・テキストの説明は次のとおりです。
図29-2は、Oracle Business Intelligence Add-in for Microsoft PowerPointを示しています。
図29-2のコールアウト・テキストの説明は次のとおりです。