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Oracle Enterprise Manager Oracle Collaboration Suiteメトリック・リファレンス・マニュアル
10gリリース2(10.2)
B28462-01
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46 E-Mail IMAPサーバー

Internet Message Access Protocol(IMAP)ターゲットは、インターネット標準ベースのメール・クライアント用セッション指向アクセスを提供します。メトリックのカテゴリは、これらのIMAPサーバーに関する統計情報を提供します。

46.1 APPENDの詳細(APPEND Details)

このカテゴリには、APPENDコマンドに関する情報を提供するメトリックが含まれます。メール・クライアントでは、IMAP APPENDコマンドを使用して外部ソースからOracle Collaboration Suiteデータベースにメッセージがコピーされます。通常、Oracle Collaboration Suiteでは、このコマンドを使用してOracle Collaboration Suiteデータベースのフォルダに送信済メッセージのコピーが保存されます。2つの異なるOracle Collaboration Suiteデータベースに2つのユーザー・アカウントがある特殊なクライアントでは、APPENDコマンドを使用してOracle Collaboration Suiteデータベース間でメッセージがコピーされる場合もあります。

46.1.1 APPENDの平均時間(ミリ秒)(APPEND Average Time (milliseconds))

「APPENDの平均時間(APPEND Average Time)」メトリックは、IMAPサーバーのフォルダにメッセージがコピーされる際の開始から完了までの待機時間をミリ秒単位で測定します。待機時間はメッセージのサイズによって異なります。

通常、APPENDの平均時間が増加傾向にある場合は、Oracle Collaboration Suiteデータベース(メール・ストア)へのIMAP書込みが通信量に対応できていません。APPEND待機時間が増加すると、多くの場合、そのOracle Collaboration SuiteデータベースのSMTP_INプロセスの待機時間も増加します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

Oracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスのEnterprise Managerメトリックを確認します。待機時間の増加の一般的な理由は次のとおりです。

  1. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  2. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大数は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  3. データセットが大きくなりすぎています。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.1.2 APPEND失敗率(失敗数/分)(APPEND Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、APPEND失敗数を分単位で測定します。APPENDの失敗は、使用できるリソースが不足しているためにユーザーのOracle Collaboration Suiteデータベースで新しいメッセージが作成できない場合に発生します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-1 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したAPPENDの数は<value>です


ユーザーの処理

APPENDコマンドの失敗の根本原因として考えられるのは、次のとおりです。

  1. ディスク容量。Oracle Collaboration Suiteデータベースの空きディスク容量がなくなり、表領域を拡張できない場合に、失敗が発生します。

  2. Oracle Collaboration Suiteデータベースの最大接続プールの不足。Oracle Emailプロトコル・サーバーでは、Oracle Collaboration Suiteデータベースへのすべてのクライアント接続で接続プールが共有されます。そのため、多数のメール・クライアント接続がより少ない数の接続を共有しても、接続の問題が生じません。接続プールの乗数はメール・システムの使用方法によって異なりますが、数千の同時ユーザー・ベースをサポートするための最大接続プールの一般的な値は、10〜20程度です。ディスク容量が許せば、このホストに別のIMAPインスタンスを追加するか、最大接続プール・サイズを増やすことを検討してください。

46.1.3 APPEND率(リクエスト数/分)(APPEND Rate (Requests/minute))

この情報メトリックは、この情報を最後に取得してからの期間内に発生したAPPENDコマンドの数を分単位で表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

この値は、ユーザーの電子メールの使用パターンをより正確に把握するのに役立ちます。システムの要件により適した値にするために、クリティカル・アラートおよび警告アラートのしきい値の変更を決断する際の要素として、この情報を使用できます。

46.2 AUTHENTICATEの詳細(AUTHENTICATE Details)

IMAPサーバーはセッション指向です。すべてのメール・クライアントは、セッションのスタート時にIMAPサーバーを使用して自己を認証する必要があります。これを行わないと、その他のIMAPコマンドの実行は許可されません。

クライアントは、LOGINコマンドおよびAUTHENTICATEコマンドを使用してセッションを開始し、その他の機能にアクセスします。LOGINコマンドは、基本的なユーザー名およびパスワードの認証をサポートします。AUTHENTICATEコマンドは、基本的なユーザー名およびパスワードの認証に加えて、Simple Authentication and Security Layer(SASL: RFC 2222)のサポートまでを含む、より複雑で詳細な認証アルゴリズムをサポートします。

46.2.1 AUTHENTICATEの平均時間(ミリ秒)(AUTHENTICATE Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーへのログインに関係する待機時間をミリ秒単位で示します。各IMAP認証では、サーバーは認証のために「真実のソース」であるOracleディレクトリ・サーバーにアクセスする必要があります。Oracleディレクトリ・サーバーの構成により、認証がさらに別のOracleディレクトリ・サーバーに連鎖する場合は、2番目のOracleディレクトリ・サーバーとの通信およびそのサーバーからの情報の受信にかかった時間もAUTHENTICATEの平均時間に含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

認証に非常に時間がかかる場合の根本原因は、次に示すように、通常、IMAPサーバーとOracleディレクトリ・サーバー間のネットワーク、またはOracleディレクトリ・サーバーのリソース内にあります。

  1. サーバー間でのネットワーク待機時間の増加。メール・プロトコル・サーバー(中間層のインストール)と、それらのサーバーをサポートするOracleディレクトリ・サーバーの間のネットワーク待機時間を確認します。この待機時間には、ルーターおよびファイアウォールの通過時間も含まれます。

  2. プロセッサやメモリーの不足、またはOracleディレクトリ・サーバー・データベース用のメモリーの不足。デフォルトのインストールでは、Oracleディレクトリ・サーバー・データベースはインフラストラクチャ・データベース・インスタンスと共有されます。データベースに対するトランザクションの負荷をサポートできるだけのメモリーがデータベースまたはホストに割り当てられていない場合は、Oracleディレクトリ・サーバーに追加のリソースを適用するか、Oracleディレクトリ・サーバーをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

46.2.2 AUTHENTICATE失敗率(失敗数/分)(AUTHENTICATE Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、AUTHENTICATEコマンドの失敗率をグラフに示します。これは、無効なユーザー名またはパスワードによる失敗、またはOracleディレクトリ・サーバーと比較してアカウントを検証する際の失敗をカウントした総計値です。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-2 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗した認証数は<value>です


ユーザーの処理

AUTHENTICATE失敗率の増加の根本原因として、次のことが考えられます。

  1. 必須パスワードが変更された。AUTHENTICATE失敗率は、パスワード・ポリシーにより一定期間が過ぎるとユーザーがパスワードを変更する必要がある場合に増加します。パスワード変更の時期を複数のユーザーが同時に迎えると、認証の失敗が急増します。

  2. Oracleディレクトリ・サーバーが一時的に使用できなくなっている。Oracleディレクトリ・サーバーのサービスが使用できない場合は、ログインを回避するために、認証がキャッシュされなくなります。

  3. IMAPサーバーとOracleディレクトリ・サーバーがネットワーク上で通信できない。DNS、ルーターまたはファイアウォールの変更が原因である可能性があります。

  4. Oracleディレクトリ・サーバー参照用の接続プールが不足している。Oracle Emailプロトコル・サーバーは、Oracleディレクトリ・サーバーへの全クライアント接続の接続プールを共有します。認証率が高く、Oracleディレクトリ・サーバーへの最大接続数が小さいと、接続の問題が発生します。

  5. Oracle Collaboration Suiteデータベースのメール・ホストが稼働中で、IMAPサーバーからの接続が可能であることを確認します。また、Oracle Collaboration Suiteデータベース(メール・ストア)のリスナーが実行中であることを確認します。

46.2.3 AUTHENTICATE率(リクエスト数/分)(AUTHENTICATE Rate (Requests/minute))

この情報メトリックは、最後のチェックが実行されてからインスタンス化されたセッションの数を分単位でグラフに示します。この値は同時ユーザー数と同じではありません。その理由は次のとおりです。

  1. メール・クライアントでは、多くの場合、メール・クライアント・セッションごとにIMAPサーバーに対して複数のセッションがオープンになります。

  2. メール・クライアントでは、多くの場合、より基本的なLOGINコマンドが使用されます。

  3. 同時ユーザーの数は合計数であり、クローズになっているセッションは考慮されません。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.3 COPYの詳細(COPY Details)

COPYコマンドは、メール・クライアントでメッセージを別のメール・フォルダにコピー(または移動)する際に使用されます。

46.3.1 COPYの平均時間(ミリ秒)(COPY Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーがCOPYコマンドに応答するのにかかった平均時間を測定します。待機時間には、IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースと通信するのにかかった時間、およびOracle Collaboration Suiteデータベースで情報を更新するのに要した時間も含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

COPYコマンドへのレスポンス時間が増加した場合は、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、関連していることも多いので他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. ネットワーク待機時間。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.3.2 COPY失敗率(失敗数/分)(COPY Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、COPYコマンドの失敗数を分単位で測定します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-3 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したCOPY操作の数は<value>です


ユーザーの処理

IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースに接続できないと、COPYコマンドは失敗します。ディスク容量など、Oracle Collaboration Suiteデータベースの空きリソースがなくなった場合にも、失敗数が急増します。

  1. IMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のネットワークが稼働していることを確認します。

  2. Oracle Collaboration SuiteデータベースとOracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であること、およびインフラストラクチャOracleディレクトリ・サーバーで接続文字列が正しく登録されていることを確認します。

  3. Oracle Collaboration Suiteデータベースにメッセージのコピーに必要な表領域があることを確認します。

46.3.3 COPY率(リクエスト数/分)(COPY Rate (Requests/minute))

このメトリックは、起動したCOPYコマンドの数を分単位で測定します。この情報メトリックは、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件を把握するのに役立ちます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.4 FETCHの詳細(FETCH Details)

このカテゴリは、このターゲットのIMAPサーバー・インスタンスの全クライアントによって、収集期間内にリクエストされたFETCHコマンドの割合をグラフに示します。IMAPクライアントは、FETCHコマンドを使用してOracle Collaboration Suiteデータベースから、メッセージ識別子、ヘッダー情報、メッセージおよびメッセージ本文などの大部分のタイプのメッセージ・データを取得します。

46.4.1 FETCHの平均時間(ミリ秒)(FETCH Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーがFETCHコマンドに応答するのに要した平均時間をミリ秒単位でグラフに示します。このメトリックは統計値を表し、FETCHコマンドの待機時間の長期的傾向を確認するのに使用できます。平均時間が増加傾向にある場合は、通常、Oracle Collaboration SuiteデータベースからのIMAP読取りが、受信したリクエスト数に対応できていません。FETCH待機時間が増加すると、多くの場合、他のIMAPおよびSMTPのプロセス・コマンドの待機時間も増加します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

コマンドの待機時間の増加が検出された場合は、他のメール・プロトコル・サーバー・コマンド(POPおよびSMTP)でも同様の増加が発生していないかを確認します。発生している場合は、システムの1つ以上のOracle Collaboration Suiteデータベースでパフォーマンスが低下している可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスのEnterprise Managerメトリックを確認します。待機時間の増加の一般的な理由は次のとおりです。

  1. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。この場合は、データベースに対するトランザクションの負荷をサポートできるだけのメモリーがデータベースまたはホストに割り当てられていません。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  2. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大数は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  3. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.4.2 FETCH失敗率(失敗数/分)(FETCH Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、クライアントがリクエストしたメッセージ情報を返すのに失敗したFETCHコマンドの数を分単位でグラフに示します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-4 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したFETCHの数は<value>です


ユーザーの処理

FETCHコマンドの失敗は、多くの場合、IMAPサーバーが1つ以上のOracle Collaboration Suiteデータベースに接続できないことが原因で発生します。次のことを確認します。

  1. Oracle Collaboration SuiteデータベースおよびOracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であることを検証します。

  2. 接続プールの最大値がOracle Collaboration Suiteデータベースに対して十分であることを検証します。Emailプロトコル・サーバーは、Oracle Collaboration Suiteデータベースへの全クライアント接続の接続プールを共有します。これにより、大量のメール・クライアント接続がより少ない数の接続を共有しても、接続の問題が発生しません。接続プールの乗数はメール・システムの使用方法によって異なりますが、数千の同時ユーザー・ベースをサポートするための最大接続プールの一般的な値は、10〜20程度です。容量が許せば、このホストに別のIMAPインスタンスを追加するか、IMAPインスタンスごとの最大接続プール・サイズを増やすことを検討してください。

46.4.3 FETCH率(リクエスト数/分)(FETCH Rate (Requests/minute))

この情報メトリックは、長期間のFETCHコマンドの発生率を表します。この値は、同時接続されているメール・クライアントの数と種類によって、比例的に変化します。この値の変化は、ローグ・クライアント、またはメール・クライアントの種類を変更中のユーザーが原因の可能性があります。FETCHコマンド率は、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件を示します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.5 LOGINの詳細(LOGIN Details)

このカテゴリには、LOGINコマンドに関する情報を提供するメトリックが含まれます。IMAPプロトコルは、セッション指向プロトコルです。メール・クライアントは、IMAPサーバーを認証してログインします。ログインに成功すると、メール・クライアントが接続解除されるかセッションがタイムアウトになるまで、クライアントとサーバーの間でセッションが維持されます。

46.5.1 LOGINの平均時間(ミリ秒)(LOGIN Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーが有効なログイン・コマンドを受信してから正常に応答するまでにかかった平均時間を表します。平均ログイン時間は、ミリ秒単位で記録されます。LOGINコマンドの処理には、IMAPとOracleディレクトリ・サーバー間の認証、およびユーザーのデフォルトOracle Collaboration Suiteデータベースへの接続が使用可能かどうかのチェックが含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

ログイン・コマンドへのレスポンス時間が増加した場合は、Oracleディレクトリ・サーバー、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. (1)ネットワーク待機時間。IMAPサーバーとOracleディレクトリ・サーバーが実行されているホストの間のレスポンス時間を確認します。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. (2)プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. (3)メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. (4)時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.5.2 LOGIN失敗率(失敗数/分)(LOGIN Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、IMAP LOGINコマンドの失敗率をグラフに示します。これは、無効なユーザー名やパスワード、Oracleディレクトリ・サーバーに対するアカウント検証の失敗、およびアカウント検証成功後のOracle Collaboration Suiteデータベースへのアクセス失敗によるログイン失敗をカウントした総計値です。

IMAP LOGINコマンドを正常に処理するために、IMAPサーバーは最初にOracleディレクトリ・サーバーと通信してユーザーを認証します。Oracleディレクトリ・サーバーでの認証が正常に行われると、ユーザーが接続する必要があるOracle Collaboration Suiteデータベースが返されます。IMAPサーバーがデフォルトのOracle Collaboration Suiteデータベースと通信できない場合は、ログインにより失敗が返されます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

LOGINコマンドの失敗が増加した場合は、次のことをチェックします。

  1. Oracleディレクトリ・サーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースとの接続性。Oracle Collaboration Suiteデータベースが実行中であること、Oracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であること、およびインフラストラクチャOracleディレクトリ・サーバーで接続文字列が正しく登録されていることを確認します。また、ターゲット上のプロセスがそのインストールのOracleディレクトリ・サーバーに接続してログインできること確認します。

  2. 無効なユーザー・アカウントとパスワードの組合せによるログイン試行が大量に発生しているかどうか。Oracle Collaboration Suiteデータベースごとに、テスト・アカウントでこれらの状況をテストできます。テスト・アカウントでIMAPサーバーに正常にログインできたにもかかわらず、まだ大量の失敗が発生している場合は、何者かがそのIMAPサーバーに進入しようとしている可能性があります。

  3. ログ・ファイルをチェックして、有効なクライアント用のOracleディレクトリ・サーバー・リソースが十分にあることを確認します。esd_logscan.plを使用してサーバー・ログ・ファイルをスキャンします。

  4. IMAPサーバーがログ・レベル17以上で実行されている間は、サーバーにログインしようとしているクライアントのIPアドレスがログ・ファイルに記録されます。ログ・ファイルをチェックして、ログイン・リクエストが多数失敗しているクライアントのIPアドレスを特定します。esd_logscan.plを使用してサーバー・ログ・ファイルをスキャンします。

46.5.3 LOGIN率(リクエスト数/分)(LOGIN Rate (Requests/minute))

この情報メトリックは、この情報を最後に取得してからの期間内に発生したLOGINコマンドの数を分単位でグラフに示します。ログイン動作は、メール・クライアントによって異なります。優れたパフォーマンスを得るために、IMAPサーバーに複数回ログインするメール・クライアントもあります。LOGINコマンド率を使用すると、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件をより正確に把握できます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.6 ネットワーク(Network)

このセクションには、IMAPサーバーによって使用されるネットワーク・リソースの情報を提供するメトリックが含まれます。この情報には、IMAPサーバーに転送されるバイト数とIMAPサーバーから転送されるバイト数、およびこのサーバーへのクライアント接続の数が含まれます。

46.6.1 クライアント接続率(接続数/分)(Client Connection Rate (Connections/minute))

このメトリックは、新たに作成されたクライアント・セッションの数を分単位で示します。メール・クライアントには、一般的に2種類のセッションがあります。1つは実行時間の長いセッションで、通常は無限にオープンになっており、ユーザーの受信ボックスにある新しいメールの取得に使用されます。もう1つは短期的セッションで、すべてのフォルダ内の変更チェックや、送信済メッセージのコピーをサーバーに保存するなどの、他のハウスキーピング動作に使用されます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

このメトリックが増加傾向にある場合は、次のうちの1つまたは複数が原因と考えられます。

  1. ユーザー人口が増加し、より大勢のユーザーが現在IMAPを使用している。

  2. ユーザー人口の大半が使用するメール・クライアントの種類が変わった。メール・クライアントは種類によって動作が異なるため、通常の使用に必要なIMAPセッションの数も増減します。

  3. サーバーへのDoS攻撃。IMAPサーバー・ログ・ファイルで拒否された接続を確認します。esd_logscan.plを使用してサーバー・ログ・ファイルをスキャンします。固有のフラッド制御メカニズムをチューニングすると、指定のIPアドレスから許可される接続の数を減らせます。

46.6.2 クライアント接続のタイムアウト率(タイムアウト数/分)(Client Connection Timeout Rate (Timeouts/Minute))

このメトリックは、IMAPサーバーでタイムアウトにより終了したセッションの数を分単位で示します。通常は、セッションを持続するために、タイムアウトが発生する前にIMAPクライアントによって追加のコマンドがセッションに発行されます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

必要に応じて、IMAPサーバーのセッション・タイムアウト・パラメータを構成します。通常は、セッション・タイムアウト・パラメータを30分より長くする必要はありません。

46.6.3 現行のクライアント接続(Current Client Connections)

このメトリックは、IMAPサーバーで現在オープンになっているクライアント・セッションの数を示します。メール・クライアントには、一般的に2種類のセッションがあります。1つは実行時間の長いセッションで、通常は無限にオープンになっており、ユーザーの受信ボックスにある新しいメールの取得に使用されます。もう1つは短期的セッションで、すべてのフォルダ内の変更チェックや、送信済メッセージのコピーをサーバーに保存するなどの、他のハウスキーピング動作に使用されます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

このメトリックが増加傾向にある場合は、次のうちの1つまたは複数が原因と考えられます。

  1. ユーザー人口が増加し、より大勢のユーザーが現在IMAPを使用している。

  2. ユーザー人口の大半が使用するメール・クライアントの種類が変わった。メール・クライアントは種類によって動作が異なるため、通常の使用に必要なIMAPセッションの数も異なります。

  3. サーバーへのDoS攻撃。IMAPサーバー・ログ・ファイルで拒否された接続を確認します。esd_logscan.plを使用してサーバー・ログ・ファイルをスキャンします。固有のフラッド制御メカニズムをチューニングすると、指定のIPアドレスから許可される接続の数を減らせます。

46.6.4 データ受信率(KB/分)(Data Reception Rate (Kb/minute))

この情報メトリックは、IMAPサーバーがIMAPクライアントから受信するデータの量を分単位で測定します。これには、通常のIMAPコマンドに関連するデータ、およびサーバー(通常は送信済フォルダや送信済アイテム・フォルダ)に戻されて追加されたメッセージのデータも含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.6.5 データ送信率(KB/分)(Data Transmission Rate (Kb/minute))

この情報メトリックは、IMAPサーバーによってクライアントに送信されたデータの量を分単位で測定します。このデータには、メール・レスポンスおよびIMAPレスポンスが含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.7 新規メール・チェック(New Mail Check)

このカテゴリは、現在選択されているフォルダでの新規メールの到着やその他のメッセージ・メタデータへの変更を検出するIMAPサーバーの内部メカニズムに関する情報を提供します。

46.7.1 クライアントの新規メール・チェックの平均時間(ミリ秒)(Client New Mail Check Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーが新規メール・チェック・コマンドに応答するのにかかった平均時間を示します。待機時間には、IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースと通信して新規の電子メール・メッセージや既存の電子メール・メッセージのメタデータ変更を検出するのに要した時間、およびOracle Collaboration Suiteデータベースでの情報の更新に要した時間も含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

レスポンス時間が増加した場合は、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、関連していることも多いので他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. ネットワーク待機時間。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加している場合は、システムのメールボックスの平均サイズも増大しています。データセットが大きくなりすぎた場合は、Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。また、Oracle Collaboration Suiteデータベースのソート領域の使用状況も確認してください。メールボックスのサイズが大きいほど、この新規メール・チェック用に、ソート領域により多くのソート・スペースが必要になります。

46.7.2 クライアントの新規メール・チェック率(リクエスト数/分)(Client New Mail Check Rate (Requests/minute))

このメトリックは、IAMPサーバーがクライアントの新規メール・チェックを実行する実際の割合を表します。この値は、IMAPサーバーの新規メール投稿間隔パラメータによってある程度制御されます。このパラメータの値が高いほど、サーバーによる新規メール・チェックの実行回数は少なくなります。このチェックをより頻繁に行うと、Oracle Collaboration Suiteデータベースの負荷が増え、実行間隔を長くすると、ユーザーが新規メールの通知を受け取るまでの時間が長くなります。新規メール・チェック率は、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件を把握するのに役立つ情報メトリックです。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.8 リソース使用率(Resource Usage)

このカテゴリは、IMAPサーバーによって使用されるOracle Collaboration SuiteデータベースやOracleディレクトリ・サーバーなどのリソースに関して、IMAPサーバーによるリソースの使用率を測定します。

46.8.1 データベース接続の失敗率(失敗数/分)(Database Connection Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、IMAPサーバーがデータベース接続のプールからデータベース接続を取得するのに失敗した回数を分単位で示します。この値はゼロになるのが理想です。接続の失敗回数がゼロより多くなるのは、Oracle Collaboration Suiteデータベースが多数のユーザー・リクエストを短期間に受信した場合です。このような状況は、Oracle Collaboration Suiteデータベースが一時オフラインになった後で再びオンラインになり、すべてのユーザーが再接続を試みた場合になどに発生します。この場合は、通常、数分以内に接続プールが自然に安定します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

短期間に多数の新規接続が発生してOracle Collaboration Suiteデータベースがオーバーロードしないように、1分間に許可される新規接続の数を制限するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースに許可される最大接続数を増やします。Oracle Collaboration Suiteデータベースに許可される最大接続数は、現在の最大数では通常の環境下でユーザーのニーズを処理できない場合に増やしてください。

46.8.2 使用中のデータベース接続(Database Connections In Use)

このメトリックは、現在IMAPサーバーによって使用されているデータベース接続の数を示します。これは、プール内の接続数合計ではなく、プール内の現在使用中のデータベース接続で構成されるサブセットを表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

現在使用中の接続数が増加する場合は、IMAPのワークロードが増えているか、データベースのレスポンス時間が長くなっている可能性があります。標準のデータベース・モニタリング・ツールを使用して、リソースの問題を解決してください。

46.8.3 使用中のプロトコル・スレッド(Protocol Threads In Use)

このメトリックは、IMAPサーバーで現在ビジーになっているService Provisioning System(SPS)スレッドの数を表します。それぞれのビジーなスレッドは、現在IMAPセッションでアクティブな1つのリクエストを表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

SPSスレッドが増加している場合は、IMAPのワークロードが増加しているか、データベースのレスポンス時間が長くなっている可能性があります。標準のデータベース・モニタリング・ツールを使用して、リソースの問題を解決してください。

46.9 レスポンス(Response)

IMAPサーバーの「レスポンス(Response)」カテゴリは、IMAPサーバー・プロセスをチェックして、IMAPサーバーが実行されているか確認します。IMAPサーバーの「レスポンス(Response)」では、IMAPサービスのチェックは行われません。ユーザーがIMAPサーバーにログインしてメールの作業を実行できるかどうかを確認する場合は、IMAPサービスの「レスポンス(Response)」メトリックを参照してください。

46.9.1 ステータス(Status)

ステータスは、ターゲット上の1つ以上のIMAPプロセスを検索してチェックされます。ただし、IMAPクライアント接続のサポートに必要なすべてのリソースがプロセスに割り当てられているかどうかはチェックされません。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-5 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

5分ごと

毎サンプル後

=


0

定義なし

1

IMAPサーバーへの接続に失敗しました


ユーザーの処理

IMAPサーバーを再起動するには、Enterprise Managerの電子メールのホームページで、ターゲットを選択して「再起動」ボタンをクリックします。サーバー停止の原因を調査するために、アラートが生成されていないか確認します。IMAPサーバーが再起動しない場合は、サーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースのいずれにも接続できないか、システムのOracleディレクトリ・サーバーに接続できないことが原因と考えられます。

  1. ターゲット上のプロセスがシステムのOracleディレクトリ・サーバーに接続してログインできるかどうかを確認します。

  2. Oracle Collaboration Suiteデータベースが実行中であり、正しい接続文字列がOracleディレクトリ・サーバーで正しく登録されていることを確認します。

46.10 セキュリティ(Security)

このカテゴリには、IMAPサービスのセキュリティに関する情報を提供するメトリックが含まれます。

46.10.1 フラッド接続の拒否率(接続数/分)(Flood Connections Refusal Rate (Connections/minute))

このメトリックは、IMAPサーバーによって拒否された新規接続リクエストの数を分単位で表します。接続拒否は、いずれかのIPアドレスからの新規接続リクエストが短時間に大量に検出された場合や、1つのIPアドレスからの同時接続数が多すぎた場合に発生します。許可される接続の数を変更するか、IMAPサーバーによって新規接続リクエストがカウントされる時間枠を変更してください。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

IMAPサーバーのログ・ファイルをチェックし、フラッドが検出されたIPアドレスを見つけます。esd_logscan.plを使用してサーバー・ログ・ファイルをスキャンします。このマシンで、妥当な数のメール・クライアントのみが実行されていることを確認します。同じ(または異なる)ユーザーに対して複数のメール・クライアントがマシンで実行されている場合、IMAPサーバーでフラッドが検出される可能性があります。必要であれば、許可される接続の数を増やすか、サイトおよび使用しているメール・クライアントのタイプにあわせて、フラッドが検出される期間を適正な値まで減らします。

46.11 SELECTの詳細(SELECT Details)

このカテゴリには、SELECTコマンドに関する情報を提供するメトリックが含まれます。メール・クライアントでは、SELECTコマンドを使用して目的のメールボックスをオープンし、そのクライアントが最後にそのメールボックスをオープンしてから到着した新規メールのダウンロードを開始します。

46.11.1 SELECTの平均時間(ミリ秒)(SELECT Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーがSELECTコマンドに応答するのにかかった平均時間を表します。待機時間には、IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースと通信するのにかかった時間、およびOracle Collaboration Suiteデータベースで情報を更新するのに要した時間も含まれます。この待機時間は、メール・システムのメールボックスの平均サイズに比例します。メールボックスが大きいほど、オープンするのに時間がかかります。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

SELECTコマンドへのレスポンス時間が増加した場合は、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、関連していることも多いので他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. ネットワーク待機時間。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

  5. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加している場合は、Oracle Collaboration Suiteデータベースのソート領域の使用状況を確認します。メールボックスのサイズが大きいほど、最初にメールボックスをオープンする際に、ソート領域により多くのソート・スペースが必要になります。

46.11.2 SELECT失敗率(失敗数/分)(SELECT Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、SELECTコマンドの失敗数を分単位で測定します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-6 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したSELECTの数は<value>です


ユーザーの処理

IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースに接続できないと、SELECTコマンドは失敗します。ディスク容量など、Oracle Collaboration Suiteデータベースの空きリソースがなくなった場合にも、失敗数が急増します。

  1. IMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のネットワークが稼働していることを確認します。

  2. Oracle Collaboration SuiteデータベースとOracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であること、およびインフラストラクチャOracleディレクトリ・サーバーで接続文字列が正しく登録されていることを確認します。

  3. 選択したフォルダが実際にシステム内に存在することを確認します。一部のメール・クライアントでは、「登録済」フォルダ・リストが作成されます。このリストに含まれるフォルダは、他のメール・クライアントによって削除されることがありますが、そのまま「登録済」フォルダ・リスト内に残ります。このような削除されたフォルダにSELECTコマンドを使用すると、そのたびに失敗が発生します。このような問題を修正するには、ユーザーに「登録済」フォルダ・リストをリフレッシュするよう通知します。

46.11.3 SELECT率(リクエスト数/分)(SELECT Rate (Requests/minute))

このメトリックは、起動したSELECTコマンドの数を分単位で表します。この情報メトリックは、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件を把握するのに役立ちます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.12 STATUSの詳細(STATUS Details)

このカテゴリには、STATUSコマンドに関する情報を提供するメトリックが含まれます。STATUSコマンドは、メールボックスのフォルダ内のメッセージ数、次のメッセージに使用されるID、最新のメッセージの数などの情報をチェックします。

一部のメール・クライアントでは、新規メールをチェックするメカニズムとして、STATUSコマンドが受信ボックスで使用されます。

46.12.1 STATUSの平均時間(ミリ秒)(STATUS Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーがSTATUSのリクエストに応答するのにかかった平均時間を測定します。待機時間には、IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースと通信するのにかかった時間、およびOracle Collaboration Suiteデータベースで情報を検索するのに要した時間も含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

STATUSコマンドへのレスポンス時間が増加した場合は、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、関連していることも多いので他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. ネットワーク待機時間。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.12.2 STATUS失敗率(失敗数/分)(STATUS Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、STATUSコマンドの失敗数を分単位で表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-7 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したSTATUSの数は<value>です


ユーザーの処理

IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースに接続できない場合や、Oracle Collaboration Suiteデータベースから結果を取得できない場合には、STATUSコマンドは失敗します。

  1. IMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のネットワークが稼働していることを確認します。

  2. Oracle Collaboration Suiteデータベースが実行中であること、Oracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であること、およびインフラストラクチャOracleディレクトリ・サーバーで接続文字列が正しく登録されていることを確認します。

46.12.3 STATUS率(リクエスト数/分)(STATUS Rate (Requests/minute))

この情報メトリックは、起動したSTATUSコマンドの数を分単位で表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

46.13 STOREの詳細(STORE Details)

STOREコマンドは、メール・クライアントがメッセージのフラグを(たとえば「未読」から「既読」に)変更したり、追加データがあるメッセージに注釈を付ける際に使用されます。

46.13.1 STOREの平均時間(ミリ秒)(STORE Average Time (milliseconds))

このメトリックは、IMAPサーバーがSTOREコマンドに応答するのにかかった平均時間を測定します。待機時間には、IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースと通信するのにかかった時間、およびOracle Collaboration Suiteデータベースで情報を更新するのに要した時間も含まれます。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと

ユーザーの処理

STOREコマンドへのレスポンス時間が増加した場合は、ネットワークまたはOracle Collaboration Suiteデータベースで問題が発生している可能性があります。コマンドの待機時間の増加が検出された場合、関連していることも多いので他のメール・プロトコル・サーバー(POPおよびSMTP)へのコマンドの待機時間について同様の増加がないかを確認します。

インフラストラクチャ・データベース、Oracleディレクトリ・サーバーおよびOracle Collaboration Suiteデータベース・インスタンスについてEnterprise Managerメトリックを確認します。次のような共通の問題があります。

  1. ネットワーク待機時間。このIMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のレスポンス時間を確認します。

  2. プロセッサやメモリーが不足しているか、Oracle Collaboration Suiteデータベース用のメモリーが不足しています。Oracle Collaboration Suiteデータベースに追加のリソースを適用するか、Oracle Collaboration Suiteデータベースをチューニングします。データベースについてのEnterprise Managerメトリックの詳細は、そのメトリックに関するOracle Enterprise Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。データベース・チューニングの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』またはその他の関連マニュアルを参照してください。

  3. メール・プロトコル・サーバーに対して構成されている接続が多すぎます。すべてのメール・プロトコル・サーバーは、最小値、最大値および増分値を持っています。接続の最小数は、すべてのサーバー・インスタンスの最小の集計です。最大は、すべてのサーバー・インスタンスの最大の集計です。サーバーでは、これらのプールは動的に大きくなったり小さくなったりします。負荷ピーク時に待機時間が急激に増加し、しばらく持続してから通常の値に戻る場合は、処理する接続リクエストの数に対してデータベースのRAMが少なすぎる可能性があります。RAMを増やすか、インスタンスおよび接続プール・パラメータの数をチューニングします。(詳細は、『Oracle Email管理者ガイド』を参照してください。)

  4. 時間をかけて徐々にレスポンス時間が増加しており、大規模なOracle Collaboration Suiteデータベースが1つ以上ある場合は、データセットが大きくなりすぎている可能性があります。Oracle Collaboration Suiteデータベースのパーティション化を検討してください。

46.13.2 STORE失敗率(失敗数/分)(STORE Failure Rate (Failures/minute))

このメトリックは、STOREコマンドの失敗数を分単位で表します。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集され、デフォルトのしきい値と比較される頻度を示しています。「通知前の発生の連続回数」列は、しきい値との比較の結果が連続して何回TRUEとなればアラートが生成されるかを示しています。

表46-8 メトリック・サマリー表

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト

すべてのリリース

10分ごと

毎サンプル後

>

300

500

1

失敗したSTOREの数は<value>です


ユーザーの処理

IMAPサーバーがOracle Collaboration Suiteデータベースに接続できない場合や、Oracle Collaboration Suiteデータベースから結果を取得できない場合に、STOREコマンドは失敗します。

  1. IMAPサーバーとOracle Collaboration Suiteデータベースの間のネットワークが稼働していることを確認します。

  2. Oracle Collaboration Suiteデータベースが実行中であること、Oracle Collaboration Suiteデータベースのリスナーが実行中であること、およびインフラストラクチャOracleディレクトリ・サーバーで接続文字列が正しく登録されていることを確認します。

46.13.3 STORE率(リクエスト数/分)(STORE Rate (Requests/minute))

このメトリックは、このIMAPターゲットに対して起動したSTOREコマンドの数を分単位で測定します。STOREコマンド率は、メール・システムの使用パターンおよびリソース要件を把握するのに役立つ情報メトリックです。

メトリック・サマリー

次の表は、メトリックの値が収集される頻度を示しています。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度
すべてのリリース 10分ごと